居座る珍獣 7割自作 約束の扱いが薄っぺらい
感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)
読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第75話を投稿させていただきますー!
これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)
これで今週2回目の投稿です!休日の出勤はお仕事が捗りますなー(ง ´͈౪`͈)ว
前回のあらすじ
怒り心頭血圧急上パタンキュー
キョドる防具屋の秘められし理性
馬と散歩、時々狩猟
バルム帰還もタヌキを放置?
「いやいやいやいやいや、お前はこの間の俺氏殺人未遂っつーか俺氏傷害事件の重要参考人もとい犯人だったからってことでうちで預かってただけだろ?なんでナチュラルにこっち側にいんだよ?バルムさん帰ってきたんだからそっちに行くのが筋じゃね?てか勝手にここにいるけどバルムさんと相談すらしてないよねお前?」
「まだそんな前のこと言うなんて細かいわね!そんなに前のこと、もうどうだっていいじゃない!それにバルムさんたちも別にあたしのこと何も言ってなかったし、急いで戻らなくったっていいじゃない!」
「全然よくないよ!なんでお前の面倒見るのを継続しなきゃならんのだ?ハウス!お前の家はバルムさんのところだ!」
「べ、別に『城砦の矛』からこっちに移る気なんてないわよ!ただ今日はあっちは帰ってきたばっかりで暇になりそうなんだもん!だからこっちについてきてるだけじゃない!暇なのイヤなのよ!いいでしょ別にっ!」
「うわー暇つぶし感覚とかマジないわー。これから危険溢れる街の外に行くっていうのにどういう神経してんの?危機管理能力が著しく欠如してる件についてバルムさんとの保護者面談が必要かもしれん。」
いちおう移籍を念頭に置いた行動じゃないっぽいのがまだ救いだけど、ここでなぁなぁにしちゃうとこっちに居ついちゃうパターンのような気がする。それは勘弁願いたい。
別にミリーが嫌いってわけじゃないけど、コイツと長いこと居たらちょっとしたうっかりとかで俺の頭がトマトケチャップみたいになる恐れがある。そんなのヤだし。多少のお色気シーンやラッキースケベ(笑)では賄いきれない不安感だもの。いや、そういうのが多ければいいとかって話しでもないんですけどね?
「う~、もうすぐお別れだからまだもう少しだけ一緒にいたいのー。」
テトにゃんの攻撃「ウワメヅカイ」を発動。グウカワ!!効果は抜群だっっ!!これに反対なんかできる者などいるのだろうか?いやいない(反語)。断じて否である!
・・・てか予想以上にタヌキっ娘と仲良くなっててお兄ちゃんびっくりなんだけど。思えば出会った時からあんまり険悪な感じなかったもんなー。お兄ちゃんコイツに殺されかけたんだよ?もっと敵視しようよいちおうさー。
よくあるチーレムものなら、「大好きなお兄ちゃんを傷つけられて、私、ムカ着火ファイヤーなんだからね!」みたいな展開になるだろうに。なぜか知らんがそういうの全然なかったしなーお兄ちゃん悲しいやら寂しいやらですよ。まぁ、ぶっちゃけそんなセリフをリアルに吐く妹はイヤなんだけど。
「ほら!テトもこう言ってるし、ちょっとくらいいいじゃない!」
テトにゃんに賛成してもらったからってグイグイ来るタヌキ。てかコイツってこんなに積極的だったっけ?んー?いや、そういえば元から積極的なタイプだったか。後先考えないで飛び込むくらいに積極果敢なタイプだったわ。うん。
「・・・ちなみに今日は北西の森に行かないって言ったらお前着いてくるの?」
「えっ?行かないの?!」
意外性に驚き見開かれる眼!直後に嘘でしょ?!と訴えかけてくるボディランゲージ!とか、ぽっこりお腹を抱えるようにしてひもじい!みたいな感じの動きをしているのがまっこと滑稽である。腹ちゃんと出てるから大丈夫だよ痩せこけてないよ。最近そこそこ食べさせてる気がするんだけど、胃が大きくなっちゃって飢餓感強まっちゃったパターンか?
