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苦手な交渉 得意な炎上

感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第70話を投稿させていただきますー!

これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)

先週の更新が1回しかできてませんでした・・・ごめんなさい!

今週頑張りまするぅ(>_<)


前回のあらすじ

お肉に夢中

お野菜収奪

ショニタン暴走

テティちゃんお寝坊

俺のストレートな嫌味を受けてミレーさんの整ったまゆ毛がピクリと跳ねた。


「・・・そう、ですね。失礼いたしました。」


立ち上がり、しっかりと頭を下げてくるミレーさん。その姿を見てワタワタと慌ててから追って頭を下げてくるリーフさん。


「そういうのはいいからさ、用件まとめてさっさと言ってくれる?このあと色々と用事があるんだよね。」


「・・・わかりました。それではまず、先日持ち込まれた魔石はどうやって手に入れたんですか?」


「モンスターを狩って。」


「失礼ですが、全て貴女が?」


「ウチの連れが見えないの?」


「・・・幼女と少女が見えますが、戦闘に参加できるようにはとても・・・。」


「そうでしょ?見ての通り可愛いもんね?」


「え?えぇ、とても可愛らしいですがそれが・・・?」


「可愛いは正義なの。だからそういうことだよ?」


「・・・???」


何故か理解してくれないミレーさん。あれ?何か変なこと言ったかな?


《先程から問答がおかしいです、マスター。愛妹たちが可愛いからという主張しかしていません。どうやって大量の狩りができるのかという問いに答えていないのでミレー嬢の困惑は当然のことかと。》


「え?いやわかるでしょ普通に?愛妹たちが可愛い→俺元気になるし頑張る→モンスター虐殺に気合いも入る→森からモンスターが消えていく。ほら、簡単でしょ?」


「そんなのわかるわけないじゃない!!」


ダンッ!


机をぶっ叩くミレーさん。堪え切れない怒りが爆発したような表情をなさっている。折角の整った顔が鬼のようだ。だがしかし、俺には首を傾げる以外の道がない。


「なにが?」


「その娘たちが可愛いからといってどうして森からモンスターが消えていくのよ?!説明になってません!少しは真面目に話してくださいと言っているんです!!」


「えっと、あんまり怒るのはお肌にいくないよ?」


「~~~~~っ!!!!」


訂正。鬼のようだと言ったが、般若のような怨念の混じった顔になってしまった。こ、こあい・・・。


「ソ、ソウさん!ミレーさんはソウさんたちのタメにこうやって聞いているんですよ?!ちゃんと答えてくださいお願いします!」


「ん?そうなの?」


怒りで我を忘れてしまった般若さんとは会話が難しいのでリーフさんに改めて話しを聞いてみると、どうやら俺のギルド内ヒエラルキーの話しに関わってくるとのこと。


「―――つまり、俺があまりにも魔石や討伐部位を持ち込むから少々面倒なことになりそうだよ、と?」


「はい、そうなんです。ソウさんのようにFランクの冒険者が誰かしらに注目されることって普通はないんですけど、ちょっと目立ちすぎたというかなんというかで。」


「でもそんなに目立つことしてないよね?」


「えーっと、<ピクシー・ゴブリン>や<バルボル・ビー>、それに<ピアド・ボア>くらいなら数が少なければそうですね。通常は駆け出しで勝てる相手ではありませんが中にはいままで冒険者をしていなかっただけで元々強かったとか、元兵士の方々なんかにはいらっしゃいます。

あとは、稀にお金に物を言わせて討伐証明に必要な物だけ持ち込むといった方もいるにはいますね。お金のある商人の家の三男とか四男辺りが使われる手です。」


思い出すように、考え込むように視線を落としながらリーフさんは続ける。


「ですが、ソウさんの場合は持ち込む数も異常としかいいようがないほどに多いですし、<マーダージャック・ウルフ>の素材なんてまず考えられません。それになにより・・・ソウさんはランクアップを希望していませんからお話しがややこしくなっちゃってるみたいで・・・。」


