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封印されたもの  作者: 天草
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紙と便利道具





地面を薄く覆っていた雪がとけ、ほの温かい風が空を舞う。


上空には綿菓子のような雲が点在し、それをどこまでも広がる青が引き立たせる。


少し下を見れば、やわらかい緑が等間隔に並ぶ白と共にさわさわと揺られている。


あたり一面に広がるそれらに、境界線はない。




暖かな日差しの中で、私は日本では見ることのできないその光景に感嘆の息を漏らす。




私は、この草原がどこまで広がっているのか知りたくなった。


どんな生き物がいるのか、調べたくなった。





手始めに、足元に咲いている花を観察してみる。


白くて小ぶりなその花は、よく庭先に咲いていた雑草とよく似た形をしていた。


しかし、植物に疎い私はその花がなんという名前なのかはわからない。



現代の便利道具で探そうかと、肩から斜めに提げた大きなかばんを漁る。


ごちゃごちゃとした物の中から、手探りで目当てのものを探す。




片手サイズの図鑑がでてきた。


御丁寧に植物図鑑と明記されている。



私が探していたものはスマートフォンと言う名の便利道具なのだが、どうやら家に忘れてきたらしい。



久しぶりに触る髪ををぱらぱらとめくってみる。




なかなか見つからない。


前書きと後書きをいったりきたりしてみるがそれらしきものがない。



やはり紙はだめだな。




改めてスマートフォンの便利さを痛感しつつ、私は別の生き物を探すことにした。





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