お肉祭りだ肉食会だ
感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)
読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第68話を投稿させていただきますー!
これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)
投稿が遅れ気味だったので楽しんで連投します!
頑張って読んでください!
前回のあらすじ
リュウケルさんさようなら
フランクげっちゅー
蝿だから五月蝿い
銀蝿が喚きながらも東へと消えていく。ようやくいなくなってくれて心から清々するね。どうにも異世界宗教は過激でいくない。
「あぁ、騒ぎになっていたようだったからな。近くにいたので来ただけだ。」
「あーなんか朝早くから申し訳ないことしたかな?多分騒ぎの中心って俺らだもんね?」
「うむ、そうだな。だがアレらは我が領主家が呼んだのだ。その不始末に対応するのもまた我らの務めであろう。」
どうやら考え方は全然変わっていないご様子に安心するとともにちょっとだけ呆れもしたのは仕方のないことだろう。どんだけ肩ひじ張って生きてんだ?このお貴族様は。
「あ、そういえば色々話したいことあったんだった。エリザベートさんは今日の夕方にでも時間取れたりしない?」
「それは構わないのだが、できればエリザとでも呼んでくれ魔法師殿。」
急にグイグイ来るのがメタリカ家の家訓なのか?思えばメタパパもグイグイ来てたもんな・・・あっちは物理的な距離でだけど。
「・・・なんで?」
「やはり大恩ある方にはもっと気軽に接してもらいたくてな。それに、言葉を崩してほしいとお願いして本当に崩してくれたのは貴殿くらいなものだ。できればもっと友好的な関係を築きたいとも思っている。」
真っ直ぐ見つめてくるメタ娘の頬が心なしか赤い気がする。なんだなんだ?あんま友達いないからって狙われてるのか俺ってば。
「素面で正面きって言われるとか結構ハズいけど、そういうことなら全然いいよ。エリザ、俺のことはソウって呼んでくれ。改めてよろしく。」
言いながら左手を差し出すとエリザはシュバッと握り返してきてくれた。早すぎて若干俺の笑顔が引き攣ったのは内緒だ。
「ありがとう!よ、よろしく頼む!」
・・・ぼっち疑惑が最有力候補に上がりつつあるな。胸囲も含めてアンナベルといい勝負かもしれん。
「でだ、待ち合わせはどこか希望あったりする?俺たちはいま帰ってきたとこだからちょっと休むけど、それ以外は今日の予定ってほとんどないんだけど。」
「ふむ、それなら私がそちらへ伺おう。父上のいる領主館でもいいのだが、何故か当分は入るなと言われてしまってな。」
「出禁になるほど何かしたの?」
「いや、特には。ただ、何故かモーキンス殿たちがきてから様子がおかしくてな。タニアに理由を聞いても答えてくれないのだ。」
タニアって誰だろ?メイドかなんかかな?
「ふ~ん?まぁ、話せないなら話せないなりのなんか理由があるのかもね?俺にはちょっとわからんけど。」
「まぁいい。戻ったらまたタニアに聞いてみるとするさ。それで、ソウ殿はどちらに宿を?」
「・・・あー・・・そういえば宿はいまミリーが使ってるんだっけ?待ち合わせに使うならそこの食堂でいいかな?そっちにするか。」
とりま陽が沈むころに『防壁の憩い宿』の食堂で待ち合わせをお願いすることにした。用件って言ってもショニタンに借りたお金返すのと、使っちゃったポーションを補充するだけの簡単なもんなんだけどさ。
最後に最も重要な案件である愛妹紹介をしっかりとしてからミリーもついでに紹介しておいた。エリザはテトにゃんのケモミミを食い入るように見つめていたが、やはりテトにゃんの魅力に首ったけなのだろうか?いいケモミミ愛好仲間ができそうな予感がビンビンしてきた。
《隣国との障害になりかねない存在ですし、むしろ警戒していたのではないでしょうか?》
カナデさんが見当違いな明後日な発言をしてくる。いや、でも確かにそうかもしれない。これ程までに可愛いテトにゃんのことだ。変態集団が大挙して押し寄せてきても不思議ではないのかもしれない・・・その場合は戦争だな。より一層気を引き締めなければならないようだ。(キリリッ)
「あ、悪いエリザ。1個頼まれて欲しいんだけど。」
「・・・ん?あぁ、私にできることであれば承ろう!」
テトにゃんの次はニコを凝視するとは・・・ケモミミと幼女がイケるクチなのか。もしかして、ショニタンと同類?いやいや、アレは特殊な変態さんだろ。そこまでのヤバさは感じないから普通にニコが可愛すぎるせいだな。うん。
俺的安心感が確立されたので頼みごとをさっさとしてしまおう。エリザはこの街のお偉いさんだし、面倒なことはここで投げておくのがいいよねと森の中のゴブの巣を壊してきたことを伝えた。
ちょっと驚かれたけど<マーダージャック・ウルフ>の群れより危険度低いから普通に信じてもらえて楽ちんだ。やはり持つべきものは権力のある友かな!今日からお前は心の友だ!趣味も合いそうだしマブダチになれそうな予感だ!
