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草原を走る馬車に御者がいなかった場合、馬が賢い可能性があるということを忘れないでください

感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第86-1話を投稿させていただきますー!

今回もちょっと長くなってしまったので本話の後半はお昼頃に投稿いたしますー。

これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)


前回のあらすじ。

勇者一行と同伴を約束

領主一家は筋肉でできている

予想を事実かのように語る詐欺師


以下駄文

暑さに気を付けてくださいと前回言いましたが、なんとワタクシ風邪をひきました。

夏風邪はバカがひくらしいので、ワタクシと同じようにちょっと頭脳方面に自信がない方々はお気をつけください。

暑いのに寒気がするとかちょっとキツいでふ・・・。


ガタゴトガタゴト馬車は進む。のどかな景色が一望できるし気持ちのいい風が通り過ぎていく。メタリカーナの街、その南門から外へと出たのは日本で言えばカステラ1番電話は2番な時間くらい。いまは大体あっちでは逢魔ヶ刻(おうまがどき)とか厨二心がくすぐられる夕方的な時間帯になろうとしてる。

俗にいうところの妖怪をウォッチしちゃったりばったり道端で出会い系な展開になるという境界的なアレソレが曖昧になる時間帯らしい。まぁ、こっちの世界じゃまだまだまだ全然明るいから関係ないんだけれども。


「今日は朝から忙しかったなー。当分ゆったりしたいわー。」


「んー・・・。」


ニコもお疲れのご様子で先ほどからこっくりこっくり船をこいでウトウトしてる。俺のお膝は空いてますよ?寝てていいのになぜ頑張るのか意味フだよ。さり気なく我がお膝に誘導しようかどうしようか悩むことさえ楽しいと感じる今日この頃。キャッキャウフフ空間を自家発電。俺自身魔力がほとんど空っぽに近いからダル重い思いを(しき)りであるが、脳内活動だけは通常運転なのだー。


「ソウ、えっと、こう?なの?」


テトにゃんはというと、俺が急造した弓を引く練習をしてみている。DM(ダンジョンマスター)の権能、変換(しょうかん)機能で作ったなんの変哲も面白味もない普通の弓だ。この機能だと俺が匠じゃない限り一般普及品しか作れないし。

先日テトにゃんが弓に興味を持ってたっぽいので作ってみたら早速練習を開始した。真面目だにゃん。元気だにゃん。詳しくはハリンさんと森でルンタッターしたお話しを参照してください。なんて言うほどの何かは何もないんだけど、狩りに興味があるとか別にこの世界じゃ普通だしね。


「んー、もう少し背中側の筋肉で引くようにした方がいいかも?」


「そうですね。このままでは手癖がついてしまいそうです。」


「背中?なの?」


弓を引いてるのは腕なのに背中と言われて困惑気味なテトにゃん。一生懸命背中を見ようとしてるけど弓を引いたままは危ないのでやめていただけると助かります。ちょまっ!矢じりがこっちを向いてるようだよ?!

さりげなく斜線から脱しながら広くたくましい俺の背中を見せ付ける。ふん!ふん!ムキムキ!背中で(オーガ)を語る日も近いかコレ?


「こう、肩甲骨と肩甲骨をくっつける感じ。」


「けんこーこつ?なの?」


肩甲骨が伝わらなかった。地味に難しい。俺の逞しい広背筋に眼がいっちゃったかな?もしかしたら猛々しい僧帽筋かもしれない。


「マスターの広背筋は微々たるモノですので関係ないでしょう。僧帽筋も同様です。ナヨいです。それはさておくとして報告、10時の方向に野鳥がいます。」


「えっ?地味に凹むこと言わないでよ・・・何よりカナデさん俺の背中の筋肉見えてないでしょ?」


筋肉を全否定されて悲しみつつも言われた方向へと意識を伸ばす。


「あ、ホントだ。ちょっと遠いけど殺ってみる?」


「はいなの!」


ガタゴトガタゴト馬車は進む。御者はいないし荷台に壁も見当たらない。だってさっき改造したし。前はとりま形だけって感じで造ったから屋根はないうえに出入りも不便で大変だった。それをワイハー(ハワイ)のトロリーバスっぽく仕上げてみたのがいまの荷馬車だ。

