4枚目 アブスラさんとギルド
試験と言う死神の鎌が、一週間後の学校で待っています⋯うふふ⋯。
インフルカモン⋯。
小鳥のさえずりと共に、窓から朝日が差し込む。
ゆっくりと目を開ける。宿の廊下に繋がる扉と、部屋の真ん中に置いてある背の低いテーブルと椅子のセットが目に入る。
ゆっくりとベットから降りる。ギシッ、と音が鳴り、やっと重いものがどいたと言わんばかりにベットが鎮座している。
大きな欠伸をしてから伸びをする。
洗面所に繋がる扉に手を掛け、ゆっくりとドアノブを回す。
カチャン、と音がして扉がスッと開いた。
顔を洗おうとして、水栓を探すが無い。水道の蛇口はあるのに、その栓を開ける物が無い。
しかし、そのすぐ横に、手書きの看板と青白い光を放っている石を見つけた。
看板には、
『この石に手を触れると、水が出てきます!手を離してから数秒すると水が止まります!』
と書いてあった。
無駄に高い技術力だなと思いつつ、石に手を触れる。
一瞬、青色が濃くなったかと思うと、勢いよく水が出てきた。
しばらくすると、更に勢いは強くなった。めちゃめちゃな量が出ている。ついには、枠で囲まれた部分から、水が溢れ出てしまった。
「うおっ!」
慌てて手を離すが、勢いは弱まらない。
返って強くなっているようにも感じられる。
一向に止まる気配の無い水道モドキに焦りを憶え、大声で叫んだ。
「おーーーい!!!誰か!これの止め方知らないか?!助けてくれー!」
そう叫ぶと、ドタドタドタッ!!っと廊下を走ってくる音が聞こえた。
その足音は俺の部屋の前で止まり、勢いよくドアを開けた。
そこに居たのはカウンターのところにいた人だった。
「どうしました?!」
「カウンターにいた人!」
「シェルシャです!」
「こ、これが止まらないんだ!看板に書いてある通りに手を触れて、離しただけなんだ!」
「⋯ッ!と、取り敢えず水魔石を取り外しましょう!どいて下さい!」
そう言ってシェルシャは俺を押し飛ばして、青白く発光する石をいじり始めた。
すると、足音がもう二つ近ずいてきた。
「何?!敵襲ですか?!」
「なにがありゃした?!」
部屋に入ってきたのはミランダさんとカールドだった。
2人に経緯を説明し、シェルシェさんの方を向いた時だった。
今まで溢れ出ていた水がピタリと止まっていたのだ。
あまりにも突然に起きたことだったので、先程まで直そうと奮闘していたシェルシャさんも呆気に囚われていた。
しかも、溢れ出ていたり、桶の中に溜まっていた水が1箇所に集まり始めたのだ。
あまりにも意味が不明の出来事に直面し、この場にいる誰もは息をするのも忘れて、その光景に意識を奪われていた。
そこに居たのは薄い水色を濁したような色で、半透明の、まごう事無きスライムだった。
「キュー。キュイッキュー。」
「「「「ほえ?」」」」
この場にいる4人の思考が追いつかず、間抜けな声が4つハモる。
突如、スライムの体から触手のような何かが出てきた。
それも、1本だけでは無い。10本程の触手を全身から生やし、近くにいたシェルシャさんを絡め取った。
「ふうぇっ?!ちょっ!スライムさん?!何で?!え?待って、ヤダ⋯ヤダヤダヤダヤダやだ!!!」
「キューィ」
「あっ!⋯やっ、やめ⋯あんっ!ひっ!え、そ、そこはだいひゃぁんっ!ほ、ほんとに待ってぇええぇえっ!あっ!ひうっ!⋯⋯ッッッッツ!!!」
見事な触手プレイで盛大に体を痙攣させたあと、蕩けた表情を見せるシェルシャさんに、カールドは前傾姿勢になり、状態異常:行動不能 になった。ミランダさんは顔を真っ赤にして、状態異常:混乱 にかかっていた。
今の時間を使って冷静になり、スキル【観察者】を使い、スライムの能力を観察する。
《種族 魔物 個体名 吸収するスライム
Lv.29 スキル 【吸収】【溶解】【強酸】【触手発生】【憤怒】【痛覚無効】 派生スキル[魔力変換][魔力上限解放] 属性 水・土》
ふむ、レベルとスキル⋯更に属性の数ならウィンドウルフをも上回っているな⋯。
俺はポケットに入っていたトランプの山を左手に持ち、、その中からさらにカードを1枚取り出し、手裏剣のようにしてシェルシャさんを捕らえている、触手の1本に投げつけた。
投げられたトランプは、かなりの速度でクルクルと回って目標に飛んで行き、あっさりと、吸収するスライム(以後、アブスラさんと略)の触手を断ち切って、向こう側の壁に突き刺さった。
実は、密かにトランプ手裏剣を練習していたのだ。
そして、この世界に来る数日前には既に、一撃でキュウリを切り落とせるようになったのだ!
