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乗務17 運転手:安藤 正紀→マサノリ・アンドウ②


僕の名前は『安藤 正紀』。

異世界の魔導具に危うく、マサキ・アン…げふんげふん…よく迷子になって異世界や平行世界に行ってしまう人の名前にされるところだった日本人だ。

あれ?意外に間違ってないな…まあいいか。


しかし異世界の魔導具に読み間違えさせるなんて、僕の名前ぇ…。

まあ結果としては…出てきたカードを魔導具にもう一度セットし直すと箱の上、空中にPCのキーボードとモニターのような映像が現れ、受付の美人エルフさんが操作したことで、僕のギルドカードは無事『マサノリ・アンドウ』で登録された。


…というかその空中に出力される技術が凄いな…現代科学でもあった気はするけれど、それより完成されている。

魔法…しゅごい。


ギルドカードを差し込んだこの状態だと、魔力を取り込み登録されているため、その魔力から色々な情報を読み取るらしい。

先天性の高い魔法属性や#固有__ユニーク__#スキル、現在のレベルと現在の#能力値__ステータス__#、それから職業。


職業はレベルと#能力値__ステータス__#によって変更可能な候補が増えたり、#固有__ユニーク__#スキル以外の後天的に取得した#技能__スキル__#が表示されたり…。


『魔力』=DNAより優秀じゃないか…。

魔法…しゅごい。


この読み取った情報を魔導具の箱はアウトプット、紙に記載して出力。

登録者はその紙を見て自身の職業を選択する事になる。


ギルドカードは身分証明書でもあるので、もちろん冒険者以外の人もいる。例えば商人などは職業候補に商人が無くても、商人で登録出来るワケだ。

まあ商人なら冒険者ギルドではなく商業ギルドに行くだろうが…。


実際のところは各ギルドで職業候補の確認→仮のギルドカードを発行→希望のギルドで本登録、といった流れになるらしい。


また職業の選択については、各ギルドには小神殿があり、そこで職業に就いたり、変更したりが可能だったりする。

職業の変更というのは上位職だったり、引退した時などに利用するらしい。

ちなみにギルドでなくても、神殿や教会でも転職などは可能とのこと。


さて…問題の僕の職業だけれど…


美人エルフさんから紙を渡される。エルフさんは魔導具の箱から出力されているモニターに映っているのを見ているのだろう。

おい個人情報…。


あとで知ったが、出力されている映像は受付側にしか見えていない(確かにそうだった)し、ギルド側も秘匿情報として他人には話せないように魔術的な契約がされているらしい。

なにそれ、魔法…しゅごい。


おっと話が逸れた…僕の職業の話だったな。僕は渡された紙を見る。


〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓〓


名前:マサノリ・アンドウ(18)

職業:ーーーーー

称号:高校生(残十一カ月) 異世界に迷いこんだ日本人


LV:1

筋力:G- 耐久:G-

敏捷:G- 魔力:G-

幸運:F+


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………………何処のサーヴァントだ…。


表示は何処かの使い魔みたいな表記だった。

コレが異世界召喚された人間に付与される『鑑定』スキルだと、また違う表示になるらしい。

ちなみに僕は『落ちた』ので『鑑定』を持っていない…。

持っていたら自分で見れたのにな…。…いや、『落ちた』時、途方に暮れて呆けてたわ…。


…というか称号ぅ…。

『高校生』って…。いや、確かに三年生になったばかりだから残十一カ月もあっているけれど…。

あと『迷いこんだ日本人』って…。


#能力値__ステータス__#も軒並み低く纏まっているな…うん。

…いや、『うん。』じゃねえから、凄く残念な感じだよ…。


はぁ…次いこう、次。


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一般スキル:礼儀作法レベル3 算術レベル3 料理レベル1


生産スキル:ーーーーー


戦闘スキル:ーーーーー


魔法スキル:ーーーーー


特殊スキル:言語理解


#固有__ユニーク__#スキル:ーーーーー


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おおぅ…見事に特殊なモノが何もないな…。強いて言っても『言語理解』だけ…。

これが召喚勇者とかだと、とんでもなく強力なスキルを持っているらしい。

エルフさんは見たことがないとのことらしいが、一体どんなスキルなんだ…。


スキルレベルは最大が5のモノもあれば10のモノもあり、この辺りはスキルによるとのこと。稀に限界突破したEX…なんてモノもあるらしい。

さらにスキルが進化したり、統合したり、と取得方法は多岐に渡るのだとか。


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選択可能職業:農家 商人 料理人 教師 運転手


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「あっ、『運転手』がありますね」


エルフさんが言う。

確かに僕のステータスじゃあ戦闘職とか出ないよなぁ。

しかし職業か…。


既に異世界に落ちちゃっているからな…この際のんびり農家になるのも悪くない。

現代日本の知識(大した知識は無いが…)を活かして商人や教師になるのも良いかも知れない。

料理人も…料理スキルのレベルは1だけれど、手に職感があって良いかも?


しかし…。

『運転手』か…。


既に『運転手』のおっちゃんに会っているし、タクシーに乗ってしまっているからな…。

この選択肢の中で違和感があっても『おかしい』とは思わない。


「おすすめはやっぱり『運転手』ですね。他の職業に比べたら大分特殊ですし、異世界の血を持つ人でないと出てきませんから。…あと特殊な分、お給料が良いです」


基本的に『運転手』の職業になった者は冒険者ギルドの旅客課に所属することになり、各都市や街など営業所があるところに配属される。

…と言っても希望がなければだいたいが登録した冒険者ギルドが在るところ、もしくはその最寄りの営業所になるらしいが…。


「運転手さんなら同じ冒険者ギルドですから一緒に働けますね」


『パチン』と両の手のひらを合わせ、ニコリと微笑みながらそう言う天使(エルフさん)に、僕があっさりと『運転手』に決めたのは言うまでもない。


僕の名前は『マサノリ・アンドウ』。

研修期間を得て正式な『運転手』になり、営業所に配属された時、「エルフさん、ギルドの支部所属じゃん…営業所じゃないじゃん…」と気付いたのが大分遅かった男だ。



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今回のネタ①:近未来的なモニター=魔法あるし魔導具だし…。


今回のネタ②:ステータス表示=宝具はありません。


今回のネタ③:「一緒に働けますね」=優しいハニトラ的な。


前回、今回とまるで異世界モノのプロローグのよう…。

次回もよろしくお願いします。


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