にゃん太君がいるならにゃんちゃんがいてもいいじゃない
今週も更新頑張ります!もう長さとかあんまり気にしないでいこうと思います。
特に長いも短いもお声をいただいていないのに、なんでいままで悩んでいたのか我ながら不思議です。
そしてそして、新規ブクマ登録者様が3名様新たに舞い降りまして、現在49名様!
小説評価をいただいた件数も5回もいただいちゃいまして、気分はルンルンです!
感想も3件いただいてしまいまして、嬉し恥ずかしルンタッターって感じです!
ありがとうございます!
前回のあらすじ。
商人のドヤ顔って見るに耐えないことを知りました
初獣人とコンタクト
テンプレ盛りすぎて溢れかえった件
一通りにゃん太君のお話を聞いてみたが、どうにもこうにも楽しくない。
浮き沈みなんかなく、ただただひたすら沈みっぱなしのにゃん太君トーク。
一応聞いた話しをまとめると、
・にゃん太君はオルルというらしい
・故郷の名前は『王者の生まれし郷』である
・オルルは12歳、ナルルは7歳とのこと
・ナルルの特徴として、縞模様が白と茶ではなく、白と赤
・村を攻めてきたのは人間種だが、騎士、戦士、傭兵、神官、魔法師etc.
・名乗りや口上もなく、使者もいない。一方的な強襲だった
・あとは戦場の様子をちらほらと
とりま驚愕の事実は、にゃん太君12歳、だと?!
どうみても175cmくらいはありそうな上に、腹筋だってバッキンバッキンだ。
しかも顔だちがすでに大人大人している。
日本人ならそろそろ結婚とかしないの?とか聞かれそうな見た目なのに、なんだる事実・・・今日1番驚きました。うん。
彼は、自分の境遇をある程度受け入れているみたいだから、引き取るのはやめておこう。
俺が引き取るのはなんか違う気がするし。俺、無関係アピったばっかだから筋も通らないしね。
じゃあなんでここにいるんだよって聞かれたら、通訳とでも答えておこう。
「ゼダールさん。」
「は、はい!」
「どうやら彼はこれ以上の抵抗はしないつもりのようです。ですから、これ以上彼を不当に扱うのはやめにしませんか?」
できるだけ威圧的にゼダールを見やる。ついでにいつでも魔法を起動できるように、心と魔力の準備もしておく。
「ま、まさか・・・ま、魔導師様は獣人の言葉がわかるので?だがどうして・・・いや、それは不味い。」
「あぁ、言っておきますが、俺はここで事を荒立てるつもりは一切ない。
やるつもりならもう既に皆殺しにしてるからな。俺の魔法は知ってるだろう?」
「ひっ、は、はい!存じて、存じております!!」
「だからな、取り敢えず彼を、オルルというらしい彼を休ませてあげてくれないか?もちろん、飯もつけてな。」
「で、ですが、食事を取らせますと万一にも暴れだした時に抑えが・・・。」
チラッと赤茶ヒゲ男を振り向くゼダール。絶対ムリムリって返すヒゲ男。
「はぁ、話を聞いてなかったのか?俺は・彼に・食事と・休養を・って言ったんだけど?」
「は、はい!畏まりました!魔導師様!お、おい!お前たち!直ぐにそいつに食事と寝床を!房は0番を使え!」
「「か、畏まりました!!」」
2人の兵士っぽいのが返事をし、オークみたいなおっさんはボーっとしながらも兵士たちの指示に従って去って行った。
オルルも兵士の指示に素直に従ってついていったみたいだ。さっきまでの尖った態度がだいぶ落ち着いてるっぽい。
「さて、一応彼の要望をそのまま伝えたんだけども、今後彼の待遇はどうなるのかな?」
「えぇ、魔導師様のご助力のお蔭で大人しくなってくれたみたいですから、今後は相応の待遇をお約束させていただきます。
しかしながらよろしいのですか?言葉が通じるとなると、必ずや使い勝手のいい奴隷になったと思うのですが?」
「いや、その気はないな。そもそも俺には彼の言葉はわからない。」
「で、ですが、先程会話をなさっていたように見受けられましたが?」
「いや、あれは俺の魔法を使っただけだ(嘘だけど)。こちらの意思を相手に伝えるだけのな(嘘だけど)。だから彼が言おうとしていたことはわからない(嘘だけど)。
こちらの質問に応えてもらっただけだから、単純なことしかわからなかった(嘘だけど)。」(キリリっ)
恐らくゼダール的には仕入れの秘密が漏れたと思ってるんだろう。当たり前だ。言葉が通じないこと前提で犯罪してまで仕入れてるんだろうし。
でもこういう展開はちょっとマズったかなぁ。こいつらに目をつけられると今後色々面倒そうだ。闇討ちとか。
「それに、そっちの仕入れ事情や彼の境遇に興味はないよ。俺には俺の事情があるし。
それに、やはり俺には荷が重いな。借金してまで買う気にはちょっとなれない。」
「そうですか。それは残念です。」
「そこで、だ。あそこまでの品は望まないから、もっと俺に合いそうな奴隷を見繕ってくれないかな?
