装備の用意は冒険者としての第一歩 初めの一歩は踏み外しやすい
台風本体が過ぎて行きましたが、まだまだ油断できない地域の方々がいらっしゃると思いますが、皆様だいじょうぶでしょうか?
雨が激しく降ったところは特に注意が必要です。
危ないかも?っと思ったら、今日と明日は近付かないように、避けるようにするといいらしいです。
「注意1秒怪我一生」という標語もあるそうですし、避けられる危険は是非とも避けていただきたいです。
前回のおはなし。
バカなおっさんに絡まれた。
ただのバカだった。
伏線の気配はなさそう、でいいのかな?
ギルド登録をした。
お姉さんの名前が判明した。
グラマラス系だ。
運動が不足しているようだ・・・お色気は十分。
少女扱いが定着しつつある。
割引が美味しい。
今後も使えそうだ・・・ただし要精神耐性!
やっと拠点をゲットした。モチロン相部屋は断った!
そんなの死亡フラグか迷走フラグに決まってる!
俺は自分から相部屋を頼んでないのに、連れて行かれるだけだから何も悪くない。
悪くないのに俺が男とバレると、ボコられたり狩られたりする恐ろしいフラグなのだ。
間違いない。
自称看板娘は少しびっくりした顔をして、
「女の子はなるべく1人部屋にならない方が、安全なんだけどねぇ。そうなると、連泊割引もそこまでつけられないよ。
銀貨4枚と銅貨50枚になるけどいいのかい?」
とか暢気なことを言ってる。
その目は節穴か?
木の洞穴か?
(俺は純粋100%男の子だっつーに。まったく。)
「えぇ、それじゃあそれでお願いします。」
《・・・あえて訂正はしないんですね、マスター?》
(当たり前だって!もしかしたらココって女性優待制かもしんないじゃん?
男だと料金割高とか、汚くて狭い所に追いやられるとか、イヤじゃん?)
《お金は大切ですが、やることがセコいです、マスター。》
(あっちが勝手に勘違いしてるんだから、そこはスルーでお願いしますっ。)
ピッカピカの銀貨を5枚渡し、お釣りの銅貨50枚を大銅貨2枚と小銅貨10枚で貰う。大銅貨1枚が小銅貨20枚の扱いらしい。
洞穴の自称看板娘はビクビクしながらお釣りくれたけど、用意してたお釣りギリギリだったのかな?
細かいのなくて申し訳ない。
通された部屋はそれなりだった。ベッドは硬いが、まだなんとかなりそうなレベルっぽい?すのこみたいに、横に細長い板を並べただけのベッド。
当たり前だがマットとか布団的なモノはない。そこに布が敷かれていて、毛布がある。
まぁ、木箱の上とかじゃないだけまだマシだ。それが2つある。
他にはクローゼットがあって、中にチェスト的な棚がハメてある。盗難防止とか?治安がやっぱよくないのかも。門番がアレだもんなー。かなり色々ダメっぽい。
それ以外は全然物がない。テーブルもない。窓も木板で閉ざされている。流石にメタリカさん家とは違いますな。
「扉も内鍵ついてるけど簡単に壊せそうだな。扉ごと。」
《はい、マスター。この程度の木の扉では特に労せず壊せるでしょう。》
「そういう意味では女性冒険者御用達のお宿にしてよかった。
勘違いとかで男に襲われる心配が大分減りそうだ。」
宿泊客がそのまま押し込んできたりとか想像するだけでもおぞましい。この部屋は2階の真ん中だし、外からの侵入の可能性も低いだろう。少しは安心だと思いたい。
「夕飯は4の鐘が鳴ったらっていってたっけ?4の鐘って大体何時頃だろ?」
《はい、マスター。あちらの世界に合わせて考えると、大体18時頃になります。この世界は1日約25時間ですので、少々感覚が違うかもしれませんが。ですので、夕日が見える頃に鐘が鳴ると思います。》
「マジか!実は時間が違ってたのか。さっぱ気付かなかった・・・。」
でもまぁ、そんなに大差ないだろ。時計も持ってないし細かい時間は誤差だ誤差。
「まぁいっか。気にしても仕方ないから荷物の整理でもしよう。」
ショニタンさんが持たせてくれた背嚢の中身を漁る。
普通の布の服っぽいのが上4枚。ズボンが2枚。それから・・・下着も5枚。
「随分、入れてくれたんだな。でも・・・。」
1番奥から出てきたセットが危険だ。
これはダメだ。絶対ダメなヤツだ。見覚えがある。
ショニタンのメイド服だ。
そして、生地のよれ具合でわかる。コレって使用済だ。
更にショーツっぽいのも入ってる。
こっちの水準は未だ測りかねるが、おそらくは高級品。いったい何考えてるんだ!?