マブダチに任せておけばゴブの討伐隊を解散させたりするのもまだ間に合う・・・よね?さっきから視界の端でモブ感MAXに噴き出してくる連中が昨日聞いてたてか討伐隊らしいし。カナデさん曰くだけど。てかアイツらなんで銀蝿止めなかったんだろ?機会があったら締め上げ・・・いや、聞き取り調査でもしないとダメかもしれないな。
言いたいことだけ言ってあとはエリザに任せてこの場を離脱する。まず向かうのはマーグル婆さんの所だ。当然ここにミノの皮と大八車を放置。路駐もコレで3台目だ。いい加減ヤバいかもしれない。しかも今日からオバナとフランクもいるんだが、流石に預ける場所考えないとダメかな?まだイケるかな?
眠ったままのニコを抱き抱えながら次は食事へ。眠るニコは温かくて俺まで寝そうになってしまったが、健全な魂と健全な肉体を駆使して耐えつつミリーが言ってた『闘牛の鉄庭』へ直行した。
『闘牛の鉄庭』は朝も早よからせっせこ働いていたので店員さんに希望を伝えてお任せセットを頼んでみた。勿論ニコ用にめっさ切り込み入れまくったお肉も用意してもらったのは言うまでもない。
「はむ―――むぐむぐ。・・・うまっ。」
少々お値段は張るが、量も多く味も複雑な風味と優しい旨味とのコントラストがうまかった。自分では何を言っているかわからないが分かる人にはわかるかもしれない。野菜や果物をベースにしたソースが厚めに切られた赤身肉に合う。衛生的な意識なのかしっかり焼きな感じなのだがそれでも固くなくて噛めばホロホロ脂が溶ける。
ソース自体が少し甘めなのだがその甘さに負けない旨味と赤身とは思えないジューシーな脂が溢れてくるのには本気で驚いた。手持ちのお塩で味変するのも忘れない。
「しっかし脂身が見えないのに口の中で脂が溶けるってどういうことなん?どうなってるのかよくわからんが、これならニコも食えるかな?」
「ん。おいひぃ!」
お肉を頬張り微笑むニコ。テトにゃんも眼を見開いて無言でパクパク食べてるところをみるとお気に召したようだ。あの小さなお腹のどこに消えてるのか不明すぎるがコレ1枚300gはありそうなんだけど?
「・・・こ、こんなに高いの食べたことないんだけど・・・。」
プルプルしつつ独り言を呟くミリー。んん?バルムさんたちとよく来てるんじゃなかったのか?
「いつもは違うの食べてるのか?」
「も、もちろんそうよ!こんなに高いお肉なんて『城砦の矛』のメンバーで食べたら食費が大変なことになっちゃうわよ!」
何故か逆ギレミリーさん。
「まぁ、ウチは人数少ないからその分食費もあんまかからんしな。やっぱ大人数になるとその分の苦労ってあるんだなー。」
特に値段を気にせず食べるツキシロ家と違い、なんかチビチビと食べてるミリーに早く食べないと次のお肉が冷めちゃうぞって言ったら「もっと食べていいの?!」と叫びテンション爆上げしてガッツキ始めた。
「いや、だってお前俺の倍は食うだろ?1人前じゃ足りないじゃん。」
「あ、あんたってメチャクチャ良いヤツ・・・いえ、いい人だったのね!はぁ~・・・このお肉おいしいぃーー!!」
口にお肉を運ぶ度に「ん~っ!」とか「えへへ~」とか大きな反応ってか蕩け顔を見せるミリー。肉1つで俺の評価も急上昇らしいがいくらなんでもチョロすぎるだろ。ここの肉は旨いけどそこまで高くないのに・・・バルムさんとこって貧乏なのかな?