「はい、ミリーさんは冒険ではなくリンジュの実とかお肉が目当てなことが判明しましたーワーチパチパー。ちなみに行かないっていうのは冗談で、北西の森に行っても獲った素材はギルドに売ることになる可能性高いんだけどそれでいいの?」
「えぇっ?!す、少しくらいなら食べてもいいじゃんないかしら!そ、それに持ち運べないくらいたっくさん捕ればいいだけよ!持って帰れなくて余った分なら食べてもいいでしょ?!」
「おいこらミリー、少しは包み隠そうとしろよ。テトがもう少し一緒にいたいって言ってくれたのにお前は食い気だけかよ。」
「へあっ?!も、もちろんその気持ちはあるわよ?テトたちと会えなくなるのは寂しいもの!うん、そうよ!寂しいのよ!!だからあたしも一緒に行かせてちょーだい!」
ここで問答しても無意味極まりない気がしてきた。もういいや、荷物持ちだと思って連れてくか。いやでもなぁ~?
「・・・食べれないの?」
「もちろん食べるに決まってる!」
「なっ!?ちょっ、ちょっとー!なんで急に変えるのよ??!」
「は?だってテトが食べたそうだし。そもそもお前に対する嫌がらせくらいの気持ちで言っただけだから普通に北西の森に行くし、むしろ余った分をギルドに持ってくくらいの気持ちだが何か?」
俺が至極当然のことを伝えたら急に「むきーー!!」とか言いながら地団駄を踏み鳴らし始めた。いい四股踏めそうだな。
適当に流して宥めてまずはマーグル婆さんの元へ移動移動っと。貰った素材をすぐに加工しちゃおうと思う。じゃないと多分腐るよ。なまものだもの。
「さて、そういえばマーグル婆さんとは賭けをしてたんだっけ?」
「あぁ?そういえばそんなもんもしてたさね。すっかり忘れてたよ。」
「まだ約束してから10日くらいしか経ってないんだから忘れないで欲しいんですけどー。」
「うるっさいねぇ。どうせ無理だ無理だと思ってたから意識してなかっただけさね。それで?その賭け事がどうかしたのかい?もう無理です諦めましたーとでも言うんなら聞いてやらんでもないよ。はんっ。(嘲笑)」
「無駄に煽ろうとすんなよ。わかってるだろ?材料が全部揃ったって話しをしに来たんだよ。」
「はぁ?」
んん?未だかつてないほどマーグル婆さんが呆けた顔しちゃったけどどうしたんだ?鼻毛出てますのことよ?
「はぁ?(ぽかーん)じゃなくて、言ってることわかんない?ちゃんとお耳聞こえてます?」
「聞こえてるに決まってるじゃないか!あんたの方こそ自分の言ってることがわかってんのかい?!えぇっ!?」
「そんなに大きな声出すなっつーの。耳痛くなっちゃうじゃん。中級の火傷治療用特化ポーション作製に必要な材料揃えたって言ってるんだって。あと、あんま興奮しないでよ。倒れたりしたら大変なんだからさ。」
「倒れたりなんかするもんかい!あたしを年寄りだと思わんでおくれ!それにしたって中級の・・・それも火傷用特化ポーションの材料を集めただって?バカをお言いでないよ!そいつはお師匠の残してくれたレシピ以外にあるハズが」
「あーあーあー・・・話しはゆっくりしような?な?あんま興奮するのいくない、絶対。テト、ニコ、ちょっとマーグル婆さん鎮めるのに協力してくんない?あ、ミリーもいちおう。」
「わかったの!マーグルおばあちゃん!大きなお声はダメなのー!」
テテテテテ―っとマーグル婆さんに走り寄っていく天使テトにゃんが老体の右腕を抑え、いつの間にかマーグル婆さんの左側に移動していた妖精ニコがテシテシと皺枯れた腕を叩いてる。「んー。んー。」しか言ってないけどたぶんあれで抑えてるつもりなんだろう。
「ちょっとー!なんでいつもあたしだけついでみたいに扱うのよ!納得いかないわ!」
「いつも?いつもは知らんがミリーはあんまりマーグル婆さんと面識ないだろ?だからできればってくらいのつもりで頼んだんだけど。」
「えっ?そうなの?あんた知らなかったのね!あたし、マーグルさんとはだいぶ仲良くなったわよ!だから任せて安心なのよ!マーグルさーん!よくわかんないけど落ち着いてちょーだーい!」
若くてピチピチの女の子たち(一部誇張有)に囲まれるというこの世の楽園とも言えるべき状況に際して、やっぱり煩わしそうにするマーグル婆さん。
なんたる態度か!許せぬ!許せぬぞー!そこはもっと・・・なんていうか、こう、抑えたくても抑えきれないって感じの迸るパッションが滲み出てしまうのをやめられない止まらないというのを崩れそうになる表情筋をムリヤリ我慢しつつも我慢しきれずにやっぱり崩れちゃう表情でなんとか表現するシーンじゃないのか?!そんなんじゃダメダメだよ!天罰降るぞ!
