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テトはいつになったら自覚してくれるんだろう 俺も男なんだよ


感想、レビュー、評価をいただきありがとうございます(*´∇`)

なんと!閑話を挟んだとはいえ、新規ブクマ登録者(ユーザー)様が7名様いらっしゃいましたー!って、マジですか!?この世の中は不思議で溢れていますが、こんな所にも不思議現象ががががががg。

そして、有り得ないミスをしてしまっていた部分のご指摘を頂戴いたしました!ありがとうございます!とっても嬉しいです!!

これからも楽しみながら更新していきますので、皆様も楽しんでいっていただけると幸いです(*´∨`*)


前回のあらすじ。

マーシャルは気の良いおっさん

テトは心配性 猫耳は最強だった

ニコは打撃武器に決定?

店主のクソ野郎が<ミヌラビー>だと言い張った肉は、消しゴムでも噛んだ方がマシだと思えるほどに硬く、変にぐにぐにしてて最悪な触感を提供してくれた。初めての感覚を、ドウモアリガトウ・・・。

さらに、生臭く、泥臭く、えぐ味がひどく、時折牛乳を搾った生乾きの雑巾を思わせるフレグランス(かおり)が漂ってくるが、いったいなにがどうしてこうなった?

もしも、味はともかくとしていまは長靴いっぱい食べたいって言えるヤツがいるなら、店ごと買うよ?マジだよ?言ってみ?

ミロワールドで生活してそれなりに経つが、思えばマズい物は食べたことがなかったかもしれない。美味しくないは沢山あった。でもそれだけだった。

俺はこの世界に来て、それなりに贅沢な生活をしていたのかもしれない。出会ってきたすべての人へ感謝の気持ちが花開くのも(やぶさ)かではない心持ちだ。


「うん、くっそマズい。テト、ニコ、これは食べ物ではない。繰り返す、コレハタベモノデハナイ。」


血反吐を吐く思いで作り笑顔を張りつかせ、愛する妹達のカバーへと入る。これは人が食べていいモノじゃない。毒物の類だ。


「えっ?食べちゃダメだったの?ごめんなさい、もう半分食べちゃったの。も、戻した方がいいの?」


「んっ?ニコ、ダメ?した?」


んん?おやおやおや~?お2人は普通に召し上がっているけれども、これはまたどうしたことか。俺が食べたコレだけが特別不味かったのか?これだけが爆弾(ロシアン)だったのか?


「あ、あれ?2人はスープ(コレ)食べて普通に平気だった?」


「平気も何も、すごく普通のスープなの。むしろ、お芋が滑らかで食べやすいの。十分なご飯なの。それに、お肉も沢山でずっと豪華な感じなの。」


「ん。かたい。」


あれあれ~?こんなゴミ屑みたいなモノを食べてその反応はどういうことだ?それとも俺が異世界人だから味覚が変なのかな?


(これはゴミじゃないの?食べ物なの?)


《はい、マスター。これはゴミではありません。一般的に広く普及している芋のスープですね。しっかりと裏漉(うらご)しがされていますのでマシな部類に入るでしょう。

また、マスターの大好き(笑)な<ミヌラビー>は、この品質程度(そこのそれ)が市場に出回る通常の品です。マスターの狩った個体がやはり異常だったのでしょう。》


(マジか・・・みんな、これがこの辺りだと普通の食事だと言うのか・・・?うそだ・・・嘘だと言ってくれ!!俺にこれは耐えられやしない!!)


《残念ながらこの国の水準はこれくらいのものです。マスターがいままで滞在し、口にしてきた物を思い出してください。》


俺がこの世界に来てから食べていた物・・・?

初めの頃は、メタリカさん家でご飯。次からは大将(ゴルドル)飯。たまに屋台での買い物もしたけど、あれはまだ普通に食べれたぞ?果実風味のソースのかかった串焼きのお肉だった。

なのに、今日食べたこのスープの肉はダメだ。とてもじゃないけど人の食事用だとは思えないマズさだ。それだけは間違いない。が、そういえばここの店はかなり量があったのに、価格が凄く安い?

