高血圧にご注意を 再会と別れ・・・?
更に半月以上遅れるとか・・・orz
言い訳するよりも更新速度向上のみを反省文の代わりとさせていただければと思います・・・くぅっ!!ごめんなさい!!!!
感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)
読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第74話を投稿させていただきますー!
これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)
前回のあらすじ
寝坊助のよだれ、酔っ払いのデロデロ
変態にフラれる
新キャラ登場
更年期障害のおばあさんが怒ってる
怒られる心当たりなんかまったくないのにプリプリしてるマーグル婆さんがお店の前で仁王立ちをしていらっしゃる。なんでだろう?
「・・・その顏じゃ全然わかってなさそうさね?」
「んむ~?心当たりがまったくもって皆無なんだから仕方なくない?」
「どぉーの面さげてそんなことが言えるんだい!!これを見なよこれを!!」
臭気漂う唾を撒き散らしながら指差すのは我が家の新しいペットであるオバナとフランク。心なしか少しばかり毛艶がよくなっているような気もしないでもない。
「うん、立派な軍用馬だな?」
「うん、立派な軍用馬だな?じゃないわい!それがどうしてここに繋がれているのか説明しろって言っているに決まってるだろうに!!」
「・・・えっ?なんでそんなに怒ってるのかと思えばそんなことなの?」
「そんなことだってぇ?!あんたがなんにも言わずにこの馬置いてったのは2日も前のことだっての忘れていやしないだろうね!それにだよ!馬を置いてっただけでなくあたしの野菜を奪った事もこっちは忘れていやしないんだからね!!」
すっかり忘れていた俺の黒歴史的なお話しがいま再び紡ぎだされようとしている。思えば2日前、野菜欲しさにマーグル婆さんを押しのけて菜園を荒らしたんだっけ?いや~すっかり忘れてたな。
「すまん×2。そういえばそんなこともあったっけねぇ~。いやはや、申し訳ない!」
「~~~~っ!!!そんなに軽く済ませられるようなことじゃないって言ってるってのがわかんないのかいっ!!?」
老婆の癖に凄い声量だ。そんなにがなったら血圧上がりそうで心配だよ。目の前で倒れられたら気分悪いからとりまなだめるか。
「まぁまぁ、そんなに怒ると体に毒だよ?ここは1つ俺の顏に免じて穏便に済ませようじゃないか。な?」
「お・・・お・・・おふざけでないよーーーーー!!!!」
おおぅっ。老体から出てるとは思えない凄まじい声量だ!流石にフットワーク軽いだけあって肺活量もなかなかのものだ。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・かふっ。」(ばたん)
「・・・・・え?お、おい!マーグル婆さん?マーグル婆さーーん??!」
顏を真っ赤にして怒鳴ったかと思ったら次の瞬間天を仰いで倒れてしまった!何これ?え?え?大丈夫なの??
《流石にマスターが怒らせすぎたようですね。カナデが計測できる数値がどれも異常値に達しています。》
「これはまずい!早く中へ入れるんだ!!」
下手したら脳梗塞とかでこのまま・・・なんてことになるとちょっとシャレにならん!できる限りの治療を施さねば!!
―――――――全霊の治療作業継続中―――――――
「・・・・・ここは?」
「んー!んー!」
「ん?おぉっ!マーグル婆さん!目が覚めたんだな!よかった!」
「あぁ、なんだいあんたたちかい。どうやら寝ちまってたみたいだね。いつの間に入ってきたんだい?」
「マーグルお婆ちゃん、大丈夫なの?」
「あー?大丈夫ってなんの話しだい?あたしゃまだまだ現役さね。ちぃっとばっかしうたた寝しちまったくらいで心配されてちゃおちおち昼寝も出来やしないさね。」
「昼寝って・・・ソウ、マーグルさん大丈夫かしら?」
・・・どうやら前後の記憶を失っているようだ。もしかしてマジで脳にダメージがあったのかもしれない。
「大丈夫だと思いたいが・・・。な、なぁマーグル婆さん。俺らの名前わかるか?言えるか?」
「なんだいなんだい。あたしを耄碌したババア扱いしようってのかい?やめとくれよ。生憎そこまでガタがきてたりはしやしないよっ。」
微妙にご機嫌を損ねてしまったマーグル婆さんを拝み倒してなんとか名前を言ってもらったり簡単なテストをしてみたが、特に問題はなさそうだと判明し一息つけた。どうやら軽度の記憶障害らしい。
「いちおう念のためにあとでもう1本ポーション使っておくか。脳細胞とか脳血管とかを重点的に回復させればもしかしたら記憶も戻るかもしれないしな。」
流石にちょっと冗談交じりに煽っただけでひっくり返るとは思わなかったからマジでびびった。これだから年寄の相手は難しい。
「あぁ、それにしてもあんたの顏も少しはマシになったかね。」
「ん?顔ってなんの話しだ?」
「あんた、ちょっと前に酷い顏してただろ?何があったか知らないけどね、あんな顔なんてするもんじゃないよ。まったく。」
マーグル婆さんも?なんか最近よくこのフレーズ聞くけど俺のいまの顏ってそんなに微妙な顔してんのか?