簡単に言っちゃえば荷車の四隅から支柱が立って屋根を支える単純な造りで、片側左側面にだけベンチをつけてみたって見た目。一応出入りは右側中央からと御者席からできる仕様にしてるけど、これ荷馬車なの?客車じゃないの?的な物へと生まれ変わったりしている。荷馬車と客車の線引きは曖昧なままだが変換機能マジ便利。

ちなテトにゃんの弓の材料は荷馬車改造時に余った木材と馬らを預けてたとこに落ちてた廃材を利用して作ってみた。弦は馬の毛。矢も廃材。実にリーズナブルである。矢羽は道中捕まえた野鳥の物を使用しているのでこちらもプライスレス。矢じりはなんかの骨を使用中。野営跡に落ちてた物なので詳細は不明。『鑑定』スキル持ちじゃないとぱっと見で判断は難しいと思うの。贅沢しなければこれだけで生計立てれそうだな。


「えいっ!なの。」


ヒュンッと飛んでいく矢は野鳥から少しずれた所に突き刺さってしまった。だがしかし、野鳥は逃げない目もくれない。あいつも舐めプ野郎か?テトにゃんを舐めるだなんてうらやまけしからん野郎だな。燃やしてやろうか?


「も、もう一度!なの!」


むぅ。テトにゃんが殺りたいというなら大人しく引き下がろう。なめられた仕返しに存分にぶっ刺すがいい!


「えいっ!なの!」


ヒュンッ トス


「あぁーー!逃げちゃうのー!」


バサバサバサバサバサ


先ほどよりも近い所を射ったがために(たま)を狙ってることがバレてしまったらしい。でもダメワタシ、アナタヲニガサナイ。なんとなく病んでるっぽい雰囲気を醸し出してみるが特に意味はない。


「カナデさんよろろ。」


「はい、マスター。『鼓膜(トロメール)音撃(ソニード)』。」


発動したのは新魔法・・・でもなんでもなくここ最近カナデさんと俺が仲良し共同作業で発動しっぱなしの『集音探知(アセンブルサーチ)』の応用編そのいくつか目だ。鼓膜直撃の大音量というしょうもない攻撃だがこれが小動物に意外とよく効くらしい。指向性が強くこちらにはほとんど何も聞こえないが、野鳥は一瞬びくんと大きく跳ねてからすぐ墜落。ベシャって感じ。


「案外使い勝手が良くて重宝するな、『集音探知(アセンブルサーチ)』。」


「そうですね。不可視の攻撃、広範囲の索敵と使い分けられるのがいいです。最早集音は関係ないと思いますが。」


カナデさんが言っちゃいけないことを言う。も~、決めちゃったんだからしょーがないでしょお!ぷんぷんぷりぷりしてみるが何も解決はしそうにない。


「じゃ、もういっかい殺ろっか、テト。」


「はーい・・・うにー・・・なの!」


ヒュンッ トスン 「ガーガーガー!」


「やったのー!」


「ナイスヒット!」


3度目の正直で見事矢を()てたテトにゃん。ヤバい!ウチの娘天才かも!!矢が鳥に刺さるのを見てテンションが上がる!字面にするとちょっとヤバいが狩りってそういうものですはい。ちな矢ガモに対しては憤りを感じてた派ですが何か?


「動かない相手にですが53.2メートルの距離を開けて攻撃を中てられるのはいいですね。ですが弓がまだまだ固いようですので使い込んで馴染ませていきましょう。より使い易くなるハズです。」


「うん!これからもっともっと頑張って、しっかりあてれるようにするの!獲ってくるのー!」


「あ、うん。オバナ、フランク、止まろう。」


「「ブルルルルッ」」


賢くお返事をしてしまう我が家のお馬さんたち。君ら言葉ってものを理解しすぎじゃない?便利だからいいけどさ。そろそろ擬人化しても驚かないから服着せようかな?急に真っ裸(まっぱ)になられたら困るしなんて考えてたらお馬さんが止まるか止まらないかのタイミングで我が家の愛くるしい美少女猫天使兼長女、テトにゃんがシュタッと飛び降りる。ヒラリというかフワッて感じ。ゴチになります。


「・・・マスター、広域探知に切り替えても?」


「うん、よろしく。特にテトにゃん方面伸ばしでよろろ。」


何か言いたげなカナデさんの声音はスルーして追加の野鳥(ごはん)をゲットしたことに思いをはせる。もし豚系が手に入ったら揚げもいいし茹でてほぐしてあえ物も・・・ってあえるもんがないことに肩を落とす。