この間の串焼きの1/3の価格だ。それぞれ椀1つに銅貨1枚。いくらなんでも安すぎるな。この手間暇を考えたらとてもじゃないけど真っ当な肉は用意できないか。

しかし、いくらなんでもこれは許容できる味じゃない!噛めば噛むほどマズさが増幅してきてる気もするもん!ゲ○マズ飯ぷー!もうムリぷー!!


「いや、なんでもない。2人はこれ、美味しいかい?」


「うん、特にお芋のスープが美味しいの!ウチ、このスープ好きなの!」


「んっ!ニコ、いも、好きっ。」


「じゃ、なんにも問題ないな。ただし、晩御飯のこともあるからあまり食べすぎないように。勢いで3つも買った俺がいうセリフじゃないが・・・。」


俺的には完全アウトな食事だったが、2人にはそうでもなかったらしい。やはり食の水準が全然日本と違うようだ。ゴミだなんて言ってごめんなさい。あぁ、声に出さなくてよかったってそういえば最初の一言は出てたかもしれない。

そこら辺は申し訳ない気持ちでいっぱいになるが、言ってしまったもんは仕方がないだろう。俺にはどうすることもできないし、訂正のしようがない。だーってマズいんだもーん。

結局ニコには肉はムリだったが、スープは全員食べ終えた。残った肉は申し訳ないけど背嚢(ダンジョン)に吸わせていただいた。いやぁ、こっそり捨てる場所(ダンジョン)があってホントによかったー(遠い目)。

すったもんだをすったりもんだりしてみつつ、お宿で大将(ゴルドル)飯をいただく。安定の品質。けっして美味しくはないがマズくない。マズくないってホントに重要だってことをここにきて再認識してしまいました。まる。

これからは我が愛しい妹達に、高水準で安心安全な美味しいご飯を積極的に提供していくことにしよう。いままでの生活水準がアレくらいとか許せないし。マジでダメだし。

新たな決意と夕飯を終え、自室に戻る。今日もまた沢山汗をかいちゃったから後でしっかり身体を拭こう。てか洗濯とかどうしよう?一応みんな服は複数持ってはいるものの、干すとことかないもんな。ココ。

あとできっとテティちゃんがお湯持ってきてくれるだろうから、その時にでも聞いてみるか。


「今日は1日訓練?に使っちゃったけど、皆はどうだった?日課の散歩はできなかったけど、新装備は馴染んできたかな?」


「ウチはまだまだだと思うの。やっぱり使い慣れないし、そもそもあんまり才能がないのかもしれないの。」


「いやいや、結論出すのは早すぎるでしょ?テトはいままで武器を持ったことなかったんだから、ゆっくり慣れていけばいーの!焦る必要なんてないんだから。」


「そうなの?うぅ~、ウチもソウの役に立ちたいの。うまくできないのがもどかしいの。」


「ニコ、やる!」


「2人ともありがとー。でもね、そんなに気負わなくても大丈夫なんだよ?2人にはすっごく助けられてるんだから!俺がこうしてのほほんとしてられるのは、2人がいてくれるからだし、脚が治せたのも2人が手伝ってくれたからなんだよ?」


言いながら2人の頭を交互に撫でる。実際この2人がいなかったら俺はまだカナデさんとの孤独(ぼっち)旅が続いていただろう。

そうなると必然的にまた独りであの薬草採取作業をこなさなければならなくなるし、(バー)さんと2人っきりでポーション作成だ。

テンションがダダ下がることこの上なく、下手しなくても心が折れて引きニート街道を突き進んでいた可能性が高い。故に、2人は俺の精神(こころ)救世主(メシア)なのだ!


