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ゴブにもゴブの生活があるようです

感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第57話を投稿させていただきますー!

これからも皆様に楽しんでいただけると幸いです(*´∨`*)


前回のあらすじ

膀胱との攻防

ロケットアタックはウェルカムなヤツ

タヌキ娘の頭はいつも残念な感じ

いざゴブのところへ

ゴブの発生源を探し求めて十数分。途中ニコのあんよが疲れてしまわない様に休憩を挟んだり、おんぶしたり、抱っこしたりしてたらテトにゃんが羨ましそうにしてたので同じようにおんぶに抱っこしてみた。現在幸せの真っ只中を満喫中だ。

すると今度はミリーがジト眼で見てきたので「お前もしてほしいのか?」って聞いたら「そ、そんなわけないじゃない!」とかツンツンしてきたからあんまり絡むのも面倒だしで「そうか」とタンパクに返してやったら不満そうにケンケンしてた。

いくらツンケンされてもいまはムリだよ。だってちょっと重みがありそうだし。って言ってもそこまでじゃないか。愛妹たちが細すぎてて比較すると太目ってだけで、別段ミリーは太ってないしな。仲間外れは可哀想だから帰りに余裕があったらやってやるかと心の中の気が向いたらやることメモ帳に記しておくことにする。


「ここまでモンスターとのエンカウント率は0%か。まだ浅い部分だしこれがホントは普通なのかな。」


《はい、マスター。この森での魔物の生息域はもう少し奥の方が基本になるでしょう。先日から浅い部分で数多く遭遇していたのはどうやらあの魔物村が原因のようですね。》


「モンスター村が原因?あれがあるせいで他のモンスターが浅い所に追いやられてたってこと・・・じゃないか。あの村自体が浅いところにあったからってのが理由か。

あの規模を維持するなら食料の調達とかも結構大変だろうし、そいつらとちょくちょく遭遇してたって考えた方が自然なのかな。」


《はい、マスター。ご推察の通りだと思います。》


となると、俺が度々死にかけてたのはあのBOSSモンスターである<オーク>もどきが原因ってことか。今更感はあるがやっぱイライラするな。アイツのせいで痛い思いを沢山してたのか。でも既に殺処分したあとだしこの憤りはどうしようもないけど何かにぶつけたくてわさわさするな。


「あ、そういえば、あの時持ち帰った<ピアド・ボア>の肉ってどうしたんだ?」


「あー、あれねあれ。あれはそのぉ、ちょーっと言いにくいんだけど・・・もうないわ!」


「全然言いにくそうじゃないな。食べたのか?」


「えぇ、食べたわ!」


「ならよし。テトとニコは?」


「ウチも食べたの。ホントはソウと食べたかったけど、置いておくとダメになっちゃうからってマーグルお婆ちゃんが・・・。」


「ん。かたい、なかった。」


「そかそか。それならまったく問題ないな!余計な荷物だからってブデノン達に捨てられてたのかと思ってたけど、ちゃんとみんなで食べてたならそれでよし!

テトは気にし過ぎだよ。ムダになってないならそれでいいんだからさ。それにしても、ニコが食べやすかったってことは調理の際に注意してたってことかな。調理は誰が?」


「・・・いいの?ソウは食べれなかったのに、怒らないの?」


「怒るわけないだろ?俺のこと待ってたらせっかくのお肉がダメになっちゃうだろ?」


「そう・・・それもそうね。『城砦の矛(うち)』じゃお肉はいつも取り合いになってたから。」


なんかミリーが物悲しそうな表情してるけど、そんなに壮絶な食事情だったのか?あーでも野営が多いとそんなもんなのかもしれない。アイテムボックスみたいな便利なものがないミロワールドでの野営となると、普通の野営装備での野宿だもんな。肉も野菜も現地調達できなかったらほとんど口にできないのも頷ける。


「じゃあ、今日も猪がいたら肉にしよう。育ち盛りのお前や愛妹たちに食べさせるのに丁度いいしな。」


「ちなみに調理はゴルドルさんよ。なんでもマーグルさんが知り合いだからってタダで調理してくれたの!すっごく美味しかったんだから!」


「ゴルドルさんか。そうと知ってたら今朝ちゃんとお礼を言ってたのに・・・ちゃんと確認しなかったことが悔やまれるが、あとでまた改めてお礼に行くか。できれば手土産にしたいから食える肉とか出てこないかな?」


周囲を見渡しても猪がいる気配なんか全然さっぱしなかった。ゴブの姿も見えないし、こっちじゃないのかな?


