表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
24/104

ありえないことがありえるのが異世界だと思う件

あ、あれ?

急に新規ブクマ登録者(ユーザー)様が3名も増えていらっしゃる?なんででしょう??

よくわからないですけど、普通に嬉しいのでめっさありがたいです!

もしかしたら行間とか改行整理したのがよかったのでしょうか?

だとしたら嬉しい限りです(*´∇`)

今後ともお付き合いいただけると幸いですm(_ _)m


前回のあらすじ。

壊れた(イッちゃった)リーフさんと、お空と交信するお姉さんと

異世界物語(テンプレ)的な俺TSUEEEEEにはなってないのに過大な評価

サブマス感じ悪っ!


慌ててギルドを抜け出し、再び東門を抜け街道を歩く。

門兵のおっちゃんも昨日と同じ人だったけど、労働基準法とかないのかな?

昨日の朝は違う人だったけど、夜からずっとなら物凄い過重労働だ。

ちゃんと仮眠を挟んでいることを願おう。


「昨日の汚れはしっかりと落としてきたみたいだな。

あまり身の丈に合わない危険なことは避けるのが吉、だ。」


と、それなりにおざなりながらも優しい言葉をかけてくれたので、ブラック企業の歯車じゃないことを祈る。

少しばかり歩き、昨日と同じ岩場へ辿り着く。

今日は昨日より少し遅くなっちゃったから、お昼感覚で干し肉と硬いパンを食べる。


「水筒の水で流しこまないとキツいけど、あんまり水分浪費すると後で困りそうでヤダなー。」


《近くに水場がありませんので、節水を心掛けるのをお勧めします。

また、マスターはSTR(筋力)が低いので、余分な水分の運搬はできそうにありません。

なので水系統の魔法を習得するか、『生活魔法(マギアズ・リベアン)』を習得することをお勧めします。》


「あー、魔法で水出せたら便利だもんなー。

ってそんな余計な魔法取るくらいなら、先に身体を治しますけど!

せめて完全体なら予備分の水だって持てるだろうし?」


《はい、マスター。無駄なくDP(ダンジョンポイント)を使用するのでしたらそれが1番です。

ですが、SP(スキルポイント)で取得するなら『生活魔法(マギアズ・リベアン)』が10P(ポイント)、『冒険級水魔法(マギアズ・アーベント・クヴェレー)』が20Pで取得可能です。》


「そっか。そういえば、俺の場合はSPもDPもイケるんだったか。

火魔法はDPで取ったからすっかり忘れてたわ。

でもなぁ、まだSP足りてないし、このまま完全魔法職でイイのかもわかんないし、他にも取りたい能力(スキル)沢山あるからもう少し悩もうかなって思うんだけど?」


《はい、マスター。他にも候補があるのでしたら、熟慮されることをお勧めします。》


「うん、ありがとな、カナデ。」


カナデさんからのアドバイスもあるが、本当に色々考えていかなきゃならない。

俺がこれから目指すべき戦闘スタイルもそうだし、迷宮(ダンジョン)のこともだし、DP貯蓄法もそうだ。

ていうか、お金のことも、PTメンバーのことも、アレもコレもソレもドレもと考えなきゃいけないことが多すぎる。

どう考えても面倒なモノばかりで、どうしてこんなにも悩まなくてはならないのか。

生きるって大変。

世界がどれだけ変わろうが、人が生きる上で悩みは尽きないということなのだろうか。

できれば楽してウハウハな左団扇(うちわ)の右ハーレムとかってお気楽ご気楽ご都合展開はないんだろうか?

むしろ戦闘とか泥臭いこと言ってないで、いまからでも内職系とか商業系のチートを目指すべきなんだろうか?

