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思わぬ収入 思わぬ反響

食べ物の表現とかって、本当に難しいですね。

美味しそうに書ける人って、本当にスゴいと思います!

あと、何気に連日投稿、頑張ってます!(*´∇`)

ていうかブクマ登録者(ユーザー)様がまたも増えていらっしゃる?!

あ、ありがとうございます!

今後ともガンバりますので、皆様どうぞよろしくお願いいたしますm(_ _)m


前回のあらすじ。

幼女とご対面

故ウサギのお肉に感動

忍び寄る、彼


静かな室内には、外からトビラを叩く音だけが響く。


コンコンッ


「どうぞー。大将ですよね?空いてますよー。」


なんてプチホラー感を出しても仕方ないくらいに簡単に言ってみる。。

ガチャリとゆっくりトビラを開ける宿屋の大将。

うん、テティのお父さんだな。


「悪いが入るぞ。

しかし、なんで俺だとわかった?

テティは何も伝えていないだろう?」


訝しげな顔でこっちを睨むおっさん。

うん、怖い。


「いや、普通に足音で?

大将デカいから足音もパないよ?

多分夜遅い時間だと気を付けた方がいいかもねー。

寝てる人に迷惑?みたいな?」


ホントはスキルで気付いたけど、ここは適当に濁しておくとしようかな。


「足音、か。

これまで意識したことはなかったが、確かにこればっかりは隠せないな。

これから上階(うえ)に上がる際は気を付けるとするよ。

忠告ありがとな。」


「いえいえ、なんのなんの。」


通じたみたいでよかった。

ていうか、素直にお礼とか、テティちゃんが真っ直ぐ育つ理由が垣間見える。

こちらとしても一応、不・本・意ながら女の子の一人(ぼっち)旅だと思われてるみたいだし?

多少は警戒感持ってるぞってアピもしておかないとねってことで。


「それで、ご用の方は?」


「いやなに、さっきの<ミヌラビー>の件で、な。

さっき女房(うちの)が代金を支払ったと聞いた。

だが、ありゃあ<ミヌラビー>買い取り価格の最底辺だ。

実際あんたが持ってきてくれたのは上物。

というか、いままでに見たこともないくらいの極上品だ。

正直、値段をどうしていいかもわからん。

そこで相談に来たってわけだ。」


「んむ~そういうことか。

いや、俺もね、この辺の価格相場とか全然わかんないからさー?

