なによりも大切なのは回復手段
いつもお読みいただきありがとうございますm(_ _)m
連日投稿頑張ってますが、次回の投稿は11/15になると思います。
遅くなってごめんなさい・゜・(つД`)・゜・
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ありがや~ありがや~でございます!
ガンバりますのでこれからもよろしくです(*´∇`)
前回のあらすじ。
DP高収益に沸き立つ俺氏
あまりにも重すぎる、皮
ヒドい顔した門兵
元気すぎる老婆
「それで?ただの2日でまたやってきて、今度は何の用だい?」
乱雑に粗茶を出しながら婆さんが聞いてくる。
ズズズズズ~っとすすり、はぁぁ~っと息を漏らす。
紅茶みたいな見た目だけど、渋味が強くて中々いい塩梅だ。乾いたノドと身体を潤してくれる。
すする音がイヤみたいで婆さんが顔を歪めて抗議してくるが、そんなの知ったことじゃない。
「用って、もう俺が言ったこと忘れちゃったの?大丈夫?ボケるにしてもボケ方が怖いよ?」
「お生憎様!こちとらまったくボケたりなんかしちゃいないよ!
なんなら先月の献立だって諳んじてやろうか?」
「いえ、結構です。(キリリっ)
何が悲しくていちいち老婆のプライベートな話題を振られなアカンのさ?こっちは忙しいんですぅー。かまってられないんですぅー。」
「ホントに癪に障る小娘だねぇ・・・。
まぁいいさ。こっちだって暇じゃないんだ。さっさとお仕事とやらの話しを済ませようじゃないか。
仮にも、あたしの作るスペシャルなポーションの材料を用意してみせるって言ったんだ。それなりの物を持ってきたんだろうね?」
「だからボケるなってば。中級ポーションの話ししか覚えてないの?
さっき投げて渡したのあるでしょ?アレで下級ポーションのしっかりしたヤツが作れるハズだから、ちゃんと見てよ。じゃないと話し進まないよ?」
「はぁぁぁ?あんた本気で言ってるのかい?この麻袋の中に入ってるのはどれも雑草ばかりじゃないか!
あたしが耄碌してると思って適当なことお言いでないよ!まったく!」
「だーかーらー、それがサクリ草と、コレがジマク草だって言ってるじゃん?
ついでにそっちの水筒に入ってるのがミトミの樹液だよ。」
「・・・一端に材料の名前だけは合ってるじゃないか。
なのにこれはいったいどうしたことなのさね?とてもじゃないけどこれがサクリ草とジマク草には見えやしないんだけどねぇ?」
老婆は疑心暗鬼を体現するかの様な表情を浮かべる。
片目を細め、もう一方は見開きながら釣り上げている。
眉間に皺がより一層。いや、何層も追加され口元はへの字に歪みなんとも醜い姿である。
「人を疑うその姿、その表情。なんとまぁ汚らしいことか。醜悪だな。俺はただ、ため息をつくことしかできないと心の中で強く思う。」
「声に出てるよ!声に!なんて失礼なセリフが次から次へと溢れ出してくる口だろうね!まったく!
あんたはアレかい?あたしのことを扱き落とさないと気が済まない性質なのかい??」
「正解だけど正解じゃない!単純に見るに耐えないだけだ。気にしないでくれ。
じゃあ、実際にやってみよう。そうじゃないとわかんないだろ?これだから一線を退いた老人は。
俺の意見と婆さんの意見。どっちが正しいか確かめてみようぜ!」
「あぁいいさ!望むところだよ!それじゃああんたのレシピとやらをとくと見せて貰おうじゃないのさ!」
「いや、何言ってんだ?俺は見ての通り片手なんだぞ?ムリに決まってるだろ?
見るも何も、俺の言うとおりに下拵えしてくれよ。そのタメにわざわざ来たんだから。それにいっただろ?仕事を持ってきたって?」
「んなぁんて娘だい!ハナッからこのあたしを扱き使う気満々だったってわけかい?
