ヒロイン属性持ちのお婆さんは要りますか?
台風が過ぎ去ったと思ったらまた台風。
秋の長雨って台風の連撃のこと・・・じゃないですよね?
私が不勉強なだけなのでしょうか?
雨が続くと地盤が弛くなりますし、様々な所でカビさんがこんにちわしてたりして、物理的にも精神的にも病理的にも怖いですね。
360°多角的に身を守りつつ、栄養も睡眠もしっかりとって自己防衛に努めましょう!
ちなみに、私の育てている多肉植物ちゃんは比較的乾いてるところが好きで、日光が沢山必要なんですが、どうしたらいいのでしょうか?
前回のあらすじ。
自然体で疑似美少女アバタープレイ開始
異世界の身支度
街中に山姥出没
マジボッコ
「うぐぅ・・・。」
目が覚めた。だが頭が痛い?左腕も痛いし顔も痛い。
首も痛い気がするし、若干腰とかも痛い?
「なんか痛いところが沢山あるな。」
「なんじゃ、やっと目が覚めたのかい。随分と寝坊助だね?
さっさと起きなよまったく。」
「知らない老婆だ。」
バシンッ
「いってっ!」
「急に失礼なことお言いでないよっ、まったくっ!
あんたどんな教育受けてきたんだい?
淑女に対する礼儀も習わなかったのかい?!」
「老婆に対する礼儀?徘徊するし、口煩いからなるべく関わらない方がイイとかなら良く聞いたな。
極稀に、敬老感謝とかって聞いた覚えもあるけど、基本意識したことはないかなぁ。
てか礼儀とかそんなの知らないっつーか、ここ、何処?」
辺りを見渡す。汚い。
大きな作業用と思われる机が、3分の2程は積まれた物に隠れて見えない。
床にも色々散らばっている。
窓は堅く閉ざされ、両側の棚も雑多な物が並べられている。
何かの生物や植物が瓶に入れられていたり、沢山の本もある。
俺が横になっていたのは、ソファーベッドっぽいようなモノ。
だと思うが、コレも変な臭いがするな。
くっさ。コレ老婆の臭いなのか?
『魔力感知』を使って探ってみると、魔力を持った品がかなり豊富にあるのがわかるが、雑多乱雑すぎて何がなんだかわからない。
「全然見覚えがないし、臭いし汚いな?」
バシーンッ
「頭叩くなよ?!バーさん!」
「あんたがいきなり失礼なこと言うからだろ?
どんだけ無遠慮で失礼な小娘なんだろうね!
傷の手当なんかするんじゃなかったよっ、まったく!」
「傷・・・?」
自分の身体を見ると、腕とかに治療跡が見られる。
ガーゼっぽいのとかを包帯で巻かれていたりとかしてる。
「って、この辺の傷って、全部バーさんが犯人じゃん。」
全力でジトってみる。
ジト―ーーーーー。
「それもこれも、あんたが家を壊そうとするからだろうっ!
あの扉の叩き方は狂気すら感じたわいっ!」
さっきから怒鳴りっ放しで疲れないんだろうか?元気な老婆だ。
「まぁ、治療に関してはありがとう?とりま落ち着こうよ?
怒鳴りっ放しは疲れるよ。こっちが。」
「小憎たらしい小娘だね!疲れるなんてこっちのセリフだよ。まったく・・・。」
ブツブツと何かを言っているが、もうボケがきちゃってるのだろうか?ちょっと怖い。
やはりボケ老人は理解できないことが多すぎて恐ろしい。
(なぁ、カナデ。そこら辺の材料とかって、やっぱりアレ系?)
《はい、マスター。間違いなく魔法薬等の材料でしょう。》
(何に使うかさっぱわからんけど、このバーさんはやっぱ専門家か。
流石に上級ポーションはない、よな?)
《はい、マスター。人族の中では優秀な部類に入るでしょうが、恐らくは中級系統が限界かと。
もしかすると、特化系のポーションも作成できるかもしれませんが・・・。》
中級の特化系ポーションといえば、部位欠損の治癒はムリだが、左脚か、顔の火傷くらいは治せる可能性がある。
(ちなみに、中級ポーションってDPでおいくらだっけ?)
《はい、マスター。DP500が必要です。また、特定特化の中級ポーションだと、物によりますが、プラス200前後必要になります。》
(それでも全然足りないな。やっぱまずは地道にDPの貯蓄と、自分のレベル上げか?いや、金銭的な解決も1つの方針か。)
「気を取り直して、初めましてこんにちわ。俺はソウ。ただのソウ。
実はココには欲しい物があって来たんだけど、お店やってないの?
