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あと処理のためバラしてばきゅる リュックの中身は気にしない

感想、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

新年を迎えてから、新規のブクマ登録者(ユーザー)様が急激に増えていてびっくりしています!なんと!今年に入って新規ご登録いただいた方は10名様を越えてしまっています!ありがとうございます!途中、登録者様がお1人様減っていたような気もしていますが気のせいだと思いたいのでスルーいたしますね!私の心の平穏のタメにも!←ダメなパターン

しかも、評価も新たに2件もいただいちゃってます!お年玉でしょうか?ありがとうございます!ありがとうございます!

元旦も、昨日も今日も職場にいますが私にとっては執筆タイム。まとまった時間を有効活用させていただきますよー!とか意気込んでたら同僚にインフル発症?!えっ?だ、だいじょうぶかな?!

ここで自分が感染してしまうことを心配するのか、同僚の体調を心配するのかで性格が大きく違うなぁって最近思います。も、もちろん私は同僚を心配しましたとも!えぇ!もちろんですとも?!

みなさまもインフル、風邪、ノロ・・・etc. この時期は危ないですので体調管理にはお気をつけくださいませ~。

読んでくださる全ての方々へ感謝の祈りを捧げながら、本編第48話を投稿させていただきますー!

これからも皆様に楽しんでいっていただけると幸いです(*´∨`*)


前回のあらすじ

変態豚野郎とバトってみた

初めての眷属化、でてきたのは卵でした

少女の身体をまんべんなく(なぶ)るように見たり触ったりするお仕事

アゴも痛いが首も痛い!下からかちあげるかのような衝撃が脳天へと突き抜けると共にその衝撃を健気にも受け流そうとした俺の首ががががががが!!某ハードパンチャーのガゼルパンチ並と思われる重い一撃を貰ってしまい、数瞬意識がイっちゃっていたかもしれない程に痛い!

恐るべし空っぽな頭!恐るべし考えなしの行動!カナデさんが鈍器扱いした気持ちが非常によくわかってしまったのでこれからはミリー(コイツ)は首にハンマーを載せて動く怪奇生物と認識して接していくことにしようそうしよう。


「いってーなこの石頭!いやさ、鉄頭!!お前の頭にはいったい何が詰まってんだよ!砂か?石か?砂鉄なのか?!」


「~~~~~たたたたたたぁぁ・・・。って何よそれ!!あたしの頭には賢い妖精さんが住みついてるに決まってるでしょ?バカにしないでうぎゅっ?!」


・・・賢い妖精さんってなんのこと?ヤバい!この娘、知能指数が低いだけに飽き足らず危な気な闇背負ってない?いますぐマッハで逃げ出したくなってきちゃったんですけど!?


「う、うでが痛いわ!なんで?こ、これ・・・折れてるじゃない?!なんで?なんで?なんでなの?!」


「うっさいな!やっぱ頭打ったのか?可哀想に。どうやら記憶と思考回路に障害が残ってしまったみたいだな。それなりに可哀想だとは思うが、なんかこう助けてやろうとか親身になって考えてやろうとかって思う気持ちが生まれてこないのは日頃のお前の行いのせいなのか、はたまた人徳のなさなのか悩んでしまうというのもバカらしい。絶対普段の行いが悪いせいだもんな。それしかないし。うん。」


「ア、アンタ・・・またあたしのことバカにして!!つうぅ?!それに、なんでアンタがいるわけ?こ、ここはどこなの?どうなってるの?」


左腕を抑えながらも憤りと疑問をぶつけてくるタヌキ娘。なんでこうも落ち着きがないんだろう?彼女の辞書に落ち着くとか冷静にするとかって言葉はきっと載っていないに違いない。ついでに理解するとか考えるもなさそうだ。欠陥品だな。絶版決定。


「別に理由を話してやってもいいけど、いまは混乱しててそれどころじゃないだろ?とにかくお前は怪我をしてる。それはわかるな?」


「え、えぇ。これだけ痛いんだから怪我してるに決まってるじゃない!あたしはその理由が知りたいの!」


「わかった。それについてはあとで簡単に説明してやるから、まずはこれを羽織れ。ちょっとバッチィ体液で汚れちゃってるけどそれも表面だけだから気にしない方向性でいこう。」