「あー、言われてみると確かに異様かもね。こんな冒険者見習いとか意味がわかんないもんなー。」


「そう!そうなんですよ!これでソウさんが屈強なムキムキとした筋肉の塊のような強戦士か、高齢な魔術師のような方だったらまだわかるんですけど・・・。」


なるほど。少なくとも俺が単独で強いようには見えないから悪目立ちしちゃってるってことなのか。


「でもさ、俺がどんなヤツでもどうでもよくない?謎の異国人ってだけで騒ぎも起こしてないじゃん?」


「・・・それ、本気で言ってます?」


「うん。いたって普通の真面目な一般市民だし?それにまだここに来てから10数日しか経ってないしなー。知名度も低いでしょ?」


「え~~~っとですね、残念ながらその認識はちょっと・・・。」


何故か眼をそらすリーフさん。いつもの元気な笑顔も引きつった笑いに変わってしまっている。もったいない。


「そこから先は私が説明するわ。」


急に復活したミレーさんが説明を交代してくれた。少し長いので箇条書きにして整理しよう。

・異国人然とした風貌

・小さな奴隷少女を2人連れ回してる

・獣人は数が少ない

・登録時にブデノンともめた

・持ち込む魔石が普通にどうこうできる量じゃない

・持ち込みの素材がおかしい

・血塗れで担ぎ込まれたのにもうピンピンしてる


「それと、荷車を押す姿は単純に目立つわよ。昨日なんて馬まで連れてたっていうじゃない?アレも噂では貴族家から奪ったとかなんだとかって話しになってるのよ?どうなってるの?」


「あーあれ?あれは野盗からの戦利品だよ。急に襲ってきたから返り討ちにして、貰ったの。どうやって飼おうか悩んでるんだけど良い案ない?」


「野盗って・・・馬を持てるくらいの野盗と戦ったの?私も聞いた話しでは隣国の貴族家のだって聞いたけど・・・?」


頬に手をあてて伏し目がちな表情を見せてくるミレーさん。そういう仕草をしてると育ちのいいお嬢様みたいな雰囲気だけど、さっきの野性の般若みたいな顔を知ってしまったいまはコレじゃない感が押し寄せてくる結果となってしまった。


「なんだ、知ってるんじゃん?そうそうそれそれ。急にやってきて人攫いしようとしたから返り討ちにしたんだけど、人攫いなんて野盗のすることだもんね?問題ないでしょ?」


「確かに野盗からは何を奪っても問題じゃないんだけど・・・ちょっと待ってちょうだい。頭が痛くなってきたわ。」


頭を押さえて考え込むミレーさん。頭が痛いだなんて・・・大丈夫なんだろうか?風邪か二日酔いか?酒臭くはないから風邪なのかもしれない。そう考えて見てみると、どことなく疲れているようにも見えるし心配だ。


「・・・その辺りのことはこの際諦めましょう。ソウさん、あなたの目的はなんなのか。それだけ教えてくれないかしら?」


疲れた顔を更に追い込んでキリリとこちらを睨んでくるミレーさん。ふとリーフさんも見てみると胸の前で両手を握りしめてじっとこちらを見つめてきていた。しかも泣きそうな顔で。


「目的って・・・昨日リーフさんに伝えたけど?魔石をお金に換えてほしいんだよ。お金なくて困ったらギルドに来るの、普通でしょ?」


「それは、目的ではなくて・・・手段でしょう?そうやって集めたお金でいったい貴女は何をしようというのかしら?」


それも話さないと換金してもらえないの?高額になるとそういうことあるってことなのかな。デカ狼の時はそんなことなかったのに。


「何をするかと言われたら、借金を返すことかな。」


「はっ?」「へっ?」


締まりのある顔から一転、呆けた顔になってしまった受付シスターズの両名。そんなに借金があることが不思議に思われることなのだろうか?