あの青髪悪魔は俺の危険度上げて何が楽しいの?どうするんだよコレっ?
捨てるにしても見られたらヤバい品だ。
俺が使ってるみたいに思われるか、他人のを持っていると思われるか、2択しかない。
確実に俺(の好感度)を殺しにきている。間違い・・・ない。
早速いそいそと畳み、チェストの1番下に詰め込み、他の服で埋める。
任務完了。
「しかし当然その場しのぎでなんの解決にもなっていない。
恐ろしい罠だ・・・。」
《現状マスターは女性として認識されていますので、特に問題はないと思いますが?》
「あるよ!ありますよ!あるんだよ?あるに決まってるじゃん!
だって俺男だし?男だから、男な訳ですので!
万が一にも、億が一でもバレたらダメなヤツなの!」
まったく、カナデは恐ろしいことを言う。
俺が女性に見られているのは頭がヤバいヤツらだけなのに、油断しすぎだよ。
俺の好感度をなんだと思っているんだか。
「あー、あんまり目立つとアレだし異世界服に着替えとくか。」
折角仕舞った服だが、早速1セット取り出し着替える。このゴワっと感が異世界っぽい。
「やっぱりこの格好にスニーカーとか、ちょっとないな。」
《マスターは現在も弱体化中ですし、絡まれやすい体質のようですので注意が必要です。
明日、必要な身の回りの品は集めてしまいましょう。》
「ちょっとちょっとっ?!言い方気を付けてね?
俺の心が壊れちゃうよ?」
俺は身体も貧弱だが、心の方がもっと弱いんだからもっと丁重に、且つ丁寧に扱って欲しいものだ。プンプンだよ、もうっ!
「それに、絡まれやすい理由はこの怪我じゃない?やっぱりコレ、目立つよ。」
右腕無しい左脚ボロボロだし顔だって半分火傷してるし、結構目立つと思うの。
《いいえ、マスター。事実を言っただけですから。》
「ぐはぁっ!辛辣なカナデさん、心を抉られる痛みが走るっ!俺のHPはもう0ぽ・・・orz」
ごぉぉぉぉん
ごぉぉぉぉん
ごぉぉぉぉん
ごぉぉぉぉん・・・
「おっ?いまのが4の鐘かな、カナデさん?」
《はい、マスター。食堂へ行き、エネルギーを補給しましょう。》
「なんかその言い方だと食事って感じしないね。」
若干カナデさんの表現にテンションを下げられつつも食堂へ行き、食事を食べる。
結構しょぼいけどコレが普通なのかな?それなりに硬い黒っぽいパン。
野菜とお肉がなんとなく入ってるスープ。
それとボソボソの謎のお肉と蒸かした芋っぽい何か。
うん、しょぼいな。
(味も薄目だし塩とか貴重なの?あと美味しくないよ?)
《いいえ、マスター。塩は十分な量が市場に回っているハズです。
ですが、他の食材も軒並み情報水準を下回っていますね。
この宿屋が提供する料理が相場より高いのか、価格の高騰が起こっている可能性があります。》
(んむ~。カナデの情報との差異は気になるな。
でもそんなに大きな違いじゃないんだろ?)