「それに、俺も剣とかまともに使ったことがないからさ、練習相手がいてくれると助かるんだよね。これもマジで。ただでさえ片手ってハンデがあるから、協力者がいてくれないと上達する気がまったくしないんだよ!」


「そういえば、なんでソウは、その、片手がないの?それにその火傷や脚の怪我のことも。ウチはソウのこと全然知らないの。」


「あ、そっか。言ってなかったんだっけ?この怪我した理由とかって。んむ~、言うのはかなり恥ずかしいんだけど、言わなきゃいけないことだもんなぁー多分。」


テトにゃんのおめめが有言に語りかけてくる。そんな真っ直ぐ見つめられたらお兄ちゃん照れちゃうよぅ。って言ってる場合と違うか。


「えっとね、この怪我はそもそも語るも涙、語らぬも涙でー・・・というわけなんだよ。バカでしょ?」(笑えっ!)


「うんと、つまり、人助けをしようとして失敗しちゃったってことでいいの?だとしたら笑えないの。ソウが急に魔法使えるようになったってとこだけ聞き流せないの。」


「んー。ソウ、いたい?」


うぐぅ。恥を忍んで話したのにまともな疑問と心配をいただいちまったぜ。なぜなにどうしてなんだぜ。この娘たちはかなりの不遇な環境にいたハズなのに、どうしてこんなにも心がキレイなんだろう?

俺の中の常識を総動員して考えても、もっとスレてたり、キツい性格になっててもおかしくないと思うんだが・・・?それとも俺の心が薄汚れちまっているのかい?


「いんにゃ、もう全然痛くないよ。脚も治ったし、身体のあちこちが痛かったのも治ったもの。それに、魔法が急に使えるようになったのにはちゃんと訳があるんだよ、テト。」


「わけ・・・なの?」


「あぁ、1つ目はカナデさんだな。2人も知ってることだけど、カナデさんは知識や情報の宝庫だ。そのカナデさんにサポートしてもらってるから俺の魔法は上達が早い。

それに、2つ目は俺自身、(じじー)(笑)の計らいでそういうスキル系の知識は頭に詰め込まれてるんだよね。ムリヤリにだけど。」


「・・・また神様なの?ソウっていったい神様とどういう関係なの?」


「その言い方はよろしくないな、マジで。それだと俺が(じじー)(笑)と仲良しみたいじゃん?俺は別にあんなのと仲良くしたくはない・・・けどこういう言い方はテトあんまり好きじゃないんだったよな。ごめん。」


「うぅ~、あまり好きじゃないけど、こうまで頻繁に神様の話題が出てくるとちょっと困るの。なんだかとっても身近な存在に感じてくるの。」


「あ、それはやめといた方が良い。あんまり関わらない方がいいからなっ!可愛いテトに何をされるかわかったもんじゃない!俺だって頭壊されそうになったしな!勝手に呼び出された挙句にだぞ!!」


その後俺は色々と諸々を力いっぱい精いっぱい力説して説き伏せてみた。ていうか俺が風呂場で死んだあの時からのダイジェストな情報をテトにゃん達に話してみただけだが。


「つまり、ソウは人間じゃなくて、だんじょんますたー?とかって生き物ってことなの?」


「いや、若干違うな。俺の職業がダンジョンマスターで、種族はヒューマノイドだ。ん~、簡単に言うと、俺のお仕事は洞窟を造ることで、種族は人間種(ヒューマン)っぽい何かだ。」


「わかったようなわからないような?なの。」


「んー・・・。」


はてな顔の可愛いテトにゃん。悩んでる顔も困ってる顔も可愛いなんて、これはとてもいいものだ!いやいやそれはダメだダメなやつで俺はダメなヤツだ。自重せねば。うん。

ニコは完全におねむだな。今日は動き回ったし、眠くもなるか。まだニコは小さいしな。歳は知らんけど。


「ニコはもう眠いか?ちょっとお湯くるまで横になってるか。今日は沢山動いて疲れたもんな?」


「んー・・・、ん。」


ニコを寝かしつけ、テトにゃんと雑談タイム。今後の方針とかそろそろ真面目に考えようと思うんだ。

現状は生活費に問題ないし、衣食住はまぁ整ってる。も少し服類とか欲しいが、急ぐほどでもない。生活雑貨もそれなりに揃ってるからあとは本気で戦闘方面を鍛えるか、商売路線でやっていくかだな。