少なくとも、ウルフから助けた分と、オルルを大人しくさせた分、双方に見合うのがいいんだけど?」
「えっ?あ、はい。そ、そうですね。それでしたら、お客様のお眼鏡に適う奴隷を見繕ってきましょう。少々お待ちを。」
「いや、直接見た方が早そうだから、奴隷の房を案内してよ。金貨5枚分くらいはお安くしてくれると嬉しいなーっと。」
「さ、流石にそれは・・・。」
顔を引き攣らせるゼダール。顔面蒼白のヒゲ男。ていうかヒゲはいつまでここにいるつもりだ?もういい加減帰れよ。酸素薄くなりそうでヤなんだけど。
「ま、それは冗談として、チャチャッと見せてよ。即決めするからさ!」
「畏まりました。ではこちらへどうぞ。」
促され、右奥の部屋へと進む。
「本来はお客様にお見せできるような場所ではございませんので、その点はご容赦いただきたく・・・。」
「あぁ、そういうのはいいよ。気にしないし。それより時間がムダになる方がいやだからね。商人さんだってそうでしょ?」
「えぇ、まぁそうですね。私達商人は、時間を作ってでも商売をし、常に利益を優先すべきと考えますので。」
その後、他愛もない話をしたり、房の中を見て回ったりしたが、特にインスピレーションを刺激される存在はいなかった。
獣人も何人かいたが、結構怪我の状態が悪いのか元気がなかった。だからオルルが最上だったのか。
また、適当な男奴隷に興味を持ったフリをしながら値段を聞いて回る。
身体に問題なく真っ当なヤツは髙いので金貨4枚、安いので金貨1枚に満たないくらいかなぁ。
やれスキルがついているから~とか、能力がーとか、技能や技術がーって言って一生懸命値を釣り上げようとしている。
商人らしいと言えば商人らしいが、もう少し色々と勉強した方がいいと思うな。ちょっと大店の驕りが見えるもの。
「んむ~。力が強いのが欲しかったけど、どうも合いそうな人がいなかったなぁ~。次はこっちかな?」
「そちらは女奴隷の房ですので、あまり力の強いのはいませんが?」
「あ、そうなの?でもまぁ、折角だから見せてよ。別にかまわないでしょ?」
「畏まりました。それではどうぞ。」
(ふふふっ。流れるような展開を経て、ついに女性奴隷部屋に入ることに成功したぞ!)
なんだか自分が商人になったような気分を味わっている。案外こういう展開も悪くないかも?と思ったりもするが、絶望的に向いてなさそうだな。
もうすでにいっぱいいっぱいだし、ゼダール如き手玉に取れないようではムリすぎるだろうなぁ。
《マスター。何故女性奴隷が良いのですか?単純な力や戦闘力で言えば男性の方が優れている場合が多いのですが?》
(甘いな、カナデ。俺は転生者だぞ?転生者といえば奴隷ハーレムを望むのは当然なのだ!少なくとも、ガチムチのおっさん達とは寝食を共にしたくはない!)
《マスター。本気でそのような浅はかな考えで候補をお考えで?》
(ヤだなぁ、カナデさん。そんなことある訳ないじゃん?ノリ言ってみただけだよ。実際奴隷ハーレムチーレム作っても楽しめないだろうし・・・。
単純に、俺は女だと勘違いされてることが多いから、自己防衛の為の布石だよ。いまの宿も追い出されたくなし?)