「大方、そこのちっこいのらのお陰なんだろう。しっかりと感謝を言葉と態度にしておくことさね。あんたみたいなのを支えてくれるのなんざ、中々いやしないんだからねぇ。」
「んー?なんのこっちゃ?」
よくわからないがまだ若干の記憶の混濁があるのかもしれない。ちょっと経過観察をしっかり診たりしながらケアをしていこうと心に留めておこう。ちなみに馬のことや牽き車のことを素直に且つ正直に話して停めておく許可と世話をお願いしたら快諾された。なんかマーグル婆さんじゃないみたいで怖い。変に穏やかだ。
「あー、これから防具屋行ったり薬草の採取に行ったりするけどムリに動いたり転んだりしないように気を付けてよ?さっき倒れた時に頭打ってるかもしれないし。」
「そんなに気を使われるとかえって気味が悪いってもんだよ。気にしなくともムリなんかしやしないよ。さっさといっちまいな。」
いつもの煩わしそうな顔であっちに行けとばかりに手を振られるがどことなく元気が感じられない。ちょっとこれからの付き合い方を本気で考えた方がいいかもしれないな。
しかしながら現状すぐにまた倒れるってことでもなさそうなので今日の予定を消化しておこうと思う。俺たちが居たんじゃゆっくり休めないかもしれないし。うん。
「てことで、やってきました防具のお店―。ここに来るのも久しぶりだなー。テト、ニコ、あまり俺から離れないようにするんだぞ?」
「はいなのー。」「んー。わか、たー。」
どことなく2人も元気がないように感じられる。やはりマーグル婆さんのことを気にしているんだろうか?
「ちょっとー!なんであたしのことは当然のようにムシするのよー!」
「いや、だってミリーは大丈夫だろ?」
「大丈夫ってなんのこと?ここってただの防具屋さんでしょ?」
「・・・ソウダヨ。タダノ普通ノオ店ダヨ?」
「なら問題ないじゃない!あたしまだここのお店って入ったことないのよねー!いつもはギルド近くのところだから!」
言うなり小走りでお店へと入っていくミリー。どうしよう?すぐにあとを追った方がいいのだろうか。最近ここの店主の視線がちょっと怖いんだよなー。テトにゃんとニコが心配で進みづらいんだけど。
《現状実害がないのですから手早く要件を済ませた方がよろしいかと。》
カナデさんは簡単に言ってくれるが、変質者相手となると精神的に重たいんですよ。けど、腕は確かっぽいし他のお店よりも真剣にやってくれそうなんだよなー。こういうのって命を預ける防具だからこそ生まれる葛藤だと思う今日この頃。
テトにゃんは普段着レベルの軽装備だし、ニコもポンチョってるけどどっちもそんなに強度が高いわけじゃないしなぁ・・・。
「まぁ、お店の前でぼーっとしてても仕方ないか。」
意を決してお店の中へとレッツドン。入ってみると意外や意外。店主とミリーが普通に雑談をしている所のようだ。
「えっ、それなら青いハードレザーのベストタイプもイケるってこと?」
「えぇ、鉱物か植物、もしくはモンスターの素材で染色すれば可能です。ただ素材があまり多く仕入れられない関係上数に限りはあるけどね。」
「もしかして光沢出せたりもするのかしら!」
「それも勿論できますよっぴょんっ?!?」
「ぴょん?え・・・やだちょっと?ど、どうしちゃったのよ??」
ふむ。やはりこちらを認識した途端に壊れたな。以前も他の客相手には普通だったしこれがこの店長の仕様なのだと思って諦めるしかないということか。馴染むことはムリぽいな。
「あー、どうもお久ー?そんなでもないかな?」
「おおおお、お?お久、お久しぶり!です!今日は青いカーテンも苦労して焼き上げてるからパンが美味しい季節ですだよね!!」
「もうやだ帰りたい。」
「ど、どういうことよ?!ねぇ、ソウ!店長さんがおかしくなっちゃったわよ?!」
「こらミリー。おかしくなった人に対しておかしくなったって聞こえるように言うのはよくないからやめなさい。余計なトラブルの元になるんだぞ?」
「うーん?そ、そうね。ごめんなさい。」
横目でチラッと店長を確認して色々と思う所があったらしい。そりゃ目に見えておかしければ危機感も覚えるわな。うん。一応ミリーはセーフっぽいってことは、俺的主観で中一ライン上限なのか?それともやっぱニコ狙い?コヤツ、真正でござるな。