欲望に忠実に、ローリスクハイリターンな展開をマジ希望する(きぼんぬ)

・・・いや、ダメだな。

こんな暴力や魔物の蔓延るような世界だ。

下手なことやった時の自衛の手段がなければ、結局はビクビクしてオドオドして生きてく未来しか想像ができない。

めっさDP貯めて完全結界みたいなスキルか俺に敵意を持つ存在を根こそぎ消し去る魔法でも取得すればいいかもしれないけど、持久力がなければ結局はじり貧だろう。

もしくは頼もしい仲間や、四六時中一緒にいて守ってくれる守護霊やゲッテン様でもいれば・・・。

んんっ?

隠れるによし、守るによしで、強力な護衛って、つまりはダンジョンじゃん?

てことは最強のダンジョンなら安心安全に暮らせて、その中でハーレムやチーレムみたいな展開を目指せば万事解決ドキムネアツアツなんじゃなかろうか?

外敵からも身を守れ、マニュアルを読み込んだ限りじゃ自給自足もできそうだ。

折角異世界に来たんだから、美少女なお嫁さんも沢山欲しいし!

ラノベ的展開を考えると最早必然であろう。

となると、俺が目指すべき究極形態(アルティメットフォーム)は最強ダンジョン?

って初っ端から何にも変わってないじゃん?!

やっぱアレだな。

下手な考え休むに似たりっていうけど、まんまだな。

なんか時間と労力と精神力をムダにした気しかしない。

休むに似たりっていうより、休む以下だよ。

ムダに疲れたよ、パトラッツュ(笑)


「やっぱり、地道に無難にDP貯めて、立派なダンジョン(お家)造るしかないな。」(ぐすん)


《はい、マスター。カナデがサポートしますので、これからも頑張りましょう。》


すぐさま同意して励ましてくれるカナデさんは優しいな。

前後の会話から飛んでてもツッコまないし。

逆にそれが寂しい時もあるけど、それが俺たちのスタイルなのだ!

これからもカナデさんと共に、仲良くのんびり貯蓄生活していくか!

ムダ思考を繰り返しつつ昼食を終え、再び歩きだす俺。

今回は昨日と逆方向に行ってみようと思う。

だって、昨日のゴブ跡とかみたくないし。

あと、なんとなく昨日のことは思い出したくないし。怖かったから。

岩場を離れて少しした所で、白い小さな花の群生を見つけた。

親指の爪ほどしかない小さな花を咲かせた、濃い緑色の雑草みたいな植物だ。

群生は森の淵ギリギリの所に密集していて、卓球台くらいの小さなスペースでみっちみちに咲き誇っている。


「どんだけその小スペースに拘りがあんの?

いくらなんでも密集しすぎでしょ?

森だってこんなに広いのに、アホくらいな過密率だよ。」


《はい、マスター。薬草は一定の条件下でしか生えませんので、あの部分だけが周囲では条件を満たしているようですね。》


「はいぃ?アレが薬草?もうみつけちゃったの?

ていうか昨日の岩場からすぐじゃん!

森にも入ってないし、これなら全然楽々薬草集められるのに、なんで不足するの?

なにより、昨日こっち来てたらゴブと戦わないで済んだじゃん?!」


《それは、この国では薬草の採集・加工の知識が偏っていて、あの状態の薬草はポーションに使用できない、とされているからです。

といいますか、この国ではあの草は薬草として認識されていません。

ちなみに昨日のゴブですが、こちらに来ていても遭遇していた可能性が高いです。近いので。》


「・・・わかってますけども。

てか、じゃあこの薬草はギルドに持っていっても引き取ってもらえないの?