《マスター。幾つか木の皮がめくれている箇所が散見されます。低い位置ですので恐らくは<ピアド・ボア>でしょう。先日の個体の可能性もありますが、いちおう望みがありそうです。》


「へぇ~これが猪のかじった跡か。少し乾いてるから直近じゃなさそうだな。ちなみにゴブの痕跡は何か見つかったりする?」


《いいえ、マスター。現状では特にそれらしいものはありません。》


「ソウ、ゴブの匂いならあっちの方からするの。多分・・・だけどなの。」


「えっ、マジで?ありがとうテト!カナデさんと俺じゃ手掛かり見つけられなかったところだからすっごく助かるよ!」


「でも、色々な匂いがするから絶対じゃないかもなの。違ったらごめんなさいなの。」


「違ってもいいんだよ。現状手詰まりになりかけてたからな。テトが教えてくれなかったら目標もなく彷徨うことになってたかもしれないし。」


自信なさげな表情のテトにゃんの頭を撫でるが、なんかちょっと元気ないな。いや、覇気がないって言った方がいいかもしれない。もしかして、暴走したこと覚えてるのか?でもそんな様子はさっきまで全然なかったし下手に聞けないからちょっと困るな。

こういう時に浮き彫りになる俺の対人スキルの低さ!話術とか読心とかってスキルなかったかな?って本気で悩んでる時点で既に詰んでいる疑惑が浮上してきてしまう。スキルに頼らざるを得ない程のコミュ力の低さ!自身の無能と無力を嘆くばかりである。

イイ感じの上手い言葉が見つからなかったのでなくなく移動を再開したが、帰ったらベッドの中で聞いてみよう。寝る前なら話し易いかもしれないし。そういえばニコにもテトにゃんに襲われた時のこと聞けてなかったな。ダメじゃん!俺ってば全然そういうところの気が回ってないじゃんね。お兄ちゃん失格だよ・・・うぐぅ。


《マスター。周囲にゴブの痕跡が増えてきました。どうやら当たりのようです。》


「了解!テト、どうやらこっちで正解だったみたいだぞ?カナデさんがゴブの痕跡が増えてきたってさ。」


「うぅ~、よかったの!間違ってたらどうしようって思ってたけど、やっぱりこっちの方が匂いが強いの!あっててよかったの!」


パァッと華やぐテトにゃんスマイルいただきました!破顔って言葉がぴったりきちゃうくらいにイイ笑顔を向けてくれるテトにゃんマジテラかわゆす!危ない危ない。俺じゃなかったらテトにゃんは押し倒されてるトコロだったな。俺のようにしっかりとした鋼の精神を持つ紳士だからこそ耐えられる破壊力だったぜ。ふぅーぃ。


《マスター、茶番はそこまでにして戦闘準備を。ゴブが数匹こちらへ近づいてきます。どうやらまだこちらに気がついていないようです。》


『魔力操作』+『気配知覚』の索敵スキル範囲にゴブが侵入してきたのを感じる。どうやら3匹程度の小集団のようだが、索敵範囲外にもいる可能性もあるし油断はしない方向でいこう。斥候なのか散歩なのかはわからないがまずは先制攻撃を開始だな。


術式(コード) 冒険級火属性(アーベント・フレイム) 実行(ラン) 火の精霊(子ら)よ 我が魔力(マナ)を糧に、30の炎弾を成し、回り、(めぐ)れ」


慣れ親しんだ魔法を構築する。この前メチャクチャ使い込んで上達したのもあるが、それとは関係ないくらいにスムーズで扱いやすい感じがする。自分自身の魔力の制御力が上がってる?