「テトは何かしたいこととかある?行きたい場所でもいいけど?」


「う~?ウチは特に・・・いまは十分な生活をさせてもらってるの。これ以上なんて考えられないの。」


「いや、生活のことだけじゃなくてさ、例えばテトの故郷に行きたいとかでもいいんだが・・・。」


地雷っぽい話題だけどこれはちゃんと聞いておかないと・・・だよね。うん。


「・・・もう、ウチの村は多分ないの。お父さんとお母さんは探したいけど、いまは手掛かりは何もないの。」


「そう、か。じゃあ、俺にできることは少ないかもしれないが、テトの両親を探すために行動範囲を広げてみるのもありかもしれないな。」


「それは嬉しいけど、でも、まだあの辺りが安全になったかどうかもわからないの。」


「んむ~、そういえばそうか。なら、まずは情報だけでも集めてみようか。簡単なこの辺の地図を描いてみたら場所とかわかる?」


「地図、見たことないの。」


「うぐぅ。盲点だったが、ある意味では当たり前か・・・。」


中世代の文化レベルで言えば精巧な地図なんて軍事機密だったりしたらしいし、一般人(パンピー)の、それも辺境の村育ちのテトにゃんが見たことあるわけないか。

そうなると、商人やギルド員なんかに情報提供してもらうのが妥当かな。ギルドは気が進まないから、行商人とか旅商人をつかまえて話しを聞いてみるか。

大まかな方針を固めて明日の予定を考える。俺がしたいことはそんなに急ぐことでもないし、まずは家族の憂いをどうにかしよう。そうしよう。


「ソウは洞窟造らなくていいの?それがお仕事なんでしょ?」


「いいのいいの。別にすぐにどうこうしろって言われてないし、いまダンジョンマスター(引きニート)やってもいい結果は生まれない気がするし。まずは治療を全部済ませてから考えるよ。」


「ふ~ん?他には用事はないの?」


「他?他っていったら、メタリカさん家にお礼しにいくくらいかな?すっごくお世話になったし、貴重なポーション融通してもらっちゃったからそのお返しにも行きたいしな。」


「メタリカさんって、さっきのお話しに出てきた子爵様の?」


「そうそう。当主のメタリカさんはイイおっさんだったけど、あそこのメイドはヤバいメイドだった!あと、馬の世話してるじーさんは性格悪かったな。こっちは拳骨制裁(お礼参り)が必要かもしれん。」


「この地方を治める領主様におっさんとかはダメなの。聞かれたら怒られるの。」


「んむ~、そういえばそうか。あんな不思議な下働きがいても、普通にお貴族様だしな。下手な問題(トラブル)の種をばら撒くもんじゃないか。」


あの家の人たちは基本キャラが濃いぃから、なんかお貴族様って感じがどっかに吹っ飛んでいっちゃうんだよ。これって俺が悪いのかな?なんか違う気がするんだけど。


「あと、青い髪した悪魔には気をつけないとダメだぞ?あの悪魔はもしかするとテトも狙ってくるかもしれん。見えない速度で動くからマジ怖いし。」


「う、うん。わかったの。気をつけるの。」


「そういえば、その悪魔がメイド服押し付けてきてたな。これがあのメイド悪魔の品じゃなければテトに着てもらいたかったのに。」


ゴソゴソとチェストを漁り、例の爆弾(ブツ)を取り出す。使用済ショーツ(最上級危険物)は仕舞ったままだ。


「キレイな青なの。素敵なのー。」


「ん?テト、青い服好きだった?それだといまの服はちょっと違ったかな?」


テトはいま、先日買った襟元に刺繍の入ったほんのり朱色の生地の服を着ている。まぁ、青の真逆だ。テトの快活な感じに合ってるし、革生地のフレアスカートとも相性はいいと思ってる。