その後ツキシロ家はデザート代わりにドライフルーツを少々口にしたが、なんとミリーはお肉を4人前も食べ尽くしてしまった。眼をキラキラさせるのはいいけど口の周りもキラキラさせるなよ。脂ですごいことになってんぞ。
「あぁぁぁー・・・もうお腹いっぱいよ・・・動けないかもー。」
「ついに胸より腹の方が出たな。動けないなら宿に戻って休むか?あとは夕方にエリザに会うくらいしか予定ないし。」
「うーー・・・そうね。少し休んだら宿に帰って寝ることにするわ。色々あって疲れたし。もしあたしが食堂にいなかったら起こしてくれると嬉しいんだけどー。」
最後にワガママをつけたしつつまだここで休むというミリーを置いて再びマーグル婆さんの元へ。帰るという表現は使いたくないので戻るとでも言っておこう。
「やほー。戻ったよー。」
「ただいまなのー。」
「んー。ただまー。」
・・・おやおや?愛妹たちはただいま宣言?ここを住処として認識しちゃってるとか大問題じゃん!?
あぁ!でもちゃんとただいまの挨拶ができて偉いって褒めるとこ?それともここは家じゃなくて作業場兼休憩場所だって教えるべき?!な、悩ましい!
「外泊とは関心しないね。しかもこんなに小さい子を2人も連れてだなんて。」
「うぐぅ・・・結論が導き出せない。あ、マーグルさんおはよー。挨拶はきちんとしようねー?」
「マーグルお婆ちゃん、おはようなの。」
「ん。おはよ。」
「あーはいはい。おはようおはよう。って何がおはようだい!もう昼になるよ昼に!」
「え?もうそんな時間?参ったなーちゃんと汗を流してから寝ないとなんだけど時間がない!てことでお湯の用意してくれ!マーグルさん!」
「帰ってくるなりなんだいそれは?!図々しいにもほどってもんを考えるこったね!あたしゃ使用人でもなければあんたのオカンでもないんだよ!!」
「いや、そうはいうけどこっちはこっちで色々あったんだよ。理由はあとで詳しく話すからさ、まずは寝る準備に協力してくれない?ほぼほぼ徹夜なんだよ。」
「・・・ちっ。ちょっとそっちで待ってな。」
舌打ちとかひどくない?という心の叫びをなんとか飲み下して黙って寝る用意を進める。ラノベなんかにある浄化とかって魔法があればいいんだけど、そんなに都合のいい魔法はいまのところ見つけられていない。
マーグル婆さんが用意してくれたお湯やら水やらを使って身支度を整えて仲良くみんなで就寝。右手にテトにゃん左手にニコちゃん。美少女ベッドは最高だ。
ホントはガッツリ寝てたいけどそれをやると夜寝れなくなるのでおやつの時間に起床。カナデさんアラートで15:00といったところである。
それからマーグル婆さんに頼んでおいた軽い食事を食べ、マーグル婆さんに頼んでおいたポーション作りの準備を確認してからみんなでポーションを作り、マーグル婆さんに頼んでおいた洗濯物を『ドライヤー』で軽く乾かす俺有能。
「どんだけ私を扱き使えば気が済むんだい!まったく!」
「いやー、マジで助かるよ。さんきゅー。」
面倒なことや時間のかかることはNEETに任せ・・・ケフンケフン。年寄りに任せ、ものの2時間ほどで出発の準備も整った。沢山作ったポーションもいくつかはマーグル婆さんにあげたのできっと十分な対価になっていることだろう。
ここでやることも粗方済んだので次はギルドへふーらふら。なんせお金が足りないからな。ショニタンさんに借りたのは銀貨50枚。俺ってばこの街に来てから銀貨100枚くらい稼いでたハズなのにいったいどこにいったんだろう?手元には銀貨が30枚くらいしかない。謎い。
「リーフさんおっひさー。」
「あ、ソウさん!・・・アレ?昨日お会いしましたよね?そんなに久しぶりでもないような?」
「・・・そういえばそっか。なんか丸々1月くらい会ってない気がしたけどそんなことないか。ないのか?」
何故だか時間的な感覚がふわふわしてるのは、昼間に寝てたせいだろうか?よくわからんが考えてみたら昨日会ってたわ。うん、遠い昔のよーな気もするけど昨日昨日。
「まぁいいや。とりま魔石の精算お願いしたいんだけどいいかな?」
「はい!もちろんです!・・・けど、もしかして今朝のお話しにあったアレですか?」
「アレ?アレって何さ?なんかあった?」
「いえ、今朝方メタリカ家の御長女様がゴブリンの巣はとある御仁のお力により殲滅されたー!って仰ってたので。」
「御長女ってエリザのことか。多分それも含むって感じかな。はい。」
言いながら皮袋をリーフさんへと押し出す。討伐証明部位とかの入った袋も隣に置くが、カウンタースペースが一気に埋め尽くされてしまった。このカウンター狭いんじゃない?