表の扉、頑なに閉まってたけど?」
「おや、そうなのかい?あんたお客だったのかい。
とてもじゃないがそんな雰囲気じゃなかったけどね。」
「扉を閉めきってる店に言われたくはないかなー。」
「まぁ、いいさ。私はマーグル。しがない薬屋の店主さ。
確かにいまは休業状態だけど、何か要り用だったのかい?」
「見ての通り、怪我を治すポーションだよ。
腕は・・・まぁ無理だってわかってるんだけど、せめて顔と眼か、脚だけでもなんとかならないかなってね。」
「あぁ、確かに酷い有り様だね。一体どうしてそんな怪我をしたのか、皆目見当もつかないくらいだけどね。
お生憎様、いまじゃロクなポーションも作れないから、悪いが治してやれないよ。
まぁ、真っ当に営業しててもあんたには手が届かないだろうけどね。」
「んむ~?それって金銭的にってこと?そんなにお高いの?ポーションって?」
「あんた、何言っ・・・って、そうかい、見たまんま異国の出かい。
そうさね。メタリカーナではね、薬草の類は軒並み高騰しちまってるんだ。
それもこれも、この街の領主や、近隣貴族連中が買い漁っちまったからなんだがね。
お貴族様方が全部持ってっちまうんだよ。
だからそもそも、一般庶民にはちゃんとした材料は回ってこないのさ。
お蔭でうちの商品は、なんだってまともに作れやしないんだよ。」
吐き捨てるように臭そうな息と共に悪態を吐く老婆。
ちょっ、こっち向かないでよ!
さり気なく老婆と違う方向へ向き直し会話を進める。
「その口ぶりだと、最近になって買占めが厳しくなったみたいに聞こえるけど?」
「そうさ。前はこんなことはなかったんだけどね。もう、1年位前からかねぇ。
急になんでもかんでも薬になるものは、お貴族様連中が買占めを始めてね。
初めのうちは冒険者連中なんかが、高く売れるってんで喜んでたけどもねぇ。」
「あ~、それもすぐに不満に変わった、と。」
「・・・その通りさね。すぐに自分たちに回ってくる分がなくなったって騒ぎ始めてね。
手のひら返したように、いまじゃ反お貴族様だなんだって騒ぎ立てたりしてるよ。現金なもんさね。
みっとも無いよ、まったくっ。」
「なんだ。メタリカーナのことってそういうことか。
やっぱり、くっだらない理由だったんだなぁー。」
「なんだい。既に厄介事に心当たりでもあるような口ぶりだね?」
「あぁ、この怪我の治療をしてくれた所でも、ポーションが足りなかったり治癒師の確保が難しかったりで世話を掛けたからね。
それに、その反お貴族様運動とやらのせいでブデノードに絡まれたりして散々だったし?」
「いひっひっ。そいつは随分と災難だったね。
あの脳筋は喧嘩っぱやいし考えがないからね。
何かあればすぐに手が出ちまうのさ。
それにしても、あんたよく無事だったさねぇ?」
「実際、伐剣状態で殺気まで漏らしてたけどね。
なんとか殴られずに済んだのはヨハンさんのお蔭だよ。」
「ヨハンかい。あのお節介焼きならまぁ納得さね。
でも、お気をつけよ?あの坊やも色々とクセのある子だからね。
面倒に巻き込まれないように、自衛だけはしっかりとおし。
あんたみたいな傷物だからこそ、自分の身はしっかり守らなきゃぁなんないんだからね。」
「わかってるよ。こんな身体じゃあんまり自衛なんてできないし、気を付けて、避ける方向で頑張るつもりだよ。
何より、杖でド突き回されてもロクな抵抗もできなかったし、な?」
「なんだいその言い方はっ?!口の減らない小娘だねっ。わかってないよ、まったくっ。」
プリプリ怒る老婆。まったく需要ないな。むしろ見苦しくもある。
コレじゃない感がとどまるところを知らないらしい。
普通異世界ってもっと美少女率高いハズだと思うんだが、そこんとこどうなんだろう?
現状は老婆が独り寂しくプリプリしてるけど、今後デレデレしはじめたら衝撃映像だ。
きっと食事中に寝ちゃって、口から色々なアレコレがデレデレ出てくる方だもの。きちゃない。
異世界転生物語の常識が息してないよ。
因果律が仕事放棄してるのかな?
フラグもご都合主義も全然縁がない・・・。
「ところでグーr・・・ケフンケフン。
ところでマーグルさん、材料がないって言ってたけど、材料さえあればどのくらいまでポーション作れるの?」
「・・・。」
ジト睨みしてくる老婆。だから需要ないって・・・。
ジトは美少女かお姉さんの役割でしょ?