お任せしようかと思ったんだけど?」


「やはりそうか。

女房(うちの)が銀貨1枚しか渡していないと聞いて、慌ててきてみたんだが。」


悩むおっさん。

体格(ガタイ)がイイから腕組んで悩んでると余計に凄いな。

ポージング&バンプアップでもはじめそうだ。

でも見た目暑苦しいしムサ苦しいからココではやめていただきたい。


「そんなに悩むことないと思うけどなー。

そもそも、普通の上物だったらいくらくらいで取引されるモノなの?」


「随分とあっさりしてるな。冒険者にしては珍しい。

もう少し金に関してはきっちりした方がいいと思うが、コレばっかりは個々人の価値観もある、か。

それと、一般的な取引価格か。

そうなると、まずはギルドの方面から話をはじめにゃならんな。」


少し長くなるから箇条書き。

・普通は冒険者ギルドか商業ギルドが買い取る。

・そこから仲介業者が買う。

・仲介業者から各小売りが買う。

・その小売から卸して貰った物を宿の食堂で使う。

これが正規(ふつう)のルート。

稀に、ギルドから直接仕入れを行う処もあるそうだが、そういうのは大体大手さんで普通はしないらしい。

それをやっちゃうと、店頭に色々用意するタメには大きな倉庫を用意したり多方面からの伝手(つて)やらなんやらを伸ばしていかなきゃ対応ができない。

何故かというと、冒険者連中から持ち込まれる品や、商人が流してくる品は基本不定期品だからだ。

潤沢な準備をするタメには余剰分(ざいこ)が必要不可欠になって、どうしても大手規模の組織が要るようになる。

また、たまぁにお得意様の冒険者が直売りをしてくれるそうだが、その時は小売り価格を参考にして決めているらしい。

だが、冒険者がいつも食材ばかり持ち込むわけがなく、基本的に持ち込まれることは少ない。

更に輪をかけて、ここは女性冒険者(レディース)御用達のお宿なので、血生臭かったり、重かったりする肉系は運び入れにくいというのもあるかもしれない。

まぁ、最後のはこの世界じゃどうかしらんけども。


「つまり、ギルド~小売りのルートが最も販売手数料(てまちん)がかかるし、たらい回しにされて品質も落ちるからあんまり好ましくない二重苦(あんまりな)状態だと。

でも、配送ルートとか諸々の細かいことを考えると、この宿(ココ)じゃ直接ギルドと商売するのは向いてないって訳だ。

それと、冒険者から適正価格で買い取っても、鮮度が良いからお店にも嬉しくって、どっちにとっても良い話(win・win)だと。」


「そうだ。理解が早くて助かる。」


「んむ~。そうなると、冒険者ギルドに聞くのが早そうではあるけど、それはいちいち面倒だし、お肉の鮮度が落ちちゃうよね?」


「そうなる、な。」


「で、貰った銀貨1枚が最低価格ってのは小売り?」


「そうだ。」


「つまり、ギルドの買い取り価格よりは色つけてくれてたんでしょ?」


「一応はそうなるな。」


困ったな。

どうしたらいいのか全然わからん。


(ちなみにカナデさん。銅貨1枚って日本円で言うとどの程度の価値?

いや、もちろん物価自体が違うから、難しいのはわかってるつもりなんだけど、大体ね、大体。)


《はい、マスター。ご理解いただけて何よりです。

何を基準にするかは様々ですが、いまは食料に関して話を進めていますので、食料を基準に計算してみましょう。

・・・ここ、メタリカーナにおける銅貨1枚の貨幣価値は、大体日本円にして200円前後のようですね。

土地や、日用品だとこの限りではありませんが、そこまでかけ離れているわけではないので、この認識で良いと思います。》


(ありがとっ!思った以上に銅貨の価値が高かったなーっと。)


となると、銀貨1枚は2万円くらい?

あの故ウサギから10kg程度お肉が取れると仮定すれば100gあたり200円。

この辺りの世帯収入がさっぱわからんが、コレって結構お高いんじゃないの?

だって最低ランクのお肉でソレでしょ?

コレじゃほとんど人の口に入らないんじゃ・・・。


「さっき最低ランクって言ってたけど、それって営業用の最低って意味で合ってる?」


「・・・そうだ。くず肉って言われるヤツは小売りで大銅貨1枚だ。」


価格破壊(アンビリーバブル)!」


銅貨1枚200円換算で計算すると、それって10kg4000円ってことじゃん!

40円/100gだよ!有り得ないくらい安いよ!

・・・でも、きっとそれでも食べれない人はたくさんいるんだろうなー。

世帯の平均収入があっちと違うし。

ってそれを考えても仕方ないか。

お肉だってウサギ以外にもあるだろうし、何がどれだけ流通してるなんてあんま興味ないし、ね。


「んんっ。(咳払い)

ま、それはいいや。逆に、上物は?」


「俺が知ってる上物は、ギルドの仕入価格が銀貨2枚、小売りが7枚だった。」


「流石にあがるなー・・・通常の7倍だよ。」


10kgで14万円。

1400円/100gだよ。

日本(あっち)のスーパーではまずお目にかからないかもなー。

肉専門の小売りでちょっと置いてるくらい?

わかり易く言うと多分A4ランクのお肉と同等くらいかな!


「ただな、聞いた話しじゃその上物も、アンタの<ミヌラビー>程じゃなかったハズだ。」


「って言ってもなぁ?

ぶっちゃけそんなに高級品扱ってもさ、よっぽど運が良くないと捌き(売り)きれないでしょ?

そうなると大将のリスクが大きすぎるからなー。

銀貨5枚くらいでならどう?