「・・・・・・・・・・・しょ。」
「しょ?」
「少々お待ちください。」
健康的な肌色が一気に青褪めてしまったリーフさん。流石に仕事量多すぎたかな?急に汗が頬を流れていつもの素敵笑顔が引き攣っちゃったし。
「なんか、悪いことしちゃったかな?」
《少々量が多いだけですので問題はないかと。それより多少時間がかかってしまうかもしれないことの方が問題です。エリザ嬢との待ち合わせに間に合わないのでは?》
「むむ。引き換え札的なのも渡されてないしちょっと困るな。」
仕方ないので解体所の方にいる腕毛のおっさんにでも協力してもらうか。ギルドでの知り合いってそれくらいしかいないし。
奥へと行くといつものように腕毛がいたので事情を話し、割符を貰って大将の宿屋を目指す。なんだかんだでここも昨日振りなハズなのにそこはかとなく懐かしい。なんでだろう?
「大将こんちゃー。」
「おう、あんたか。今日はどうした?」
「今日はここ待ち合わせに使わせてもらっちゃおうかと。あとでミリーともう1人連れてくるけどいいかな?」
「あぁ、そんなもんなら全然かまわん。飯はここで食ってくのか?」
「そのつもりだよー。あ、そうそう。俺はあんまり食うつもりはないんだけど、このお肉って加工できたりする?」
「見てみないことにはなんともだが・・・。」
取り出だしたるはダンジョンで拾った・・・もとい切り取った故牛という名のミノタウロス君のお肉だ。なんとなくミリーが食べたそうにしてたし可能ならここで消費してしまおうという魂胆だ。ハチャメチャ人型してたから俺的にはナンセンスなんだけど、現地人な異世界人的には許容範囲なのかもしれないし。
不味いっていうオーク肉だって食うヤツがいるらしいから、マジでその辺は俺みたいな地球人には理解の外っぽい。見た目的にはとってもキレイな霜降り和牛っぽいんだけどなー。
「そいつは・・・見たことがねぇがいったい・・・。」
「これ、ミノタウロスの亜種の肉なんだけど。」(ボソボソ)
「・・・は?」
珍しくゴルドルさんがフリーズしてしまった。ヨーロッパ方面のマッチョな彫刻っぽくて迫力あるな。
「あ、あれ?やっぱり人型は禁忌な感じだった?あんまり食用に向いてなかったかな・・・ダメならギルドにでも押し付けてくるけd」
「是非とも売ってくれ!いや、そんな上等な肉を引き取る余裕はうちにはねぇ!後生だ!調理だけでもやらせてくれないか!!」
筋骨隆々のおっさんに肩をガッツリ掴まれた俺、ヒグマに襲い掛かられる気分ってこんな感じなのかもしれない。あ、お手てに力入れないで?肩がね、砕けちゃうと思うの。つかもうなんかメキメキいってない?指!指食い込んでない?!
「お、落ち着いてくれよ大将!俺の、俺の肩が死んじゃう!死んじゃうからー!?」
「・・・ふー。ふー。」
ぜ、全然聞いてない・・・だと?!完全に眼が据わってる大将がマジ怖い!ふーふー言うのもやめてよして触らないでマジで怖いから!!
「わかった!わかったから!このお肉使っていいから!近い!近いから!おくさーん!テティちゃーん!助けれーー!!?」
その後おくさんのおたまアタックとテティちゃんのボディプレス?アタックを受けて大将が鎮火した。やはり女は強し!俺みたいな男では大将は止められないことが判明した瞬間だった。
「うちの人が迷惑かけたみたいで悪いねソウさん。ほらあんたもしっかり謝らないとだよ!」
「あ、あぁ・・・。すまんな。」
「お父さんはちょっとお顔が怖いんだから、気をつけないとダメなんだよ!ダメなんだよー!!」
何気にひどいなテティちゃん。心なしか大将の肩が更に落ちた気がするぞ。
「落ち着いてくれればこっちとしては大丈夫だよ。ありがとうテティちゃん。それにしても、なんでそんなにお肉に反応したの?」
「・・・それはな。昔から俺たち料理人の間で噂になってる話しがあるんだ。」
語られる内容の大半を端折ると、高レベルのモンスター素材を扱うと調理人としての格が上がり料理が上手になるらしい。んなバカな。
《もしかしたらレベルのことと関係あるのかもしれません。》
(いやだって、この世界ってスキルレベル的な概念ってないんでしょ?)