触手を斬られた事に憤りを覚えたのか、全身が、濁った水色から、鮮やかなクリアレッドに変わった。
そのついでにシェルシャさんも吐き出されて、こちらに転がってきた。
時折、陸に打ち上げられた魚みたいにピクピクしてるのは気のせいだろうか?いや、気のせいだな。うん。
そして、ようやっと状態異常から立ち直った二人が、豹変したアブスラさんを見て表情が真剣になる。
「ギュィィイイイイイイイイイ!」
「お嬢⋯こりゃあ吸収するスライムですぜ⋯恐らく今は⋯【憤怒】の状態でやさぁ。」
「⋯⋯めんどくさいのが来ましたね⋯それよりなぜ魔物が王都の宿屋の一部屋に?」
「わかりゃぁせんが⋯んな事より、奴ぁウィンドウルフよりも確実に強いですぜ⋯。モンスターを喰ってる奴はそいつのスキルが使えやすからねぇ⋯。」
自分たち二人ですら敵わなかった相手よりも、明らかな格上だと知って顔に絶望の色が広がる。
「⋯ッ!せめて⋯せめて被害を最小限にしなければ!!!」
「お嬢!辞めるんだ!こいつは俺っちの剣技でも触手一本、傷一つつけらんな⋯⋯おい、何で触手が1本切り落とされてんだ?」
「え?いや、トランプ投げて切り落としただけだけど?」
「と、とらんぷ?ってのが何だか知らねぇが⋯。切り落とせるのか?奴の触手を⋯」
「ああ、結構楽だったぞ。」
「ギギュギュィィィイ!」
でも、結構サクッと切れたのに今の話を聞いている限り、どうやらウィンドウルフよりも強いらしい。
あれ?もしかしたらウィンドウルフにトランプ使ってたら倒せてたんじゃね?
その時、2本の触手が俺とカールド目掛けて降ってきた。
慌ててそれを回避する。
「クソっ!話は後だ!お前、触手を全部切り落とせるか?!出来るんだよな?!」
「いや、確かにできるけど⋯まあやってみるよ。」
「よしっ!お嬢!今出来る最大の剣技スキルを溜めて置いてくれ!」
「わ、わかりました!」
狭い部屋の中を走り回りながら、【一点集中】を発動し、トランプを1枚投げる。
先程と同じように回転しながら飛んでいき、さらに一本触手を━━━━━━━━━━━━
ジュワァァァァア
「ッチ!」
落とせなかった。
アブスラさんの触手に当たった瞬間に、溶けて無くなってしまった。
恐らく、【強酸】辺りだろう。
ならばと思い、2枚重ねて投げつける。
すると、1枚は溶けてしまったが、2枚目で触手を切り落とす事ができた。
地面に落ちた触手が、死にたくないとばかりにのたうち回る。
スキルに【痛覚無効】が入ってたはずなんだけど⋯。
「ギュイイイイイィィィィィイ!」
「シュッ!」
続けて、2本、3本と切り落としていく。スライムにも考える場所もあるのか、焦っているように見えた。
順調に切り落としていき、最後の1本を切り落とした瞬間だった。
2つの剣閃が光り、スライムの体が1/4になって、宙に舞った。
「ギュゥイィ⋯」
と、恨めしそうな声を残して、元の水になってしまった。
その瞬間、レベルアップを告げる無機質な声が脳内に響いた。
《Lv.が上がりました。格上ボーナスが適用されます。冒険者ギルドに入っていません。Lvが1→12になりました。スキルを獲得しました。【吸収】【憤怒】派生スキル[魔力変換]⋯反映しました。》
レベルアップと同時に、新しいスキルを3つ憶えたらしい。
某有名竜魔王討伐物語のように、レベルアップの音楽が鳴らなくて少し寂しく感じてしまった事は内緒だ。
ったく⋯。今日は憧れの冒険者ギルドに行くっていうのに⋯。朝から災難だぜ全く。多分原因は俺なんだろうけど。
あれ?そう言えばあの2人って剣持ってたっけ?ウィンドウルフ戦で砕けてなかったっけ?と、脳内から消えかけていたあの戦いの記憶を、引きずり出してくる。
「ふぅ⋯借り物の剣で切れて良かったですね⋯お嬢。」
「ええ⋯本当に⋯。成人式の時に貰った剣よりも、余程の業物でしたね⋯」
