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  作者: いちどめし


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2/7

うつる話 一

 これはたぶん、口から耳に伝染するんですよ。


 ああ、わからないっていう顔ですね。

 いえ、遠まわしな言い方をしてしまったようです。

 もっとわかりやすく言いますとね、これは、話を聞いたらうつるんですよ。

 あくまでも私の予想、ですがね。


 え。


 いや、じらしているわけじゃあないんですよ。

 言い表すのが難しいだけです。


 そうですねぇ、あるお話を聞くとかかる、病気みたいなものなんです、これは。


 いいえ。

 私だって、おかしなことを言っている自覚ぐらいありますよ。

 だからね、これは私の推測なんです。

 だって、私のこの症状、と言うんでしょうか、これは、そのお話を聞いたときから始まったんですから。


 私にそのお話を聞かせてくれた方も、この症状のことを言ってしましたし、信憑性は高いのではないかと思っているんですがね。


 そんな。


 じらしているように聞こえるかも知れませんが、そんなつもりはありません。


 確かに、あれやこればかりで、聞いているぶんには気持ち悪いかも知りませんが、

 私だってなんとか伝わりやすいように――。


 はぁ。


 それは、聞きたいっていうことですか。

 でも、私と同じ症状に苦しむかも知れないんですよ。


 ええ。


 気のせい、ねぇ。


 そう、気のせいなんだって、私もそう思おうとしているんです。

 だけど、気味が悪くって……。


 ははは、わかりましたよ、言います。

 実を言いますとね、気味が悪いなりに、私自身、誰かに喋りたくてうずうずしていたところなんです。

 私は、あなたならこの話を聞いてくれるだろうと、心のどこかでは期待していたのかもしれません。


 じゃあ、言いますね。


 期待しないでくださいよ。


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