「そそそ、そういえばあれから装備の具合はどうかな?て、手入れとかでくく苦労とかしてないかでです?」
「・・・いちおう手入れはしてるから平気だとは思うけど、ちょっと見てもらってもいいかな?森に行ったりしてるから気にはなってたんだよね。」
「まふっ!まかせてYO☆」
うぅぅ・・・。どんどんおかしくなってく人を見るのはキツいっすわぁ。バチンバチンとウインク飛ばしてくるけどうまくできずに変な顔になってるのも気持ち悪いし。早いとこまともな防具屋探さないと!と強く心に刻みながら外套やらなんやらを店主に預ける。
そそくさと凄い勢いで店の奥にいったけど匂いとか嗅いでないかな?なんか色々と不安になるな。小分けに渡して誰のでトリップするのか調べればよかったのだろうか。知らない方がいい事実もあるっていうからなんとなく勇気が出ない。
≪空気の振動検知範囲を店主周辺に集中しておくので、仮に匂いを堪能していたらマスターへご報告いたします。≫
(・・・それを知った時にどういう対応をすればいいのか悩ましく思います。店主との付き合い方がマジレベル高杉君です。)
それから暫く店内で待ったけどカナデさんからの報告はなかった。ちょっと疑いすぎちゃってたかな?様子と反応が変なだけでそこまでの変態じゃなかったのかもしれない。神経過敏になってしまって申し訳ないっす。
「はぁー。はぁー。はぁー。い、いやぁ、待たせちゃって申し訳ない。ちゃ、ちゃんとメンテナンスしておいたから当面心配はな、ないと思うよ。」
何故息切れをしているのかちょっと問いただしたい状況にしか見えない今日この頃。
≪メンテナンス作業中に息が荒くなっていましたが、力仕事をした際には当たり前の反応です。ご安心ください、マスター。≫
革製品を扱うのはたしかに力仕事だと聞いたことがあるけど違うと思う。店主の頬が無駄にツヤツヤしてるもん!これ絶対ヤバい感じのヤツじゃん!ギルティ!YOU 罪!
「あ、ありがとうございます。まぁいいや。いいのか?んむ~。あ、ちなみにお代と、この皮の加工ができるか聞きたいんですけど・・・。」
「いやいやいやいやいや!そんな!お代なんて貰えませんよ!あふ!あふ!アフターケアは当然ですから!」
「メンテナンスしてもらったのにそれはちょっと・・・。」
「ホントに!ホントに大丈夫だから!あっ!それにほら!他のお客さんみんなにそうさせてもらってるから、気にしないで!もっとひひひ頻繁に来てくれても平気だからね!」
メチャクチャ必死に否定された上にミノの皮を調べると言ってまた奥に引っ込んでいってしまった。頻繁にテトにゃんとニコを連れてこいと・・・そういうことか。その為なら店の不利益になっても全然構わないというスタンスが丸見えである。
「装備のメンテナンスが無料だなんてすごくいいお店ね!今度バルムさんたちにも教えてあげなくっちゃ!」
「いや、多分バルムさんたちが来ても同じサービスが付くとは限らんぞ?」
ミリーが不思議そうな顔をしているので事情を説明してやろうかと思ったが、下手に話してコイツに悪認定されてしまったら死傷事件に発展しかねないと思い中断。いまだけの限定サービスみたいなもんだと適当に説明するにとどめるしかない。なんで俺がフォローみたいなことせなあかんのだろう。
「・・・この皮ってどうやって手に入れたか聞いてもいいかな?」
さっきまでのイカれモードがまるで嘘のようなローテンションで店主が現れたので火耐性をを持つミノタウロスの話しをしてあげた。入手経路は内緒だけど。
「これだけの素材だから秘密にするのは頷けるよ。トラブルの元になりかねない・・・。でもこれの加工は僕の腕では足りないかもしれないけれど、本当にいいのかい?」
「うん、ギルドでお金に変えちゃうのももったいないし、装備の底上げにできればいいかなって感じだからお願いできる?」
「ありがとう!職人冥利に尽きるよ!早速だけど加工の大まかなデザインや方向性を相談させてもらってもいいかな!」
急に職人モード全開にされると違和感しかないけどこれは僥倖。変態さんから職人さんへのジョブチェンジ、助かります。