早口にまくし立てながら外套(マント)をミリーへと渡す。が、全然受け取ろうとしないので仕方ないから肩にかけてやり前も留めてやる。俺だって片手でやりにくいんだからな?呆けてないで自分でやってもらいたいものである。


「べ、べつに要らないわよ!なんで急にこんなもの着せるのよ?」


着せ終わってからようやく呆けて固まった思考が戻ってきたらしい。なんか国際電話並みにラグるな。どんだけ弱い回線使ってんだ?それとも処理速度が残念仕様なのか?ってどっちもか。


「要らないなら要らないでいいけど、お前下着姿で森の中うろつくつもりなのか?大分斬新な森ガールだな。最先端すぎてついていけん。」


「下着?下着姿って、なんのこと?」


きょとんとした呆け顔でこっちを見上げてくるタヌキ娘。どんだけ寝ぼけてるんだコイツ?跳ね起きた時の俊敏さは頭の回転とは別の次元ってことなのか。本能いい仕事してるわー。そもそも下着姿って言ってんだからアホ面さらしてこっちみてないで自分の格好確認しろし。


《あまり時間をかけすぎると、離れた場所の魔物が寄ってきてしまいます。いくらこの周辺に魔物の影がいないからといって油断はしないようにしてください、マスター。》


(それもそうか。死体処理にも時間かかりそうだもんね。サクサクっとやっちゃいますか。)


立ち上がり、まずはミリーが直前までいた建物?の方へと足を進める。おっきな穴が開いてるしなんか傾いてるからそろそろ倒れてしまいそうな感じがビンビンとするんだが、用件だけささっと済ませる間だけ()てばいいんだからきっと大丈夫であれと希望を胸の中に響かせる。

中に入ってみると、これまた血肉で酷いことになってる上に臭くてきっついのであまり息をしないように心掛けながら作業をしていく。モンスターの死骸を吸引する簡単なお仕事だ。まぁ、いうても片手じゃキツいんだけどね。


「魔石をいちいち取らないといけないのがめんどいな。ロングダガーちゃんにはちょっと頑張ってもらわないとだー。」


ダルいダルいと思いながらも頑張って剥ぎ取り追剥ぎ行為に没頭する。周囲に転がるのは初めてみる個体ばかりで<ゴブリン>は<ピクシー・ゴブリン>よりもいくらかデカく、灰色じゃなくてくすんだ汚い緑色の肌色をしている。ドブ川みたいな緑加減だ。体臭もそれ系。魔石は同じとこにあるみたいでわかりやすいが、中身の方が更に臭くて諦めそうになる心を慰める言葉が既に尽きてしまったのは言うまでもない。ついでにどうでもいいことだがメタリカーナの冒険者ギルドではゴブリンの耳を集める趣味はないらしく、定番の左耳狩りはしなくていいらしい。マジ助かる。

次は<ウォー・ウィード・ウルフ>の死体(いじ)りだが、こっちは単純に<ウィード・ウルフ>よりちょっとデカくて下アゴの牙が長かったらしい。<ウォー・ピクシー・ゴブリン>と同じってことはこれが戦士系(ウォー)の共通項目なんだろうか?サンプルが少なくてわからんけん。しかも頭が爆散しちゃってるので牙が生えてるお姿は見ることができなかったが転がってるのを回収しておく。ウルフ系の魔石は心臓と同化してるから取り出すのがめんどいということを追記しておく。


「魔石が小さいからまだよかったけど、これ以上大きいと数があるせいでお持ち帰りできそうにないな。」


いままでの俺の行動を鑑みてくれるとわかっていただけると思うが、実のところこの世界の魔石はかなり小さい。どれくらい小さいかというと、屑魔石といわれる<ヌグリイ>、<ピクシー・ゴブリン>、<ウィード・ウルフ>の魔石なんて囲碁の石程度の大きさしかない。だからいままでも10数個って数を俺みたいな非力君でも運搬できていたのだ。非力とかいう発言は受け付けない。ほっとけし!