いま泊まってるお宿は女性冒険者御用達のお宿だ。もしかしたら男奴隷を連れ込むのは許されないかもしれない。
それに、俺はパッと見女の娘に見えるらしいから、周りからも奴隷からも変な目で見られたりとかしたくないし・・・いや、マジで。
【隷属の首輪】とやらがどの程度使えるかわからないから、下手に男性奴隷と関わりはもちたくないでござる。
《そういうことでしたらわからなくもないですが、実際に戦闘用の女性奴隷は数が少ないのでご注意ください。》
(うん、だろうね。見てみた感じ、そんな気がしてたよ。)
女性奴隷用の房は、男性奴隷用の房と違って狭い。恐らく、男性奴隷をすし詰めにすると奴隷同士の諍いでも起きるのだろう。
血の気が多く、力が強い男性奴隷同士の喧嘩なんかを誘発してたら折角の商品が傷むから。
一方、女性奴隷は見た目がよかったり、若かったりってのが売りになるから力も弱いしお互いを傷つけあったりってのも少ないんだろう。
そのせいで房が狭く、雑魚寝状態であまり良い環境とはいえやしない待遇になってしまうのだろう。
「こっちの房は狭いんだね?どこもこんなもんなの?」
「えぇ、そうですね。男連中と違って簡単に殺しあったりしませんから、これくらいで十分なんですよ。」
にこやかな営業スマイルが返ってきたゼダール。先程のオルルの件はなんとなく頭の中で納得がいったのだろうか?
そうであったら嬉しいが、警戒だけは続けておこう。
「ふ~ん?奴隷稼業も色々あるんだね。」
適当に受け流していたら、視界の端に横たわっているモノを発見した。
ボロボロの布っきれを纏っただけの瀕死の少女、だと思われる。
だが、あのボロボロ加減は生きているのかちょっと怪しい。同居の房メイトは黒耳の獣人?いや、何か違和感があるな。
「ちなみにこちらの房で1番力が強いのと、戦闘系の技術に秀でているのは?」
「こちらのクイージャが力自慢でして、並の男連中には負けません。そして、こちらのタニタは元冒険者でしたので最も武器の扱いに秀でているでしょう。」
「ふむふむ。それは心強いな。それぞれお幾らだい?」
「そうですね。2人とも数少ない戦闘用の女性奴隷ですから、当然お値段もそれなりに・・・そうですね。
クイージャの方が金貨2枚、タニタの方が金貨3枚銀貨50枚でいかがでしょうか?」
「んむ~。それだとさっき見せてくれた男性奴隷より高くない?戦闘力とか体力的にはあっちが上なんでしょう?」
「えぇ、確かにそうですが、彼女たちは体格がイイとはいえ女性です。ですから、冒険に連れ出す以外の儲け方も色々とありますし・・・。」
「それだけで簡単に金貨1枚、2枚値段が上がっちゃ堪らないよー。何より、その価格って相場通りだよね?俺の意味合いなくなってない?」
「い、いえいえそんなことは。元々の仕入れ値もそれなりに張りましたから、これでも勉強させていただいているんです。はい。」
(嘘だな。)《嘘ですね。》
面の皮が厚いとはこのことかってくらいに堂々と嘘をつき、しかもこっちがよく分かってないと思ってる所がまたイライラするな。
こんなアホ程わかり易い嘘に騙されるヤツなんかいないだろうに。
「ふ~ん?そうなんだ?まぁ、細かいことは分からないけど、彼女たちは強くて、使い道も沢山あって、お高いんだね?」
「そうなりますな。当店自慢の商品ですので、この機を逃すと二度と手に入らないかもしれません。もちろん、お手持ちがなくても大丈夫でございますよ?」
ちょっと話しにノってあげるとあからさまに態度と話し方と表情に出ちゃってるけど、三流どころか駆け出しよりヒドいかも。
この商会は大丈夫なんだろうか?なんでこのボンクラが副会長なんてしてるのか、全然わからない。
「んむ~。そかそか、それじゃあ、ちょっと興味本位から聞くんだけど、戦闘用じゃないので1番高いのはどの娘になるのかなぁ?」
「それでしたら先ほど魔導師様の元へ果実水を届けさせました、ロープルが最も価値が高いですね。
アレは元々大商人の1人娘でして、文字の読み書き、計算、物品の管理など、様々な技能を有しておりますし、また見目麗しく非常に価値が高いのです。
ですので、お値段の方も金貨8枚と少々割高にはなりますが、その価値は十分あります。」
「さっきのキレイな姉ちゃんか。それだけ能力高ければ、確かに値も張りそうだなぁ~。
それにしても、金貨8枚は言い過ぎじゃない?獣人の健康体と大差ないのっておかしいよ、やっぱ。」
「い、いえいえ!そんなことはございません、魔導師様!彼女はそれだけの価値がある娘になりますので、これ以上のお値引きの方はちょっと・・・。」
なんだろう?ここまでわかり易すぎる態度となると、逆にコレが嘘な気もしてきた。実はやり手の商人が、自身の内情を探らせないためにワザと使えない商人を演じているんだろうか?