ちなみにこちらの要望としては俺の外套の補強とニコ用のポンチョ作成、それとテトにゃん用にケープ丈程度の羽織れる感じのとできれば手から肘あたりまでのガードとひざ上くらいまでのショートパンツを希望してみた。
テトにゃん的にはそこまでなら許容範囲らしい。ベストは?って聞いたらベストもなるべく薄ければおkらしいので急所のみミノの素材でカバーする形で話しがついたのでそれも追加注文。
「それでも皮が少し余ると思うよ。どうせならそっちの子の装備も何か作ってみようか?」
「えっ?あたしもいいの??」
「おっふ。すっかり忘れてた。すまんミリー。じゃあ、この娘用の革鎧的なのってお願いできる?」
「あ、あたしもベストタイプでいいわよ!腕の部分があるの苦手なのよ!」
「まぁそれくらいなら足りると思うよ。数が数だから加工に少し時間をもらえるかな?大体5日程度でできると思うけど。」
「じゃあそれでお願いします。加工代金はいくらくらいになりそう?」
「初めて扱う素材だから値つけが難しいな。でも持ち込みだからねー。銀貨12枚・・・いや、こっちの勉強も込みで銀貨10枚でどうかな?」
「そんなんでいいの?わかった。じゃ、これ先払いで。」
「前払いして貰えるなんて光栄だね。できるだけいい物に仕上がるように頑張るよ!」
キラキラと眼を輝かせた店主に牛の皮を任せて店を出る。思った以上に値段が安かったのはいつもの割引とはなんか違うみたいだった。多分大将と似た感じかな?未知の素材は加工したいって欲が職人にはある模様。
「ちなみに青く加工するのって、た、高いのかしら?」
「手持ちの素材でうまく染まるかはまだわからないから、まずは端材で試したりする必要があるんだよ。だから青く染色する物だけは余計に時間貰っちゃうけどいいかい?料金はベストならこれくらいかな?」
提示された額は銀貨で3枚。相場がわからないから微妙だが、ミリーには分け前的なものをまだあげてないからそこから出しておくことにしとこう。
「それくらいならお願いしとこうかな。もし材料で足りないものがあったら言ってよ。こっちで素材集めもできるし。」
横でミリーが「えっ?いいの?!」みたいな顔してるけど口に出さないあたりが如何にもタヌキだ。
「多分普通の材料でいけると思うけど、もし足りなかったらその時に相談させてよ。ギルドに依頼出すことになるかもしれないしね。」
「ん、わかった。それなら一旦5日後くらいにまた来るよ。染色の相談は改めてってことでよろしくー。」
俺らの装備回収に合わせるくらいで十分だろう。なんで青い染色のにそんな拘るのか知らんし。
「さ、そうなると今日の残りの予定は薬草取りだな。折角だから馬連れて行くか。草食うだろあいつら。」
「いいわね!あ、乗ってみてもいい?あたし馬って好きなのよ!」
「乗れるもんなら乗ってもいいけど、経験あるのか?」
「ないわ!」(ドヤァ)
「ウチも乗りたい!」
「俺も経験ないから教えることはできないけど、それでもいいなら挑戦はしてみるか。幸い鞍も鐙も(強奪した時からついてるのが)あるし。あ、カナデさんに助言だけは貰えるかなー。」
ニコはあまり興味を示していなかったが、折を見て挑戦させてあげようと思う。この移動手段の少ない世界で馬に乗れる技術は貴重だろうし。
時刻は昼頃。屋台で買い物しつつ2頭を引き連れ東門を出る。門兵のおっちゃんは気のいいおっちゃん(初見)で、「いい馬だな!大切にしてやれよ!」なんて声をかけられた。色んなタイプの門兵がいるけど仕事に偏りは出ないのだろうか?俺的には軽いノリの今回のおっちゃんが楽で好ましいが振り幅があるのは色々と面倒だと思う。
カッポカッポと音を立てる馬を引き連れていつもの岩場で一休憩。軽くご飯も食べて薬草採取を頑張りまくった!集めた薬草を馬が持ってくれるから非常に助かります。帰り際に野イチゴみたいな物と<ミヌラビー>をゲット。食べれる野草も摘んできた。
「荷物を持ってくれる馬がいるとこんなにも違うもんか。案外これは拾いもんかもなー。」
「オバナもフランクも力持ちなの!足もとっても速いのー!」
テトにゃんは乗馬のコツをすぐに掴んでしまった。もしかしたら動物との相性がいいのかもしれない。逆にミリーは馬に跨ることはできるが何故か言うことを聞いてもらえずに進めなかったり逆に進んだりと謎の器用さを発揮した。馬に舐められてるのかもしれない。