「あっ。」
「「「「あっ?」」」」
ゴスンッ
「ぐぺっふこっぺ!!」
「だ、だいじょうぶかー?!」
こけたミリーの頭がキレイにマーグル婆さんの腹に決まったぞ??!あれは痛い!鉄の塊か!ってくらいの衝撃のハズだ!弱ってるマーグル婆さんには致命打になりかねん!まさかの天罰(物理)ktkr?!
「おばーちゃん!だ、だいじょうぶなのー?!」
「ん!ミリー、メッ!!」
「あいたたたたたたー・・・ハッ!ご、ごめんなさい!だだだだいじょうぶ??!」
予想外過ぎる一撃を受けて悶絶する婆さんを全員で介護・・・もとい介抱する。タヌキは寄るな!あっちいけ!二次三次と被害がデカくなりかねん!!
「えーっと、えーっと、えーっとぉ!あれ?今日はもうマーグル婆さんにポーション使って平気か?!いまどんな塩梅だったっけ?!昨日使った?今日使った??ああもうわからん!衛生兵!衛生兵!!」
《マスター、落ち着いてください。多少腹部を圧迫してしまった程度でしょうからポーションを使えば問題ないと思われます。本日はまだ使用していないので問題はないですね。念のため骨が折れていないかだけ確認しましょう。》
どんな時でも冷静なカナデさんが頼りになりすぎる!ご指示を!ご指示をよろしくであります!!
歳が歳だけに骨密度とかに気を配らなきゃなのでいくつか触診と問診をカナデさんに頼りつつ繰り返し探ってみたが、たぶん骨は折れてないっぽい。ホッ。この年齢で骨折とかちょっと洒落にならんしな。うん。いちおうポーションを処方しておこう。
「はぁ・・・あんた、看助士の真似事もできるのかい?つくづくおかしなヤツだねまったく。」
「看助士?何それ?看護士みたいなもんか?」
「・・・なんでもないさね。あぁ、それで?なんの話しをしてたんだったかね。」
「とぼけんなって。火傷治療用のポーションを作ってくれって話しだよ。」
「あぁ・・・そうだったね。どうにも信じられないけどその話しをしてたんだったかねぇ。それじゃ早いとこブツを見せてくれるかい?」
「はいよ。これが用意した物だ。あとはここにあるヒカリ苔と幻想水だけは使わせてもらうからね。」
中級薬草、中級魔草、スライムの核、枝についてる状態のアロアの葉を取り出す。中級の薬草はバルムさんたちに採ってきてもらった物であとの2つはDP召喚で手に入れた物だ。コレ2つだけで160DPもした。この時点で消費したDPが下級ポーション3個分を超えちゃってたりするのが実にイヤンバカンである。
「ここまでが中級回復ポーションの為の材料で、あとはこれだなー。」
火色蜥蜴の尻尾(生な物)、アボの実の油(搾りたて)、魔輝の結石(桜色の岩塩みたいな見た目)。これらもバルムさんたちのお土産だ。お土産っつーか依頼品か。
「はぁ~~~~・・・。確かに。材料はこれで全部のようだね。どうやら品質もあんたが持ってきた物の方が上のようだね。」
「仕入れのルートがいいからね。」
全てはバルムさんが丁寧に運んでくれたからだ。感謝しかないからとりまマーグル婆さんにはドヤっておく。当然の予定調和である。
「ちょっと待っておいで。」
言うなりマーグル婆さんは部屋の奥へと行ってしまった。これはこのまま待てばいいのか、それとも少し待ってから後を追えば行けばいいのか・・・それが問題な気もするが面倒だから待ってよう。言葉って難しい。
少ししてから戻ってきたマーグル婆さんの手にはヒカリ苔と幻想水が納まった瓶がある。中身が見える結構透明度の高いヤツだ。
「これで全部だね。」
「キレーなのー。」
テトにゃんがキレーだというのもわかる。ヒカリ苔はめっさ軽い羽毛のようにふわふわと浮いているし光ってる。発光自体はそんなに強くはないが、軽やかに舞っている様子が実に美しい。あれは苔なのだろうか?浮いてますけどリアルエアプラント?