《はい、スキルレベルの概念はありませんが、いちおう熟練度的な考え方は普及している面もあります。》
使いこなせばそれだけスキルの制御が上がったり威力が上がったりって感じのあれか。
その仮定として高レベル食材の調理をすることっていうのが考えられてるのね。ホントかどうかは知らんけど。
「事情はわかったよ。じゃあ、いまある分のお肉は提供するから好きに使ってよ。忌避感さえなければ、ね。」
故牛のお肉を2塊ほど大将へ手渡す。なんか恭しく受け取られたけどそれってただの化け物の肉だよ?神聖なものでも御大層なものでもないんだけどなぁ。
「すまねぇ。これで今日、晩飯を作らせてくれ。」
「・・・。」
できれば食べたくないし愛妹たちにも食べさせたくない。ハンニバルとまでは言わないけど、どうしても心の拒絶反応が出てきてしまう。
「コイツって、人型なんだけどその辺どうなの?」
「ん?人の形には確かに近いらしいが、味はいいらしいぞ?すまんが味見を少しだけさせてもらってもいいか?」
「どうぞどうぞ。」
どうやら全然忌避感とかないらしい。テトにゃんは微妙な顔。ニコは無表情。うん、全然わからんけん。思い出の中のミリーは物欲しそうな顔してたから参考にならんな。
これから大将は料理を始めるらしいから、その隙にミリーでも呼びに行くか。まだ来てないのは寝てるからかもしれないし。
「テト、ニコ、俺は上のミリーを起こしに行ってくるからちょっとテティちゃんとここで待っててくれ。もうすぐご飯時になるから混むかもしれん。席だけは確保しておいてほしいんだ。」
「わかったの!」「ん。まってる。」
愛妹のいつものお返事をいただいたので階段を経てミリーの部屋・・・てか前に俺らが泊まってた部屋をノックする。
――コンコンッ
返事がない・・・ただの屍の如く。って違うか。まだ寝てるのかそれとも外出してるのか?さっき寝てたら起こしてくれって言ってたし。ないとは思うが扉の鍵を確認してみる。
――ガチャッ
「おっふ。なんて不用心極まりないんだ。普通に開いてやがる。」
あとで完全にお説教コースであることを心に刻みながら、年頃の乙女(笑)が使っている部屋の中へと侵入を試みる。
「おーいミリー。もうすぐご飯だぞー。いるのかー?」
部屋の中に入ってみるとミリーは確かにそこにいた。ベッドの上で仰向けになった状態でピクリとも動かない。理由はわからないがパンイチだ。急いで引き返して扉を閉めて鍵をかけたのは紳士として当然の行動であろう。
「ふぅ。危ない×2。」
いくらここが女性優先の宿だからって(以下略。)。
改めてミリーの様子を観察すると、やっぱりパンイチだった。毛布はかけていないからぽっこりお腹が丸出しだ。でも大丈夫!このお話しはまだ全年齢対象を貫いている!何故ならミリーはマクラを抱いているからだ!ギリギリだがセーフに違いない。
でもこのまま起こしてしまうと色々とまずくなる可能性が高いので忍び足を駆使して隣のベッドの毛布っぽいデカい布を拝借。それをミリーにかけてからミリーのほっぺたをツンツンする。ふにふに。ツンツンする。ふにふに。
「なんでこうも気持ちがいいんだか。」
今度は摘まんでみる。ぷにぷに。引っ張ってみるとぷにぃーぷにぃーと柔らかく伸び縮みする。ぶっちゃけ超気持ちいい。
「おいミリー。起きろー。晩御飯もお肉だぞー。」
「・・・えっ?!お肉?!?」
ガバッと起き上がるミリー。折角かけてやった毛布みたいな布が宙を舞う・・・。なんかもう丸見えである。でも大丈夫!まだギリギリ放送できるだろうと手早く布をミリーに巻きつける。これならまだ合法だろう!