全弾装填(オーラデュー・ロード) 我が敵を(ヤー・イニミークス) 射ち貫けグラナーテペネトラート 炎弾(フレイム・バレッタ)


以前の教訓を活かし、全弾を弾倉扱いにして連戦に備える。俺の周りをひゅんひゅんと飛び交う『炎弾』を見てミリーが(ほう)けているが、なんでお前はいつもそんな締まりのない顔ばっかりしてるんだ?アホ面がデフォルトだったりするんだろうか。


「おいミリー。あんまりだらしない顔ばっかしてると(いじ)りたくなるからやめてくれないか?」


「ほぇ~・・・。」


コイツ・・・全然聞いていない、だと?ちゃんと弄るって言ったのに聞いていないんじゃ仕方ない。ほっぺをふにふにしておこう。


「おおおぉ??!なんだこれ?!めっちゃふにふにする!ミリーのほっぺたマジでパない!すっごくふわふわっていうかふにふにっていうか、ぷにぷにとはまた違った感触が病みつきになりそうで怖いくらいに気持ちいいぞ!ほらテト、ニコも触ってみ?マジ気持ちいいから!」


「そんなに気持ちいいの?・・・ふわぁ。ふよふよ?してるの。すごく気持ちがいいのー。」


「ん。ふわふわ。これ、いい。」


愛妹2人もご満足いく一品だったようだな。ミリーの隠れた才能を見つけてしまったが、当の本人はぼけら~とでも表現しようのない顔をしながら『炎弾』を眼で追っている。なんか心ここに非ず感がコワインデスケド?


「お、おいミリー?ついに頭がダメになっちゃったか?いくらなんでもその表情は怖いんだけど?」


「ソ、ソソソソ・・・。」


「ソ?」


「ソウって魔法師(まじゅちゅち)なの?!」


「それいまさらっ?!」


一緒にいる間に散々魔法を使っていたというのに、いまさらその感想が出てくるってことはやっぱりミリーはもうダメだったらしい。惜しい?人物をなくしてしまった。完全に脳がダメに違いない。

再起動かけても初期化してもダメそうな予感しかしないパソコンのブルースクリーンを見る心持ちだ。DISKが逝っちゃったのかもしれないな・・・可哀想に。

この頭の悪ささも噛みまくるその様も、悲しいくらいにポンコツだな。普通なら笑いを誘う程度の微笑ましい一幕なのかもしれないが、ことミリーに関して言えば涙を禁じ得ないレベルで残念すぎる。

バルムさんはよくこの珍獣を手懐けていたもんだ。俺が炎使いであるように、バルムさんはタヌキ使いなのかもしれない。


「この間めっちゃ魔法使ってたの見てなかったのか?」


「み、見てたわよ!見てたに決まってるじゃない!べ、別におおお驚いたりなんかしてないんだから!」


「いや、いくらなんでもそのセリフはないだろう。見てなかったんだろ?他に気を取られてたのかなんなのかはまぁ聞かないけどさ、もっと周りを気にしておかないと色々と危ないぞ?」


「わかってるわよそんなことくらい!バルムさんにも!えと、その・・・バルムさんにもよく言われてるもの・・・。」


「そうか。(バルムさんが)大変だな。」


ミリーの頭が悪いのはいまに始まったことでもないしこれ以上気にするのはやめにしよう。バカ騒ぎしたからゴブにも気付かれちゃったみたいだし。


2つの弾よ在れ(ツヴァウ・バレティア)基準点を構築(サテラルピット) α(アルファ) β(ベータ) 発射(ファイエル)!!」


案の定3匹のゴブ達は6匹へと増えていた。ポケットは叩いてないのに増えてる様子から「1匹見たら30匹は居ると思え」の方で考えた方がいいだろうと結論付ける。こちらへ向かって走り寄ってくるゴブ集団。木々に邪魔されて塊になってるから射線が取り易くて大助かりだ。


「ゲギョゥッ」「プゲム」「ギュロッポ」


様々な鳴き声のパターンを披露してくるがどれも可愛くないし陽気でもない。やられる側の矜持とかそういうのないんだろうか?そんなんじゃ世紀末でやられキャラを演じられないぞ!