それでも馬をひいてやれば進めるので乗馬気分は味わえるようだ。ちなみに俺は隻腕なので挑戦もしていないしニコもまだまだ背が低いので今回は控えておいた。案外馬の背中って高いから落ちたら危ないし、もっとテトにゃんが上達したら一緒に乗せてあげてもらうのがいいかもしれない。
「随分と野草を集めてきたな!馬たちの運動がてらに食糧確保って感じか!」
門兵のおっちゃんは行きに会ったのと同じ人だった。薬草類にも何も言わないしこのおっちゃん楽でいいな。これからも是非頻繁に会いたいもんだ。
それからマーグル婆さんの店に馬を預け、ポーションを作りまくり、マーグル婆さんの頭を治療してみたがマーグル婆さんの頭の具合は悪いままだ。一時的なショック状態ってことなのかな?そうであると信じたい。このままでは俺が戦犯扱いになりかねないもの。
「じゃあ晩御飯食べてくるけど、マーグル婆さんは行かないの?」
「あたしはもう食べたからいいんだよ。小さいのがいるんだから遅くならない内にさっさと行っておいで。」
まだ夕方くらいなのにもう食ったって早すぎる気もするが、ご老体はそんなもんなのかな?朝も夜も早いんだし案外そんなもんなのかもしれない。
気を取り直して大将に晩御飯を作ってもらい夕食を楽しんだ。セゾとデデ、タルモもいたので<ミヌラビー>は一気に消費してしまった。今日は一般客には回らないかもしれないな。
「ソウさん!!」
間もなく食事が終ろうとしていた時にリーフさんが飛び込んできた。
「きょ、今日の<ミヌラビー>は終わっちゃいましたか??!さっきギルドの仲間がソウさんを見かけたって!!」
・・・いつから俺=<ミヌラビー>になったんだろう?てか俺見張られてるの?怖くない?
「あー、もう大分食べちゃったけどなーどうだろう?大将ー!まだ残ってるー?」
「あと出せて1人分だな!流石はリーフ嬢ちゃんだ。凄い嗅覚だな。」
「はい!私、ソウさんの<ミヌラビー>の臭いはギルドからでもわかりますので!」
流石に嘘だと言ってほしい。ここからギルドまでそう遠くないとはいえ料理の匂いが届くとは思えない。どんだけ食いしん坊キャラなんだろう?禁書目録ちゃんや某グレイマンの主人公君並みの欠食具合?もしくは東京の喰人鬼みたいなキャラや某局のアナウンサー○トちゃんくらいの嗅覚を持っているのかもしれない。流石に金属まで食べる羽の生えた宇宙人ほどではないと信じたいところではあるが。てかマジなんで今日捕ってきたってわかったのか疑問でしかない。
「あぁ・・・しゅ、しゅごいですぅ・・・。んっ、あっ・・・。好き、です。はぁ~・・・コリコリしてるのも最高です。お腹が満たされますぅ。」
スープとステーキ、それと今日は軟骨まで食べてるリーフさん。相当好きなんだなー<ミヌラビー>が。それに野草も少し加えたから今日の栄養バランスはそれなりにいい感じだ。
「す、酸っぱいのー。」
「んー?すぱーぃ。」
「やっぱりちょっと酸っぱいねこの野いちご。砂糖が手に入ればジャムにでもするんだけども。」
「この酸っぱいのがジャムになるの?」
「うん。潰して煮詰めてお砂糖入れればね。でもあんまりお砂糖って売ってないし、当分はこのまま食べるしかないかな。」
「これならリンジュの実の方が美味しいわね。ちょっと酸っぱすぎよ!」
「ん?リンジュの実ってなんだ?」
「あんたってリンジュの実も知らないの?こう、外側が赤くって、中が白っぽくって少し酸っぱいんだけど甘くておいしいやつよ!」
つまりはリンゴのような果実だろうか?もし自生してるのがあるのなら食べてみたいな。
≪リンジュの実でしたらこの街の北西方面に自生しています。また、薬草の類も十分に生えていると思われますので向かってみるのもいいかもしれません。≫
「なら明日はリンジュの実がありそうな北西方面に行ってみよっか。東の森は大分素材採っちゃったし。」
「いいわね!モンスターや動物が多いからお肉もたくさん捕れるわよ!」
「ウチもお肉捕るのー!」
「ん!ニコ、も!」
「いやいや、テトにゃんはわかるけどニコにはまだ狩りは早いよ。ニコは俺と一緒に食べられる草や実を探そうね。」