《はい、マスター。誤差、ないしは情報が古い可能性も有り得ます。》
(何かしらがあって、物価が上昇した可能性か。
単純に考えられるのは不作とかになるか。
そうなると、何処かしらで情報を仕入れないと予測もつかないな。)
《はい、マスター。折を見て、情報の更新に努めましょう。》
カナデとトークをしてたらすぐに食事が終わってしまった。
そんなに食べる方じゃないんだけど、若干物足りないな。
明日以降は少し買い足すか、大盛りにしてもらえるよう頼んでみようかな?
食堂の奥に引っ込んでいるご主人に挨拶し、部屋に戻る。
なんだかんだで色々あって、疲れたから今日はもう寝よう。
そうしよう。
「おやすみ、カナデ。」
《おやすみなさい、マスター。》
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翌日、至極残念な朝食を終え街へと歩きだす。
自称看板娘は玄関までお見送りをしてくれた。
変なとこ熱心だけどそこは娘さんとかじゃないんですね。
心持ち損したような気分になりながら大通りを進む。
今日は日用品の買い足しと、靴と装備を見て、時間があったら情報収集のつもりでいこう。
雑貨屋のような場所で日用品を買う。
布や桶や多少の調味料、それから保存食のお肉と、背嚢だけじゃ色々不便だから麻っぽい素材でできた袋を3枚購入。
少し高かったが石鹸もこっそり購入。そこそこに高級品らしい。
次に武器屋へ。
色とりどりの武器が並び、鈍く光を反射している。
うん、どれも重そうだ。
どうやら俺が装備できそうなものはないみたいだ。
店主の髭おっさんに俺でも扱えそうな武器はないかと尋ねたところ、ダガータイプの短剣を渡された。
一般にダガーとは両刃の短剣で腕の長さと同等程度がいいらしいが、若干これ長い?
「少し長くない?コレ?」
「小娘にはそれが丁度いい程度だろう?隻腕で、しかも刃物の扱いに不慣れと見える。悪いことは言わないからそれにしときな。」
「んむ~。ま、いっか。じゃーこれちょーだい。」
「はいよ、銀貨2枚だな。」
なんとびっくり、この短剣ちゃん棚のロングソードと同等のお値段だ!
確かに造りもしっかりしてそうだが、材料費の差はどうした。
「言っておくが、そっちの数打ちの品と違ってこっちのダガーはしっかり造り込んである。値段はその手間賃だ。」
どうやら見透かされたらしい。
俺のポーカーフェイスを見破るとは、やるなっ。
《・・・。》
カナデさんが無言の威圧してくるがここはスルーで一択だ!
言われた通りダガーを買うと、「オマケだ。」といってモンスター剥ぎ取り用のナイフをくれた。
「お前さん、冒険者だろ?それくらい持っときな。」
渋っ!かなり良い方面で渋いおっさんだった。良い人そうだ。
しっかり礼を伝えて次へ向かう。ダガーは腰の後ろ側へ装着。
剥ぎ取りナイフは左脚にホルスターを巻きつけてある。
(にしても俺の身なりを見て冒険者と判断するなんてあのおっさんかなりのやり手か?)
《いいえ、マスター。マスターのギルドカードを見てのことでしょう。》
うっかり凡ミス。そういえば首からかけてるの忘れてた。
どうか俺の茶目っ気を許してほしい。
続いて防具屋。
ここでは革製の胸当てと、同じく革製の外套を購入。普通の品だ。
俺の筋力では金属製の装備はまず無理。
そして、マントって実は昔の王様が対暗殺用に使っていたって歴史があるくらいに背面防御に役に立つ。らしい。
ゲーム作ってる時にちょいちょい集めた無駄知識だから合っているかはネットに載せた人に確認してほしい。
何かあっても当方は一切の責任を負いかねます。
脚装備もあったので一応購入。ブーツっぽいヤツだ。これも革製。
まとめて買ったら料金を少しオマケしてくれたのと、手入れ用の道具一式をくれた。
ここのおっさんも良い人だったらしい。
この街のおっさん達は、良いおっさんばかりなのかな?それとも俺、チョロイン枠?物与えとけば懐くとでも思われているんだろうか?