ただの雑草扱いなの?なんで同じ草なのに別物扱いなの?」


《はい、マスター。この国ではむしろ有害な雑草とされていますね。

薬草が目撃された場所に生えるので、薬草をダメにしていると考えているようです。

ちなみにこの国で薬草として使用されているのは若く、5,6束程度しか生えていない状態で収穫されたものだけのようです。

その際は、もっと緑色が薄く、茎が太いので別種と扱われているみたいです。》


「そうなのか。なんか、色々と残念だな。

一応この状態でも薬草として使えるなら採っていっちゃおっか。

俺でもポーションとか作れるの?」


《はい、マスター。この薬草は下級ポーションの材料になるサクリ草です。

下級ポーションは作り方が難しくありませんので、恐らくマスターでも作ることはできるでしょう。

ただし、片腕ではすり潰す工程などが大変でしょうから、あまりお勧めできません。》


「やっぱすり潰すのか。それはちょっと大変っつーか、キツいな。

でも、怪我した時の為に用意はしておきたい。

てことで折角だから採っちゃえ採っちゃえ。

ちなみにアイテムのDP還元ってできるの?」


《はい、マスター。可能です。ですが、召喚時に使用するDPの1/10程度ですので、低ランクのアイテムだと1に満たない量しか入手できません。

また、還元に必要な最低量は素材として有効な量になりますので、サクリ草の場合は3本と決まっています。》


「・・・そこまで甘くないか。いやでも、これだけの量を還元すればちょっとは足しになるかも?」


《残念ながらここで採取できるサクリ草は、下級ポーション作成に必要な量の10個分程度でしょう。

ですので、全てを刈り取りDPへ還元しても、得られるポイントは5Pになります。

また、端数は切り捨てなので余剰分には注意しましょう。》


「なんだよその仕様・・・残念すぎるだろ・・・orz」


《ちなみに、ポーションに加工した場合はDP還元率が上がりますが、せいぜい1/3程度ですのでご注意ください。》


それでも加工した方が全然効率良いな。

いっそ内職で俺やダンジョンを強化してチート路線もありかもしれない。

その時俺は、そんな甘い幻想を抱いていたのでした・・・。



============



「ひゃ、ひゃにゃへひゃふっ。」


《はい、マスター?》


「ひょふひょにゅひょれひぃひゅひょーにゃふれふひゃ?」


《はい、マスター。この採取の仕方をしないと、薬草として使用できませんので頑張ってください。》


「みゃじゅひゃ・・・。」


何を言っているか、物理的にわからないと思うが、いま俺は薬草を採取している。

しかし、そのタメ満足に話せなくなっていることをどうか許してほしい。

ていうか、この世界の創造神はきっとバカだ。アホだ。マヌケでトンマだ。

なんで薬草を抜くときの仕様にこんなバカみたいな縛りを付けたのか。

小一時間くらい正座させて問いただしたい。

ついでにバカなの?とかイヤミったらしく聞きながら反省用の重しを足に括り付けたり、肩に座って加重をかけたりしたい。

だって、だって・・・だって!


(なんだってこんな仕様なんだよぉぉーーーー!!!)


俺はいま、薬草を正しく採取するタメ、口で花の付け根を咥えて垂直に引っ張っている。

その状態を維持したまま、根が浮くか浮かないかのギリギリラインを保ちながら土を掘り返している。

なんでこんなことをしているかと言えば、そうしないと薬草の成分が変化して、使い物にならないかららしい。

どうやら、普通に引っこ抜いたりすると薬効成分が変化して葉が紫色に変色する仕様とのこと。

そして、それを食べると症状は軽いらしいがお腹をくだす毒物になるらしい。なんで?

ちなみに、土を掘り返した後は振り回す必要もあるらしく、右腕がない俺にはこの上なく重労働だ。

勘弁してほしい。

しかも、下級ポーション1つ作るのに必要なサクリ草はさっき聞いた通り3本。

始めてしまった以上最低でもこの工程を3回は行わなくてはならないとなれば、俺の憤りも分かってもらえると思う。

てか分かれ。(涙目)