なのでデカいデカいと言われていた<マーダージャック・ウルフ>の魔石だって実はミカンくらいの大きさしかなかったりする。それも小ぶりで可愛い方のミカンだ。早生みか○くらい?の大きさだ。いま手元にある<ゴブリン>や<ウォー・ウィード・ウルフ>の魔石もイチゴくらいの大きさしかないないので、計9個げっちゅーしたがポッケに納まる程度の量しかなかったりする。

魔石を取り出すとお次は吸引のお時間だ。お手製マイ・ダンジョンの【DP生産貯金箱・吸引式】を構えて先ほど魔石の剥ぎ取りついでにある程度関節ぶった切ったりして小さくしたモンスターの死体をバキュームする。ぎゅごーって感じで吸い込んでくれているが、いつものように灰にしてないから血で汚れやしないかとか袋の入り口に引っかかってつまりやしないかと心配になったが、思いの外スムーズにばきゅってくれた。案外優秀である。

吸い込み作業が完了し、ミリーの元へと踵を返す最中(さなか)、なんかそれなりのショートソードを見つけたので回収しておくのも忘れない。多分ミリーのだろ。


「おまたせー。これお前の剣であってる?なんか落ちてたから拾ってきたんだけどー?」


「そう、ね。それあたしのよ。あ、ありがと。」


んん?なんか元気ないな。ズボン履いてないからお腹冷えちゃったのかな?もっと早めに外套(マント)貸してあげとけばよかったかなとちょっとだけ後悔するも、そうしてたら俺が<オーク>の体液浴びまくりだったことを思い出してその案は却下しておく。あれをモロに浴びる勇気は俺にはないもん。


「もしどこかしら調子が悪かったら言ってくれよ?俺にできることは既に残り少ないが、有事の際は(トイレするなら)ちゃんとフォローするつもりだから遠慮なく言ってくれ。」


「う、うん。もしもの時は・・・その、お願い、するかも。」


こうも大人しいと逆にやり辛いな。でもトイレ我慢してる女の子にあれやらこれやらって言う勇気は俺にはない。なんかそういうことってデリケートじゃん?お尻拭く用意も特にしてないし・・・手持ちの布あげとくか?まだそんな使ってないから新しいけど、いまは緊急事態だしそんなことも言ってらんないか。


「これ、いちおう持っときな?なんだ・・・その、ふ、拭く時とかに使うといいから。」


「え?あ、うん。なんか、ありがとう。」


トイレ用の布を渡すというかなりの高難度ミッションをやり遂げた俺氏、けっこーやるじゃん!と思ったのも束の間、ミリーは受け取った布を使って顔を拭いたり身体の血を拭きとったりしている。え~っと、どうせ捨てちゃうんじゃ勿体無いからキレイな内に色々使っておこうってことなのかな?

それにしたって血がついた布でお尻拭くのはどうかと思うんだけど、こっちの世界の人はそういうとこあんまり気にしないのかな?ちなみに、この世界において紙はそれなりに貴重品だ。故にトイレットペーパーなんてものは存在しない。代わりに布の端切れを使ったり、場所によってはワラや葉っぱを使ったりするらしい。メタリカさん家は紙だったなぁ・・・。


(こういうのってなんて言えばいんだろうか。ジェネレーションギャップとかじゃなくって、なんか言い方あったっけ?)


《カルチャーショックのことですか?もしくは異文化ギャップとでもいいましょうか。》


(あ、そうそうそれそれ!やっぱ、生まれ育った環境が違うと精神的にも違った面ってのが大きいのな。今回のことでそれが大いにわかったよ。もしかしたら俺がわかっていないだけで、テトにゃんやニコにイヤな思いをさせていないか心配になってきたな。)


とりまミリーを立たせ、テトにゃんたちのいる処へと連れて行くことにする。腕以外の怪我は擦り傷や切り傷しか残ってないハズだから手を貸さなくても歩けると思われるが、思えばちゃんと骨折部分を固定しとかないと痛くて歩きにくいんだっけ?腕の骨折したことないからいまいちその辺がよくわからんな。