なんで枯れ果て皺涸れた老婆がやるかなぁー。
美幼女ならまだしも、タダの老婆って・・・orz。
まぁ、いまは協力して貰いたいから適当にニコッと返しとく。
精神力以外はタダだ。
「ふん、まぁいいさね。言い間違いくらい、誰にだってあるもんだからね。ただし!次はないから覚悟おしよ?」
ドスが利いてる。ふざけ過ぎたかもしれない。
コクコク
頷いとく。
「それで、ポーションだっけ?あんたの場合は、見たとこ火傷と骨折と。
どっちも厄介だけど、特に火傷が厄介さね。
私が作れる最高の回復薬でも、治りきるか微妙だね。
骨折の方はまぁ、程度によるけど多分イケるよ。」
おぉ~、凄いな。てことはやっぱり中級クラスはいけるんだな!
「でもね、私の話をきいてなかったのかい?
ここにゃ回復薬の類は、なぁんにも残っていやしないんだよ?」
「わかってるって。たださ、俺が自分で持ち込んだりしたら、作ってくれたりしないかなって思って?」
「あんたが?はっ、バカをお言いでないよ。
どんな手を使おうと思っているのか知らないけどね、持ってこれるもんなら持ってきてみな!
そしたらこの私が、丹精込めて作ってやろうじゃないか!
勿論、無理にきまってるだろーがね。
そもそも、メタリカーナじゃ薬草類を売ってくれる店なんて、もうありはしないのさ。」
「お、ラッキー!言質とらせてもらえてよかったわぁー。
代金なしで受けてくれるなんて、マーグルさんは太っ腹だなぁー。
見た目はただの骨と皮だけなのに、優しいね!」
「イイ度胸してるねこの小娘めっ!この私にココまで堂々とケンカ売ってくるヤツは久しぶりだよ!
いいよっ!そのケンカ、買ってやろうじゃないか!
ただし、条件をつけさせてもらうよ。」
おっと、煽りすぎたかな。いい歳して気が短いな。
「元来、薬作りの製法は秘伝中の秘伝だ。
おいそれと作り方も材料だって教えられない。
だから、その材料も自分で考えて、自分で探してみな!
ココにある材料はそのまま使えるから、足りないモノだけ探してくるといいさね。
どうだい?コレでもまだやる気は残ってるかい?」
「甘いなーバーさん。見た目と中身は不味そうなのに、そんな甘い条件でイイの?
時間制限もないなんて、ちょっと条件簡単過ぎない?」
「はんっ、お目出度いことだね。どんだけ時間があろうと、無理なモノは無理さね。
せいぜい市中を駆け回りなっ。」
「じゃあさ、逆に俺が短期間で、そうだな・・・。
30日以内に材料全部見つけてこれたら、なんかちょーだいよ?」
「30日だろうと100日だろうと結果は変わらないよ!
あんたが好きなものを好きなだけ持っていくといいよ!
せいぜい気張ってみることだねっ。」
上々である。なんだよこの婆さん。
コイツが噂のチョロイン役か?
・・・。
需要なさ過ぎてもはや兵器だと言っても過言ではない。
絶対ダメだ。マジダメだ。
何が悲しくてこんな老婆を攻略しなきゃならないんだっつーの。
「じゃー約束な、婆さん。近いうちに必要なもの揃えてくるから。
楽しみに余生過ごしててくれればいいから。な?」
「いまのうちに好きなだけ言うがいいさ。せいぜい楽しみに待たせてもらうよ。」
部屋の中のモノは大体カナデさんが把握してくれたから大丈夫。
あとで足りないモノは教えてもらおう。
「じゃ、そろそろ帰るわ。次は多分材料持ってくるから、よろしく!」
「生意気ばっか言ってないで帰んなっ!」
婆さんがいかにも煩わしいって顔して、シッシッって手を振ってる。
だからそういうのって美少女が・・・以下略。
俺は怪しい婆さんの店を後にし、宿に帰る。
「で、どうだった?