まさか、心を読んだのか?!とでも言いたくなるようなバッチリなタイミングで、借り物だと判明した。
どこから借りてきたの?とか、傷一つ付かないとか言ってたのに、1/4になって死んでんじゃん!とか、成人式って事はミランダさん20歳?!とか、そんな感じの疑問が残ったが、この後に冒険者ギルドに行って俺の冒険者申請を行う予定だったので、一息ついてから出発する事になった。
そのついでにこのアブスラさんの件も報告しに行くとの事で、カールドも着いてくるらしい。
シェルシャさんは気を失ってしまったので、女将さんに任せて宿屋「白猫の魅惑」亭を出た。
◆
ギルドまでの道中に、色々なことをミランダさんから聞いた。
この王都には、王族・貴族が集まっており、世界で2番目に商業が盛んな国なのだそうだ。
国の名はクロノア王国。
現国王は、御歳82歳になる、バークルー・S・クロノアさんだそうだ。このおじいちゃん、未だに自らが戦場に向かったり、お忍びでギャンブルをして、国の資産の半分を取られかけたり、一夫多妻制をいいことに何人も女の人を侍らかしているそうで、色々と話題になっているようだ。
通称「老害の堕王」と言うあだ名がつけられている程なので、余程なのだろう。
続いて国の位置。
この国、クロノア王国は、一番大きな海を中心にした際の、南東の方向にあるそうで、この世界を支える世界樹というものが生えているらしい。
この世界樹とやらからは『恩恵』と言う魔法が発動しているらしく、文献によると、
『世界樹の元に人集まりし時、葉は生い茂り、豊かな恵みをもたらすだろう。世界樹の元から人離れし時、葉は枯れ、この世界から全てを吸い尽くし、崩壊するだろう。世界樹の元で勇者生まれし時、樹には花が咲き乱れ、真紅の魔法の果実が送られるだろう。人を絶やす事なかれ。さすれば永遠の繁栄を彼之国にもたらすことだろう。』
要約すると、
人がいれば恩恵あげるよ。
人いなきゃ世界滅ぼすよ。
勇者産まれたら贈り物するよ。
人いなくならないようにね。
そうすりゃぁ永遠に繁栄させて上げるよ。
って事らしい。
随分上から目線かつ、いつどこで見つかったか、誰が書いたかすら分かって無いらしい。
ちなみに、この世界樹に特攻を仕掛けた魔族がいるらしく、世界樹の張った【絶魔結界】と言う魔法に動きを封じられ、呆気なく滅ぼされかけたのだそうだ。
名前はサディクス族。
真紅の髪に、体長が平均で2m。更に、サディクス族全員が魔力総量1万越えしているのだと言う。
魔力総量って何ぞや?と聞いてみると、魔法が使えない人や、魔物や魔獣、ぶっちゃけるとこの世界にいるほぼ全ての者や物さえも魔力が宿っているらしい。
それの上限が魔力総量。
基本的に、魔女や魔法使い、その上位版の賢者や死霊魔術師などの職業が魔力総量が多いのだそうだ。
逆に、戦士や拳闘士などは魔力総量が少なく、肉弾戦や、壁役などが主な役割になってるらしい。
ミランダさんの職業は魔法剣士と言うらしく、魔力総量もそこそこ、筋力もそこそこという中途半端な職業らしいのだが、転生(転職?)すると魔導剣士となり、ゲームで言う膂力も魔力も爆発的に増えるのだそうだ。カールドの職業は剣闘士。
主な武器は剣だが、隙を突くために拳を使ったりするらしい。
魔法や、身体強化有りの戦いでは剣士よりも劣るものの、強化なしの肉弾戦オンリーならば圧倒的に有利という、まさに闘士!!という職業らしい。
あの頑強さの秘密は、実はここにあったり、カールドの過去にあったりするのだが、それはまた別のお話。
まあそんなことを話していたらあっという間に着いたわけだが、カールドさんが心無しかやつれてるように見えるが気のせいだろう。職業の話以外、ミランダさんと共に無視していたせいではないと思う。違う⋯⋯よね?