「多分聞けばすぐにわかってもらえると思うけど、俺ってほら・・・見ての通りの怪我をしてるわけじゃん?」


「怪我って・・・?もしかしてその火傷のことかしら?」


「まぁこれも含めて?俺ってばこの街に来るちょっと前にさ、色々あって顔は火傷でこうなっちゃったし左脚は折れてたし右腕も吹き飛んだしそれ以外にも実は沢山の怪我してたんだよ。あれはマジ死ぬかと思ったんだけど。」


怪我をした経緯はちょっと恥ずかしいからボカしながらメタリカさん宅で治療を受けていたことを簡単に説明した。そしてショニタンにお金を借りていたこと話せば説明は完了だ。


「だからまとまったお金がほしいんだよ。昨日メタリカさんところの関係者と会えたから、今日はこれから借金返しにいくところなの。なんなら一緒に来る?来たらわかるっしょ?」


「・・・い、いえ。流石に領主様の所にいくのはちょっと・・・。」


とはリーフさんの弁。


「もし、もしも差支えなければ・・・いえ、それはムリね。込み入った事情も色々あるでしょうし、私のようなただのギルドの職員が立ち入るのは難しいわね。」


「そんなに気張るような相手なのかな?」


「「あ、当たり前(よ!&です!)」」


速攻ダブルで怒鳴られてしまった。解せぬ。まだまだ納得できないことが沢山あるらしいお2人には今度ゆっくり説明すると伝え、お金を貰うことになんとか成功する。ギルドでお金を貰うのがどんどん面倒くさくなってきた。どうしたらいいのだろうか?考えるのも億劫(おっくう)だけど収入がなくなるとプー太郎というかレスホームまっしぐらなんだけど。


「あ、そういえばエリザっていまメタパパのとこ(領主館)出禁くらってるらしいんだけど、この街の中に別邸ってあるの?」


「エリザベート様が?また聞きたくない話題が出てきたわね。けど、別邸なら多分兵舎の近くのじゃないかしら?あそこには有事の際に詰められるよう別邸が隣接されてたハズよ。」


「あ、そうなんだ?ちなみに場所はどの辺なの?」


ミレーさんに大事な情報を教えてもらえて助かったー。知らないままだったらメタパパに会いに行かないとダメなとこだったよ。あのおっさん苦手だからできれば会いたくないし。

ちなみに貰えたお金は約銀貨78枚。税金を抜いたあとの価格だが思ったよりも少なかった。でも考えてみると<ピクシー・ゴブリン>なんか100匹倒しても銀貨20枚。税金抜かれたら銀貨16枚だ。そう考えると結構もらった方というか計算が合わない?ダンジョンコア作るのに結構使っちゃったし。


「なんか多くない?」


「いえ、素材の方もそれなりにありましたし、何よりゴブリンの巣を壊滅させていますのでその分の討伐報酬が上乗せされています。」


巣の破壊にはボーナスが出る仕様だったらしい。ちょっとラッキー。でもこれだけ大量に倒したのに収入としてはこんなもんか。他の冒険者の人達はちゃんと生活できてるのだろうかという疑問も浮かんでくる。


《魔物の討伐以外の依頼(クエスト)も多数ありますし、臨時の魔物討伐依頼は報酬が上乗せされますので問題はないようです。》


すぐにお返事が返ってきてしまったので神疑問にはならなかった。それもそうか。普段からモンスターとスプラッタするだけの商売じゃないもんね。思考がいつの間にか戦闘民族寄りになってしまっていたようだ。

なにはともあれこれで目標だった銀貨50枚をクリアできたことを喜ぼう。ミレーさんからはギルド職員が俺らの情報を誰かに話してる可能性を示唆され、リーフさんからは冒険者連中が俺を話題にあげることが増えたとか言ってるがそんなん知らん。相手にする予定は微塵もないからスルーするに決まってる。てか守秘義務とかまともにないのかこの国は。