結構足りないモノ多かった系?」
《いいえ、マスター。マーグルの言葉通り、材料としては薬草類のみが不足しているようですね。
これなら、必要な材料の入手に限った場合、比較的簡単に手に入れることができると思います。》
「なんか、微妙な言い方だな?簡単に材料が手に入るなら、問題ないんじゃないの?」
《いいえ、マスター。確かに材料の種類としては不足なく置いてありましたが、品質が問題でした。
この国の水準としては十分な品質を確保できていましたが、少々質が悪かったです。》
「低品質高価格?あの婆さん、見た目の通りに悪辣非道だな。」
《価格に関しては確認していないので断言できませんが、低品質は確実でしょう。
このままだとマスターの治療には、些か不十分な出来になりそうです。》
「え、それは困るんですけど?!もしかして、全部こっちが揃えないとちゃんとした中級ポーション手に入らないの?」
《全部とは言えませんが、概ねその認識で良いかと。
製法の確認が出来ていませんが、そちらは問題ないでしょう。
いざとなれば情報はありますから、伝授すれば作成が可能です。
ですが、低品質の、一定以下の効力しかないポーションでは、マスターの 怪我は治りません。》
「なんだよー。ちょっとお手軽に治せるかと思ったんだけど、そうもいかないか。
ちなみに、十分な品質を確保するタメに足りないモノってどれだけあるの?」
《はい、マスター。マスターの視覚情報にリンクします。》
中級ポーション(冒険級聖魔法相当)
以下記録情報より抜粋
・下級ポーションの上位互換。
・全治2~3ヶ月程度の怪我を治せる。
・失われた体力も回復する。
・部位欠損は治せない。
・切り口がキレイなら、切れた部位を繋げるくらいはできるが、あまりお勧めしない。
原材料:中級薬草、中級魔草、スライムの核、ヒカリ苔、アロアの葉、幻想水
別途要:製作者の魔力、ポーション用ガラス瓶
DP :475+自身の魔力+25 計500
※特殊特化ポーションは大体プラス250くらい必要になる
exe.
火傷治療特化特殊中級ポーション追加材料
火色蜥蜴の尻尾、アボの実の油、魔輝の結石
骨折治療特化特殊中級ポーション追加材料
スカルマッド・ボアの核、クレイジーチャージ・ヘンネのトサカ、魔輝の結石
「結構色々必要っぽい。この中のどれがダメなんだ?」
《・・・むしろ大丈夫なモノの方が少ないですね。
問題ないのは基本的に劣化しない素材であるヒカリ苔。
それと保管がしっかりしていた幻想水だけです。》
「ほとんど全滅じゃん!あの婆さん自信満々だからかなりの実力者だと思ってたのに、騙された気分だ。
見た目も超怪しくて魔法使いみたいだったのに、残念すぎる結果に・・・。」
《いいえ、マスター。マーグルはこの国の中では優秀な部類に入ります。
ただし、まだまだ文明が未発達なため、高品質を求めようとするとどうしても不足してしまうのです。》
「個人の問題じゃなくて、国の問題なのか。」
《それに、元々城砦鉄壁国は魔法技術で他国に劣っている面があります。
ですので、ココで高品質のポーションを入手するのはそもそもの難易度が高くなってしまうのです。》
「それに加えてお貴族様問題ってか。
アレもなぁ、下手したら紛争フラグとかだろ?
まだ情報少ないからなんとも言えないけど、他国となのか、自国内なのか。
あんまりのんびりしてる時間、ないのかもしれないな。」
《いいえ、マスター。薬品類の独占が1年程前でしたらまだ余裕はあるかと。
食料関連の値上がりも、恐らくは回復手段が失われたことによる輸送・護衛系の問題だと推測されます。
ですので、本格的な食料問題が発生するまでは若干の猶予がありそうです。》
「そうなのか。それならもう少しの間は大丈夫そうかな?
ま、のんびりはしてられないってのは変わりないけども。」
時間的猶予があるのは助かる。ていうか、戦争するかもしれない国に落とすなよ、神!
この怪我は自爆した自分のせいなのはわかってるけど、どうにも納得いかない。
「ちなみに、材料は近場で揃いそうなのか?」
《数は多くないですが、中級の薬草は採取ポイントがありそうです。
ただ、アロアの葉とスライムの核は少し森の奥へいかないと見つけられないでしょう。》
「この身体じゃキツいんですけど・・・って言っても仕方ないか。
俺の手持ちのDPじゃどうしようもないから選択肢はないもんな。」
《個々の材料をDPにて変換することは可能ですが、必要平均DPは80程度です。
また、特化ポーションを作成するのに必要な素材は、マスターの現在のレベルでは・・・。》
「そっちにDP回した方が堅実ってことね。おk。」
どちらにしても森に入らなきゃいけないことは確定で、DPも貯めなきゃいけないのは変わりない、と。
いまあるSPで、もう少し自己強化しなきゃダメそうだな。
お読みいただきありがとうございます。
まだまだ伏線も全然、フラグも全然で進めやすいですね!
何も考えないでお話しが進められます。
でも、想君は勝手に絡まれるし、勝手にやられるし、勝手にやらかすのでそれだけが困りものです。
次回予告。
原っぱは発見がいっぱい。
自分のやり方。
諦めも肝心。