でもそれにしては自然すぎる。気持ち悪い表情も生まれつきの自然体に見えるし・・・。
(カナデさんはどう思う?こんなザコい商人いると思う?)
《はい、マスター。彼の言動、目線、呼吸などを注視していましたが、恐らく普段は直接的な商談はあまりしていないように見受けられます。
先程から値付けがかなりいい加減で、何を基準にしているかも怪しくなってきました。》
(マジかよ。逆にやり辛いよ。せめて普通の商人の方が商談やり易かった疑惑が急浮上だよ。)
《はい、マスター。ここからは常識を捨てて挑んだ方が良いかもしれません。》
「まぁ、いっか。じゃ、逆に最安値は?あそこで転がってるの以外で。」
「最安値ですか?そうなりますと・・・あちらの奥にいる半獣人になるでしょうが、特にご参考にはらなないかと。
ご存じのように、黒耳の獣人はただでさえ忌み嫌われていますが、その上ソイツは人間種との混血!
人間種からも、獣人からも嫌われる半端な呪い付きです。それに、転がっているモノよりはマシとはいえ、それなりに衰弱もしていますし。」
俺が目の前にいなかったら唾を吐き捨てていただろうってくらいに嫌悪感を露わにしている。顔がもうグチャグチャだよぅ。気持ち悪いよぅ。
(しかし、この世界は混血NG系だったのか?あんまりピンとこないんだが?)
《はい、マスター。混血が忌み嫌われている理由は、主に教会の影響でしょう。この『城砦鉄壁国』の北方には協会が政権を握っている国がありますので、信者もそれなりに多いようです。》
(少なくとも、コイツは教徒ってことね。わかり易くて結構。呪い云々は教会発信の戯言かなーっと。)
「あぁ、そういうことか。でもじゃあ、なんで引き取ったの?そっちの転がってるのもまとめて引き取ったように見えるけど?」
「いやぁ、お恥ずかしい限りです。実は、先ほどの獣人、オルルでしたか?あの獣人を引き取る際にまとめて押し付けられたんですよ。
優遇する分、面倒なものもまとめてしまうというのは我々商人の世界ではよくあることでして。見苦しいようでしたら下げさせますが?」
「ん~?まだ値段聞いてないけど?価格の参考として聞きたかっただけだけども。」
「あぁ、そうでしたね。ですが、先ほど申し上げました通りの汚れた半獣人ですから、売れることなどないでしょう。
それでも敢えて値をつけるとするならば、ここまでかかった運賃程度は取り戻せるといいといったところです。ですから、銀貨2枚といったところでしょう。」
「へぇ~?転がってるのはソレ以下ってことだよね?」
「あぁ、あちらの少女ですか?アレも獣人達と共に押し付けられたのですが、その時から既に衰弱しておりました。
恐らくもう長くはないでしょう。いやはや、お見苦しいところをお見せしてしまってお恥ずかしい限りです。
なんでも、獣人の村にて飼われていた少女、だそうで。詳しいことはわかりませんが、どうやら言葉が一切話せないし理解ができないようなのです。
ですから、もし仮に元気な状態だったとしても、いくら魔導師様でも難しいでしょう。そもそもの言語が解せないのですから。」
奴隷達を本気で物や商品としてしか見ていない様子で受け答えをするゼダール氏。私、この人嫌いです。胸糞ワロす。
しかし、俺にとってはお得な情報ばかりだ。男性奴隷は最低価格でも手が出ないから諦めるしかないし、女性奴隷の戦闘系もお高かった。
それ以外の娘達はどうみても村娘や町娘で戦闘はムリそうだ。なのに需要があるからそれなりにする、と。
「じゃあ、今回のお礼っていうなら、あの娘達ちょーだいよ。俺としてはそれでチャラでいいよ?」
「えっ?!よ、よろしいのですか?当店には優秀な奴隷が数多く在籍していますし、何よりアレらは死に損ないでして・・・とてもお客様にお出しできる状態では・・・。」
「うん、優秀な人たちが沢山いるのわかったからさ、今後またお金を貯めてくるよ。でも、さっきからお礼お礼って言われてるのに何も受け取らないのも失礼だろ?