「す・・・すごい・・・。」


ミリーが初めて見たかのような顔しているが、コイツは前回の連戦で本気で何も見てなかったのかもしれない。戦闘中にコイツの目線とか状態をずっと把握してたわけじゃないし、わからないでもないんだが・・・。いやでも<オーク>もどきと戦った時とか起きてたよな?いや、寝て(気絶して)たっけ?あんま興味ないから覚えてないな。


《その時ミリーは気絶していましたね。マスターが気を失って傷つき横たわった幼気(いたいけ)な少女の下着を凝視して楽しんでいたのを記録しています。そういえばヤケにふとももに注力して怪我を治療してもいましたね。ふとももフェチですか?》


「よし!とりま周辺にはこれ以外はいないっぽいからサクッと処理してしまおうか。」


カナデさんが何事かを(おっしゃ)っていた気もするが、俺にはちょっとわからなかったっていうかわかりたくなかった。そんな黒歴史並の痴情を掘り返さないでいただきたい。

いくら俺が世界に名を馳せるほどの紳士だといっても自身を自制できる限界というものがあったりなかったりな雰囲気を醸し出してみるも、やっぱり怪我してる女の娘にしていいことじゃなかったって罪悪感がグイグイと迫り寄ってくる。うん、不謹慎だったもんね。反省。


「ミリー。」


「?どうしたの?」


「ごめんな?」


「へっ?なによ突然?」


「いや、こっちの話し。もし機会があれば今度ちゃんと話すよ。」


「???」


日和(ひより)ましたね、マスター。しっかりと説明しないパターンということは再犯の恐れが非常に高いとしか思えません。》


カナデさんにツッコミをいただくが、「いまは、コレで、精いっぱい」だ。だって周りにテトにゃんとニコもいるし、森の中を探索中だし。そうだよいまはまだ話す時じゃないんだよ!話すべき時に話す!それが1番いいんじゃないのかな!この考え方は非常に日本人的で個人的にも好ましいからこれでいこうと心に決めた。もちろんカナデさんには「クズいですね、マスター」のお言葉をいただいたのは言うまでもないことであろう。

そんなしょうもないやり取りを脳内で完結させつつゴブの処理を進めていく。殺しきれてなかったゴブにトドメを刺したり魔石を引っこ抜いたりする簡単なお仕事と、吸引しやすいサイズに解体する面倒なお仕事の2本立てだがこれはみんなでやったので早々に終わった。相変わらずトドメを刺す時のテトにゃんは活き活きとしてる感じがするが、役に立てるのが嬉しいからって考え以外は持っちゃいけない。トドメを刺す行為自体が好きな娘とかちょっとイヤじゃんね。


「さて、引き続きゴブの巣狩りへと出掛けるとするか。」


「今日の目的は薬草よりもそっち(ゴブ)なの?」


「んむ~、どっちも同じくらい?ポーションの材料集めも大切なんだけど、アイツら集団だからって調子にノッて散々痛めつけてくれたからそのお礼参りをしようかと。」


「ウチも頑張るの!ソウみたいに上手にできないけど、ウチもゴブやっつけるの!」フンスッ


「やる気があるのはいいことだ!でもムリはしちゃいけないよ?注意しながらしっかりと殺ろうね。」ニッコリ


「あたしだってゴブなんかに遅れはとらないわ!ちゃんとやっつけられるんだってことを見せてあげるわよ!」ポンポコ


「ん!ニコ、も!」フンスッ


「ニコにはまだ若干早いかもしれないけど、やる気は大事だ!しっかりと弱らせたゴブの討伐を許可しよう!」


《マスター、教育方針がブレ始めているように感じますがよろしいので?》


(いやだって、こんな物騒な世界で自己防衛力くらいないと危ないっしょ?だからレベル上げて危険を極力減らす方向に微調整しようかなって。)


《・・・微調整・・・ですか?》


(?うん?)


カナデさんは何故かご不満なようだが、そんなに不思議なことかね?「明るく楽しく元気よく」をモットーに、「殺るときはちゃんと殺る」っていう家訓を掲げようと思ってるだけなのに。大事だよ?