幻想水は数秒ごとに色が変わる不思議な液体だ。カナデさん曰く周囲の魔力に反応して変色しているらしいがどう考えても食用には見えない。むしろ全体的に食用には見えないものばっかりなんんだけどもこれが1番インパクトあるかも。あれホントに飲むの?見た目はキレーなんだけど勇気いるわー。
「んーまぁ、これで作れるな。あとはレシピを確認しよう。」
「レシピの?どうせレシピも知ってるんだろうに。必要なのかい?」
「あぁ、どっちのレシピがより良いポーションを作れるかって大事だろ?」
「・・・負ける気はないよ。」
「勝ち負けじゃないんだが・・・。」
何故かギラギラした眼で見つめてくるマーグル婆さん。なんだってそんなに血の気が多いのか謎である。いい歳なんだからいい加減落ち着けばいいのに。何歳か知らんけど。
ちなみに中級ポーション作成の手順はやたらめったら時間がかかるものらしい(カナデさん情報)。詳細は以下参照のこと。
・中級薬草は葉を4枚程度(12g)を銀のトレーに置いてから幻想水を適量かけ、置いておくこと22時間。とても長い。その間、周囲の魔力に影響されないように簡易的な結界を張ることを忘れないようにしてください。これを3セット用意すること。時間になったら細かく刻んで鉄製の鍋に入れ、スライムの核と次に用意する小玉と共に極弱火で煮込む。
・中級魔草は葉を3枚程度(9g)をしっかりとすり潰す。同じく別容器ですり潰しておいたアロアの葉5枚程度(20g)と混ぜ合わせ、完全に混ざったら玉状に。これは4セット必要。で、その4つの小玉を中級薬草の茎部分をすり潰して抽出した液体で湿らせた布で包み込む。これを清潔で密閉できる容器に入れた状態で冷暗所に放置。大体お時間は30~40時間くらいでおk。引くほど長いお時間がかかりますし、調節はその日の気温と湿度で変わりますのでご注意ください。仕上がった小玉をスライム核が居座る鉄鍋へぶち込んでじっくりコトコト煮込んでいくと。
「そうして煮込み続けると鍋の中身が全部黄色っぽい液体になってくるのでここからは魔力を流し込みながら混ぜ続ける。しばらくすると鍋の中身が液体と固体に分離するから、分離し始めたら混ぜるのをやめて魔力だけ注ぎ続けること更に数十秒~数十分(個人差あり)で液体が黄色から黄緑色に変化するんだ。この反応が落ち着いた頃にヒカリ苔を入れておいたポーション瓶に液体だけ注ぎ入れれば中級ポーションの完成だ。」
「工程は概ねそれで間違ってないと思うけどね、そもそもその細かい時間とやらはどうやって測るんだい?それが置いておく目安になるんだろう?」
「・・・え?ちょい待って、マーグル婆さんって時計とか知らない系?」
「時計?バカをお言いでないよ。知らないわけないだろうさ。この街のギルドの天辺にあれだけデカデカと飾ってあればそこらの子供だってわかるってもんさね。でもね、あれは針数を数えるもんだから20だの30だのってのは聞いたこともないね。あそこには9の針までしかないよ。」
そんなバカな?!ここに来て意外に重要な異世界ギャップ、だと?!9の針ってなんだよ!1日が9分割なの?バカなのこの世界??