呆れて声も出ないよ!よくもまぁそんだけ面の皮厚く育ったもんだよ!親の顔が見てみたいよ!」
「あぁ、婆さんならもうすぐ見れるかもな?なんせ俺の親はちょっと特殊な所にいるからな。」
言いながら俺は天井を指差す。正確には空の彼方だが。
「・・・なんだい、ホントに調子が狂うね。暴言や戯言はともかくとして最後のは余計だt」
「いや、天にまします我らが神だから?」
「なぁっっっ?!ちょ、ちょっとあんた!冗談でも言っていいことと悪いことがあるってのがわからないのかい?!」
「いやいや、そう怒らないでくれよ。コレでも真剣なんだって。
なんなら『宣言宣誓』に誓ってもいいぞ?俺の本気度を測るにはちょーど良い感じのおもちゃだよアレ。」
「はぁ~、なんなんだろうねぇ、あんたは。ますますもってわけが分からないよ。まったく。
もういいさ、怒鳴りつかれたからね。あんたの代わりに下拵えくらいしてやろうじゃないか。まずは何からするんだい?」
「うん、そうそう。人間素直が1番の美徳だよ!
じゃあ、まずはこのサクリ草を3束を湯煎してちょーだいなっ!」
「・・・3束だね。ちょっと待ってておくれ。」
訝しげな表情のまま、一応言うとおりに動いてくれるマーグル婆さん。
流石にその動作は慣れているのか、澱みなく徘徊、もとい、澱みなく動くようだ。
「あ、そういえば、清水って持ってる?あとポーション瓶。」
「まぁ、それならどっちも用意できるよ。他に要り用なモノはあるかい?」
《特にありませんね。それに、大方の予想は当たりのようです。》
(だな。ま、こっちに不利益がなければそれでいいさ。)
「特にないかなー。あとは大体この部屋にあるっぽいし?」
その後、サクリ草を湯煎してからすり鉢ですり潰してもらい、次いでジマク草を数秒炙ってから千切って清水に浸して貰った。
そして、待つこときっかり7分。(カナデさんタイマー使用)
時間になったらジマク草を取り除き、サクリ草の練り物状態の所へジャバジャバ投入。
ちなみにこの作り方は、未乾燥の素材を使う場合だ。乾燥すると作成手順が変わるとか、どこのアトリエでもやってなかったと思うけど・・・。
「じゃあ、俺の魔力込めるからさ、ミトミの樹液の追加とポーション瓶への注ぎ込みお願いしてもいい?」
「・・・あぁ。」
どんどんと言葉数が少なくなる老婆。
ヤバいな。もう眠いのかな?長い時間集中力が続かないのかもしれない。
若干の焦りと不安要素を胸に、すり鉢の相棒であるすりこ木を持つ。
『魔力感知』と「気配知覚」を展開し、自分の魔力を把握する。
すりこ木を薬液につけると、俺の魔力の一部がすこーーしずつ薬液へと流れていっているのがわかる。
その流れを壊さないように、むしろ後押しするつもりで応援しながら軽くすりこ木を動かす。
ガンバレ―、俺の魔力ー!しっかりと浸透して質の良いポーションの糧になれーと念じながら頑張る。
すると、先程までホウレン草をすり潰したヤツを水に浮かべてしまったような、残念な見た目をしていた物体Xが淡く仄かに光り出した。
まず、水が全体的にぼわっとゆるーく光ると、だんだんと緑色のベチャベチャしたヤツが解け、溶けだしていく。
更にすりこ木を動かし続けると、液体全体が薄い青に染まっていく。
青い液体は正直飲む気を失うな、と視覚的な不満という名の抗議を心の中で繰り広げていると全体的に濃い目の青色に変わった。
ココに、ミトミの樹液を聖銀でできたスプーンで1匙加えてもらう。
すると、キュポンッっと甲高い音と少量の煙が上がった。
「出来たみたいさね。」
見ると、先ほどまで青かった液体が全部薄い透明感のある緑色に変わった。
しかも量が激減してる。丼一杯分くらいだったのが、ちっさい紙コップ1杯分くらいしか残ってないんじゃないの?って量に目減りしてる。不思議現象すぎる。
「おぉ~、固形物がすっかりなくなったなー。
あ、ポーション瓶への移し替え、よろしくでーす。」
「・・・わかってるよ。まったく。」
マーグルは手馴れた様子ですり鉢の中身を全部ポーション瓶へと移していく。俺は、初めての内職系の作成作業にテンションが上がりっぱなしなのを実感する。
しかもなんと、ポーション瓶とか言ってたけど形状はマルっきり試験管だったという驚きの真実を目の当たりにした。
ついでにポーションはピッタリ1瓶分に納まった。清水の分量を伝えていなかったのに、なんぞコレ?