「えへへ~、ウチにも獲れたの!」


笑顔満面素敵少女(えらいなテト)!!愛くるしい(すばらしい)!!」


猫型天使から野鳥を受け取り下処理だけ済ませ氷樽へとぽんする。道中テトにゃんの弓の練習と俺の色々な魔法実験を繰り返すこと2時間ほど。ニコは流石におねんねしちゃったけどようやく例の廃村へと到着した。


「練習はここまでだね。あ、テトの手見せて。」


「う~?はいなのー。」


「ほむほむ。いたいのいたいのとんでいけー。『疑似回復フリーゲ・レフェクティオー』。」


「?あったかいのー。」


慣れない弓を長時間練習したせいで傷めちゃってたお手てを癒す。


「あ、もう痛くないの!治してくれてありがとうなの!」


「もう大丈夫かな。ケガしちゃったらちゃんと言わなきゃだよ?」


「うん、わかったの!」


今日もとっても良いお返事をくれるテトにゃん。多分何回か言ってるけど未だに自己申告してくれたことはないが、可愛いから問題なし!可愛いは正義だしな。


《自然回復した魔力を根こそぎ使っておいてのんきなものですね、マスター。》


(それは言わないお約束だよカナデさん。テトにゃんのお手ては大事なお手てなんだから、必要な犠牲もやむなしだよ?)


《相変わらずベタ甘ですね。将来子供ができたら過剰干渉する親になりそうです。》


過剰干渉?いやないな。俺はいまでもベストな距離感と常識的な範疇のスキンシップを保ててるもん。カナデさんはいつも盛りすぎだよ。話し盛りすぎ森杉君だよ。

心配性すぎるカナデさんの懸念を他所(よそ)に、比較的まだ屋根が残ってる廃墟へ馬車を押し入れる。オバナとフランクは放し飼いでも平気かな?こいつらも一応主従契約してる状態だし、勝手にいなくなったりはしないだろ。


「さて、俺らはちょっと地下に行ってくる。お前達はサイズ的に厳しいからここで待っててほしいんだが、問題ないか?」


馬に真剣なトーンで話しかける自分を客観視すると少々キツいものがあるが、風の谷の青い人になりきるつもりで頑張る。大丈夫、怖くない。怖くないよ。

数十秒ほど考えるような様子だった2頭が「ブルルッ」「ブルッ」「ブルヒ?」「ブルンブルン」と謎ぃやりとりをしたあと深く頷き返してきた。なにこれ怖い。会話してんのお前ら?


「あ~、うん。なんだ、そのーうん、大丈夫そうだな。うん。」


よくわからない怪現象が目の前で繰り広げられた気もしないでもないが、なんか大丈夫そうなので考えることを放棄しようと思う。俺のキャパを軽々と超えてきやがるんだもんコイツら。


「水はこっちの桶に用意しておくけどご飯は平気?食べられる野草は沢山ありそうだけど。」


もう完全に言葉が通じる前提で会話?を続ける。俺にはお前らの言葉がわからないから悲しい一方通行だけどな。精々空気と俺の意思を読んでくれたまえよ。


「ブルッ」「ブルルル?」「ブルッヒ」「ブルブル」「ブルヒ」「ブルン」


うんうん。主人である俺を前にして半シカト状態で楽しそうだなお前ら。これが人間同士なら大問題だぞ?お前らが馬だから丸く収まってんだからな?いや、何言ってんだろ。馬だからとか、むしろそっちの方がやべぇっつーの。疲れてんのかなー。

すると話し合い?がまとまったようでオバナがおもむろに氷樽わきに置いてある小さな桶を鼻で指してくる。うん?そっちは下処理した時にでた鳥の内臓だが?


「桶がほしいの?」


「ブルルル」ブンブン


首を振られた。


「・・・アレの中身が食べたいの?」


「ブルヒッ!」


どうやら食べたいらしい。ニカッて擬音が聞こえてきそうないい顔で頷いてやがる。実は中におっさん入ってたりしない?モツ煮とかモツ串とかにして自由気ままに楽しむ気だろこのゆるキャラ共め。


「別にいいけど、君ら草食じゃないの?」


「ブルルルル―」ブンブン


自己申告により雑食決定。狩り用の撒き餌にでもしようかと思ってた臓物を奪われた。んむ~流石は異世界。俺の常識を気軽に破壊してくれるぜ。好きにしてくれたまえとばかりにスッと差し出すと、フランクと仲良く分け合いながらかっ喰らう。ガッツガツガッツガツ。


「オ、オバナとフランクって草以外も食べる・・・の?」


おっふ。どうやら異世界のお馬さん事情で食べてるんじゃなくてアイツらが頭おかしいらしい可能性が急浮上してきやがった。君たち馬と違うの?モンスターなの?