「ううん、そうじゃなくて、すっごく上質な布だから見とれちゃったの。こんなにいい生地の服は初めてみたの。」


ここでもプチっとミニ地雷を踏み抜いた気がする。どこにでもテトにゃん地雷が埋まっててさぁ大変。あんまり貧しかった生活推ししてこないでいただきたい。涙腺が緩くなっちゃいそうで困るもん。


「んむ~、じゃあ、着てみるか?色はアレだがテトに似合うと思うぞ?」


「ウ、ウチが着てイイの?な、なんだか緊張するの・・・。」


言いながらもどこか満更でもないそのご様子。何気にファッション意識(女子力)高めですか?こちらとしても、テトにゃんのメイド服姿なんて眼福以外の何物でもないので問題なくゴーサインを亜音速で送る。

そして、テトはおもむろに立ち上がり、服を脱ぎ始め・・・ってアウト!アウトです隊長!!それはイカンとですたい!!?


「テト、ちょっとストップ!」


「えっ?や、やっぱりダメだったの?」


「いや、着ることはいいんだ。そこに是非はない!だがしかし、しかしだ!テトは自分が可愛い女の娘だってことをモット意識していただきたい!男な俺がここにいるので、せめて恥じらいをもって着替えていただきたい!本気と書いて、マジと読む!!」


「ソウは相変わらず変なこというの。ソウは女の人でしょう?男の人になんて見えないし感じられないの。」


「いや、大変残念なお知らせではあるのですが、私は男です。男の子なのです。俺自身もなんか最近信じられなくなっちゃってるけど、生まれも育ちもれっきとした健全な男の子なのです!」


《ですがマスター。マスターは種族特性を使えば性別を変更可能ですので、それこそ些細な問題ですが・・・?》


「カナデさん!いまはそういうこと言ってるんじゃないの!てか現状種族特性(ヒューマノイドっぽさ)発揮できないんじゃないっけ?怪我が原因とかで。」


《いいえ、マスター。いままではマスターの種族レベルが低い関係で大まかな変更しかかけられないことと、損傷が激しかったことが理由でカスタマイズが実行できませんでしたが、左脚が完治いたしましたので下半身に限れば変更(カスタマイズ)は可能です。》


「・・・マジでか。でも下だけってどうよ?それってダメっしょ?普段お目見えしないとこだけチェンジするとか聞いたことないし需要もないよ?」


《いいえ、マスター。むしろ、上半身の変更より重要な点であるといえるでしょう。何故なら、上はなくても問題はありませんが、下はあると大問題です。主に入浴時などは。》


・・・はっっっっ!!!まさに青天の霹靂!!いま、(カナデさん)からの神託を賜った気がする!かなりする!なんでこんな単純なことにいままで気付くことができなかったのか・・・上なんてあってもなくても個人差で済む話しではないか。

AAAから始まり(限りない可能性)へと続く世の(ことわり)の神秘であることは間違いないが、ぶっちゃけいまはそんな場合と違うし。大切なのは出版に堪える(セーフ)発禁(アウト)か、無罪(へーき)有罪(ダメ)か、ただそれだけだ。


「俺・・・女の子になっちゃおうかなぁ・・・。」


「えっ?えっ?どうしたの?カナデさんが何か言ったの??」


「あ、あぁ、俺の種族特性・・・つまりはスキルを使って、性別を変更できるらしいんだ。」


「・・・性別って変えられるものなの?」


「んむ~、あんまりこの世界では馴染みがないかもしれないけど、動物とか虫とかではたまにいるよ?変えられるの。そういう生き物のことを雌雄同体って言ったりするな。

生まれつき性別が決まってない種類や、両方の性別の特徴を備えてる種類もいるし、中には自分ひとりで卵産んじゃう生き物もいるにはいるよ?」


「し、しらなかったの。」


まぁ、俺も詳しくは全然しらないんだけど、NH○でやってたような気がする。間違ってたらあの番組のプロデューサーを訴えて下さい。私は一切関与しておりません。

記憶が違ったら違っただけど、そんなことよりいまは俺自身の性別をどうするかを迷うべきだ。迷う時点で答えは出てる、なんてよく言うけど男としての尊厳をそんな簡単に捨て去ることなどできやしないというこの葛藤がもどかしかったりするのです・・・。