「上半身裸で何やってんだ。乙女の恥じらいを持てといっただろ?」
「ふえ?あー、そういえば上を着るの面倒でそのまま寝ちゃったんだっけ?」
「しかも鍵も開いてた。不用心すぎるぞマジで。」
「えっ?そうなの?盗られてる物とかない?!大丈夫かしら??!」
自身の貞操よりも物品を気にするミリー氏。女子力が低い。戦闘力たったの5か?
「確認する前に服を着ろ服を。腹も腰も冷やすなバカたれ。」
再び宙を舞う布をミリーに巻きつけ肩を押さえるが、あまりにも無防備すぎて逆に色気がなさすぎる。実に残念なポンポコ娘である。
ちゃんと服を着せて文明人に引き戻してから一緒になって荷物を整理してみた。服も装備も最低限しかない上に小物もほとんどなかったし、そもそも盗まれる物すらなかった上に女子力は死に絶えていたらしい。櫛すらないとは。
そんな残念ミリーを連れて食堂へ向かうと、既にエリザが来ていた。待たせてしまって申し訳ない気分になってくる。すんません、くだんないことで時間浪費してました。
「エリザ、もう来たのか。早かったな?」
「ソウ殿こそ。」
「あれ?ショニタンさんも来てたんですか?」
「お久しぶりでございます。私共の名前も憶えておいでだったとは、えぇ、ありがたい限りでございます。」
お行儀よくカーテシーみたいなのを披露してくる青髪の悪魔さん。忘れられるわけがない。なんせこっちはパンツまで剥ぎ取られてるんだ。いつか仕返しをしようと心に決めているのは悟られないようにしなければ。うん。
「・・・忘れるわけないじゃないですか。色々とお世話になってますし。」
「あら、お嬢様には親しく話されるのに私共には距離のある話し方をされるのですね、ソウ様?」
面倒この上ないことを言ってきやがる。お前だって敬語キャラ崩してないクセに!って思うけどここはツッコんでやらないんだからね!
「久しぶり、ショニタンさん。これでいいかな?」
「慣れない話し方に若干の心苦しさを混ぜ込んでくるその表情。やはり流石でございますねごちそうさまです。」
「お変わりないようで至極残念です。でもここには幼い愛妹たちやテティちゃんがいるので控えるように・・・マジで。」
最後は若干怒気を含んでしまったが仕方ないだろう。ショニタンさんの発言はちょっと情操教育に悪そうだし。
「あらあら、いつの間にこんなに小さい子供たちを・・・じゅる。」
「おい。まさかとは思うが・・・?」
「失礼いたしました。少々生唾・・・いえ、鼻をすすってしまいました。無礼を働いてしまい申し訳ございません。」
生唾って言ってから言い直しても無意味なんだが、本人が鼻だっていうならそういうことにしておこう。こやつ、もしかしたら相当に頭がヤバく病んでるかもしれぬ!
《そういえば、マスターが寝込んでいた時はずっと部屋の中に居座りマスターの近くでスーハ―したりはぁはぁしたりしていましたね。》
(ギルティー!!!なんでそれ起きた時に言ってくれなかったの?!完全に犯罪過ぎてヤバいよ!この人なんなの?!何系の変態なの!!?)
ショタコンなのかロリコンなのか、はたまたペドなのかなんなのか・・・その実態が分からない。理解できないという異質な恐怖が俺を襲う。少なくとも腐ってるのは確かだが、ますます愛妹たちに近づけるわけにはいかなくなってしまった。
「ていうかソウ、この人ってさっきもいたけど誰なの?冒険者仲間とか?」
「あれ?ミリーってこの街の領主のこと知らなかったの?」
「し、知ってるわよそれくらい!メタリカ様でしょ?それがどうしたのよ!」
「うん、こちらのエリザはそのメタリカさんの娘さんだよ。エリザベート・モルドレ・ド・メタリカさん。」
「あまり自身では意識してないんだ。一介の騎士として認識してほしい。」
「・・・うぇ?」
アホな顔になってしまった。今日はもう頭使うの終わりかな?
「うぇぇぇぇ?!う、嘘でしょ?!嘘でしょソウ??!」
「うぇーなんていうんじゃありません。バルムさんにも言われてないの?」
「い、言われてないわよ!普段から言ったりしないもん!」
「ならなんでいま出るかな?ちょっと可愛くないからやり直さない?」
「ムリよ!だだだって!だって領主様ののの??!」
こんなに驚くなんてミリーってばどうかしてんじゃないの?起こしたばっかだから寝惚けてんのか?