◆
ギルドの扉を開ける。
ギィィイイと音が鳴り、中に居た冒険者達が一斉にコチラを見る。
しかし、大半は興味を失い、ギルド内に元の喧騒が戻った。
「あ"ぁん?!」
「んだこらぁ!」
「グッフュッフュッフュッフュッ⋯」
一人だけ奇声を上げているが⋯3人がこちらに向かってきた。
具体的に言うと、顔面犯罪者・その弟分・即補導の変態顔。
裏路地で会ったら、まず間違いなく盗賊か野盗(あるいはレ〇プ魔)だと思う。
もしかしてこれが新人いびりとか恐喝って奴ですか?
僕ちゃんLv.12のカスなんで見逃してください!
と、思っていたら
「よぉーう!カールドじゃねぇか!」
「おう、ヨーゼフか久し振りだな。」
「ミラちゃんは今日も可愛いねぇ」
「あら、お世辞なんて言っても何も出て来ませんよ?ザルフさん?」
「グッフュッフュッフュッフュッ」
意外と友好的だった。
てか、即補導の変態顔!何か言えや!いや言ってるからセーフ?んん?いや、グフュグフュしか言ってないからアウトだわ。うん。しかしヨーゼフさんにザルフさんに⋯あ、こいつ名前無いんだった。
てか、絶対こいつらモブやろ。
どう考えてもモブだろ。
まず3人組って辺りでモブ要素+1でしょ?
顔面犯罪者がいる時点でモブ要素+5でしょ?
更にその輪の中に変態がいるとかモブ要素+無量大数でしょ⋯。
「お?そっちのガキは何だ?」
「まさか!ミラちゃんに!?好きなの?!恋びぶっげっこほォ!!!!!!!」
「あら〜♪私に好きな人なんていないですよ?変な事言うから全力で殴っちゃいました♥」
最後の方は聞き取れなかったが、取り敢えず⋯本気のミランダさんのパンチはやばい。顔面にめり込んでた。アレハシンダワ。
てかミランダさん目が笑ってないし、追撃でトドメ刺そうとしないで?!
下手すれば【腕力上昇】と【一点集中】を使った俺のパンチよりも強いかもしれない⋯。
殴られた本人はと言うと、見事な4回転アクセルを決め、決勝進出という快挙を成し遂げた。
簡単に言うと、ぶん殴られて物凄い回転をしながらぶっ飛び、彼の初キッス(かどうかは知らない)が地面になっただけの事だ。
未来永劫、ミランダさんは怒らすまい⋯え?フラグ?知るかそんなもん。
そんな事があったにも関わらず、皆平然とした顔で「ああ、いつもの事か。」とか、「ありゃァ⋯4回転アクセルだな!おれの勝ちち!ホイ銀貨2枚〜♪」とか、「ミランダたん萌えぇぇぇぇえ!」とか、「ミランダ様⋯嗚呼、尊い⋯⋯。」とか言っている。
2つほどおかしい?どこが?無問題過ぎるよね。てか殴られた彼を全く気にしないこの空気が一番おかしいよね。
ん?そこもそうだけど?いや、ギルドの人の話を聞きたいしどうでもいいわ。
きっとファンタジー世界のギルドだから美女の受付さん⋯⋯が⋯⋯
受付に視線を戻した時、今まで考えていたものがすべて吹き飛んだ。
この世のものとは思えないものの美しさ。大きさ。光沢のある肌。そして何よりも男が求めるその質。
そう、爆乳えっちぃお姉さん⋯⋯⋯ではなく、筋骨隆々というか⋯現WBCヘビー級王者のデオンテイ・ワイルダーと言うか⋯。
はち切れんばかりの筋肉に、スキンヘッド。
どこで焼いたのか元からそうなのか、肌は浅黒いし、アルカイックスマイルだし⋯。
言ってしまえばドラ〇ンボー〇に出てくる、汚い花火にされたナッ〇さんを日焼けさせた人⋯ってのがしっくりくる。
あ、ワン〇ンマ〇に出てくる超合金クロビ〇リ的な感じでもある。要するに人間兵器って事だ。
あっ、目が合った。殺される?!