(清水の量はここら辺で一般的なポーション作りに必要な量と変わらないの?)
《いいえ、マスター。本来、この辺りで使われているレシピでは投入された量の4倍は必要でした。
おそらく、マスターが煮込むための火の用意を頼まなかったことから推測したのでしょう。
観察眼と経験則からくる予想、だと思われます。分量的に問題がなさそうでしたので黙っていました。》
(普通わかんないでしょ、それ。怖いよなんか。)
マーグルの優秀さが逆に気持ち悪く感じた瞬間だった。
「どう?コレで下級ポーションが出来たと思うんだけど、材料が問題ないってわかった?」
「・・・あぁ、見た感じでは確かにね。でも、どうにも解せないね。
あんた、この材料はどうやって手に入れたのさ?
少なくともコレはあたしが、いや、あたし達が知ってるモノと全然違うもんだよ。
あんたはその若さでいったいどうやって・・・?」
縋るような目で見つめられても全然萌えないので逆効果だ。
俺の精神的耐久値が大幅に下がる音が聞こえる。(↓ギューン↓)
俺はいったい何をしているんだろうか?
折角異世界で頑張って活動しているのに、最も親しくしてる相手が多分目の前の老婆だ。
もちろん親愛の情など欠片もないことは当然だが、遠慮しないで色々言えるし、普通なら知りえないポーションのレシピを見せちゃったし、多分さっきの魔石のことも気付いてると思う。
更にいえば、この家の結界の薄い所を積極的に攻め立てているのも知られているだろうから、感知系のスキルがあることもお見通しだろう。
考えると悲しくなる事実だ。
せめて【のじゃロリ】か【ロリババア】ならよかったのに・・・。
もしくは、王道のババア言葉のハイエルフとかなら大歓迎だ。
それなら歳が離れていても納得できるし、眼の保養にもなる。
なのに、だ。
目の前にいるのは皺枯れた、水分なんて残ってなさそうな汚い老婆。
救いがないにも程がある。思わず盛大なため息が漏れる。
俺のSNA値は限界ぷー。
「・・・そうさね。錬金術師や薬師のレシピは本来門外不出。
素材の収集法にしたって秘匿するのは当然。聞くのは野暮ってもんだね。あたしも耄碌したもんだよ。」
どうやら勘違いしてしまったらしい。
早とちりの勘違いとか、思い込みが激しいタイプでってお前はどこのヒロインだ?やめてくれ。
これ以上のフラグは要らない。
これ以上のキャラ盛りはもういい。いいんだよ・・・もうたくさんです心底やめてくださいお願いですマジ勘弁です助けてくらはい・・・orz。
「やめてくれ。俺の心がもう耐えられない。これ以上余計な真似はしないでくれ。マジで。
別に材料が欲しいならこれから供給の都合をつけてもいい。だから、これ以上気持ちの悪い真似はしないでほしい。
ただでさえ萎れているのにしおらしい態度はまったくもって見ていて不快だ不愉快だ!」(キリリっ)
バコバコバコッ
「いってー!何すんの?!?急に怖いよ!ボケるにしても暴力はやめて?!」
急に杖で殴られた!誠に遺憾です!
「こっちが下手に出てるからって遠慮がなさすぎってもんさね!一応形だけでも申し訳なさそうな顔を見せてやったってのになんでそれで丸く収められないんだい!
ぶっちゃけこっちはあんたの身の上なんてどうでもいいんだよ!さっさとレシピと素材のことを全部話してどっかいっちまいな!!」
「はいぃぃっ?なにそれなにそれ?!ありえないんですけどー!何この老婆?人様を欺こうとしてくるとかどんだけなんだよ!