「どんだけ怯えてんだよ。ただの領主の娘さんだろ?普通の人間だよ。」
「ソウ殿にそういっていただけるとありがたい。」
破顔一笑。美人可愛いエリザが見せた過去最高の笑顔がそこにはあった。ヤメロ。頬を赤らめるなって。か、勘違いしちゃうだろ?
「ですがソウ様、あまり大きな声でそのようなことは言われない方がよろしいかと。やはり不敬罪などと取られかねませんので。」
お小言をいただいてしまった。でもエリザの反応を見るとやはり対等の友達に飢えてそう。悲壮感が漂いそうな雰囲気だよ。
「それは申し訳ない。メタパパは頑張ってると思うよ。街はキレイだし住みやすいもん。立派な領主だよね!尊敬してる!」
敵は多そうだけどねとは言わないでおいた。だってショニタンの眼がこえーし。
「お、お姫様なのかな?!お姫様なのかな??!」
「こらテティ!」
エリザに憧れの眼差しを向けるテティちゃん・・・とそれを必死になって止める自称看板娘。やっぱそれくらい恐れ多い相手なのか?日本人な俺にはその距離感がいまいちわからん。
「そう畏まらないでほしい。それにテティ・・・ちゃんだったか?残念ながら私は姫ではなく騎士だ。姫を名乗れるのは私よりも位が高い家の未婚女性だけだな。」
「くらい?くらいってなぁに?なぁに?」
「そうだな。少々長くなるが――。」
エリザが嬉々としてテティちゃんの相手をしているのを見ると、残念ながら非常に違和感を感じざるを得ない。だってパワフルだけど結構乱雑で、頑固で意地っ張りで相手の意見を聞かないタイプに見えるからどちらかといえばエリザが子供に見えちゃうからっていうのは言い過ぎだろうか?いやそうでもないだろ。だって俺悪意も敵意もないままに何回か殺されかけてるし。
でもなー、見た目がムダに整ってるからこうやって見てる分には絵になっちゃうんだよなー。これだからイケメンと美女は。見た目でどんだけ得してんだって感じだよなー。
《いまのところ大人しくしているみたいですしいいのではないですか、マスター?》
(そーだけどさー。弱ってる時に与えられた恐怖とかまだ覚えちゃってるから複雑でねぇ。テトにゃんとニコにもいいお勉強の機会だから口ださないけど。)
ちなみにミリーはガッチガチに緊張して顔真っ赤にしながら俯いてたりする。何より汗がヤバいけどあれ大丈夫なの?さっき着たばっかの服が汗で濡れ始めてるんだけど。
大将なんかはこっちを全然気にすることなくショニタンと調理して・・・ってなんでショニタンそっちサイド?!そのお肉がなんなのかはいちおう企業秘密なんですけど??
なんだか微妙にカオスな状況になっちゃったから俺にできることはただひたすらにテトにゃんとニコの頭を撫でたり髪形変えたりくらいしかないな。ちょうどよくお手本が目の前にあるからニコの髪をエリザ風にしてみるか。
―――しばらく雑談タイムです。
「とりあえず、これを食べてみてくれ。」
ニコをエリザ風に、テトにゃんを前髪編み込み横流し風に、ついでにミリーを2つおさげにした頃にゴルドルの大将が小皿を差し出してきた。
持ってきたのは軽く表面を炙っただけのレア状態のお肉だった。別に保冷バックに詰めて持ってきたわけでもなんでもないのでぶっちゃけ抵抗感が天井知らずの鰻登りしちゃってたりするんだが。
「大将・・・調理方法聞いてもいい?」
「・・・大丈夫だ。内側の肉を使ってる。」
どうやら外気に触れていない内部の肉を使っているらしい。それもそうか。食中毒になりそうなもん出すわけないもんね。
「いや、変なこと言ってごめん。」
「いい。旅慣れしてれば当たり前の質問だ。」
大将が言うにはそういうことらしい。やはしサバイバルレベル高いな異世界は。テトにゃんは・・・会話の内容が前半半分しかわかってなさそうだ。ちゃんと火を通さないことに危険意識をもってるっぽい。村育ちだし火を通すことの大切さはしってるっぽいので、大丈夫な理由を補完のだめに教えてあげた。