《マスター。『セルフカスタマイズ』に必要なのは多少の魔力と各種栄養、それから体力だけですのでそんなに悩まなくていいのでは?あとから戻すことも可能です。》


(いや!戻すのは不可能だ!そんなに前の自分を正確に覚えていられる自信がない!これって自分のイメージとかが大事なんだろ?だとしたら、完全に客観視した100%の記憶なんてできやしない!脚長にしたり無駄毛減らしたりしちゃいそうだもの!)


んむ~、そう考えると自分が自分でなくなりそうだから今回はパス&スルーでいいや。久々発動日本人固有能力(スルーぢから)で乗り切るとしますか!


「うん、やっぱり俺は俺のままで俺らしく、俺として生きていこう。必要に迫られたらそこんとこ自信持てないけど、いまはこのままでいーや。うん。」


「?そうなの?よくわからないけど、ソウは変わらないの?」


「うん、その方向で最終決定(ファイナルアンサー)したよ!(混浴とか混浴とか混浴とかの)悪魔的誘惑に俺は勝ったんだ!鋼の意思を持つ俺の心は、そう簡単に悪魔(ヤツら)に屈したりはしないのだ!」


「う~?そうなの?けど、ソウが変わらないでいてくれるのが1番なの。ウチはいまのままのソウがイイの。」


ずっきゅ~~~~んっ!!あぁ!我が心(マイ・ハート)が撃ち抜かれる音がするっ!!天然そのもののあどけない表情で、鋼鉄と化した俺の精神を簡単に揺るがしてくるなんて・・・お、恐ろしい()!!


「じゃあ、俺は変わらずこのままの状態(スタンス)でやっていくか。元に戻れなかったら怖いのもあるけど、テトにイイって思われたいもの!」


「ソウお姉ちゃーん!テトお姉ちゃーん!ニコちゃーん!お湯をテティが持ってきましたよー、持ってきましたよー!」


願望(テトに好かれたい欲)を垂れ流し中に幼女来たる!またかいぃぃ!


テティちゃんの乱入もあったので、一旦トークは中断。お湯を受け取り、テティちゃんを連れ込み、俺は大将(ゴルドル)食堂へ避難ゴーゴー。

最近はこうして世間の生の声を集めるのが日課になってきてる気がするが、まだ時間が早いから大将は仕事中。果実水をちびちび飲みながらちょっとゆったりタイム。

暇だから魔力操作の練習でもしようかな?なんか最近ホントにあとちょっとで何かが掴めそうな気がするんだよねぇ~。これも、普段から感知系スキルを積極的に使ってるからかな?

その割にテティちゃんの接近には気が付かないことが多いような気がしないでもないんだけど。うん。


(おぉ~?普段やってるような部屋の中や街の外で練習するのとはやっぱちょっと違うな?)


《はい、マスター。まだ食堂内に残っている冒険者や、ゴルドルが使用するカマドの火などの影響もあって魔力の波が揺らいでいるのがよくわかります。》


移動中に感知使うときはここまで意識を集中したりしないから、大まかになんかがいるとか動いてるとかしかわかんないけど、こうやって詳細を()ろうとするとかなりの大情報(ビッグ・データ)が流れ込んでくるのを感じる。

これ、カナデさんが処理手伝ってくれなかったら訳がわかんなくなっちゃう量の情報(データ)なんですけど。なにこのデータ量?普通にヤバいんですけど?