「あ、そういえば聞き忘れてたんだけど、素材の解体場に積んであったゴミって普段どうしてるの?」


「アレらは当ギルド職員が定期的に街の外に廃棄しに行っています。街中で燃やすのも難しいですし、燃やすための燃料の問題もありますので仕方なく街の外で燃やしています。どうしてですか?」


「つまり色々と面倒ってことね。それならゴミの処理、俺が請け負おうか?」


「請け負うとは?量も量ですし、街の外に持っていくのも大変なんですよ?」


(いぶか)しげな表情でこっちを見つめてくる受付シスターズを伴い解体場へ。腕毛のおっちゃんにも事情を説明していざ実験。

いままであまり気にしてなかったけど、モンスターを燃やした際に煙は特に出てなかったような気がする。どういう原理かは知らないけどそれを利用すれば近隣住民にはここで燃してることがバレないし問題にもならないだろう!素晴らしきかな異世界魔法!


「まずはこの不思議な粉を使って魔法陣を描きます。そんですぐにここへ投げ入れられるようにモンスターの残骸を用意してーっと。」


ここまでやって気が付いたけど、最近力仕事を担当してたミリーがいない。なんてことだ。こんな不衛生な環境でテトにゃんたちを働かせたくないのに・・・・。


「ソウ!ウチが手伝うの!」


「ん!ニコ、も!」


うぅ・・・2人はやる気がマンマンだ。キラキラしたスマイルで言われては止めることなどできようハズもなし・・・うぐぐぐぐ。


「んむ~、なるべく素手では触らない様にしよう!この(しょくしゅ)を使って挟んで持ってくること!それなら許可を出しましょう!」


「わかったの!任せるのー!」


「ん!や、る!」


「くっそぉ・・・なんて可愛さだ。でも今日だけはその可愛さが憎いぜ・・・orz。」


「ソウさんって、いつもこんな感じなの?」


「わ、私もあんまり知らないんです。」


ミレーさんとリーフさんが何か話してるけど、なんで悠長に話しをしてるのか!?


「ちょっと!リーフさんもミレーさんも手伝ってよ!おい腕毛!お前もやるんだよ!愛妹たちにだけやらせるつもりか?!」


素早く指示を出して俺も残骸運びに参戦する。片手でもこっちはできるんだ!ハシをこよなく愛する日本人の力、見せてやる!!


「うあっ!指と手首が()るるるっ??!」


ビキビキと痛む我が左手!封じられし鬼が暴走を!?


《単純に筋力不足ですね。利き手じゃない方の手で肉片を持ち上げようとすれば当然の帰結です、マスター。》


いつもの呆れ眼、カナデさんだった。言われてみれば確かにそうだ。なんでハシのように物体Xを持ち上げようとしてるんだろう?(しょくしゅ)を刺したり押したり引いたりするだけで良かったんだった。失敗×2。(テヘペロ☆)


「よし、コレで準備はいいかな?ここからは火を使うので小さい子供は近付いちゃいけません!あと、良い子のみんなは真似しないこと!先生との約束だヨ!」


「「(ん。)はーい(なの)。」」


「こら!そこ!リーフさん達もお返事は?!」


「「「は、はーい!」」」


「うむよろしい!じゃ、これから燃やしていくから・・・ジッダさん?残骸を次々放り込んでくれる?」


「いまさらさん付けで呼ばれても嬉しかないわな。だが任せろ!外に持っていくよりも遥かに楽だからな!」


「よし任せたー!それじゃいっくよー。『生活魔法(マギアズ・リベアン)』『魔力式コンロ(マギコンロ)』。」


ボオオォー


実は何気に本邦初公開というかいま作った魔法、『魔力式コンロ(マギコンロ)』だ。原理は魔石を核に使った焚火と大差ないがこっちは魔法で実現させているのが違いといえば違いだ。まぁほとんど変わりはないが、ちょっとだけ安定感と魔力の消費効率が劣ってるだけである。あと制御も完全俺持ちだしイメージで補ってる部分も・・・って全然違うやないかーいというツッコミが入りそうな程に違いがあった。見た目以外はほぼ違うじゃん。