「ミリー、テトたちと合流したら腕を固定しちゃおう。そうしたら多少は動きやすいハズだし。あと、いちおう何が起こったのか俺がわかる範囲で話しておくよ。」


苦痛に顔をしかめるミリーへとざっくり概要を話す。少しでも気が紛れればと思って話しはしたものの、内容が内容だけにあんまり気を紛らわせる効果はなかったかもしれない。特にゴブに拉致られるくだりとか。


「・・・そう。そういえばそうだったわね。あたしを囮にして助かろうとしてたあの男共!さいってーよ!男なんて!男なんて!!つうっっ!」


「あー、ミリー。あんまり興奮しない方がいいよ。腕の骨折はなんの処置もできてないんだから、あんまムリすると悪化しちゃうかもしれないし。」


「だって!わかってるけどあんまりよ!折角助けてあげようとしたのに!」


「それだけ生きることに必死だったんだろう。まぁ、俺もムカついたから細い方の顔面ぶん殴っちゃったから、人のことあんま言えないんだけどさ。」


「・・・殴ったの?」


「あぁ、ロングダガー(コイツ)を握りしめながら全力でな。鼻折っといたから帰ったら見てみるといいよ。」


「それならまぁ、ちょっとはスッキリしたかも?ホントはもっとやってほしかったけど、それは怪我が治ってから自分ですることにするわ!」


握り拳を作りながら凶悪な顔を晒す小ダヌキミリー。その握った拳はやめておけ。『魔硬』で殴ったら今度こそ殺人事件だぞ。


「まぁ、程ほどにな。ギルドの方で正式な処分とかがあればそっちを優先した方がいいし。」


「ギルドなんて全然ダメよ!アイツらがまともに対応してくれるとは思えないわ!特にメタリカーナのギルドは、ね。」


どうやらメタリカーナのギルドは信用がいまいちらしい。そういえば<ピクシー・ゴブリン>が森の外に沸いてからそれなりに経つが、未だに討伐隊?とかいうのは組まれてないみたいだし低品質・低評価なのも致し方ないのかもしれない。


「俺は他のギルドを知らないけど、ここのギルドってそんなに特別ピヨってるのか?」


「ピヨ?えと、ピヨってなんのことかよくわからないけど、ここ最近のメタリカーナ支部は評判も実績も悪かったのは本当のことらしいわよ。バルムさんが言ってたもの。昔より随分と質が落ちた、これでは大事があった際にまともな対応は望めないかもしれないって。」


「それでいいのか人族最大の防壁・・・。品質の担保くらいはしとかないと自分たちの首を絞めるだけなんじゃないかなぁ~。」


それにしてもここ数年、ね。それって回復薬の流通制御(買い占め)も関連してるっぽいなー。国の内側が腐ってるから外からも手を出されてるのか、外から干渉されて内側も腐り始めてるのか。どっちでもいいけど個人的にはあの感じの悪いサブマス辺りを疑っておくとしよう。あいつなら間違ってても申し訳ない気持ちも出てこないし、怪しそうなのもあいつだし。

などと雑談をしていたらすぐにテトにゃんたちと合流できた。まだテトにゃんは寝たままか。ニコを労いミリーの腕に添え木代わりとばかりにロングダガーの鞘をあてがって布で縛っておく。前腕って吊るすんだっけ?吊るさないんだっけ?よくわからんけど吊しておく方向でいっか。まだ骨を元の位置に治す作業の、整復?だっけ?もできてないし。


「じゃあちょっと待っててくれるかな?モンスターの死体の処理をしてくるからさ。何かあったら呼んでくれればすぐに来るし。」


「わかったわ!この子達はあたしが守るからね!任せなさい!」


「いや、そういうのは要らないんだけど。お前だって怪我してるじゃん?怪我人を働かせようとは思わないよ。それに、多分骨折してるからこのあと熱出たりするぞ?なるべく体力をムダにしないようにしないと街まで()たないぞ。」


「そ、そういえばそうね。いまは不思議と体調が悪くないから忘れてたけど、前に骨折した時も2日くらい熱が続いてパーティーメンバー(みんな)にも迷惑かけちゃってたっけ。」