「じゃ、じゃあさ、マーグル婆さんはどうやってタイミング合わせてるんだ?そんなに大雑把じゃうまく作れないだろ??」
「私かい?私の場合は色合いや魔力の変化、あとは勘でやってるから余所のことなんか知りやしないよ。」
「マジでかい・・・。まさかの匠的発想だった・・・。えっと、じゃあテト・・・(ふるふる)は知らないか。となるとニコ・・・(ふるふる)もダメ。もしかしてミリーは・・・?」
「あ、あたしも大時計の針でしか数えたことないから知らないわよ!あれだって朝陽が昇るころが1の針で、陽が沈むころが9の針になってるってことしか知らないわよ!」
「・・・まさかの盲点だった。この街に来てから時間トークしたことないから失念してたわぁー・・・。てか針の数が違うんだから気付や自分。情弱なんてもんじゃねぇぞコレ。」
つまりは昼間の時間を9分割してるってことか?ん~~~朝陽が出るのは何時だ?仮に4時くらいだとして、陽が沈むのを19時くらいだと仮定する。これだと昼間といえるのは15時間か。いやいや1の針から9の針までしか勘定しないっていうと、針の稼動は8で考えればいいのか?
となると、900分÷8針=112.5分?うわっ微妙ー!大体2時間とかにしてほしい!あーでもそういえばこの世界って1日が25時間だったんだっけ?そうなるとそもそもの仮定も怪しいな。もしかしたら日本の4時~20時相当がこっちの日中なのかもしれない。それだとぴったり2時間計算か?
《マスターの推察でざっくりと正解です。季節によって変動もしますが1針の間隔は大体2時間と考えていいでしょう。ちなみに鐘は日中に4回鳴りますが、時計と連動していませんのでご注意ください。》
「夕方の鐘はまさかの人力?はは・・・もう少し頑張ろうぜ・・・異世界。色々とさぁ・・・。」
でも俺の言葉が変換されて伝わったのならこっちの世界のどこかには同じように時間を数える文化があるってことなんだろう。いつかこっちの時計を手に入れてみたいもんだが一般に出回ってないならお高いんだろうか。いや、DPで召喚すれば材料費だけで・・・って俺が設計図知らないとダメなのか!使えるようで使えないなDP召喚!!素材なら召喚リストから召喚できるのに!
「ソウ?どうしたの?お薬作れないの?」
「あーごめんごめん。ちょっと思考が脱線してた。でも大丈夫!ポーションは問題なく作れるよ!要は時間がわかればいいんだろ?ならここは異世界ファンタジーらしく魔法で解決すればいいじゃない!の精神でいこう!」
詳細はカナデさんと詰める必要があるだろうがそこに関しては結構自信あるんだよね!なんせ前世(?)はプログラミング多少はやってたし!一定の時間や間隔を繰り返す動作を仕込んだり、安定稼動によるエネルギー消費からの計算で出すとかなんか色々考えつくよ!実現する方法がわかんないだけだもの!
《最も簡単に解決するのならば、日時計があるのですが。》
「―――――はっっっ??!」(ビクッ)
「ソウ?」「んー?」
「・・・ごめん、ちょっとよくわかんない感じにテンションあがってた。久々の異世界感満喫したい欲が暴走していたみたいだ。」
俺のテンション急変換で振り回してしまった。愛妹たちも小首をコテンとしちゃっているが、どうか許していただきたい。こういった物やらなんやらを作ったり考えたりするのが好きだからついついね・・・てへっ☆(害悪)
「日時計を使おう。日時計ならギルドをそのまま目印にすればいけるだろうしあとは諸々の計算だけだ。カナデさん、いける?」
《もちろんです、マスター。すでに計算は終了しております。スケジュールを書き起こしていきましょう。》
「ありがとー流石はカナデさん!それならひとまずするべきなのはマーグル婆さんとの予定合わせだな。」