ここに腕毛がせっせとモンスターの残骸を放り込んでいく。魔石もないような残骸はほとんど抵抗らしい抵抗もないままに燃えて灰になっていく。どうやら火耐性のある素材はないようだ。それにしても腕毛は何気に優秀だな?俺の力作キャンプファイヤーを見ても数秒しか停止(フリーズ)してなかったし。それに引き替え受付嬢組は「ひぃっ!」とか「ふぁっ!」とか情けない言葉だけを残して意識だけ旅行に逝っちゃったもんなー。呆けた顔が面白いけど少しは腕毛を手伝ったらどうなんだろう?


「コイツで最後だな。」


腕毛が抱えていた最後の残骸を火の中に投げ込んだ。これで山になってたゴミのお片付けが全部終了したな。片付けると清々しくもあるからやってよかったと思える。


「んで、最後に灰を全部ばきゅって終わりっと。」


きゅごーーーー


「これでいいかな。ちょっと地面が焦げちゃったけど土だし別にいいよね?じゃ、また溜まったころにやってあげてもいいから声かけてねーばいばーぐえいぇう?!」


「ママママ待ちなさいよ!なにいまの?!なになにいまの??!」

「どうなってるんですか?!なにをしたんですか?!その袋はなんなんですかー??!」


「いたい!いたい!いたい!ぐえ?!ちょまっ!ちょまって!首!首しまてkdjgp@♪☆」


「やめてなのー!」「んー!」


がっくんがっくんと俺の肩をゆすりまくるミレーさんに外套(マント)を遠慮なく引っ張ってくるリーフさんによって俺の視界が激しく揺れる!あぐえ!おえんぎゅ!と意味のない声が漏れるが2人はやめてくれやしない!

それを見かねた愛妹たちが助けてくれなかったら今度は俺がここではないどこかへと旅立ってしまうところだったよ。マジで。


「あー・・・のども首もいってー。」


愛妹たちと腕毛に現行犯逮捕された暴行犯2人にジトを送る。ちょっと涙で霞んで見えるのは内緒だ。


「「ご、ごめんなさい」」


「ステレオで謝られても痛いもんは痛いんですけどー。(俺の利益はある)ボランティアしてあげたのにコレって酷くない?一応コスト(モンスターの灰)使ってやってるんだよ?タダじゃないんだよ?」


「あの粉って、その・・・やっぱり特別な何かだったんですか?」


「特別っちゃ特別かな?とあるモンスターからとれる魔法用の媒体だし。」


「ま、魔法媒体ですか?!それってお高いんじゃ??!」


「えっ?どうなんだろ?確かに限られた量しかこの世にないかもしれないけど、自作でもあるからその辺はよくわからんな?」


「「「・・・えっ?」」」


んん?なんでそんなに驚くのん?


《マスターの言い方では超希少な素材を使っているようにしか聞こえないかと。》


「あ、そういうことね。えと、今回使ったのはあまり数はとれないモンスターの素材だけど、他のモンスターでも代替できるからそんなに希少価値高いヤツじゃないよ。うん、大丈夫だよ?」


「あー、よくわからねぇが、お高いアイテム使ったってわけじゃねぇんだな?それだけわかれば多少は安心だわな。」


「全然安心じゃないですよ!なんですかソレ?!数が取れないって大問題じゃないですか!!」


そんなに問題なのか?よくわからんがダンジョンの固有種くらいいてもおかしくないだろうに。わーぎゃーわーぎゃーと熱い議論を交わす腕毛とリーフさんを置いておいてミレーさんと挨拶だけして帰るとするか。多分長くなるし。