まだ冒険者になって1年程度の割に怪我の経験が豊富なご様子だった。そんなにヤバい依頼(クエスト)ばっかやってるの?バルムさんとこって案外激務な職場なのだろうか。ブラックな感じは特にしなかったんだけど、体力でカバーしまくって雰囲気だしてないだけって可能性もあるといえばあるか。そもそも労基法とかないから超過労働とかって考えそのものがなさそうだな。


「ま、とにかくそういうことだから、いまはゆっくりしててくれ。テト共々異変があったら知らせてくれるとありがたい。」


「う、うん。わかったわ。」


なんだかよくわからないがしおらしくもごもごと口ごもってる。あんまり悠長に構ってらんないからそれだけ伝えるとさっさとさっきの<オーク>みたいなヤツがいた所へと急ぎ解体作業を開始する。ふむふむ。死んで脱力状態のハズなのにロングダガーがなかなか刺さらない。なにこれどうして?


「か、固すぎるな。VIT全振りでもしてるんだろうか?いや、力も強かったからSTRとVITの二極振りか?脳筋過ぎるにもほどがあるっつの。」


《マスターは安定のゲーム脳すぎます。ですが、いくらマスターが非力で刃物の扱いがなっていないとはいえ、この品質のダガーが刺さらないのは異常ですね。タフネスだけでは説明できません。》


「その辺りも原因究明したいとこだけど、時間かかりすぎるから却下だな。とりまロングダガーちゃんを魔力でコーティングして『貫通』とかかけてみるか。できるかどうかわからんけど、さっきの『炎槍』のノリでいけそうな気もするし。」


できるかどうかまったくわからないが、取り敢えず周囲の魔力を掻き集めてロングダガーへ集約してみる。いいよいいよ!中々悪くないんじゃなーい?それなりにスムーズな感じで魔力を集められてるじゃん!これは封印してた魔力自動吸引術式オート・バキューム・コードを使ってみてもいいんじゃなかろうか?いや!いいだろ!やっちゃえやっちゃえ!

なんとなく気持ちがノッテきてイケイケな感じになってきたので、ミリーに左手を破壊される原因ともなった魔力自動吸引術式オート・バキューム・コードを構築・展開し、ロングダガーちゃんへ魔力の供給を始める。そして、集まってくる魔力に『炎弾』を操る際に散々使った『貫通』の性質を付与してみる。ついでに『強化』もいっとくか?やっとくか!


術式(コード) 魔力自動吸引マギア・オート・バキューム 実行(ラン) 長両刃短剣(タウィール・ダグエス) (フォア) 性質付与レクシアン・エンクルムント 貫通グラナーテペネトラート 強化(クラトス)


即興で組み上げてみたがそれっぽくできてると自負してる術式(コード)だ。前回は感覚だけで組み上げちゃったから制御も何もかもマニュアル感満載だったが、これならある程度は自動(オート)に任せることもできそうだし仕上がりは上々であるといえるだろう。


最小(ミニムム) 武器強化開始(アルム・クラトス・ディスケード)


あんまり大きな魔力が流れ込んできても困るので、抑え気味に術式(コード)を発動。てか俺の残り魔力だと大掛かりなのはムリ!元気な時ならまだしもいまは疲労困憊ですよ。異世界に来て1番働いてる気がする。その俺の頑張りを認めてくれるかのような淡い光を放つ魔法円がロングダガーちゃんを挟むようにして2つ出現し、周囲の魔力を餌にミリーの『魔硬』のように両刃を強化していく。


「これならいけそうかな?」


強化されたロングダガーを元豚だったモノの背中へと刺してみるとさっくりと簡単に通った。さっき魔石を取るときはかなりの抵抗を感じていたが、今回はそこまででもない感じだ。表現が難しいが、さっきまでは油粘土に棒を刺してたような感覚だったのがいまは同じく油粘土にペティナイフを刺してるような感覚だ。何を言ってるかわかる人にしかわからないかもしれないが、かなり楽になったってことが言いたいのだ。流石に豆腐を切るようにとまではいかないが、それだけわかってもらえればいいかもしれない。比喩とか苦手やねん。