「解決したのかい?なんだって構わないけどね、魔力を込めるとこと結界を用意するのはあんたの方でやっておくれよ。あたしにばっか働かせようったってそうはいかないからね!」
「あぁ、魔力浸透の作業は任せてよ。そういうのは得意だから!あ、それと、火色蜥蜴の尻尾は先に仕込みやっちゃうか。これも時間かなりかかっちゃうし。」
「そうさね。そいつもあんたがやっておいておくれよ。あたしにはちぃとばかし辛いんでね。」
「なんか俺の役回りが多い気がするけどいっか。こういう作業は好きだし。てなると今日の予定が微妙になってくるかも?」
「えーっ!もしかして森に行けないのー??」
「いやーできれば行きたいんだけど、ついでにギルドに寄って受けられそうな採集依頼探そうと思ってたんだよ。けどこっちの処理してたら間に合いそうにないしなー。」
「それならあたしがギルドへ行ってくるわよ!ランクもあたしの方が高いから受けれる依頼も多いんだから!」
「ウチも行くの!ソウ、行っていい?」
「ふむ。確かに手分けした方が早いか。それならミリーとテトにはそっちをお願いしようかな。悪いけどよろしくね?この時間なら平気だとは思うけど、変な人には極力近付かないようにするのだけは徹底よろ。ニコはどうする?」
「ん~?ニコ、こっち。」
「そかそか。じゃあニコは俺と一緒にポーション作るのやろっか!じゃあミリー、できるだけ森で採れる物や狩れる素材系の依頼受けてきてよ。もしリーフさんかミレーさんがいたら相談してみるのもいいかもしんないし。」
「わかったわ!それじゃあテト、行きましょう!」
「うん!いってきまーす!なのー!」
「行ってくるわ!い、行ってきます!」
「うん、行ってらっしゃい!気を付けて行ってくるんだよ!何かあったら大きな声で助けを呼ぶんだぞー!」
勢いよく駆け出していく2人を見送り火色蜥蜴の尻尾の下処理に取り掛かる。これも中々に難物だからなー。ニコと2人で頑張りますかね~。
「それじゃ早速はじめようかね。まずは何からにするんだい?」
おうっふ。余計な婆さんがいるのを忘れてた・・・久々の2人きりだと思ったのにorz。あとで記憶から消しておけばいいんだろうか?
《・・・・・・・。》
カナデさんは常に一緒なので俺と合わせて1人ですから!はい!
――――――尻尾の仕込みに悪戦苦闘中―――――――
「いひひっひ。これだけやれば上出来さね。それにしても、いひっひっひ。これだけ上質な素材が揃うのも珍しいねぇ。どれも仕込み甲斐があるってなもんさ。お師匠ならなんて言うのかねぇ。」
少しばかり離れたところでマーグル婆さんが中級魔草とアロアの葉の仕込みをしながら独り孤独にブツブツ言いながら笑っていた。普通に怖い。
「笑い方がマジ魔女な件。」
「ん。いひっひ?」
「おおニコよ。決して真似してはいけないよ。小皺が増える呪いが降りかかるかもしれん。」
「んー?わか、たー。」
「ふむ、わかればよろしい。んむ~、こっちはこんなもんかな?尾骨は切り出せたよ。お次は?」
《まずまず、といったところですね。尾骨の中にあるゼラチン質のような物質と、細い糸のようなものが今回必要な部分です。溢さないように気を付けながら骨を割りましょう。コツは裏側の凹みに力を入れることです。余分な肉は食用に、皮は・・・量がさほどでもありませんので財布などの小物に使えそうですね。》
「あらやだ素材を余すことなく使い尽くすカナデさんに思わずキュンときちゃいそう。えーっと、なるほど?この骨を割ればいいのか。」
「んー?んー。んんっ!んっ!」ゴッゴッ!
「わぁお。ニコさんワイルド。床に叩き付けるのはおやめになって?できればこの台を使おうね。じゃないと汚いこの屋敷が更に薄汚れてしまいますわよってことでこの道具が固そうだからこれで叩こうね。」
「ん、ありがとー。」ゴッ!ゴッ!ゴッ!