両手が健在でも結構な重労働なのに、なんでこんなことをしているのか。

自問自答するが答えは分かりきっている。

保険の為にポーションが欲しい。

ただそれだけだ。

しかし、すでに諦めようと囁きかける悪魔な俺がいる。

「どうせこの草だけあっても他の材料がねーんじゃ意味はないって。やめちまいなよー。」ウケケケケと。

一方で、俺を諭す天使な俺がいる。

「いいえ、そんなことはありません。私たちの命を守るためにも、そして、罪のない無辜の民を守るためにもきっとこの薬草が役に立つときがうんたらかんたら」長い。

そしてキモい。俺の顔して変な笑い方と、慈愛に満ちた表情を止めてほしい。そんなキャラ違うし。

だが、ぶっちゃけ悪魔も天使もどうでもいい。

この作業が早く終わるならゴブにだって助けを求めたい今日この頃だが、それは昨日殺してしまったのでいない。

DP使って召喚はしたくない。

臭いし汚いしキモいし扱いに困る。

再びゴブ好きな人ごめんなさい。

しかし、これでは八方ふさがりだ。

猫の手を借りてココ掘れワンワンしたいが、あいにくとココは異世界。

犬も、猫もいるかわからん。

犬みたいな奇怪な生物ならいたが、ワンワンはしないだろう。

何より<ヌグリイ>に頼みごととか、頭がおかしいにも程がある。


「いくらキツくても、自分でやるっきゃない、よな。」


その後、たっぷり時間をかけて15束のサクリ草を入手したが、残りは諦めた。

むしろここまで頑張った自分を褒めたいし、慰めてほしい。

本当にキツかった。

腰は痛いし顎も痛い。

口の周りがカブれたのか腫れてるし痒いし。

なんで?薬草でしょ?むしろ肌ツヤよくなるんじゃないの?

俺ってばもしかしたら薬草アレルギーなのかもしれない。

これはヤバい。

もしそうなら今後薬草が原料のポーション飲めないじゃん?


「なぁ、カナデ。なんで俺カブれてるの?アレルギーなの?薬草の。」


《いいえ、マスター。サクリ草は加工しないで汁液に触れると普通にカブれます。

最低でも湯煎してからすり潰さなければ薬効成分は発揮されません。

ただし、正しい処置を施した汁液なら、下級ポーションの下位互換程度の効能は発揮できます。

具体的には、瞬時に傷を治す効き目はありませんが、自然治癒力を高め、血止めになる程度です。》


「ぶっちゃけそれだけでも凄い効能だけどな。

あっちの世界じゃ自然治癒力を高めるとかまだまだ研究段階で実用化されてないもの。」


そうなのだ。

基本的にあっちは傷を治すのは自然治癒力に頼りきりで、その自然治癒力自体を向上させる方法すらまだまだって感じなのだ。

だからむしろこのサクリ草だけでもあっちに持っていったら世紀の大発見で済まないかもしれないレベルだ。

ポーションなんて持っていけたら世界がひっくり返る程に驚くだろう。

下手したらガンとか全部治せるかも?

外科手術で悪いとこ取って、ポーションかければ治るもの。

そんなすっごい回復薬は、ゲームやマンガ、ラノベやアニメなんかでは定番だが、現実にそんなことが起こせたら怪現象のMMRだ。

あと100年科学が進んでも、解明されない超常現象でしかないと思う。

しかしここは夢の異世界。

魔法もあるし、不思議な植物もわんさかある。

だから怪我も治るし、部位欠損だって条件次第で治っちゃう。

それに助けられる部分も多大にあるのだが、そのせいでいまいち現実感がなくてどうにもこうにもにっちもさっちも落ち着いていられない今日この頃だったりする。

要約すると、ワケワカメ。

やっぱなんでカブれるのかさっぱわからん。


《また、一般的に薬草扱いされている若いサクリ草は成分が薄いので、必要数は1つのポーション辺り30本です。》


30本、だと・・・?

1カ所に生えてる数が5,6束って言ってたから、こんな所を更に6か所くらい探してやっと下級ポーション1本分。

割に合わないどころの話しじゃないだろ。

この世界の神は死んだのか?

救いがなさすぎる。


「よくそれでいままでやってこれたな?