ホンの少しの毛の先っちょ程にでも良心が存在してるのかと思ったらとんだ手のひら返しですよ!
ていうか勝手に勘違いして勝手に色々やらかしてきたのそっちでしょ?俺何もやってないんですけど!わけわかんない逆ギレは、やーめーてーくーだーさーいぃー!だ!」
「ホントに口だけはよく回る小娘だよ!まったく!どうしてそんなに性根が悪いんだろうかね!ちょっとは慎ましくできないもんかい!」
「いや、別にできるよ?普通に。ただ、ここ暗いし汚いし埃っぽいからイライラしやすいだけだもん。
あと、俺は殴られた記憶は大事に取っておく主義なんだ。だから婆さん、俺はあんたを許しはしない!」
「あっきれたもんさね。もうとっくに済んだことじゃないか。怪我なんて残ってないんだろうに?」
老婆は心底呆れたと言わんばかりに両目を見開き、口をポカンと開いた呆けた顔を見せてきた。
しかもご丁寧にお手てを口元に持ってくるという美少女御用達のびっくりポーズを決めている。
くどい、しつこい、あざとかわいくない。失態だ。これは俺への精神攻撃に違いない。もうダメだ。
これ以上は俺の魂が耐え切れず摩耗して擦り減って消滅してしまうだろう。
この不毛なやり取りをすぐにでもやめるべきだと罠を張った側の孔明さん自身も懇願しているに違いない。ソッコーで賛同して俺的議会満場一致で賛成だよコンチクショー!
「うん、もういいや。なんかもういいから一旦落ち着こう。俺が大人気ないからいけなかったに違いない。申し訳ない。
いままでの非礼も全て詫びよう。必要なら土下座もしよう。だからその表情を、仕草を、態度をやめてくれ。いや、やめてくださいお願いしますすいませんしたごめんなさいでした許してください勘弁してつかぁさい。」
「・・・納得がいかないところばかりだけど、あんたにそれを言うのも今更さね。とにかく、この話しはここまでにするとして続きはどうするんだい?続けるのかい?」
麻袋を長い顎でしゃくってくる。ふむ、残りの下級ポーションか。これは絶対に必要だから作ってもらうとしよう。
「うん、残りの材料分は全部作っちゃおう。悪いけど手伝ってよ、マーグルさん。」
「まっとうに名前を呼ばれるだけでこれほどの違和感を感じさせるあんたは、ある意味ですごいもんさね。」
ブツクサ言いながら手伝ってくれるマーグル婆さん。
殴られた痛みとツラさを忘れることは未だにできていないが、思えば俺も悪かった。
扉を叩きまくったし、罵詈雑言に暴言も吐きまくった。最初から全力でバトっていたような気もする。
きっとコレが雨降って地固まるとかってヤツなんだろう。俺はなんでそれを老婆としているのか、ただそれだけが甚だ疑問ではある。
全力で対ヒロイン用のイベントを消化していってる気もするが、多分大丈夫だろう。これ以上は神が許しても世界が許さないハズだ。
全世界の純情な感情を持った純粋無垢な少年諸君!オラに力を分けてくれ!こんなしみったれた運命に抗う力を!
かくして、俺の祈りが届いたのかはわからないが、残りの作業は順調に進んでいった。
「さて、いま作ってるのが出来上がれば今回の材料分は終了だよ。この後はどうするんだい?作った下級ポーションを持ってくアテも気になるとこさね。
ギルドにでも持っていくのかい?いまなら高値で買ってくれるだろうよ。」
「んむ~。とりま今回作った分は俺の方で処理っていうか、有効活用しようと思ってるよ。
次回以降はどうしようかな?マーグルさんの方で危急の患者とか抱えてない?料金はお安くしとくよ?」
「なんだか名前を呼ばれるのがむず痒いね。婆さんでいいよ婆さんで。
それにしてもあんたはそれでいいのかい?こっちとしては助かるけど、貴族連中やギルドに持ってって売ればそれなりにまとまった金になるんじゃないのかい?