例えるなら、スパイ映画とかでパソコンからデータ盗むときに物凄い勢いでディスプレイ上に文字数時の羅列がガーガー表示されてるあれの、もっとすごい感じだ。はて?何を何に例えているのか自分でもわからなくなってきた。あんまよくない例えだな。

もっと簡単に言うと、テレビの砂嵐画面の砂部分を全部詳細に見せつけられてる感じだ。なんだよぅ。わかれよぅ。俺にもよくわからんけど。


(こういう雑多な情報が沢山あった方がより鮮明にわかることってあるんだな。何が必要で、何が要らないのかなんとなくわかってきたぞ。)


つまり、俺がいままでしようとしてた他との境界線を創るって考え方自体が間違っていたんだ。こんなアホみたいな激しい波の中に、自分だけの安定した空間を維持するなんて俺にはムリムリだったのだ。

好きに魔力も動かせないペーペーがそんなことしようなんて、高望みがすぎたってことなのだ。調子ノリすぎだったの。テヘッ☆(キモい)


(ようするに、まずは自分の魔力の流れを操れるようにすることと、魔力に指向性を持たせること。その2つができればそれなりの形になるってことだな!)


《検証してみましょう、マスター。》


まずは『魔力感知』で自分の魔力と周囲の魔力を認識する。次いで『気配知覚』でその精度と感度を上げ、情報量を跳ね上げる。これによって集められた情報を精査して、必要な部分に意識を合わせていくついでに『並列作業』を発動。

自分と周囲の人々、物や魔力の流れがどうなっているのかがかなり具体的にわかってきた。そして、その他の様々な状態へ意識を残しつつも、自分の魔力自体へより深く意識を繋げていく。が、これがまた大変なのです!


(これなんて大道芸?!めっさキツいんですけど!玉乗りしながら一輪車の上で逆立ちしつつ足で皿回すレベルの驚愕の荒業に匹敵する可能性もなきにしもあらず感が微レ存なんですけど?!)


《マスター、なにを言ってるかわかりませんが、同時作業が大変という認識でよろしかったでしょうか?それでしたらカナデが全体のバランスと認識をより強化しましょう。揺らぎが少なくなれば処理範囲が縮小されるハズです。》


カナデさんが何か言ってる気がするが、こちとら全力全開(フルスロットル)過ぎて内容を理解できない!だが、若干制御が楽になった?気もする?ありがとう!カナデさん!

ここが勝負所で、ここが正念場!意識のほぼ総てを傾けて自身の魔力を把握し尽くす!


――――――――71%


――――――――78%


――――――――83%


――――――――89%


自身の魔力把握度合いをカナデさんがカウントしてくれている。把握度合いが進む度に魔力そのものの詳細がわかってきて処理が楽になってくる。よかった・・・逆にドンドン大変になるパターンじゃなくって。


――――――――・・・《100%です。マスター。》


よっし!!ついに自身の魔力の把握に成功したぞ!!強く意識しなくても、その機微がわかる!まるで自分の皮膚が広がったみたいな感覚だ!魔力は全身を覆ってるから、ちょっと太ったような感覚に近いかもしれない?違うか。


《解放条件を満たしました。『魔力把握』に関する情報が、該当の階位までに限り解放されます。》


(おっ?第二のカナデさんボイスが来たってことは、スキルの取得か??)


《はい、マスター。第二のカナデではありませんが、どうやらスキルとして取得できたようです。》


(やっとここまで来たな!これでようやくスタートラインだ!続いてちょっと操作とか誘導とかの方面、いってみようか!)


《はい、マスター。》


更にここで『精密作業』を上乗せして自身の魔力を動かしてみる。スムーズに、とまではいかないが、なんとなくゆっくりとではあるが動かせる!これは全身特に偏りなく動かせそうで、利き手的な感覚はなさそうだ。

それに、魔力の濃淡も前より調節しやすくなってる。これはきっと魔法にも活かせるに違いない。威力の調節とか、なんかそんな感じの場面で重宝しそうだ。勘だけど。

色々試している内にある程度魔力の操作に慣れてきたので、最後に『システム読解・構築』を試してみよう。このスキルはいまいちよくわからんが、多分魔力を操れるようになったんだからシステム的なナニかを創れるようになったに違いない。

カナデさんもこのスキルはよくわかんないっていうから試してみるしかなさそうだ。

とりま、境界線の野望は潰えていないので、そっち方面で何か考えてみるか・・・壁で仕切るタイプじゃなくて、自動ドア付近で良く使われてる風圧的な制御を設計コンセプトに載せるか?