売って元とれそう?」


「・・・その価格なら十分捌ききれる自信がある。

どころか足りなくなる勢いで売れちまうだろう。

でもな、お前はそれでいいのか?お嬢ちゃん。」


「いやーだってさー、さっき食ったけどメチャクチャうまかったじゃん?

アレって肉自体もそうだけど、大将の腕、かなり利いてたでしょ?

だからあんま他に持っていきたくないんだよねー。

勿体ないし?

美味しい食材(モノ)はちゃんと調理して美味しくいただかないとさ。

でも、だからって俺も損したくないから、ちょろっとくらい銀貨(コゼニ)もらっちゃおうかなって。

さっき結構食べちゃったけど、まだそれくらい残ってるよね?」


「それくらいっておまっ・・・いや、良い。

ホントにそれでいいんだな?

うちとしちゃ大助かりだ。

貰えるモンはしっかりと貰っとくよ。

最近じゃあ、この辺りも色々あるからな。

悪いが、遠慮はしねぇぞ。

あの肉の鮮度も、味をキープできるのは明日の朝までくらいだろうし、アンタの朝食にも追加で出させてもらう。

そんなことぐらいしか返せないが、ホントにいいんだな?」


「もっちろん!

ていうか、明日も食えるとかマジお得じゃん!

ありがと大将!

明日も楽しみにしてるわぁ!

あー、重かったけどガンバって持ってきてよかったぁ!」


その後で、大将から追加の銀貨4枚を受け取った。

日本円にして8万円だと思うとかなり嬉しい。

合計で銀貨5枚。

実に10万円の稼ぎである。やったね!


「それにしても、ギルドの買い取り価格は低いなぁ。

多分生ものだからだと思うんだけど、コレって売る時色々考えないとダメかもなー。」


《はい、マスター。より良い商取引ができるよう、カナデもサポートします。》


「カナデがサポートしてくれたら心強いよ。

これからもよろしくなっ!」


予想外の収入を得てホクホクな俺。

お腹はまだまだパンパンなので、腹ごなしのタメに運動したり、能力(スキル)の練習したりしながら夜を過ごした。

そして、寝る前になってダガーちゃんの手入れをしていないことに気付き、慌てて手入れした。

ついでに防具やブーツもしっかり手入れしておいたのは言うまでもない、かな?



翌日、朝から美味しすぎる故ウサギが追加された朝食を堪能した。

周りにいた女性冒険者たちも何人か食べていたが、やはり結構お髙い感じなのかしらんが大事そうに食べている。

そして、美味しそうに食べてる人の表情や仕草が更に他の人の購買意欲を掻き立てているのか、次第に故ウサギ肉入りの朝食をオーダーする姿が増えていった。


「やっぱ冒険者だけあって、ある程度は金銭的に余裕はあるみたいだな。

一般家庭(ふつー)は食べれないと思うぞ?あの値段。」


《はい、マスター。通常冒険者は、その危険度に見合っただけの高収入を得られる職業です。

ですが、流石にこの価格帯では簡単には手が出せないようですね。

普段の10倍以上の値段で購入しても、量は普段以下ですから。》


「あれでも価格を抑えるためにお肉の量減らしてるみたいだけど、やっぱお高いなー。

料理費用(てまちん)や香辛料とか、他にも色々と使ってて美味いけど、それが更に売値を圧迫してるからなぁ。

けどま、美味しいは正義だから!いいんだよ、きっと!」


今朝の食堂にはいつもと違って笑顔が溢れている。

美味しいものは笑顔を作る。

そして、また食べたい、今度こそ食べたいって想いは明日への活力になる。

きっとイイ風に考えたらそんな感じで良い方向へ回っていくんだろう。

とか勝手に思っておいて、朝食が終わったからギルドへゴー。


「いやー、やっぱうまかったな!<ミヌラビー>ファンになりそう!」


《はい、マスター。マスターの気力が充実しているのを感じます。

単純ですね。》


「ふふんっ。今日の俺は一味違うぞ!

それくらい辛辣にされても、むしろ清々しい程に気分は晴れやか、スマイルニッコニコだ!」


軽やかな朝のカナデさんトークが弾む。

今日はなんだか、イケそうな気がするなー!