「・・・ラッコみたいに思い切りがいいスイングだ。」
ニコの豪快な骨割り打法が功を奏して作業スピードは上々だ。ゼラチン(仮)と神経(仮)もそこそこ溜まってきたな。薬草が足りないけど他の物に関しては数回分の材料になりそうな感じだ。
「こっちは用意ができたよ。冷暗所に移してもいいのかい?」
「あぁ、わかったありがとう。いまの時間・・・もう昼過ぎか?」
《大体13時頃になります。》
「ふむ。ならこれから小玉を冷暗所に入れれば夕方から夜にかけてそっちはできるな。となると、中級薬草の仕込みは陽が沈みきって少ししてからするのが良さそうだね。仕込みのタイミングを合わせた方が良質なポーションができるからね。」
「そうかい。ならコイツを置いてくるとするよ。」
「よろしく。こっちも次の作業をしますかねー。ニコ、こっちおいで。」
「んっ。」
「お次はゼラチン(仮)をお鍋で熱する作業です。お鍋に小さじ1と1/2杯分のゼラチン(仮)を投入して弱火にかけます。これによってゼラチン(仮)は溶けますので、液状になったゼラチン(仮)にアボの実の油をおおさじ2杯分混ぜ混ぜしてーかーらーのーここに先ほどの尻尾から取り出した細い糸状の何か。神経(仮)を入れます。適度な長さになるように指で引きちぎりながら入れましょう。
「んー、んっ!んっ!んっ!」ブチッ ブチッ ブチッ
「はいニコちゃんお上手ですね~。ちょっといただきますね。そして適度なサイズに引き裂いた神経(仮)もお鍋に入れて少しだけ火を入れていきます。見た目は上げ焼きかと思いきやドンドン膨らんできて気持ち悪いですが、先ほどまで白くて細い糸みたいだった物質がチュロスくらいの太さになったらおkです。きつね色になる予定はありませんのでチュロス(嘘)に味付けするくらいの気分で魔輝の結石を細かく削ったほんのり桜色の粉を入れていきます。人差し指と親指で軽く摘まむくらいの量ですね。あっ、ちょっと多い!もうちょい少な目!そう・・・そんなもん!はいパラパラー。」
「んふー。」
「ニコちゃんのドヤ顔がとてもいいエッセンスになりましたね。ありがとうございます。更に炒めることしばし。チュロス(嘘)が溶けていきますので静かに見守りましょう。これがすべて溶けきったあとに小さい気泡がフツフツと出てきたら火から離して、熱い内に小皿に移し替えます。これを材料が尽きるまで繰り返します。一度に数回分作ろうとすると品質が劣化するのでご注意ください。同じ工程を繰り替えして数を稼ぎましょう。」
「ん。はーい。」
「ちなみに小皿も別々にしないといけないので沢山作り置きしたい時は小皿も大量に必要になるのでご注意ください。」
「なぁにをけったいなことやってるんだい?」
「なにって言われても?普通にやっててもつまんないからちょっとお料理番組風味にしようかと。でも内容が薄くてそんな雰囲気さっぱ出なかったわ。やっぱ少なくとも肉は必須だな。」
「なんのことだかわかんないけどね、あたしはそろそろお昼にするよ。すっかり遅くなっちまった。」
「あ、そういえばまだ昼ごはん食べてなかったか。何か用意しようか?いま台所使っちゃってるの俺らだし。」
「いいや、あっちに用意があるから要らないよ。あんたたちも切りがいいとこで仕舞いにしてしっかり食べることさね。」
「そうだな。これの仕込みが終わったら飯にするか。多分外で食べてそのまま今日は帰らないと思うからさ、中級薬草の仕込みはお願いしていい?今日陽が完全に沈んでからコレに火をつけて、脂がなくなる頃がいいんだけど。」
「ふーん。脂の燃焼で時間を測るんだね。やってみるさ。」
「よろしくね。あ、結界はさっきの作業台の所に用意しておいたから。トレーを置いたら発動するようにしてあるよ。それとそれ獣脂だからちょっと臭いかもしんないから気を付けてね。」
「・・・もうあんたが何をしても何を言っても驚かなくなってきた自分が憎いよ。まったく。そんなにサラッと結界なんて用意できるもんじゃないんだけどねぇ。」
マーグル婆さん謹製のジド目いただきましたー。うれしくねー。
嬉しくなさすぎることでちょっと落ち込んだりもしたが、そこは我が家の妖精ニコちゃんにフォローいただきなんとか乗り切った。今回作れたゼラチンの塊(暫定)はギリギリ3個分だな。薬草とスライムの核がないから中級ポーション不足で意味はないが、いつか何かの役に立つかもしれない。加工しちゃえば日持ちするらしいし。