だから、形式上ってことで俺にアレを譲ってよ。ゼダールさん、アナタとは是非とも対等の取引相手としてこれから末永くお付き合いをさせてもらいたいから、ね。」
「なるほど!そういうことでしたら、喜んで承りましょう!今後、魔導師様のお力添えになれるよう、より質の高い商品を仕入れてご覧に入れましょう!
今回はお眼鏡に適う商品がご提供できずに申し訳ない限りですが、ご縁を持てたと思えばそれもまた重畳でございます!」
対等って言葉が気に入ったのかしらないが、急にテンション高くなってうっざいゼダール。ホントにイヤなのに目をつけられたなー。
どうにかして俺と繋がりを持ちたいんだろうけど、こっちは出来得る限り願い下げだっつーの。金輪際関わりたくないけど、ここの商会とはそれなりに絡みそうなフラグが立ってしまった。色々と後悔。
「それでは魔導師様、【隷属の首輪】を装着する儀式を手早く済ましてしまいましょう!レング!すぐに首輪の用意を!ノイガ!儀式用の一式を急いで持て!」
急にキビキビとし始めたな。急いでくれるのはありがたいが、狭い空間で叫ばないでほしい。普通に煩い。
(儀式ってすぐに済むの?血とかいる系?)
《はい、マスター。所要時間は非常に短いでしょう。ちなみに、奴隷は概ねマスターが思っているような存在です。主に攻撃不可、命令遂行失敗につき首の圧迫、任意の痛覚刺激・首の圧迫等ですね。》
(うわー気分上がんないねー。しかもこれから契約する相手がボロボロの幼女と同じくボロボロのケモミミ少女とかって、事案とかタイーホの空気感だよ。
折角テンプレ的状況作れたのに、素直にテンションの上がらない自分がいる。)
《仕方ありません、マスター。予算が足りず、購入できる奴隷がいなかったのですから。ですが、お手頃な価格帯の奴隷がいてカナデとしては上々だと思います。
懸念事項があるとすれば、怪我の程度だけですが・・・。これ以上怪我人が増えても効率的にはあまりよろしくありません。》
(それはよくわかってますのことよ、カナデさん・・・・orz。)
俺がカナデさんトークを楽しんでるうちに用意がすぐにできたようだ。
用意といっても、机、羊皮紙・ペン・インクの筆記具セット、小さな針がついた板、それと【隷属の首輪】に奴隷が2名。
幼女は椅子に置かれ、黒耳ちゃんは力なくヒザ立ち状態で抱えられている。見ていて痛々しい。
「それでは魔導師様、ご説明は必要ですか?必要なければすぐに契約を開始させていただきますが?」
「んむ~。一応契約書のチェックだけはしておこうかなー。」
羊皮紙をツラツラと斜め読む。フリをする。だって俺読めないし?(テヘペロ)
《特に問題ないようです、マスター。》
(ありがとう、カナデ。)
「ん。契約書は問題なさそうだね。あとは、料金のことなんだけど、2人で銀貨4枚でいいの?」
「いえいえ!こちらは当店のサービスとさせていただきます!また、契約にかかる手間賃や道具代も今回サービスさせていただきますので、是非とも今後とも当商会、並びにこの私、ゼダールめをよろしくお願いいたします!」
「う、うん。どーぞよろしく。じゃ、チップ代わりに銀貨は1枚置いとくよ。」
俺が銀貨を机に置くと、それを驚愕の表情で食い入るように見つめるゼダール。ホントに表情豊かだな。それだけは飽きないよ。これでアフロヘア―とかだったらもっと面白いのに。
「じゃあ、まずはそっちの黒耳の方からでいいかな?」
「かかか、畏まりました!!」
ゼダール自らが黒耳ちゃんの首へ【隷属の首輪】を装着する。その間に俺は自前のダガーちゃんをちょっぴり引き出して、左手の親指を少し切って血を出しておく。相手の用意した品物で怪我作るとか、なんか怖いし?