ようは俺から離れていく魔力をなくしたいってとこから始まってるんだから、吸引方向でやってみる?いってみる?

細かいことはおいといて、まずはイメージで実行!吸引力の変わらないただ一つの何かを意識して、周囲の魔力ごと俺の魔力を(イン)シテミル。


ズズズッ・・・・


お?おぉ?なかなかいいんでない?なんか、魔力を引き寄せる的な感じがイイ感じで動き出してるっぽいぞ?案外初めの魔力を把握するとこまでが難しくて、あとは結構簡単な展開でイケるんじゃね?これきたんじゃね?

予想に反してとっても良さげな滑り出しに驚きを隠せない。こんな簡単なの?自動(オート)で魔力吸引してるし、これなら魔法とか打ち放題じゃん!ついにチート人生開幕だ!


《・・・マスター。魔力を引き寄せるまでは良いのですが、この集めた魔力はどうするつもりですか?》


(えっ?どうするもこうするも、折角集めたんだから吸収しちゃう感じなんじゃないの?ほら、無限回復無限連射の弾幕ゲーボスキャラみたいな感じで。)


《・・・どうやって吸収するんですか?》


(どうもなにも、さっきからこうやって吸引してるんだから、肌から浸透してって俺の魔力になるんじゃ・・・?)


周囲の魔力を観察してみるが、集まってきた魔力はそのまま俺の周囲で留まっているご様子。一向に俺の中に入ってくる気配がない。どゆこと?


(あ、あれ?もしかして、俺って魔力吸収できないの?吸引できたんだからそのまま吸収するんじゃないの?違うの?)


《はい、マスター。まったくの別物です。マスターが無作為に集めている魔力は一切マスターの体内に吸収されていません。このままではマスターの周囲の魔力濃度が高まり、何かしらの事故(トラブル)に繋がるのではないでしょうか?》


(なんでそんなに他人事なの?!共犯者だよね?俺達一緒にやってるよね??)


《いいえ、マスター。既にカナデはサポートをしていないので、この件に関してはマスターの単独犯です。ですので、有事の際の責任はマスターの独り占めです。》


(要らない!そんなの要らないよ!!マズいって!このまま魔力を集め続けたら絶対何か起きちゃうってフラグだもん!早く折らなきゃ!こんな旗要らないから!へし折りましょう!!)


集まった魔力をどうにかしようと悪戦苦闘を開始したワタクシ、ソウ 0歳。

どうしたらいいのかわからないので、まずは流入を止めたいと思います。


(まずはさっき構築した自動吸引(オート)を解除・・・したら流れが一気に変わって危なそうだから、出力をちょっとずつ落とそう。そうしよう。

それから、濃くなってきてる俺の周囲の魔力を・・・いっそ口からいくか!吸ってみよう!)


すぅーーーー!


(ううううぅぅぅ・・・なんか胸の辺りがムカムカする。これが胸やけか?非常に気持ち悪い・・・。)


《マスター、いくらなんでもそれは・・・。》


どうやらこの対処はダメらしい。それは俺にもすぐにわかった。だってもたれるもん、魔力(これ)


お読みいただきありがとうございます。

食文化の違いはかなり厳しいみたいですね。限られた人生、せめて美味しい物を沢山食べたいものです。

これから色々な食材が登場してくると思いますが、果たして彼らの生活水準は上がるのでしょうか?どうなんでしょう?


次回予告。

魔力ってそもそもなんなの?

これは必要なの?

いま言うこと?

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