まぁ、まだ見た目でしか判断はついてないけど、随分といい出来に見えるからねぇ。」
出来上がったポーションが並べられている机を興味深そうに見つめている。
まぁ、鑑定系とか解析系とか持ってないとわかんないもんね。見た目似てるってだけで効果もまだ確かじゃないもんなー。
ちなみに俺にもまだわからん。全てはカナデさんのみぞ知る、っと。
「わかったよ婆さん。ギルドへ行くのも貴族に売るのも面倒くさいから最後の最後の候補で気が向いたり必要があったらいくよ。
でも効果はすぐに見れると思うぞ?お、そろそろ良い感じだからミトミの樹液を加えてよ。」
「すぐに?すぐにったってポーションだよ?怪我がないと効果なんてわからないだろうに。それとも何かい?いまから切り傷でもつけるのかい?」
いいながらマーグルがミトミの樹液を1匙入れ、下級ポーションが完成した。
「よし、じゃあすぐに使うからこれはこのままでいいよ。あと、いまからズボン脱ぐからあっち向いててくんない?」
「はぁっ?なんでズボンなんて脱ぐのさ?あんた悪くしてる脚以外にも、どこかしら怪我でもしてるのかい?」
「いや、いいからあっち向いててよ?早くしないとポーション劣化しちゃうんだけど・・・。」
「いいや、ダメだね。ちゃんと効果を見せて貰わないと困るからね。それに、ズボンぐらいでキャンキャンお言いでないよ。別に減るもんじゃないし、さっさとおしよ。」
うぐぅ。まさかの老婆視姦プレイ・・・減るよ?減りますよ、俺の色々な精神的なあれそれが・・・割とマジで。
でも、頑固そうな婆さんを説得してると折角作ったポーションが劣化しちゃう、か。
「う~、背に腹は代えられない。でもさ、非常に屈辱的な気分になるからできるだけ見ないでくれない?
脱がされてるみたいで最低に憂鬱な気分だよ。多分膝辺りとか見とけば事足りるからさ。真面目な話あんま他見ないでよ。めっさセンチメンタル的な?」
「わかったからさっさとおしよ。時間は待っちゃくれないよ?」
手近な椅子に座り、しぶしぶブーツとズボンを脱ぐ。すると案の定、左脚の膝辺りを中心にメチャクチャ腫れていて、更に紫色に変色しててキモい。
しかも治りかけだった傷口部分からも多少出血していたらしく、適当に巻いておいた布もそれなりに血で汚れている。
この街に来てから実はまだ3日。
濃密すぎる時間を過ごした気もするが、それでもまだたったの3日だ。
着いた日はほとんど何もできなかったから、そう考えると昨日と今日でムリを重ねすぎたように思える。
その代償は思いっきり身体に刻まれていたが、コレでやっと自分の治療への第一歩を歩めると思うと感慨深いものがある。
「うぐぅ。しっかし改めて見ると余計に痛々しいなー。てか昨日よりヒドくなってるぽい?流石に連日ムチャしすぎたかな?」
「な、なに悠長なこと言ってるんだい?!この怪我、放っておいていいもんじゃないよ!すぐにポーションを使うことさね!」
「お~、ありがとー。」
婆さんに渡された下級ポーションを左脚にかける。
すると、緑色の液体が肌に触れた瞬間光の粒になって俺の脚付近でフヨフヨと浮かんでは消えていく。
「なんかキレーだなー。これぞ幻想世界って感じで気分も上がるわぁ。」
すり鉢の中身を全部脚にかけ終えると、痛みと腫れがスッと引いていくのを感じる。
見た目がヤバかった傷口部分も、スゥッと逆再生みたいな感じで治っていく。胸がドキアツなくらいにRPGしてる気分。
「うん、やっぱり思った通りだったな!下級ポーションでも結構効き目がある!これなら何回か繰り返せば骨折は完治できるっぽくない?」
「あんたがずっと脚引き摺ってたのは、てっきり古い怪我が原因かと思ってたけど、とんだ生傷だったのかい。
それなら確かにいくつかのポーションを使えば治るだろうね。
程度によるから何本かかるかわかりゃしないけど、それだけの強い効力を持つポーションだから骨折部分に関しても問題ないだろさ。下級のクセして随分と良い効き目じゃないか。」
「俺もそう思う。下級ポーションってもっとしょぼいもんかと思ってたんだけど?」
それでも骨折は完治してないし、傷口だってまだ治りかけだ。パンパンに腫れてたのが引いたのと、肌色さん達が帰ってきたのは素晴らしいと思うの。
《今回のポーションの出来は、素材の状態が良かったのでそれなりだったと思いますが、1番の原因はマスターの持つ『HP回復強化(小)』が関係していると思われます。》
(そういえばあったな、そんなスキル。ダメージ受けてないからすっかり存在忘れてた。って最近物忘れが激しいな。婆さんのボケが移ったか?)