ゴブのお掃除を終えてから再度移動を始めたが、ものの10分程度で更にゴブ達と遭遇したが4匹だけだったので速攻駆逐しておいた。紅蓮の弓矢を掲げる気分で紅蓮の『炎弾』を刺していく。赤いマフラーを巻いた黒髪の少女は付き添ってくれてはいないが、【隷属の首輪】を身に着けた幼い少女たちが付き添ってくれている。字面にするとマジでやべぇ。事案でしかない。

エレっさんと俺、似たような状況かと思ったけど改めてちゃんと考えてみたところ全然さっぱ似てなかった事実に驚愕を覚えるが、そもそも俺は巨大化してなかったから全然違うとそこで気付けと自身を戒めたい。アニメや漫画に飢えているんだろうか?


《どちらかと言えばマスターの所業はドラマタの彼女に近しいものを感じますが?炎の魔法を得手とし、気に入らないモノを殲滅するスレイヤー的な立ち位置として。》


そっちの人物は色々と評判が悪いし恐れ(おのの)かれるタイプだからやめていただきたい心持ちだ。それにあのお話しの主人公は女の子だし。女の子だし!光の剣を持つ剣士もいなければゴーレムとのキメラなんて特殊な立ち位置の魔法師もいないし。野党の類はとっ捕まえたけどさ。

そう考えると俺の立ち位置ってなにポジションが妥当なんだろう?てかザコ狩りばかりしてる主人公に心当たりがなさすぎるな。炎魔法はいちおう定番っちゃ定番だけど、『炎弾』はちょっと雰囲気も違うしなぁ・・・。


「こっちの方から濃い匂いがするの。うぅ~、ちょっと匂いがキツいかも、なの。」


どうでもいいことに意識の大半を割かれていたところに、テトにゃんからの情報が飛び込んできた。どうやらかなりゴブの集落、略してゴブ落へと近づいてきたみたいだ。俺の索敵範囲にはまだ入っていないが、意識すればちょっとだけ匂いがわかるかもしれないとクンクンしてみた。前に立ってるテトにゃんの匂いがした。


「ふむ。俺の鼻ではまだまだわからんな。テトは良い匂いがするので悪臭がキツくなってきたらテトの匂いを嗅ごうと思う。」キリッ


「うにっ?!そ、それはちょっと、その、イヤかも・・・なの。」


「えっ?嘘っ?ダメなの?!」


あまりの衝撃に膝から崩れ落ちそうになる!執拗にボディをブローされ続けるよりもツラいかもしれない!が、頑張れ俺の膝!耐えろ!耐えるんだ!ぬ、ぬおおおぉぉぉぉぉ・・・ぉぉ・・・ムリぽOTZ。


「耐えられるわけがない。耐えられるわけがなかろうて!なんでそんなヒドいこと言うんだ?テトにゃん!?」


「ふえっ?!だ、だって、今日はたくさん歩いたし、あ、あせもかいちゃったから、その・・・ハズ、ハズカシイ・・・の。」


内股になりもじもじしつつ胸の前で指をいじいじするテトにゃんをただただ無言で見つめる。赤面し、首まで真っ赤なテトにゃんのご尊顔をただただ無言で、且つ真顔で見つめ続ける俺。どうかいまだけは耐えてくれ!俺の表情筋!!このままでは(とろ)けたヤバいニヤケ顔でテトにゃんを凝視してしまう!グルグルまゆ毛の彼よりもヒドい顔を披露しかねない!!

自身の内臓を力の限り痛めつけんとする勢いで耐え忍ぶ俺の服の裾を、クイクイと引っ張る感覚がする。これは意識をそらすチャンスだとばかりに振り向いてみるとニコがorzな状態の俺の横にちょこんと座ったまま小首を傾げているのが目に映った。


「んー?ニコ、は?」


ガッハァッ??!まさかのニコちゃんサイドブロー!俺の胸キュンポイントを確実に押さえて離さない!魔性の幼女が爆誕だ?!あ、あざと可愛いクンクンハァハァ!でもダメだ!ここで匂いを嗅いだら人としてのナニか大切なモノを失ってしまう気がスンスンする!YesロリータNoタッチの血の盟約のこともある以上、ここでスーハ―スーハ―堪能してしまっては俺の理性も崩壊してしまうだろう!!だからダメだ!クンカクンカ!!


