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乗務32 『氾濫』幕間②


「じゃあカークお返ししますんで…」

「ぐぇっ」


そう言い、エムリスはカークを玄関に寝かせる…いや、どちらかといえばドサッと落としたが正しいか…。


「あらあらエムリス団長、いつもすみません」


…とカークの奥さんが言うが…


「くっ、騙されるな…俺はコイツと魔王に嵌めら」「あっ、エリクサー使ってあるんで、#コレ__・__#演技です」「………………」


語ろうとしたことは真実ではあるが、『コレ』も本当だぞ…と真実を被せる王都騎士団の団長さま。ニヤリとする笑みが黒いのは多分に気のせいだろう。


「…とエムリス団長が仰っていますが何かある?」「特にありませんっ!ごめんなさいっ!!」「よし」


ぐぬぬ…としていたカーク・キーンに追撃する奥さん。だがその後のカークの謝罪は早かった…いや、速かった…かな。


「…で明日だが…」

「ああ…分かってる。ちゃんとフル装備で行く」


ニヤリ…と口角を上げるカーク。だが玄関で仰向けに寝っ転がっているのだが…。


「いや…」

「…?」


「今日と同じくらいの時間に向かえにくるから」

「信用ゼロッ!?」


エムリスは「コイツ…土壇場でもバックレそうだからな…」とちょっとだけ思ったとか思わなかったとか…。


「じゃあ奥さん、また明日の朝に来ますのでカークのこと、宜しくお願いします」

「はい、任されました」


「勝手に任されないでくれないっ!?」とカークは思ったが、口に出さなかったあたり、口にすると録でもないことになるのは分かっていたようである。



~~~~~~~~~~~~~~~~



食事のため酒場に入り、勇者シズクと遭遇した魔王は…


「えーいっ、離れんかシズクッ」

「い・や・だぁっ」


腰の辺りに腕を回し、ガッチリ抱きついてくる勇者シズクを引っぺがそうとするも離れず。仕方なくそのまま食事を済ませていた。

最終的にはシズクのパーティーメンバーの協力を得て引っぺがしてから自身の泊まる宿へと帰っていた。


「(カークにエムリス、イゴール…そして我とシズクのパーティーもいる…か。他にもS級A級冒険者の顔もいくつか見たな…。これならば…)」


…と、翌日の『#氾濫__スタンピード__#』最終日の戦力を考えつつ、身体を休めるべく眠りに就く。

部屋の入口に対勇者結界(シズク専用)を展開して…。


翌朝、もちろん結界に勇者が引っ掛かっていたのは言うまでもない。



~~~~~~~~~~~~~~~~



「はぁ…はぁ…はぁ………ふぅ」


冒険者ギルドのギルドマスター:イゴールは『#氾濫__スタンピード__#』二日目の終了を見てから、宿へ戻らずスモールシダー支部へと足を運んでいた。


最終日は自分も出番があるだろうと身体を馴らすべく動かしていたようである。見るとギルドの訓練所は多数のD級E級冒険者たちが満身創痍で倒れていた。どうやらイゴールに付き合わされていたようである。

今は支部のギルド職員たちが『#回復薬__ポーション__#』を配ったりぶっかけたりと回って、イゴール本人は自分で飲んでいたが…。


イゴールの『馴らし』も終わり、一段落…といったところでスモールシダー支部の支部長が訓練所に入ってくる。


「鈍ってはいないようですね」

「まあな…」


イゴールが気軽に返事を返す辺り、旧知の仲なのであろう。


「私は参戦しなくて良いのですか?」

「お前が参戦したら支部が大変になっちゃうだろ…」


おそらく実力は申し分ないのだろうが、支部長が出張ると支部の運営に支障をきたすのであろう。

職員の人数は多くても、この『#氾濫__スタンピード__#』時はいつもと勝手が違うのだから、上役は当然居た方が良いに決まっている。

そういうことなのだろうが…


「そうですか………私も暴れたかった…」


ボソリと呟いた言葉をイゴールは聞き逃さなかったが、聞こえなかったことにしたのは言うまでもない。




そして、『#氾濫__スタンピード__#』三日目…最終日の朝を迎える…。



〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓



今回のネタ①:『ごめんなさい』=さっさと謝った方が早い。


今回のネタ②:『対勇者結界(シズク専用)』=多分、引っ掛かると「アババババ…」ってなるやつ。


今回のネタ③:『暴れたかったな…』=支部長、忙しくてストレス溜まってそう…。


タクシー一文字も出なかった。

次回もよろしくお願いします。


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