明らかに供給不足するじゃん?」


《はい、マスター。そもそも、ポーションというのは一般人には割高なモノで、そもそも供給が足りていなかったようです。

そこに拍車をかけるように貴族階級(ノーブル)が買占めを行ったため、現在は販売自体が滞っています。

また、治癒系の術師も数が少なく、そのほとんどが貴族階級(ノーブル)に雇われているので、大きな問題となりつつあるようです。》


「はぁー、なんか色々とイヤな感じだなぁ。きっと買い取り価格が高かったのも最初の内だけで、最近じゃ多少割増料金程度で流通制限かけてたりするんでしょ?」


《はい、マスター。仰る通りです。

最初の内は買い取り価格を釣り上げて在庫を吐き出させ、次第に価格を抑えるも、流通量に限りがあることを理由に買い上げを続けているようです。

曰く、騎士団や自衛団の緊急時用に確保しておく必要がある、と。》


「最低だな。何が楽しくてそんなことやってるのか知らんけど、それじゃ冒険者連中も怒るわ。

いや、買占めの始まり時に売りまくった部分は自業自得だけども。」


ゆっくりとではあるが、メタリカーナ(あの街)で起きていることがわかり始めてきた。

でもまだまだ情報が足りないからな、当面は放置(スルー)放置(スルー)


「ちなみに、下級ポーション作るのに必要な材料って他はなぁに?」


《はい、マスター。残りの材料は魔草(ジマク草)、ミトミの樹液、清水、製作者の魔力が必要になります。

また、保存には専用のポーション用ガラス瓶が必要になりますのでご注意ください。》


「ほほぉ~。清水ってのは蒸留水とかじゃないんだよな?

コレは川の水や湧水ってことかな?採ってくるのは大変そうだ。

他はジマク草とミトミの樹液って、この辺で採れそう?」


《はい、マスター。マスターの前方やや右寄り300m程先にある、白樺のような木が見えますか?

アレがミトミの木です。あの木は樹洞ができやすく、そこに樹液が溜まっている可能性が高いです。

もし溜まっているのなら、水筒の中身を空にしていれれば十分な量が確保できるでしょう。》


「マジか。樹洞って木にできる穴のことだよな?しかも溜まるのは樹液って・・・イヤな予感しかしない。

よし、最後にしよう。ジマク草が見つからなかったら諦めて、今日は一旦帰r」


《少し森に入った所に、緑色の苔がびっしりと生えている木が見えますか?マスター。

あの苔の生え方は、ジマク草が生える条件に適している証拠です。

近付いて確認してみましょう。》


「おっふ。うぐぅ。なんでこんな時だけご都合展開なんだよー。

要らないだろソレ?絶対やらせだよー。スタッフ出てこいよー。」


《マスター。妄言はやめて下さい。これらの素材は必要条件が似通っているため、どうしても一所(ひとところ)に集まるのです。》


「いや、うん。多分そうなんだろうとは思ったけどさ、あまりにもあんまりなもんで、ちょっと現実からランナウェイしたくなっただけだから・・・。」


《・・・ちなみに、ミトミの樹液はミントに近い清涼成分が豊富で、虫は寄りつかないのでご安心ください。》


「えっ!マジで?!やった!そういうことはもっと早くに言って欲しかったよー!

これでなんの憂いもなく素材集められるってなもんよー!

じゃ、まずはジマク草から集めて、そのあとにミトミの樹液を集めよう!