仕込みが終わっても決してまったりしないのが俺の持ち味なので休憩を挟むことなく精力的に動いてみた。具体的には荷車を全部破棄してみたのだ!ずっと路駐はちょっとあれだったので後悔はない。
「それでできたのがコレってどういうこと?」
「ん?材料があったから造ってみた。でも足りなかったから屋根も後ろの壁もないんだ。車輪と車軸の補強にほとんど持ってかれちゃったからなー。なんちゃってオープンカー?」
「これもソウが造ったの?ソウはなんでも造れてすごいのー!」
こっちはポーションと違って俺が手ずから造るよりもDP召喚機能を使った方がずっと楽だし良いものができた。材料は荷車3台といくつかの紐や屑鉄(マーグル婆さん宅のゴミ)。それと寝る間を惜しんでカナデさんと構想を練ったり勉強をした俺の時間、プライスレス。
「てか何故にハリンさんまでいるのん?」
「あは、あはははは・・・。ギルドでミリーちゃんに捕まっちゃって。一緒に来ないかー!って。」
「強引な。一緒に行くのは全然いいんだけど予定とか大丈夫?多分1泊すると思うけど。」
「それに関しては全然!個人で受けれる依頼はあまりなくって、最近は結構手持ちぶさただったりするのよね・・・。」
「そかそか。それならいっか。これから北西の森にいくんだけど、俺初めてだからむしろ助かるかも。」
「え?そうなの?よかったぁ。ちょっとお邪魔になっちゃうかもって思ってたのよ。あそこには何度か行ってるし、少しはお役に立てると思うから頑張るわねっ。」
俺の記憶が確かなら、なんとなく斥候とかレンジャー的な役割の人だったような気がするから素直に同行はありがたい。特にお子様のお守りをしてくれると嬉しいです。はい。
装備の点検と弓矢を取ってくるとハリンさんは一旦離脱。ホントに強引に引っ張ってこられた模様。あとでかるーくタヌキを叱っておくか。
「それにしても、DP召喚機能なのになんで手元の材料を加工できるんだか未だに謎だな。」
《ダンジョンマスターとして必要な形を突き詰めていった関係上こういった機能に落ち着いたようです。機能や資源を活用できているマスターは極わずからしいですが。》
「ふ~ん?もったいないったらありゃしないな。ま、ダンジョン関連の不思議機能についていまさら何か言っても仕方ないか。ばきゅる機能だってなんだって全部謎のまんまだし。」
召喚というよりも変換機能ってことなんだろうか?むむむー。けど生贄を捧げて何かしらを得てるんだからやっぱり召喚なんだろうか?DPの時は交換、それ以外の原材料使うパターンのは変換とかに名前変えたらいいのにと思っちゃうのは俺だけだろうか。
「ソウ、オバナとフランクに牽いてもらうの?馬車。」
「うん、そのつもりだよ。ちょっと連結するの手伝ってもらってもいい?」
「任せてなのー!」
「あたしもあたしも!」
「んー・・・。」
「ニコ的にはちょっと背が足りないかな。じゃあ、代わりに馬車に乗って麻袋受け取る役目をお願いしてもいい?何袋か積んでいきたくさ。」
「ん!やる、の!」
ありがとうを伝えながらニコを抱っこして馬車に抱え上げ、袋の運搬にご尽力いただく。うん、うちの娘たちは働き者です。
「テト、ミリー、できたー?」
「ちょ、ちょっと待ちなさいよ!あと少し!あと少しでできるんだから!」
「・・・ここをこうして、こう?うん、これでこっちを・・・できたのー!」
「えっ?ちょっとテト早くない?なんでそんなに早いのよー!」
「ミリーのも手伝ってあげるのー。あ、そこはこっちで、こうだと思うのー。」
テトにゃんが手伝ってくれるなら流石のミリーでもちゃんとできるだろ。あと必要なものはなんだったかなー?何枚か毛布的なものを盗ってくれば足りるか・・・マーグル婆さん家から。そんなことを思いながらこっそりと玄関の扉を開けるのだった。
お読みいただきありがとうございます。
過去の投稿分は直すところが多すぎてワロスっす。
私の頭が悪いのか、集中力がないのが悪いのかと真剣に考えた結果、どちらも使っているのは私のお脳みそだということに気付いて考えることをやめました。悩む内容すら頭が悪いとかどんだけーって感じです。
そしてそして、遂にやっとようやくいよいよ!火傷回復用のポーション作成が開始されました!怪我を負ったのいつでしたっけ?えっ?本編第5話?・・・マジですか?ってくらいに時間がかかりましたがあと少しのようですね!となると、次はいよいよ腕の治療のために動くのでしょうか?あれはお高かったと思うのですが、いつになったら実現するのでしょうか・・・。