しかしながら、刺すのは随分と楽になったが切るのはそんなでもなかったらしい。まぁ、付与してるのは『貫通』と『強化』だしな。『貫通』の恩恵は凄まじいが、『強化』の方はそこまででもないってことらしい。次は何を強化するのか、その辺まで術式(コード)に組んだ方がいいのかもしれない。切れ味強化とか?刺身包丁に是非とも欲しい能力だな。

ちょっと解体にてこずったが、なんとかある程度の大きさになるまでバラバラにすることができた。日本(あっち)にいた頃の俺ならまず100%アキラ・・・もとい諦めていたくらいの重労働がそれなりの労力でできるようになってしまっているのが嬉しいやら恐ろしいやらだったりする。自分のステータスを確認するのがちょっと怖い。

これじゃミリーのこと笑ってらんないぞ?レベル上昇で強化されてる膂力や魔法やスキルの補助でこんな行為がダガー1本でできるようになってしまっているのがその証拠だ。そこまで身体能力が強化されてる自覚がないってのがマジ怖い。人間の身体だって解体(バラ)すのに相当な労力と時間が必要だって何かの本で読んだことがあったのに、それがいまでは片手一本の上この短時間で固いハズの豚野郎の遺体を処理してしまった。下手したらワンパンで敵を倒しまくるあのハゲのようになってしまう日もそう遠くないかもしれない。


《問題ありません、マスター。既に豚の身体からは魔石をくり抜いてますので大分脆くなってます。その上、ただ固さだけで魔法への抵抗値を維持していましたので現在は魔法に対して脆くこの程度の切れ味は当然かと思われます。故にマスターはまだまだ脆弱なままですのでご安心ください。》


「ちっとも嬉しくない発言なのに、何故か心がホットしている自分がいる。まさか!そっちのトビラが開かれようとしているのか?!ヤバい!マズい!怖い!その新たな自分からは全力で眼を背けたい気持ちで胸がいっぱいだ!!」


カナデさんの慰めにも似た緩やかなディスりを受けて喜びを感じている自分がそこにはいたが、まだまだそのゲートを開け放つわけにはいかないのでどうにかこうにか蓋をして釘を打って(かんぬき)だって閉めちゃうぞ☆(テヘッ)

ギリギリの所で踏みとどまって自然体でお手製マイ・ダンジョン【DP生産貯金箱・吸引式】を用いて次々と死体をばきゅる。倒したモンスターを解体(バラ)してはばきゅって解体(バラ)してはばきゅってと作業と化した工程を繰り返す。


「いくら小さいとはいってもこれだけの数の魔石ともなるとかなり重いな。麻袋がパンパンになってきたし俺の腕も脚もパンパンになってきたんだけど。」


《多少レベルアップによって身体能力が向上しても所詮はこの程度です。マスターがワンパンマ○になれる日はまだまだ遠いようですね。》


「いや、なりたいわけじゃないし、そもそもなれるとも思ってないんだけどね。なんとなくあのハゲマントの頭が?いや顔か?が頭に浮かんだだけだから。うん。」


軽口を叩き合いながらも手早く用事を済ませてテトにゃんたちの元へと帰還する。


術式解除(ワン・コード) ただいまーってミリーまで寝てるの?起きてるのニコだけ?」


時間的にそんな経ってないつもりだったが、戻ってみるとテトにゃんとミリーが熱出してるっぽい。これマズくない?2人を抱えての移動はちょっとムリなんですけど。どうしよう?起こせば歩いてくれるかな?声をかけたり頬を軽く叩いてみたり、さっきみたいに鼻を摘まんでご飯だよーをしてみたが反応がない。どうやら起きないようだ。

仕方がないので寝た子を起こすことなく帰るしかないということで、DIYをしてみようと思う。この森の中放置するわけにもいかないし、じっとしてるのも危ないから簡易的なソリを作って2人を載せて移動しようというわけだ。さっそく周囲に都合がいい材料がないかと視線を巡らせ、あの板とあの辺りのツタ、それにああいう端材やらなんやらがあれば・・・うん、できそうだな!