そして、契約書の上部に描かれている魔法陣に指を押し当てる。ちょぴっとだけ魔力が吸われ、羊皮紙が赤く輝きだす。
続いて黒耳ちゃんの眉間へ指を当てようとしたら黒耳ちゃんに怒られた。
「ウチに触る、な。」
ボソボソと聞き取りにくい声だが、確かに怒気を含んだ声だった。
「君に選択権はない。大人しくしていればすぐに済むから静かにしていてくんない?」
再び指を持って行くが、
「黙れ変態!ウチに触るな!」
「あっぶな!噛もうとするなよ!このっ!」
案外元気に動く黒耳ちゃんの眉間に手早く親指を当て、続けざまに首輪の前部の留め具部分の金属プレートに指を押し当て血をつける。
するとこちらも魔力を吸われ、【隷属の首輪】が赤く輝きだした。ていうか暴れる元気全然なかったのに、噛もうとする時だけ頑張るなって。コレで噛まれでもしたらまた面倒になるし。
ふいに、羊皮紙が一際大きく輝き燃え上がると同時に、首輪の留め具部分の金属プレートがフワッと浮かび上がりながら外れ、ゆっくりと指輪に変化していく。
その指輪が俺の人差し指にハマると、三度魔力を吸われて指が強制的に動かされる。
黒耳ちゃんの眉間を指差した瞬間、人差し指の先から赤い光線のような線が伸び、黒耳ちゃんの頭に吸い込まれていく。
「ひにゃっ!」
思わぬ副収入があった!俄然やる気がアゲアゲである!ケモミミ少女の可愛い鳴き声、美味しくいただきました。
しかし黒耳ちゃんが悲鳴をあげたのはそれだけで、やがて光が収まっていき最後に黒耳ちゃんのおでこに赤い魔法円が一瞬輝いてすぐに消えた。
かなりのファンタジーである。びっくり。
(おおおぉぉっ!なんか期待してなかったのに急に異世界感が仕事しだしたな!弱った少女たちの手前、不謹慎だがテンション上がるわぁー!でも、すぐに少女たちを見て下がるわぁ・・・。
やっぱダメだな。こんな状況じゃ楽しめない自分がいるが、それが人間らしさだから失わないようにしようと心に刻み込んでおくとしよう。そうしよう。)
下がり落ちるテンションと共にアンニュイな気持ちを整理して落ち着かせる。正直ここの奴隷達を見て、色々と思うところはあるが俺にはどうしようもない部分でもある。
全員買ったりもできないし、オオテ商会を粉微塵に吹き飛ばしても晴れるのは俺の気分だけで、多分何も解決はしないのだろうと感傷的な気持ちになってしまう。
(別に、正義の味方でもなければ勇者でもない俺にはどうしようもないことだってわかってるけど、なんかやりきれないな。)
《奴隷制度は根が深い問題です。地球でも長くに渡って問題になっているように、ミロワールドでもなくすのは至難でしょう。》
(わかってるけどね。いままで関わってこなかった分、なんだかやるせないな。)
そんな俺の心情はおかまいなく、周りの作業は進んでいた。黒耳ちゃんは女性奴隷達に組み敷かれ、幼女ちゃんは首輪をハメられていた。
お読みいただきありがとうございました。
テティちゃんに続く、女の子キャラ登場です!でもこんな出演シーンでいいのかな?かな?
なにやら危な気な状態ですが、今後どうするんでしょうか?
あと、最近特に宛てにならない次回予告が息してない件を真剣に悩み始める自分がいます・・・。
次回予告。
幼女と少女をお持ち帰れる?
お宿につくまでが冒険
そんなに惜しくない気もする