ウキウキワクワクしながらギルドへイン。

敷居を跨ぐと急に汗臭くて男臭くて鉄臭くてかび臭い。

一気に気持ちが萎える。

しょぼーん。

ついさっき美味しくて香りもよかった食事を堪能したせいか、余計に臭いのに敏感になってるのかも。

酷い誤算だ。

なんで朝からギルドに行こうと思ったんだろう?

こんなにも浅はかな考えをしていたとは、我ながら自分の浅慮愚行(バカさ加減)がイヤになる。。

訳も分からず裏切られた気分だ。

冒険級火属性魔法(マギアズ・アーベント・フレイム)でおっさん達を消し飛ばしたらこの鬱憤は晴れるのだろうか?


《マスター。キケンな思想が若干ですが、カナデまで漏れています。

先程の高揚感が微塵も感じられません。気をつけてください。》


やはりカナデさんに届くほどに俺の心はブルーなロンリネスになっちまったらしい。

故ウサギの余韻もいつまでも楽しめるわけじゃないし、いい加減諦めるか?

いやでもしかし・・・にんともかんとも。(ブツブツ)

なんとも言えない憤りを禁じ得ないまま受付待ちの列に並ぶ。


「おはようございます、ソウさん。

今日のご用はなんですか?

初めての依頼(クエスト)受領、してみますか?

それともまた何かしらご質問ですか?」


元気良く挨拶をしてきたのは、俺の冒険者登録を担当してくれた赤髪ボブカットの、グラマラス系可愛い感じの美人さんであるリーフさんだ。

今日はなんだかツヤツヤしてて、調子がよさそうだ。

俺の悲哀は共感してもらえないらしい。


「おはよう、リーフさん。

なんだか今日は一段と元気だし、ツヤツヤしてるね?

何かイイことでもあったの?」


「そうなんですよ!ソウさん!

よくぞ聞いてくれましたー!実はですねー、実はですねー!

あの、昨夜なんですけど、馴染みの食堂に行ったらですね?

メッタに食べることができないレアお肉の<ミヌラビー>の、しかも最上級モノを食べることができたんですよー!」


両手を頬にあて、いやんいやんと頭を振るリーフさん。

よほど気に行ったのか、回想しながらちょっと口の辺りからヨダレさんがこんにちわしてるけど、気持ちはすっごくわかる!


「リーフさんも食べたんですか?あの大将特製の<ミヌラビー>!」


「えっ、ソウさんも召しあがったんですか?!

うわぁー奇遇ですねー!お仲間ですねー!

アレ、すっっっごく美味しくなかったですか??

もう、もう、私、思い出すだけで顔が蕩けてきちゃって大変なんですよぉー!」


「わかる!すっげぇーわかる!

アレは旨い!アレはヤバいよー!

トロトロのふわふわで、アマアマでウマウマなのが口いっぱいに拡が―・・・・・・。」


その後、リーフさんと力いっぱい故ウサギの美味しさを語り合い、周り (とカナデさん)に怒られたのは言うまでもない。


「いててててて、何もブツことないじゃないですか、先輩ぃ・・・。」


「アンタがたがいつまでも騒いでいるから、周りの連中が迷惑してるんでしょ。

美味しかったのはわかったから、少しは反省なさいな。」


「はぁーい、すみませんでしたぁ。」


気のない生返事を適当に返すリーフさん。

案外この娘も図太いな。


「すみません、ソウさんも。

それで、ソウさん今日はどんなご用ですか?

気を取り直してしっかりお仕事しますよー、しちゃいますよー。」


「あぁ、そうそう。すっかり目的忘れてたよ。

こっちこそごめんね?

えぇっと、今日はコレの買い取りを頼みたいんだけど、コレって買い取りカウンターに直で持っていけばいいの?」


麻袋に適当に詰め込んでおいた<ピクシー・ゴブリン>の魔石を放り出す。

ゴロゴロゴロゴローっと転がる魔石(ソレ)を、ボウっとした顔で見送るリーフさん。

おいっ、お仕事するんじゃなかったのか?

