はじまり
初投稿です。
拙い文ですがよろしくお願いします。
そこにソレは居た。
周りには何もない唯々白いその場所は・・・はてなんだろ?
そこには何もないが、ソレには願ったことが現実になる力があった。
故に何でも叶った。
そこは何にも見えないが、如何なる時間も空間も時空をも超え、何処までも見渡す力をソレは持っていた。
故に何でも見えた。
しかし一人きりだった。
故にソレは短く端的に、至極当たり前の事をポツリと呟いた。
「詰まらない」
何でも叶う力も、全てを見通す力も、たった一人ではなんの面白味もない。故にソレは様々な世界を渡り歩き、お邪魔し、暇つぶしをする為に歩き出したのだった。
※ ※ ※
そこにソレは居た。
周りに何があるかも分からない唯々暗いばかりの何処か・・・。
そこには何もなく、ソレもまた何も持っていなかった。
故に何も叶わなかった。
指先すら見えぬその場所で何が見えるはずもない。
故に何も見えなかった。
ソレは何も無い場所に独りだった。
何もなく、何も見えないその場所にはソレ以外何もない。当たり前の様に孤独だったソレはポツリと呟いた。
「詰まらない」
何も持たず、何も見えないたった独りは黙し、膝を抱え、身を縮め、そこに居続けた。
※ ※ ※
正反対のソレ等は別々の場所で其々同じことを呟た。
そして、
歩き続けたソレは辿り着いた。
「何だ此処は」
黙し続けたソレは声を上げた。
「なんだお前は」
出会える筈の無いソレ等が出会い、世界は生まれた。