「じゃあ俺はそろそろ行くね。」


「・・・えぇ。ちなみにさっきの処理はその粉を使わないとできないのかしら?」


「普通にできるよ。だから次また溜まったらやりに来ようか?」


「・・・できるのね。それならもしお願いできるなら頼みたいところなんだけど、予算がつくかどうかギルドの方で相談させてもらってもいいかしら?」


「マジで?報酬出るなら依頼(クエスト)として回してよ。受けられるときは優先で受けるからさ。」


「できれば指名依頼(ユーザークエスト)にしたいところだけど、ソウさんのランクじゃねぇ。とにかく私かリーフに声をかけてくれたらすぐに対応できるようにしておくわ。」


ミレーさんとの商談?も終わったので軽く挨拶してからギルドを発つ。次からはお金は貰えるしDP(ダンジョンポイント)は貰えるしで1粒で2度美味しいお仕事げっちゅーしたのでホクホクっすわー。


「てことで屋台で買い食いしてからエリザのお家に行こうか。何か食べたいのある?」


「うぅ~?」


悩みつつも屋台を吟味するテトにゃんの視線を追うと、大体お肉系に止まってしまうようだ。ニコは芋みたいなヤツの串焼きが気になっているご様子なので、お肉系と芋串でお昼は即決だ。

適当に数本ずつ買ってから芝の上でお昼ご飯。相変わらずお肉は固いけど、芋はホクホクしててそこそこうまかった。けど、スープ系買わなかったのは失敗だったな。芋ってのどに詰まりやすいんだよ。


「そういえば先触れ出してくれって言われてたんだっけ。そういうとこの発想がやっぱお貴族チックだな。」


「ウチが先に行って、挨拶してきたらへーきなの?」


「いや、テトもニコも1人で歩かせるのはちょっとなー。あんまりこの辺の治安とか知らんし。」


困りながら辺りを見渡すと、見知った顔があった。もしかしたら丁度いいかも?


「おーい!ヨハンさーん!」


「あれ?もしかしてソウさんかな?久しぶり・・・って小さい・・・どr?」

「違うから!2人とも俺の愛妹たちだから!こっちがテトラリア。激しく可愛い我が家の長女。んで、こっちがニコ。(ほとばし)る程可愛い我が家の次女。俺の愛妹だから変なこと言わないでね?」