ちなみにだが、ミトミの樹液の糖度は?結構甘め?」


《いいえ、マスター。確かに糖度は通常の樹液に比べ若干高めですが、甘さを感じる程ではないでしょう。

また、樹洞には多く樹液が溜まりやすくはありますが、楓のように大量の樹液を集めることはできないでしょう。》


「なんだー、そっかぁー。どうせならメープルシロップみたいなの作ってみたかったんだけど、そうそううまくはいかないか。

でもまぁ、メープルって煮詰める作業や蜜を集める作業がメチャクチャ大変だって言うから、どの道人手がないとムリか。」


《はい、マスター。恐らく厳しい工程になるでしょう。

また、このジマク草ですが、こちらの採り方は先ほどのサクリ草よりずっと簡単です。

緑色の茎から、紫色の葉が伸びているのが確認できますね?》


話しながら森に入り、いまはジマク草の目の前だ。


「なんとかな。ココ結構暗いから黒も緑も紫も結構似通っててさ、見分けが難しいよ。

俺は『視覚強化』があってコレだから、普通の人はわからないんじゃないのか?」


《はい、マスター。一般の方が見分け辛い理由は主にその点だそうです。

また、見た目が似ている毒草もありますのでご注意ください。》


「また毒草?この地域は毒草が流行ってるの?そんなに毒草需要ないでしょ?」


《いいえ、マスター。マスターの世界でも毒草は沢山ありましたが、人が気にしないで生活していたにすぎません。

例を挙げれば、マスターのお母様が育てていた観葉植物も、食べると腹痛を起こす毒草です。》


「なぬっ?!アレ毒草なの?結構普通にどこのご家庭でもあると思ってたんだけど・・・知らないって怖い。」


会話をしながら採集作業を進めていく。

このジマク草は、まず付け根をへし折ってから先端を潰し、20秒程待ってから刈り取ればいいらしく、確かにさっきよりずっと楽だった。

ちなみに、この工程を省くと魔力が薄れ、あまり状態の良い素材にならないそうな。

しかもこれまた変色してしまい、黄色になるってさ。きしょい。

しかも、そうなると必要数が8倍に跳ね上がる。

下級ポーション1個作るのに必要なジマク草は同じく3束なので、24束だ。ふざけろ。(マジオコ)


「最後にミトミの樹液を採っていけばいいんだけど、清水ってどこで手に入るんだ?」


《はい、マスター。清水は湧水(わきみず)であれば問題ないので、街の道具屋かマーグルに言えば用意できるでしょう。》


「そっか。んじゃ、取り敢えずミトミの樹液を採ってーっと。」


残った水を全て飲み干しておいた水筒を樹洞の樹液に沈める。

コポコポと音を立てながら水筒が満たされ、ミトミの樹液ゲットだぜ!

思いのほかねっとりしておらず、サラっとした感じだったが雨水が溜まったとかではないらしい。

今日はモンスターにも遭わないし、順調順調!

初めての採集作業を終え、森から出る。

もう足腰クタクタだし、口周りは痛痒いしで最悪だが、あとは帰るだけだと思うと気が楽だ。

でも荷物は草がいっぱいで重いから全然楽じゃない。

サクリ草が15束、ジマク草が15束、ミトミの樹液が水筒いっぱい。

コレらを詰め込んだ麻袋を担いで歩くが、重いし持ちづらいしで超大変。

車が欲しいのである。

てかさ、異世界転生なら魔法の袋とか、アイテムボックスとかって最初に付属して勝手についてくるもんじゃないの?

異世界転生特典、もっと頑張れよ!熱くなれよ!と言ってやりたい。

俺が読んだ異世界転生物語(ラノベ)でもさ、初めに持ってなくても数日したら手に入れてるパターンが王道だったんだけど、俺はどんだけ悪待遇なんだよ!(プリプリ)


「まぁでも、そんなにグチグチ言ってても仕方ないか。今日は近い所でコレだけ材料手に入ったんだから良しとしようか。」


《マスター。今日のイベントが全て終わったかのような話し方はやめましょう。

取り敢えず、目の前の状況を解決(クリア)しないと、です。》


カナデさんのツッコミをいただいてしまった。コレはコレで悪くないな。

そんなカナデと共に見つめる先には、馬車と言ったらコレ!って感じの<マーダージャック・ウルフ>と幌馬車が走っていた。


お読みいただきありがとうございます。

下級ポーションのお話ですが、下級のクセして色々大変な仕様でしたね。

ですが、こっちの世界と照らし合わせて考えた結果、「瞬時に傷が治る魔法の薬」ということで、こんな感じになっちゃいました。

相変わらずトラブルに巻き込まれがちな(そう)君ですが、いったいいつになったら住める大きさのダンジョンを造れるのでしょうか。


次回予告。

ワンちゃん再び

若干チート?

僕の考えたダンジョン



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