「んー・・・。」
ご不満顔のニコ。感情豊かになってきたのはいいけど、ムリはさせないように気を付けないといけなさそうだな。食事も終えたのでその日は就寝。ミリーは引き続きシングルルーム行きである。
―――――――翌日――――――
「バルムさん!」
「ミリー!元気にしてたかいっ?」
「お久しぶり、バルムさん。」
「ソウさん!依頼の品、しっかりと捕ってきたよ!」
約10日ぶりくらいに会うバルムさんは力強い笑顔で素材を掴んでいる。<レッドテイル・モオ>の尻尾部分だ。
「ありがとうバルムさん。でもね、血がめっさ滴ってるよ。大将がじっとこちらを見てるんだよ?」
ボタボタボタボタと凄い勢いで血が床に落ちている。皮袋に詰め込んでたからだな。きっと中は血まみれに違いない。
「えっ?あっ!こ、こいつはまずったね!ゴルドルの旦那!申し訳ない!」
「はわわわわわ!ふ、拭きますね!」
「すまないタンロ!すぐに仕舞うよ!」
久々の再開でビシッと決めたかったであろうバルムさんがワタってる。なんとなくこういうところはミリーに似てるな。いや、ミリーが似たのか?ペットは飼い主に似るっていうし。
ぶちまけた血を掃除したがまだ臭い。鉄臭いというかなんというか、とにかく臭いので塩に少量の水を含ませた物を撒いて擦ってみた。効果があったかは知らんがさっきよりもマシになった気がしたので良しとしよう。
「ソウさんにまで手間かけちまって悪いね。どうにも街の外にいる感覚が抜けなくってねぇ。」
「俺はいいけど大将一家にはも少し謝っとくのがいいと思うよ。テティちゃんとか掃除いつも一所懸命やってるし。うん。」
「っ!!そ、そいつはいけないね!もっとしっかり擦っておくよ!」
慌ててお掃除を再開するバルムさんたち『城砦の矛』の面々。文明人としてお掃除は大事です。大事ですけど焦り方が尋常じゃないように見えるのは気のせいだろうか?そういえばバルムさんって小さいお子さんがお好きな方だったような気がががががが・・・深く考えるのはやめておこう。
ついでだからと食堂全体の掃除まで済ませてやっとこさお話しタイム。どうやら彼女らは俺のクエストをしっかり終わらせてくれたらしく依頼した品である<レッドテイル・モオ>の尻尾、アボの実の油、魔輝の結石を入手してきてくれていた。
しかもそれだけでなく、もしも見つけられたらお願いねってくらいの温度感で頼んでいた素材まで持ってきてくれていたらしい。これは素直に嬉しい。
「中級薬草、中級魔草まで採ってきてくれたの?ありがとー!マジ助かるよ!!」
「たまたま近くにあったからね。言われた通り『魔硬』状態で収穫したよ。」
中級のポーションの素材になる薬草はどちらも手に魔力を込めた状態で収穫すればいいだけなので下級の薬草のようなアクロバティックな真似をする必要がない。しかもバルムさんたちは全員『魔硬』持ちなので頼む上で都合がよすぎることこの上なかったのでお願いしたが、まさか持ってきてくれるとは思っていなかった。
「報酬の上乗せを考えないとだよ。お金でもいいし、この間渡したポーションと同じやつでいいなら用意するけどどっちがいいかな?」
「いや、これ以上は貰えないよ。道中高値で売れる例の貝も採れたし、事前に預かってたヤツも使っちまったからね。」
言いながら空になったポーション瓶を渡された。しかし2本とも使うほどに苦戦したってことなのかな?ちょっと予想以上の難易度だったのかな。
「それは全然構わないんだけど、むしろそれだけで足りた?誰か怪我してたりするなら診るから言ってほしいな。」
「預かってたポーションの効きがよかったからもう全然平気さね。お陰で助かったよ。」
「帰路の野営時に<ウォーウィード・ウルフ>の群れに襲われてね。正直あれが今回一番キツかったんだよ。いやぁ~、ホントもうね、一晩警戒しっぱなしだったよ。」
「それって下手したら<レッドテイル・モオ>よりキツいんじゃないのそれ?」
「まぁね。でもその分、実入りはよくなったからどっこいさね。」
カラカラと笑うバルムさんの表情は思ったより明るかった。毛皮がいい感じに剥げたのかな?いや、なんかミリーのことジロジロ見てるけどなんだろ?