「おー!お前さんあんまり見かけねぇな!新入りか!よく来たな!ギルドには入ってるか?!この依頼なんてどうだ?!あ、こっちの方が報酬がいいぞ!」
「あ、すいません。依頼とかそういう訳じゃなくて⋯」
「お?ならなんだ?新しく入るのか?それともギルドカードの再発行か?お?ラメーン食いに行くか?お?」
いや「お?」って⋯何でその人知ってんの⋯。
てかラメーンて⋯ラーメンじゃなくて?
本当に、テレパシーで心が読めないNさんは出さないで!
「いや、冒険者ギルドの申請です。」
「おー!そうかそうか!よしっ。ったらばちょいと待ってくれよ!確か道具がここら辺に⋯お、あったあった。」
何やらカウンターの下でゴソゴソやっていたが、見つけたのか白色のカードを渡してきた。
丁度スマホくらいの大きさだな⋯。
「え、と、これです⋯か?」
「おう!それはな!g」
「それはギルドカードと言いましてね!裏側にある魔法陣に血を一滴たらすと、自分の名前やLv.、属性やパーティー名、更にはランクとかまで分かっちゃう優れた代物なんですよ!」
微妙に⋯と言うかがっつり浅黒筋肉おじさんに被せてきたのはミランダさん。
浅黒筋肉おじさんが少し萎れてる。
そんなのは知らん!とばかりに、ミランダさんが説明を進めていく。
「主にギルドでは、個人や商隊やらの依頼や、国から張り出された依頼をクリアすることによって報酬や経験値を貰えるのよ。依頼にはランクがあって、早い者勝ちよ。」
「ごめんなさいランクって何ですか?」
「ああ、そこからなのね⋯。ええと、ギルドには7つの階級があってですね、高い方からS、A、B、C、D、E、Fって言うふうになってるんです。Fは大抵、Lv.1~10まで。Eは11~20、Dは21~30で、ここら辺から戦闘系の依頼が受けられるようになったんですよ。」
「ふむ、じゃあC、B、A、Sは?」
「Cは31~50、Bは51~70で、Aは71~90まで。ここら辺になると、国から直接依頼が来るようになるそうです。」
「国からの直接的な依頼?」
「そしてSは91~無制限ですよ。昇級するかどうかは自分次第なののですけど。」
「無制限って⋯制限無いのか?」
「ええ、そうらしいです。確か今の最高レベルが124のはずですから。」
Lv.124?!ある意味チートじゃん!どこのどいつだよ!
「それが今の冒険者ギルド会長のレベルだったはずです。」
「冒険者ギルド会長強すぎるだろ!!!」
「ちなみに会長もあなたとほぼ同じ、黒目赤黒髪で、自分のことを日本人だ!と言っているそうですよ?日本人なんて種族や宗教はないのですが⋯」
「⋯⋯日本人⋯??」
「どうかしました?何か質問でも?」
「あ、いやぁ⋯あはは。何でも無いです⋯」
「そうですか⋯じゃあとりあえず冒険者になりましょう!」
ミランダさんが、どこからともなく取り出した針、某有名ネコ型ロボットアニメなら特有の効果音がなっている頃だろう。
それを右手の人差し指に刺す。
チクリッと鋭い痛みが走り、傷から血が滲む。
それを、真っ白なカードの裏面にある魔法陣に付ける。
瞬間、表の面から水色の淡い光が漏れ出す。
ひっくり返すと水色の光が一層強くなり、目も開けていられないほどに光る。
ほんの数秒だっただろうか。まだ目がチカチカする。
カードは、まだほんのりと光っていた。見るとこう書いてあった。
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名前︰カンザキ・ショウタ
性別︰男
種族︰人間族
職業︰”手品師”
Lv. 12
属性︰火・水・風・土・雷・光・闇・無
ギルドランク︰F
パーティー︰無し
ステータス
筋力︰C
知能︰B
物防︰A
魔防︰A
器用︰S
俊敏︰B
運 ︰A
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この話で王都を湧かせたことに、本人は気付いていない。
今回も説明回でした!
タグにもある通り、エロ・微エロ要注意です。
今回はスライムプレイでした!
次は何にしよう⋯