頭がお留守になっちゃってるぞ?


「ちょっとー?リーフさーん?ちゃんと稼働してるのー?息してるー?」


ダメだ。

目の前で手を振ってもなかなか停止(フリーズ)が解除されない。

これでもし、俺がお尻に尻尾の生えた孫さんとかなら、この隙に軽やかなスキンシップを始めるだろうけど俺にそれはできない。

他にも、サングラスをかけ甲羅を背負ったじっちゃんなら、過剰なまでのスキンシップを施すだろうが、やはりそれも俺にはできない。

でも何にもしないのも勿体無いので、無難にカウンターテーブルに置かれたリーフさんの手をニギニギしてみる。

おぉー、手ちっさいなー。

でもやっぱり爪の手入れとか、肌の手入れとかはあんまりかな?

ちゃんとガンバって気を使って色々やってるんだろうけど、悲しいかな、こっちの文明じゃ大したことはできないのかな?

少し手も荒れてるし、爪も磨かれてないし。

いやでも、まてよ?

ココは魔法と幻想(ファンタジー)の異世界。

もしかしたら何かしらのお手入れ方法もあるかもしれない。

魔導具で身支度とか、クリーニング系の魔法があったり?

あー、でもむしろ逆かー。

そういうのはお貴族様(ハイソサエティ)の領分か。

こっちには回ってこないのかな?

そういえば金髪(エリザベート)は色々と小奇麗だったし、市井にはないスキンケアでもしているのかもしれないな。

今度会った時にそれとなく聞いてみようかなー?


「って、いつまで手を握ってるんですかっ!」


「うひゃぃっ!」


「うひょぉっ!」


隣の受付お姉さんの怒鳴り声がマジびっくりしたー。

心臓飛び出るかと思ったわー。

大丈夫かな?ちゃんと胸に入ってるかな?

心臓飛び出たりしてない?って言いながら堂々と触ったら訴えられそうだな。

うん、やめとこう。


「ごめんごめん、ちょっと物思いにふけっちゃってさー。

リーフさんも再起動(リブート)した?再始動(リスタート)おk?」


「えっ?あ、はい?いえいえ、はい。だいじょう、び?」


「・・・ダメっぽい。」


どうしよう。

リーフさんが壊れちゃった。

さっきお姉さんに叩かれた時にお脳味噌(データ)故障(クラッシュ)しちゃったのかな?

あいにくと、俺は本体(ハード)とかあんまいじれないし、回復魔法も回復アイテムもないからどうしようもないな。


「リーフさん止まっちゃったんだけど、どうにかなんないの?

復活(リスポーン)しないの?」


「新しく生まれちゃダメでしょうに・・・。」


お姉さん系の受付嬢さんのジト目、いただきました。

ありがとうございます。


「だって、動いてくれないし?」


「それはそうでしょう。

私もちょっとこの娘より長くココで受付やってるけど、これでもかなり驚いているのよ?

ちょっと魔石(ソレ)しまってくれる?

ちょっとココ、代わりに頼むわね。

さっ、移動しましょう。」


言うなりお姉さんはリーフさんを引き摺るようにして連れ去ってしまった。

あとには取り残されて可哀想な俺と、急に話しを振られたギルド職員の男性だけだ。

そして、無力な俺は職員さん()を助けてあげることはできないのでさようならの会釈をしてから移動する。


「ここは普段商談とか、交渉に使う部屋よ。

基本的に誰でも使えるから覚えておいてね。」


「はぁ、わかりました。」


「それで?

ここなら邪魔も入らないから一応聞いておくけど、この魔石、なんなの?

いったいどうしたの?この量はっ!」


お姉さん系の受付嬢さん改め、キツめキレイ系お姉さんに凄まれる。

かなり怖いけど、迫力のある美人さんにドキがムネムネする。


「どうしたもこうしたも、昨日倒した<ピクシー・ゴブリン>達から貰ったんだけど?