《いいえ、マスター。この『HP回復強化(小)』はマスターの生活に多大な恩恵を与えています。
マスターの低すぎるHPやVITを鑑みれば、本来現状のように気軽に移動はできていません。
そこを健気にカバーし続けていたのがこの能力です。》
(ほぉ~、そうだったのか。まったく気付かなかったが大した働きもんだな。正直(小)だからって侮ってましたすみませんっした!
平身低頭平謝りの気分だ。俺がのん気にフラフラできていたのは、スキルあってのことだったのか。てっきり種族が人間じゃなくなったのが理由かと思ってたし?)
《・・・他にもいくつか理由はありますが、現状必要ないので割愛します。また、ポーション使用に関しては冷却期間があることを忘れないでください。》
(なんでここにきて割愛なの?お久だね?でもまぁ、必要になったら教えてくれると嬉しいな?
それとカナデさん、冷却期間って確か2時間くらいだよね?それ以内に使うとどうなるの?)
《過剰回復によって、部分的にですが壊死するでしょう。回復に使用される魔力は、身体に馴染むまで時間がかかりますので。》
(マジかぁ。効果がないとかポーション酔いとかのパターン期待してたのにそっちのパターンかぁ。ギリギリのタイミングを攻めながら使うのはリスク高いな。)
《はい、マスター。個人差がありますので、通常は余裕をもった間隔を開けるようです。
ですが、マスターの感知スキルから得られる情報からカナデが可否を判断することが可能です。》
(マジで?それは助かるな!
あ、でも次は宿で寝る前とかにでも使うとするよ。それなら身体への負担も少なくて済みそうだし。多分、安静にしてる方が魔力の馴染みって早いんでしょ?)
《はい、マスター。その通りです。》
こちらがカナデさんトークを続けていたからか、婆さんがじっとりとした目つきで俺の脚を眺めている。セクハラレベルの凝視っぷり。
いまにも触れそうな位置に手を持ってこないでくれます?日本だとそれだけでもセクハラ成立するんですけど?訴えますわよ?
「んむ~。でもまぁ、これで取り敢えず最低限の効果確認はできたわけだ。ちょっと治りすぎちゃったけど、それはおそらく俺の個人的な体質も関わってるからスルーしてね?」
「わからないことが多すぎて、いちいちそんなの気にしていられやしないよ。まったく。
あたしとしてはこれだけの効果のあるポーションの材料と、レシピが手に入るってだけで十分にめっけもんさね。他所になんか話してやるもんかい。」
「遠回りに素材を持ってきてる内は秘密にしてやるよって聞こえるんですけどー?感じ悪いなー。
ま、それこそいつものことか。それじゃここからは真面目な話をしよう。何本急ぎで要り用なの?」
「・・・さっきからなんなんだい?あたかも急ぎの用立てがあるかのような話し方は?」
「そりゃそうでしょ?だって、清水なんて傷みやすい物がちゃんとした状態で保管してあるんだもん。」
俺はにっこりと婆さんに告げた。
お読みいただきありがとうございます。
なんとか左脚の治療の目途が立ちましたね。やっとです!長かった気がします・・・。
それに、もっと一気にお話しを進める予定だったのに案外進まないのはムダな会話が多いからですね、ごめんなさい。
もっとシャープにテンポよく進めていけるように精進いたします!
次回予告。
ありきたりな話
ゲスな話
テンプレのテンプレは微妙にテンプレじゃない話