「ということで、もう1台荷車を召喚しよう!ポチッとな!!」


色々と考えて自作ソリ作成計画を立てたのになんでDP(ダンジョンポイント)を使って荷車を召喚するのかって?それはもちろん、いざ作業をしようと考えた時に片手じゃできないって気付いたからだよ!!察してくれ!!

ニコと協力してよいしょーこらしょーと病人兼怪我人を荷車に積む積む。今回召喚したヤツは後ろ側がバコンと倒せてスロープみたいになるタイプにしたのでなんとか積み込めたが、前と同じタイプにしてたら絶対ムリだったと思う。別にこの娘たちが重いとかってわけじゃなくて、やっぱり俺が非力だってことが証明されました。


「ニコ、ありがとね。ニコがいてくれてメチャクチャ助かるわー。」


「ん。ニコ、ソウのてつだい、すきだから。」


ゆっくりと噛み砕くように話すニコ。しかも僅かに微笑んでいるように感じる。実際は俺が荷車牽いててニコが後ろを押してくれてるから見えないけども。それでもきっと微笑んでいるに違いない!だってこんなに天使な発言してるんだもん!超・絶・可愛いんだもん!!やふーぃ!テラかわゆす!!

ずぎゅーーーんっと撃ち抜かれてしまった私の心はニコ色に染まっているに違いない!ニコは色白だから俺の心も白いに違いない!だって純粋(ピュア)だし!白いに決まってる!お米だって白衣だって裸足で逃げ出すほどに透き通った白さに乾杯!俺はもうニコには勝てない完敗だ!


「ありがとうニコ!俺もニコが大好きだよ!!」


《マスター、気持ちが悪いです。それに、ニコは手伝うことが好きと言っただけで、マスターのことが好きとは一言も発してません。》


「あんぎゃーす!!(はや)って焦ってトチった臭い!!?穴があったら入りたいずら!恥ずかちい!!」


顔から火が出るくらいに恥ずかしい!!勘違いも恥ずかしいし幼女に告ってる俺マジヤバい!!か、家族愛!そう!これは家族愛だからセーフ!セーフだ!きっと無罪(セーフ)に違いない!!


「や、やだなぁカナデさん!これは」


《家族愛だなどとのたまうのはやめてください、マスター。先ほどの胸の高まりは本気と書いてマジと読むヤツですよね?カナデはそう判断しました。》


「うごっふぅ!や、やだなぁやめてよカナデさん!俺の心拍までトレースしないでよ!ちょっとくらい言い訳させてくれたっていいじゃん!こんな可愛い娘に言われたら胸も高鳴るじゃん?!」


そうだよ!実際歳の離れた妹や娘に言われて嬉しくって胸が高鳴ったっておかしくないじゃん!普通じゃん?むしろ当たり前で当然じゃん?なんでカナデさんはそんな風に俺を攻めるのか?まさかこれが俗にいう


《焼きもちでもなければ嫉妬でもありません、マスター。》


ごはっ!!先回りで力強く否定され続ける俺氏!カワイソウ!


「うぐぅ。カナデさんがいつにも増して俺の精神(こころ)を責め立ててくる・・・。なんだろう。コレがツンなのかな?ツンで合ってるのかな?いつ頃デレてくれるの?そろそろ俺の精神的体力(HP)も限界なんだけどー。」


《既に十分に甘くして(デレて)います、マスター。これ以上は有料オプションになりますのでお会計のあとに申し付け下さい。》


それなんてプロ(お水)?カナデさんが誠意をもって優しくデレてくれる未来が失われようとしている瞬間だった。

カナデさんに心を鍛えられる(いじめられる)楽しい楽しいトークタイム中も、道中()ったモンスターの死体を解体(バラ)してばきゅってを続けていること(はや)40分ほど経ったころにようやく始まりの地点、名も知らぬ冒険者2人組の遺体の元へと辿り着いた。