「ニコ!メチャクチャ良い匂いがするぞ!」


でもあんまり匂いを嗅がせたりとかはやっちゃダメだよ!あと、スカート姿でしゃがむときは色々気をつけなさい!!


《マスター、大切な部分が一切発声されていません。叫んでいる内容は最低な箇所だけです。》


愛妹たちの匂いにあてられ少々取り乱してしまったが、これは仕方のないことだろう。だって天使だし。一方ミリーはどういうわけかしきりに自身の匂いを確認しているようだが、コイツはいつも何がしたいんだ?よくわからんな。

ちょっと敵陣の近くでふざけ過ぎちゃったことを反省しながらテトにゃんが教えてくれた方へと足を進める。そして、たったの数分ほど歩いただけで俺の索敵範囲にゴブ落が入ってきた。かなり近かったんだな。


「ちょっと数を数えるのが億劫になるけど、50匹は余裕で超えてないか?」


《そうですね、マスター。現時点で確認できるのは63匹ですが、索敵範囲外のことも考えると少々誤差が激しいようです。》


数も数えられないような斥候がここを調べたのだろうか?その誤差たるや単純計算で2割以上違っている。ケアレスミスで済ませることが不可能なレベルだぞ。程度の低い斥候もいたもんだ。今度会うことがあれば説教だな!

ゆっくり近付きながらよくよくゴブ村の様子を見てみるとちょっと面白いことがわかってきた。どうやら彼らには多少なりとも社会性があるらしく、料理や洗濯をしている様子は一切見られないものの猿山の猿よりは知性的な行動をとっているように思える。

具体的にいえと言われても少々表現が難しいが、なんていうか、こう・・・どことなく原始人的なイメージ?そんな感じの行動をそれぞれとっているように見えるのだ。

何を言いたいのかきっとわかってもらえないと思うが、それぞれが意思を持ちそれを相手に伝えようとしてたり、それを受ける方も相手が何を言っているのか理解しようとしている。そんな風に見えてしまう。

そういえば初めてゴブと戦った時も仲間を呼んだり、その仲間と情報のやり取りをしているような場面もあったのを思い出す。もしかしたら彼らはちゃんとした言語を持っていないだけでそこそこ人間的な要素を持っているんじゃないのか?そんな疑問が頭をよぎる。ここに発見、動物(ゴブ)の森である。

耳をそばだててみるものの、聞こえてくるのは「ギャギャ」とか「ギョギョ」とかそんなんばっかし。(じじー)(笑)の翻訳機能が働いてないってことはアレは言語じゃなくて鳴き声の一種なんだろうか?いつも魚のかぶりものをしているサカナ○んに聞いてみたら多少はわかるかもしれない。いや、彼は水棲生物専門か。

ゴブ落にいる彼らの生態をじっくり観察したいという人もいるだろうが、あいにく俺にはそんな趣味はない。なので気兼ねることも特になく『炎弾』を次々打ち込んでいく。

手近なゴブに挨拶をしようと右手を挙げかけたゴブの頭を撃ち抜き、木の槍のような物を作ろうとしていたゴブの胸を貫く。訓練でもしていたのか、はたまたケンカしていたのか知らないが取っ組み合っているゴブをまとめて射抜く。

とりあえず見える範囲のゴブを撃ってみると粗末な作りの小屋?のような物からワラワラと新手のゴブ達が出てきた。中には<ウォー・ピクシー・ゴブリン>も数匹いたが気にせず撃ち殺す。次から次へと撃っていくとすぐに『炎弾』が尽き、仕方ないので再装填(リロード)のタメに魔法を再構築。

逃げるゴブも撃ち、怯えるゴブも撃つ。向かってこようとするゴブも撃って暴れ出したゴブも撃ちすえた。大小様々なゴブを撃つだけの簡単なお仕事を終えた頃にはゴブ落は見るも無残な死屍累々の山に埋まってしまっていた。

1発の弾で2匹か3匹程度をまとめて殺れるように調整して撃っていたので、使った『炎弾』は38発。事前に4発撃ってたから計42発だ。周辺から集まってきたゴブで数が増えてしまったので討伐数は97匹になった。マジで斥候無能です。