「えっ、あっ、うん。そう・・・なん、だ?わかった。僕はヨハン。この街の警備隊をやってるから、何か困ったことがあったら声をかけてくれるとありがたいかな。」


「よろしくなの。テトって呼んでほしいの。」


「ん。ニコ、はニコ。」


「うん、よろしくね。それにしてもソウさん、色々と聞きたいことができちゃったけどそこはまぁ、いいのかな?取り敢えず怪我の具合とかを聞くのが無難なのかなぁ?」


「お陰さまで大分いいですね。脚もかなりよくなったんで普通に歩けるようになりましたし。あの赤い羽根おじさんに踏まれたところも問題なく治りましたし。」


「赤い羽根?・・・もしかしてダゴマスかい?あぁ、彼のこともあったね。その節はホントに申し訳なかったよ。」


「いえいえ、それもあってヨハンさんにはよくしてもらえましたから。いまのいままで忘れてましたよ。」


「そういってもらえると助かるよ。あ、あと、話し方もそんなに固くならなくていいよ。この街のこと聞いたでしょ?」


「いちおうは?でも、お貴族様にどうこうされたってこともないし、いまのところは特に気にしないかなって感じだよ。」


「そうそう関わることもないか。この街の中では上区の方にいかないと会うこともないからそれも当然かな?」


「・・・上区ってどっちかも知らないな。」


「そうなのかい?!えっと、街の中央よりやや北側の一帯がそうなんだけど立ち寄ったことはなかったのかな?」


「そっち方面には用がなくって行ってないなー。あ、でも今日はコレからメタリカさん家の別邸に行くからちょっと近くに行かなきゃだ。」


「メタリカ領主の?」


「そうそう。ちょっとそこのメイドさんに借りてたものがあってねー。あ、そうだ。ヨハンさん先触れの出し方とかってわかる?俺その辺の作法ってさっぱりでさ。」


「・・・そういうことなら僕が頼まれようか?これからちょうど兵舎の方にいくつもりだったんだよ。午後から仕事だから。」


「えっ?いいの?迷惑になったりしない?」


「全然っ。足が治ったっていってもまだ大変でしょう?ここで見捨ててしまったら母に怒られてしまうからね。」


「んむ~、なら頼んじゃおっかな?あと鐘1つ鳴ったら行くって伝えてもらっていい?」


「お安い御用だよ。それじゃ僕は行くよ。また今後ゆっくり話しをさせてほしいな・・・ってなんだかこの間よりも髪がツヤツヤしてないかい?これ・・・これはどうやって?な、何か秘密があるのかい?!」


「ちょ、ちょっとヨハンさん!」


「君の妹さんたちの髪も!?な、何を?いったい何をどうしたらそんなに?!」


ママンの為に暴走を始めてしまったヨハンさん。


「眼がマジになっちゃって超怖いよ!こ、今度教えるから!いま手持ちにないから落ち着いて!マジで!」


流石のマザコン、ヨハンさんだった。ママンが絡むと途端に怖いな。それに今度教えるって約束してしまった。


《あのシャンプー&リンスセットを渡すのですか、マスター?》


(いや、流石にアレはまずいっしょ?もっとランクの低いヤツ召喚してあげれば十分じゃない?いちおう恩人でもあるし、それくらいはしてもいいって気もするし。)


ヨハンには殺人犯ダゴマスを止めてもらった恩義があるから俺らと同じのをあげてもいいだが、そうなるとちょっと質が高すぎるって問題があって二の足を踏んでしまう。なので一般人でも手に入る中での最上級品くらいが妥当だろうと思う。多分この対応で合ってるハズ。見破られないことを祈ろう。うん。

なんとか落ち着いてもらったヨハンさんと別れ、少し空いた時間を使って消耗品を補充。干し肉やらなんやらの外に出たら必要になる系の品々だ。ついでに髪留め用の紐やリボン、ピンなんかも入手。ニコの髪の毛お団子にしてみたいしテトにゃんはピンで遊ばせてみたいんだもん。


―――ゴーン・・・ゴーン・・・


鐘が鳴ったのでエリザ宅へとムーブメント。ついてビックリ超豪邸!かと思いきや、これでホントにあってるの?って思えるくらいの一般的ないいとこのご家庭的雰囲気の戸建てだった。

すんません嘘いいました。この辺りの家屋がみんなそんな感じだから比較対象がアレなだけで、実は150坪くらいありそうっす。やっぱデカいっす。


「これマジあってるの?表札ないから困るんだけど。」


《メタリカ家の家紋である城壁と盾が見えますのでまず間違いないかと。》


「・・・城壁と盾?そんなシンボルだったのか。メチャクチャごつい盾かと思ってたわ。」


いま明かされる知られざる真実であった。だっていままで知る必要なかったし。


「門が開いてるってことはそのまま入っていいってことなのかな?先触れヨハンさんが言ってくれてるハズだし。」


そのまますたすたと敷地へ入りドアノッカーでコンコンしてみると、中からムキムキの金髪ダンディーなおやっさんが出てきてくれた。


「・・・なんで?」

お読みいただきありがとうございます。

ギルドの受付お嬢ちゃんたちはいったい何がしたいんでしょうか?半端な対応お疲れ様です。



以下駄文


ヨハン「出番来るまで半年って・・・。」


月姫「メタ発言禁止!作中ではまだ半月くらいだよ!」


ヨハン「しかも台詞少なくないかい?」


月姫「台詞があるだけましなんですけど。」


ヨハン「せめて母上と出たかったな。」


月姫「・・・もうやだこのマザコン。」

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