まぁ、獲ったともいうかな?」


「・・・アナタ、一昨日冒険者登録したFランクで間違いないわよね?」


「うん、ほらコレ。」


首からぶら下げた状態のギルドカードを見せる。


「そうよね、そう、なのよね。」


「それがどうしたの?もしかして、Fランクじゃ魔石(コレ)買い取ってもらえないの?」


「いいえ、それはないから安心して頂戴。

買い取りはもちろんちゃんとさせて貰うわ。

ただ、昨日聞いてた限りじゃアナタ、モンスターとは戦わない、薬草を採るだけだって言ってなかったかしら?」


「うん、そうそう。そのつもりで外に行ったらさ、コイツらが急に襲ってきたの。

酷くない?空気読まなさすぎるよねー。

お蔭で死にかけたし、血やらなんやらで超汚れたしで最悪だったよー。」


「コ、コイツら?いまコイツらって言ったかしら?

私の聞き間違いならいいんだけど、アナタいま、この数の<ピクシー・ゴブリン>に一斉に襲い掛かられたみたいな言い方をしたのかしら??」


「いや、いくらなんでも1度に襲い掛かられたらキツいって。

初めに4匹いて、その内3匹はすぐ倒せたんだけど、1匹仕留め損ねてさ。

そいつが残り喚んだんだよ。変な鳴き声で。

で、そしたら森の中から8匹の<ピクシー・ゴブリン>が出てきて、ちょっと後に<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が」


「はあぁぁぁっ??!

ちょっと、ちょっと待ちなさいよ!

なんでそこで<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が出てくるの?

あ、アナタ、まさか<ウォー・ピクシー・ゴブリン>まで・・・?」


「いや、怖いって!

やめてくれない?急にびっくりするからさ!

俺急に大きな音とか声とか浴びせられるの苦手なんですけど!」


「あ、え、えぇ。そうね。ごめんなさい。

取り乱したわ。悪いけど、続けてくれない?」


「まぁいいけど、次は気を付けてね?フリじゃないからね。

ホントフリじゃないから次はやめてね!

っと、どこまで話したっけ?

あーっと?」


《<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が森から出てきた所からです、マスター。》


(あーそだそだ。ありがとう、カナデ。)


「そうそう、<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が出てきたところからね。

そんで、<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が1匹追加になってご新規さんが計9匹になって、でも、こいつらを喚んだヤツは弱ってたから喰われちゃったんだ。

それで、最初に倒したヤツらも喰おうとしてたからチャンスだと思ってコイツら倒したんだよ。

うん。

でも、そのすぐ後に更に森から<ピクシー・ゴブリン>が1匹と、<ウォー・ピクシー・ゴブリン>が1匹」


「ちょっと待って。まだ出てくるの?<ウォー・ピクシー・ゴブリン>は?」


「え?まぁコイツが最後だけども?」


「・・・そう。ごめんね、続けて?」


「あ、うん。

それで、もう俺的に限界だったからやり過ごそうと思ってたんだけど、見つかっちゃったから倒したの。

最後はこの短剣(ダガーちゃん)でトドメを刺したから、メッチャ汚れちゃってねー。

門兵さんに汚いって怒られちゃって、一緒に洗って貰ったんだよ。

うん、イイおっちゃんだったな!」


長々と話し終えると、お姉さんは考え込んでしまった。

リーフさんは壊れたまんまだ。

どうすんの?コレ?


「え~っと、魔石の買い取り今度でいいから、帰っていいのかな?」


《・・・恐らくダメでしょう。

ここで逃げると後々面倒事に巻き込まれそうです、マスター。》


「・・・ですよねぇ。」


重苦しい空気の中、深いため息をつくことしかできなかった。







お読みいただきありがとうございます。

またしても予定よりボリューム大幅増(とくもり)

アレ―?おかしいなー?

今日はもうお外に行ってる予定だったのにー?

キャラも予定外に増えていくし、みんな自由っすわぁ・・・。


最近自分でも読み返したりするんですが、わかりにくい表現とか、誤字や脱字を微妙に直したりしてるんですが、実は結構あるんですね。

お見かけした際にはご連絡いたけると幸いですm(_ _)m


次回予告。

壊れたリーフちゃん

キレるお姉さん

逃げる(そう)

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