俺たちが衛生意識高い系トークを大将と繰り広げている傍らで、既にミリーのお口はすんごいことになっていた。思わず二度見してしまうほどだ。ダバダバしてる。何が?とか聞いてはいけない。ミリーの残り少ない女子力の危機だとだけ言っておこう。ごめん、もう残ってないかもしれないや。
「そんなに食べたいなら先に食べていいぞ?」
「いいの?!あ、でも・・・あ、あたしが先に・・・うぅぅ。」
眼に星が見えるほどにルンルン輝かせて飛び掛かるかと思ったが、なんと野生のタヌキでも序列というか立場を考える理性が働くこともあるらしい。エリザの方をチラチラみながら苦悶の表情を浮かべている。群れの1番偉いのから食べるとかって習性でもあるのだろうか。
「別に先に食ったくらいでエリザは怒らんだろ。毒見だと思って食えって。」
「毒見?!毒見・・・そうよね!毒見は大事だものね!!」
言うが早いか即座に肉へ食らいつく肉食系タヌキ娘。適当言っちゃったけどエリザ的にはOKなんだろうか?チラ見してみたがくすくす笑ってるから大丈夫かな。
「ごめんね大将。毒見だなんて言っちゃって。」
「いや、実際毒見が必要かもしれないからな。俺も初めて扱う食材な上に他所で食ったことがない。」
おおぅ。ヒョウタンからコマってヤツか?適当言ったらホントっぽい状況になっちゃってびっくりっすわ。
「んうぅっ??!」
「・・・は?」
「う・・・んん・・・んぐっ・・・ぁっ。」
ミリーが急に口を押さえて?まさかホントに毒があったとか?!
「おいミリー!だいじょうb」
「おおおおいしいぃぃぃぃぃぃ!!!」
――――イラッ
「ねぇなにこれちょっとホントにすんごい美味しすぎるわよソウ!ほら見てこれよこれ!何よ何よこんなに美味しいだなんて聞いてないわよ!隠してたなんてあんたも趣味が悪いわ「ゴンッ!」べひぇっ?!」
力の限り頭を殴りつけてやったがこれくらい当然であろう。
「なんだそのお約束芸みたいな真似は?!毒見とかいった後にやんなよな!殴んぞ!」
「いっ・・・た・・・ぁぃ。な、なによ!殴ることないじゃない!」
「アホかお前は!紛らわしいことすんなって怒ってるのはこっちなんですけど!有り得ないんですけど?!」
「はあぁぁ??別にあたし紛らわしいことしてないわよ!美味しいから美味しいって全身で表現しただけじゃない!だってホントに美味しいのよこのお肉!ホントなんだから!」
一瞬でもこのバカたれを心配してしまった自分に腹が立つ!メチャクチャ腹立たしいのである!!
《デレツンでも目指しているのですか、マスター?》
カナデさんがまたもや変なことを言っているが、この場にふさわしくないと言わざるを得ないと思う。だってそれ意味違うし。俺がいつデレたし。
やんややんやとミリーと言い争いをしていたらエリザもお肉を食べたらしく恍惚の表情を浮かべながら艶めかしく吐息を漏らしていたのが妙に耳に残った。
「んはぁ・・・す、すごい。美味しぃ・・・。」
なんでこんな時だけ男言葉じゃないのかとツッコミを入れなかった自分を褒めてやりたい。そして、街娘風の恰好をしているエリザは腰回りが革帯で締められていることにより胸元がより強調されてしまっているために溢れんばかりのボリューム感を少しも隠すことができなくなっていた。
なんていうかただただエロい。エリザ揺れると一緒に揺れる。ぽよんぽよん。ぷるんぷるん。どうやってあの形を支えているんだろうか?下々の者たちと違ってコルセットでもしてるのかな?などと考えながらも当然眼を奪われ続けた自分は悪くないと主張したいです。だって、男の子だもん。
《マスター、眼つきと顔がヤバいです。自重してください。》
カナデさんにこんなことを言われても、眼をそらせない攻撃力を誇っていたと追記もしておく。いやでもさ、顔はヤバくなくない?
お読みいただきありがとうございます。
いままでほとんど出番のなかったエリザちゃんにやっと陽の目が!
ここまでロリ体型が大勢をしめていましたが、ここからグラマラス勢が巻き返しをはかれるのでしょうか?!
頑張れ!エリザちゃん!頑張れ!アンナベルちゃん!頑張れ!リーフちゃん!!
次回予告
お肉継続中
青い悪魔のキャラ崩壊
リフレッシュとポーションと