「通常、荷馬車などの牽引に用いられる馬は完全な草食のハズなのですが、マスターとの契約の影響でも出たのでしょうか?」


契約の影響如きで生態系から逸脱されても困ります。別に新生物を錬成しようとしたんじゃないんだけどなー。不思議だなー。てか契約の影響でそんなにすぐ内臓とかどうにかならんでしょ?きっと元からだ元から!最初っからコイツらお肉も食べるタイプの馬だったんだよ!人はそれを思考放棄というがいくら考えたって正解にたどり着かない迷宮もあると思うの。

だが、アイツらが肉を喰えるってのはいい意味で誤算かもしれん。だってこの辺に放置してても自力で生き延びて、むしろ逆にモンスターを狩ったりしちゃうかもしれないという淡い期待が持てるからだ。肉を喰える系巨大生物は強いのが相場だし。


「よっし、生まれた時から雑食系でファイナルアンサー!俺、悪くない。てことで、お前らぁ!たった今から2、3日の短期サバイバルだ!あんまり離れた所に行かなければ不問とする!行け!!」


「「ブルヒヒヒヒヒィィィ!!」」


(いなな)き駆け出していくお馬さんたち。なんの躊躇(ちゅうちょ)躊躇(ためら)いも見当たらない。言葉の齟齬(そご)もなさそうだ。わーい、異世界ってファンタジー。

隣でコテンと小首をかしげたテトにゃんがチラっと俺を見てお馬さんを見る。も1度俺の方を向いてさらに小首の角度を増していく。そんなに傾いたら倒れちゃうよ!ていうか俺だって疑問なのに「なぁにアレ?」見たいな顔されても非常に困ります。とりまあれくらいよくあるよくあるって感じの顔で返してスルーの姿勢を貫くしかない俺氏。事実は受け入れたくない程に奇なりなりけり。


「さ、さ~て、そろそろ行くかぁ!」


よくわからないことは考えない主義なので予定を優先しようと思う。だって今日時間ないし、あいつらわけわかんないし。考えたら負けな気がするし。


「・・・は~い、なのー。」


「ん。」


テトにゃんは既に見えなくなった2頭の走り去った方向を見ながら上の空な返事を返してくる。生返事である。ニコ的にはあまり気にならなかったのか、特に気にした様子もない。きっとニコの住んでた村ではよくある光景だったんだろう。そう考えるとちょっとだけ気持ちが楽になってきた。


「有り得ませんね。」


すぐさま心の平穏を奪いに来る伏兵カナデさん。もうこれだけ攻め立てられたら伏兵じゃないかもしれない。正規兵だよこの頻度。俺の心を叩き折ることが生き甲斐って言われても納得しそうだもん。

気を取り直して以前通った階段を降り、ダンジョンの恐らく裏口っぽい所へと入っていく。裏口入門(ズル)だけどどうか許してほしい。だってここ以外に安全な出入り口知らないんだもん。またあの穴から落ちるのは勘弁願いたい。飛べるようにならないときついって。


「あ、そういえば今回光る物なんにも持ってきてないや。」


入って1秒、ソッコーでわかる自身のミス。ちょっと笑えない(たぐい)のミスかもしれない。


「うにー・・なにも見えないの~。」


テトにゃんが一生懸命暗闇を見つめるが、すぐに断念する。ま、地下だしね。外から光なんか入んないから当然っすね。

さて、真面目にどうしたもんか。俺の魔力はほぼ空っぽだし、前回みたいに脂も持ってない。野鳥の脂が少しだけあるけどこんなんじゃ足りるわけがない。

そして、未だに光源(ライト)の魔法は使ったことがない。だって、光ってどうやって生み出されるの?原理が不明なんだもん。理屈がわからんのだもん。燃えたり電気が走ったりって時に光が生まれるってのはわかるけど、じゃあそれはなんで?と問われると全くわからん。


「・・・イメージだけはできるんだけどな。」


山のように読んできた漫画や小説では下級の魔法だった。ゲームやアニメでは具体的な映像をこれでもかってくらいに見飽きるくらい見てきた。なのにわからん。

んむ~、けどできるかもしれないからやってみるか。火が燃えるのだって酸化反応だか燃焼反応だかでいまいちよくわかってなくても使えてるし。ようはイメージを強く持つことだろ?なんかうろ覚え知識を頼りにすれば荷電粒子の波がどうのこうのって言ってたような気がする。あれ?違う話だっけ?