「・・・名前なんだったっけ?埋葬くらいしてあげたいけど墓標に刻む名前がわかんないやって言ってる場合と違うか。この感じからすると多分鼻男と空気が犯人だな。」


《おそらくはそうでしょう。まさか、死体から追剥ぎ行為をするとは思っていませんでした。》


この世界(ミロワールド)はこれがデフォなのか?いや、あいつ等がそういう気質なだけか。少なくともテトやニコ、ミリーはこういったことをしそうにないし。」


《どちらの性質がこの世界のスタンダードかはわかりかねますが、これからも人族を相手にする際は注意が必要なようですね。》


「はぁ~、なんだかね。それにしてもここって呪われてるのかな?それとも死体を冒涜(ぼうとく)したからこんなんなっちゃったのかな?」


《そちらに関しても判断が難しいところです。ですが、少なくともカナデが保有する情報(データ)と照らし合わせた結果としてはやはり異常です。》


俺とカナデさんがいったいなんのトークをしているかというと、名も知らぬ元冒険者2人の遺体がウゴウゴと動き出していることを指している。この森の中は死んだヤツが動きやすい謎成分でも漂ってるのかな?人体に有害じゃないといいんだけど・・・。

通常アンデット化というものは、長期に渡って周囲の魔力を吸収した死体の中に核となる魔石ができてしまい動き出す現象らしい。脳もダメになっているので、ただ周囲の魔力あるモノ、大体は生物が魔力保有量が多いので生物へと襲い掛かりより多くの魔力を得ようと動くのだという。

よって、魔力適性の高い肉体の方がアンデット化に向いている体質らしく、魔法が使えたり魔力を操れたりするタイプがアンデット化の危険性が高いとのこと。つまりゴブとかウルフとかはアンデット化に不向きなタイプってことになる。


「こいつらがどんな戦闘スタイルとってたかしらんけど、さっきまでしてた装備を考えると普通に前衛だろうに。なんでこんなにアンデット化が早いんだ?」


《それはわかりません。それに、まだ完全にアンデット化していないのに動いている点も不可解です。》


カナデさんにも全然わからないらしい。困ったな。完全にモンスター化してるならやっつければいいんだが、動く死体だとモンスターじゃないから若干気が引けてくる。さっきの・・・これまた名前忘れちゃったけど女性冒険者の手前、動きだしそうだったから燃やしましたじゃなんか締まらないし?てかそもそも名前聞いたかどうかも覚えてないや。

そんな微妙な心持ちでぼんやりと死体を眺めていたら、なんと死体がくっついた。勿論付き合い始めたとかそういう意味ではなく本気で物理的な意味合いでの結合をし始めたのだ。なんで?ぐちゅぐちゅだよ?


「ここ最近気持ち悪い気持ち悪い言いまくってたけど、今回のこれはかなり上位ってか多分1位か2位じゃね?ってくらいにキモいんですけど・・・。」


《同感です、マスター。見た目も気持ち悪いですが、原因含めわからないことばかりなこともより気持ち悪くさせられているような気がします。》


2人分の死体がぐちゅぐちゅぶちぶちぐにゅんぐにゅんと合体していき、びったんばったんびくんびくんと跳ね回っている様はとてもじゃないがR15でおさまる内容じゃない気がする。これR18必要かも・・・いや、下手したらR21?

ムリヤリに身体をくっつけるもんだから腕や足が圧迫されて骨が折れ、皮膚を突き破り血しぶきをあげるが、その飛び散った血液を再び皮膚から吸収してる。また、跳ね回った際に血肉が周囲へ飛び散るが、飛び散った血肉はゆっくりと本体の方へと動き出したり地面に散らばる血液を吸収したりしながら(うごめ)いている。

もはや肉の塊と化したその奇怪なオブジェからは、ついさきほどまで人間だったということを感じさせる面影なんてものはなくなっていた。


「ヤバいな・・・戦闘の準備なんにもしてなかった。」


残る『炎弾』は3発のみ。

お読みいただきありがとうございます。

ミリーちゃんの頭・・・硬そうですね。想君アゴ大丈夫?割れてない?ザキヤマさんみたいになってないか心配です。

それにしても今回ばきゅってる数がハンパないですね!うっはうはじゃないですか!腕や脚がパンパンとか言っててもホクホク顔じゃないですか!

むしろ集計するこっちの身にもなってくださいよ!計算するの大変なんですからね?!


次回予告

ぐちょぐちょのぐちゅぐちゅ

ボコっと

ただのザコ

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