「ま、立ち話もいいけど依頼受領のサインをもらっていいかい?それだけとりあえず済ませたくてねぇ。」
「あぁ、そかそか。じゃあ依頼表もらっていいかな?」
バルムさんから依頼表を受け取りサインを書き、一緒になってギルドへと向かう。今回は物がちょっと特殊だったからギルドに預ける形じゃなくて直接納品してもらう形で話をつけてあったからだ。
普通はギルドに依頼品を納品したらクエストクリア扱いになるが、今回は依頼品を俺が受け取っちゃう関係上バルムさんたちは手ぶらでギルドへ報告しなきゃならない。だから依頼主である俺の同行が不可欠らしい。それだと依頼表へサインする必要性が消滅してしまうがそこんとこどうなんだろう?
「はい、確かに依頼達成ですね。」
いつもリーフさんに仕事を振られる男性職員さんが担当してくれたが、彼もいちおう窓口の人だったのか。てっきり裏方の事務員かと思ってた。
「どうもね、コバーシ。あと、コイツの買い取りを頼めるかい?あたしらは数日休暇に入るからじっくり値段を検討してくれて構わないからさ。」
おっふ。彼の名前が明らかになった。コバーシというのか。実に馴染み・・・微妙な名前だな。いっそ小林とかにしてほしい。響き的には完璧こっちだろお前。
バルムさんが出したのは例の貝だ。確か扱いが宝石に近い扱いだったから、買い取り査定が出るまで少しの間かかるんだったっけ?詳しいことは知らんけど。
「珍しいですね。コーバン貝はここ最近持ち込みがなくて枯渇気味だったんですよ。これだけの量ならそこそこの値が付きますね!後日買い取り額をお知らせしますね!」
コバーシ君が活き活きしだす。ふむ、ギルドにとってもそれなりにうま味がある素材なのかな?危険な依頼の対価にしてよかったっぽいな。
「それとは別に通常の素材買い取りも頼んでもいいかい?少し量があるから裏に回させてもらうよ。」
裏口の腕毛の方へと回るというバルムさんたちと別れ、とりまマーグル婆さんの元へ行こうとして違和感に気付いて振り返る。
「・・・おい、なんでまだいるんだよ。」
「えっ?いいじゃない。今日バルムさんたちはこのあと休むっていうし、暇だもの。」
俺の視線の先には、「別にいいでしょ?」みたいな普通の顔がムカつくミリーがいた。
お読みいただきありがとうございます。
久々のバルムさん達ご一行の登場です!いちおうこれにてミリーの殺人未遂は決着ということになりますが、もちろん想君も作者も許すことはありませんのでご安心ください!根に持ちます!
それと、本編の更新と関係ありませんが、再度初期投稿分を修正していこうと思いちょいちょいいじってたりします。
ですが、話しの流れや設定などはいじりませんので!誤字脱字や句読点を変更したり、説明不足な点を補ったりって作業をやっていくだけなのです。読み返してみたら読みにくかったのです。
世間様はGWだそうですが、私は今日から4連勤。
つまり、当作品がいい感じに更新されるってことですね!ドヤァ




