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13話

「魔術が使えない!?」


ミラネルが驚いたように大声で言った。

俺は再び道の傍らにある石に座る。


「もしかしたら何者かが俺達を、マナの木に辿りつかせないようにするために邪魔をしているのかもな」


俺がそういうとミラネルは考え込むように両手を組み考え始めた。

そして何かを思い出したのか俺等の方を向くとこう言った。


「実はあたしがこの任務を受ける時に、マナの木へ続く森にはエルフ族以外が近づけないように特殊な結界が張られていて。

普通に森を通る者とマナの木へ行こうとする者を判別することができるらしい。そしてもし不用意にマナの木へ近づく者がいれば、

その者は結界に閉じ込められ一生出ることはできないらしい」


ミラネルの説明に俺とレティーナは開いた口が塞がらなかった。

世界を救うためにこの森へ足を運んだのに、迷うどころか一生出られない結界の中に閉じ込められるなんて。 

俺は顔を手で覆いながらミラネルに言った。


「1つ質問なんだがさっきエルフ以外が近づけないように結界を張ってるって言ってたけど、エルフのお前はどうしてこの結界に閉じ込められているんだ?」


俺の質問にミラネルは言いにくそうに喋った。


「それは……ここに来る前にこの結界を通るために必要だとかで、ペンダントをもらったんだが……」


俺が顔を上げるとミラネルは鎧の下に着ている服の襟の辺りに手を入れると、鎧で隠れていたペンダントを鎧の上に取り出した。


「それが今言ってたペンダント?」


俺がミラネルに聞くと。


「ああ」


と一言だけ答えた。

ペンダントは銀をベースに赤色の宝石がついているシンプルな物だった。

俺の隣にいたレティーナがペンダントを見て目を輝かせながらミラネルに言った。


「すごく綺麗ですね!! あれ?でもこの石、少し傷が入ってるような……」


その言葉を聞いた俺は、すぐにミラネルのペンダントを見た。

たしかに宝石の一部が欠けているし、ヒビのような傷もある。

ミラネルは困った顔をしながら言った。


「恥ずかしい話なんだがここへ来る途中何度か魔物と戦闘をした際に傷をつけてしまったみたいなんだ。

傷が入る前はもっと赤く輝いていたんだが、傷が付いてからは光が弱くなってしまった」


見た感じ普通のペンダントにしか見えないが俺のやっていたゲームでも似たようなものがあった。

物語中盤でゴミのように捨てられていたペンダントで、使い物にならないとか言われ何の意味があるんだって思ってたけど。

最後の方でヒロインの不思議な力で元の力を取り戻して、ラスボスを倒す必須アイテムに変わったんだよなぁ。

前世での思い出に耽っていると、ふと小さな疑問が浮かびミラネルに質問してみることにした。


「でもそれならユグドラシルに言って、ペンダントを取り替えてもらえばよかったんじゃないか?」


俺は思ったことを言ってみた。

するとミラネルは少し怒ったような表情でこういった。


「言えるわけないだろう! 今回の任務はあたしに与えられた最後の任務なんだ。何があっても成し遂げないとあたしはユグドラシルへは帰れない」


そういったミラネルの顔はとても悲しそうだった。

事情があるのだろう俺は少し気になったが、あまり詮索すべきないと思い何も言わなかった。

それよりもこの状況をどうするのか考える方が先決だ。


しかしミラネルの話だと、この結界に閉じ込められたものは一生出られないらしい。

だとしたら打つ手は何もないんじゃないか?

俺が必死で思考をめぐらせているとレティーナがふとこんなことを言った。


「早くここから出てマナの木まで行かないといけないのに困りました。そういえばさっきミラネルさんが追いかけていたスライムは、どこから来たんでしょうか?」


その言葉を聞いて俺は重大なことを見落としているのに気がついた。

俺はすぐにミラネルに聞いてみる。


「ミラネル! さっき追っていたスライムってこの道の外にいたんだよな!?」


「ああ、そうだがそれがどうかしたのか?」


やはりミラネルの話だとこの森に入ってこの道を歩いていた数日間は魔物に見かけなかった。

でもそのあと周りの森に入ってみると魔物がいた。

俺がスキルで野菜を巨大化させた時レティーナはどの植物にも生物にも少量のマナはあると言っていた。

だとしたらもしかして。

俺はレティーナに1つ気になっていたことを聞いてみる。


「レティーナ」


「はい。何でしょう?」


「魔物ってどうやって生まれるんだ?」


「え? 魔物ですか?たしかマナの存在する所で、魔術による浄化を受けていない土地に生まれると聞いたことはあります」


これで確信した。

もしかしたらこの結界から出ることができるかもしれない。


「ミラネル、レティーナ。もしかしたらこの場所から出ることができるかもしれない」


二人は驚いて俺に言った。


「本当ですか!?バルトさん」


レティーナは期待に満ちた表情で俺を見てきたが、ミラネルは少し呆れたような表情でこういった。


「バルトお前さっきのあたしの話聞いてなかったのか? この結界は一度閉じ込められたら一生出れないって」


俺はミラネルの言葉に臆せず毅然とした態度で言った。


「もちろん聞いたさ。でも俺の考えが正しければおそらくこの結界から抜け出せる!」










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