植物たちの生存戦略。雨宿りの時に危険な木も!
植物の生存戦略は多種多様です。
中には桜やバナナのように、人に好まれることにより自らの生存を人に任せている者も居ますが、彼らは特別です。
樹木の中には広葉樹と、針葉樹があり、この2つは異なる生存戦略を取っているのはご存知でしょうか?
広葉樹のうち落葉樹は冬に葉を落としますが、それによって自身の身や種族を増やす戦略を取っています。
実に関しては皆さんよくご存じの通り、動物たちに食べてもらうことによって種を遠くに運んでもらう戦術ですが、ドングリのように実自体が種のものはどうなのでしょう?
ドングリの木の下には沢山の実が落ちているにも拘らず、目が出てこないのはどうしてでしょう?
まず広葉樹は枝を横に広げて幹の周りに日陰を作ることで、落ちた実に芽が出しにくい状況を作っています。
子育ての放棄?
いいえ、違います。これは共倒れを防ぐための方法です。
落ちたドングリの実はリスやネズミが持って帰り、硬い殻は保存が容易なため彼らの冬の保存食として様々な所に隠されます。
そうなることにより、ドングリの実は他所で芽を出すことになります。
また落葉樹は葉を地面に堕とすことにより、腐葉土を作り土に栄養を与え、冬の地面の保湿や保温をしするだけでなく水質の改善にも役立ちます。
更にキノコに栄養を与え、キノコから水分とミネラルをもらうという共生も図っています。
針葉樹はどうでしょう?
針葉樹のうち背の高い杉やセコイヤなどは高く成長することで、自身の周囲に他の植物が育つことを防ぎ栄養を独り占めすることで自らの生存性を高めています。
厄介なのは最も背の高いセコイヤで、この木は100mほどの高さまで成長します。
100mもあると雷に打たれそう。と、思われるかも知れませんが、実は雷に打たれる事こそがセコイヤの生存戦略なのです。
彼らは雷に打たれる事で山火事を起こし、周囲のライバルを燃やして蹴散らしてしまいます。
自らは厚く燃えにくい樹皮で覆われていますので、雷にも火事にも生き残る可能性が高いのです。
更にセコイヤは杉科に属しますが、胞子ではなく松ぼっくりに似た種で子孫を増やします。
松ぼっくりは地面に落ちても種は着いたままで発芽はしません。
松もセコイヤの松ぼっくりも、火事によって松ぼっくりの蓋が開き、火による風に乗って羽根の付いた種を遠くに飛ばす仕組みなのです。
これを知った貴方は、急な雷雨の時、どちらの木のもとで雨宿りをしますか?




