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枕の下に 希望の上に(8)

春郷の中

街角の街灯が点滅している

忘れ物をしたから

取りに行っての帰り道

気づかなければ良かったが

仕方ないと風が吹く




襟元握り締めて

ゆっくりと歩くが

風邪が強く

目も開けていられない

吹き飛ばされやしないが

足取りは重く

傍らの電柱に

隠れたりもした




彼処まで

行かねばならない

誰かが言っていた声を

耳元で思い出した

遠くでカランゴロン

目の前を新聞紙が

走って行く

より一層

風が強く吹く




なんの遮りも無い場所へ

辿り着いた

前屈みになって

地面に張り付き

張り付き 張り付き

四足歩行で歩く

さながら蜥蜴という

不格好だが

楽な形なのだ

歩けるなら

それで良いのだ




漸く辿り着いた扉の前

薄汚れた服をはたきながら

息を吐いたのだが

冷静に見ると

酷い有り様だった

仕方なく思い

扉に手を掛けるが

鍵が閉まっていて

開かなかった

呼鈴を鳴らせど

変わらない

声をかけても

変わらない



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