「まずは試すか。熱は要らない。質量も限りなくゼロ・・・だとなんとなくどっか飛んでっちゃいそうだから空気と同等くらいでいい。ただ光を放ち、明るければそれでいい。『生活魔法(マギアズ・リベアン)』・・・・。」


イメージするのはバスケットボール程度の大きさの光の球。まん丸で、浮いてて、とにかく明るいパル〇クみたいな光源。でも蛍光灯はイメージしちゃいけない。あくまでもっとファンタジーな魔法の光を思い浮かべなきゃならない。


「何故なら蛍光灯には水銀が含まれており、非常に危険だからです。」


「説明口調、乙ですマスター。」


だって注意書きに書いてあったんだもん。でんじろー先生はアレで遊んでたけどホントはダメなんだよ?条件整えてライトセーバー!とかやったら普通に危険が危ない。


「んむ!なんかいけそうなきがするーー!」


だからとにかくこだわるのは魔法!ファンタジー!アニメに漫画にゲームに妄想!俺のシナプス総動員して現実世界に干渉する!光り輝く全てのイメージを凝縮して、聖なる光を召喚だ!


「『光放つ源球よ(ルークス・)清きを以て(クラリタス・)闇を照らせ(ゼーアライティング)』!!!」


「あ、マスター。最後のは余計です。」


「へあ?」


カッッッ!!!


「へぶんっ?!」「うにゃあぁあ??!」「んっ!くっ!」


眼を焼かんばかりの猛烈な光が辺りを包む。痛い痛い痛い痛い!!あ、頭が!頭が痛い!!


「め、めがあぁ!めがああああああ!!!?」


眼が焼かれたのに頭が痛いとはコレいかに?!大佐の気持ちがいまならわかるるるるるーーー!!!はっ!


「テト!ニコ!大丈夫か?!」


慌てて周囲の気配を探るが俺以外立ってる人の気配が感じられない!


「はっ?ほわっ?!なんで?!どうして??!」


「マスター、落ち着いてください。2人は倒れただけで命に別状はないハズです。」


「全然だいじょばない!頭とか打ってるかもしれないじゃん!!」


全力で周囲の魔力や気配を辿って2人を探す!


「『魔力操作』!『気配知覚』!全力展開!『集音探知(アセンブルサーチ)』、範囲縮小!感度・・・出力最大ぃぃ!!」


瞬間、周囲の情報が濁流のように押し寄せてくる。岩、石、土、砂、ホコリ、魔力、服、虫、鼓動、髪、木、鉄。ぐるぐるぐるぐる情報が更新される。なにがなんだか判断できないわからないわからないわからないわからないわからないわからない!


「マスター、捉えました!焦点を絞ります。制御を弱めてください。」


「マジか!流石はカナデさん!大好きありがとう!!」


カナデさんにスキルや魔法の制御を渡した途端、流れてくる情報量が格段に絞られていく。おぉっ、処理速度パネェ!


「見つけた!わかった!2人の寝息だ!2人の鼓動だ!」


間違える訳がない。常日頃から意識して聞いて、いつだって意識して感じてる2人の特徴。俺にはわかる。すぐわかる。


「よかった!外傷も・・・なさそうだな。出血してる音もないし魔力の変な乱れもない。はぁ・・・ホントによかっ・・・ごぷっ?」


「マスター?・・・マスター!?」


何かが胃から込み上げてきたかと思ったら、目の前が黒一色に染まった。

気の抜けるようなのんびりした雰囲気の中でも生き物を狩る。すっかり異世界に染まってますね、ソウ君。

ちなみに背中の筋肉を強調してるシーンでは外套(マント)は脱いでニコちゃんにかけてるエセ紳士っぷりを発揮してたりします。


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