「予定の倍もいたじゃん。しかも戦士職(ウォー)まで数匹いたし、ギルドの集めてた人数は知らんけど結構ヤバかったんじゃない?」


「ひ・・・1人で全部?うそでしょ?」


「ソウ凄いの!こんなに一気に倒せちゃうなんてすっごいのー!」


ミリーが茫然自失状態でパクパクしてる横で歓喜の声をあげるテトにゃん。メチャクチャ真逆の反応してるけど、思えばテトにゃんも初めはミリーと同じような反応をしていたことを思うと周囲の影響が結構色濃く出ちゃっているような気がする。教育方針間違ったらマズいかもと内心焦るがモンスターを狩るのは異世界の常識だし別にいっかと思考を放棄する。

横を見るとニコが俺の服の裾をキープしていた。最近のお気に入りなのかもしれない。何故かキラキラした眼でゴブ落の方を見つめながら鼻息荒くなっちゃってるけど、一方的な勝利でテンション上がってる系だよね?ゴブの死体でテンション上がんないよね?俺の手を見て涎を垂らした実績があるのでどうにも気になって仕方がない。


「これで噛まれた(やられた)借りは全部返せたかな。」


《マスター。借りを返すといいますが、この規模の村落を壊滅してしまうほどに大きな借りはなかったと思います。》


(いやいや、やられたら3倍返しが基本でしょ!やられたら徹底的にやり返すのが俺の流儀だよ!それに、コイツら放置してたら増えそうだし。薬草摘みに来る時とか邪魔じゃん?)


《人型の魔物を倒す忌避感が欠如していますが、それも今更ですか。》


カナデさんが当たり前のことを言ってくる。そもそもゴブを殺すのに忌避感なんて持ち合わせていないもの。いままで何度も殺されかけたし、怪我も負わされてるもの。例え相手が人間でも同じことがいえると俺は思ってるし。もしかして、コレも(じじー)(笑)が言ってた『適性』ってヤツなのか?


「まぁいいや。まだ周囲にゴブがいるかもしれないから手早く処理していこう。魔石を抜き出して大雑把にカットするだけだけど、なるべくみんなひとまとまりで行動すること。いいね?」


「はいなの!」「ん!」「えっ?あっ?わ、わかったわ!」


若干1名わかってなさそうなのがいるけど個人でも戦えるタヌキだし大丈夫だろう。集団戦は苦手のようだけど、タイマンのステゴロならこの辺りで敵うのは<オーク>くらいしかちょっと思いつかないし。

数が多くてめっさ臭いので苦痛以外のナニモノでもないが、人数もいるしそんなに時間をかけずに終えることができた。テトにゃんは手早く作業に勤しみ、ミリーは乱雑にやっていた。解体速度的には同じくらいだけど、ミリーは力任せだから死体の損壊が激しい。素材を剥ぐの苦手なんじゃないのか?


キュゴ――――――・・・


「これで全部だな。みんなお疲れー!」


ゴブの魔石も全部引っこ抜いたし死体も全部ばきゅったからとりま今日の目標は済んだかな。


「血や土汚れが酷いからちょっと小川でキレイにしてから帰るか。」


「賛成なのー!」「んー。」


愛妹たちはすぐに返事を返してくれたが、何故かミリーだけが1人お手てをグーパーしながら眺めていた。


「たしかに水浴び、したくなるわね。」


コイツはバカキャラじゃなくて脱ぎキャラなのかもしれない。

お読みいただきありがとうございます。

想君の変態度がグングン急上昇しているような気がしますが、彼の頭は大丈夫でしょうか?もうロリコンさんにしか見えなくなってきました。ダメかもしれません。

それに比例?して、最近想君強くなってきましたね!でも奇襲!一方的な展開なのも遠距離からの奇襲だからですね。彼の強みはそこしかないので!

そして、ミリーちゃんは安定のノータリン。前衛なのにまだ前衛らしいこと何もしてないですね。働かないのに食うばかり。ペット枠も狙えそうです。


次回予告

ズキン・・・ズキン・・・

汚れ落としに水浴びしようか

ここから先に進みたい

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