何はともあれ良い感じに身支度を整えることができてその後もいくつかお店を回ってみた。
でも初めにチョイスしたお店以上に良さげなお店はなかった。
サービスしてくれたからって贔屓目でみていやしないか、自分が少しだけ心配になる今日この頃。
(元々の物価がわからないから状況が全然わからない。カナデは何かわかったことある?)
《大したことはわかりませんでしたが、若干食料品の価格が高騰しているようにみえました。
また、鉄製品と薪などの燃料類も僅かばかり高騰しているようです。》
(少しだけだと分かりづらいな。でも、ちょっとくらいなら誤差の範疇かな?)
《・・・はい、マスター。引き続き情報を集めてみます。》
カナデの言う情報収集とは、ただ単に周りの世間話を聞くだけだ。
といっても俺の耳を通して聞いた情報を同時に何人分も分析できるらしく、その集約力は高い。
なので無駄にあっちいったりこっちいったりと歩き回っても、意味があるのだ。決して俺が迷子な訳ではない。
(うん、お願いね。)
情報関連はカナデに丸投げして、俺は今日最後のお目当てのお店にやってきた。
【魔法具・魔法薬、取扱い処】
センスの欠片もない店構えと店名だ。
一見どころか、何度見てもただの民家。
店名もコレ名前なの?って感じの内容だし。
掲げている看板もなく、扉の横に板が立てかけてあるだけという徹底ぶり。
客を呼び込もうって気概が皆無だ。
一応間違いがないか確認の為ノックする。
トントントン
シーン
トントントン
シーン・・・
「え、留守なの?」
返事がない。ただの扉のようだ。
当たり前だ。どうみてもコレはただの木製扉。話しかけても応えてはくれないだろう。
家の周りに落ちているプランター的なアイテムを壊したりしたら小さいメダルとか出てこないかな?もしくはお金とか?
ココでただ突っ立ってても何もわからないので、能力発動。
「えっと、『魔力感知』。」
一見するとただの民家にしか見えなかったが、どうやらココには何かしら魔法的なサムシングが作用しているらいし。
「家全体を薄く魔力が覆ってる?
ぼんやりと、うっっっすーーーい魔法円みたいなのも見える?気がする?
これって結界とかそういう幻想的な仕掛けなのかな?」
《はい、マスター。微弱ですが、物理・魔法両面の保護結界が働いているようです。》
なんで?店に保護ってことは、店が危害を加えられる可能性があるってことで、異世界地上げ屋でも来るのココ?
「この街には気の良い人が沢山いたし、治安も思ったほど悪くないかなって思ってたんだけど、まさかこんな展開になるとは、な。」
平和そうに見えても、やはりココは異世界。
こっちの地上げ屋は家屋でまで攻撃するとは、物騒極まりない!
しかし、頑張って『魔力感知』してたらお店の中から1つの魔力を捉えた。
なんか小さくまとまってるけど、そんなに勢いのない感じ?
「つまり、居留守だな。」
《はい、マスター。居留守ですね。》
地球人も異世界人も所詮は人間。やることが同じでコスかった。
ドンドンドンッ
「おーい、いるのはわかってるんだぞー!出てこーいっ!」
懸命に扉を叩く。常識的で紳士的な行為だ。
流石は一般人な俺!
『魔力感知』を使って結界の薄そうな所を重点的に攻める!
「おっ、なんか抵抗が弱い感じがするぞ!壊せそうな気がするーーーっ!!」
バンッ ゴッ
「やめんかぁーー!!ってなんじゃ?いまの衝撃は?」
「いっってぇーー!何すんだよバーさん!急に開けるから扉に頭弾き飛ばされたじゃんよっ!」
「さっきからドンドン叩いていたのは貴様か小娘っ!
いったい儂の家になんの用じゃっ!
扉を壊したいなら余所でやってくれないかっ!」
「な、人に扉ぶつけておいて開き直りか?!性質悪いなっ。性格悪いぞバーさん!」
「さっきからバーさんバーさんって、それが淑女に対する口の利き方かいっ!」
バーさんの杖が物凄い勢いで襲い掛かってくる!
「いてっいててっ!どこが淑女だよっ!老婆の間違いだろっ?!
人が紳士的にしてればさっきからボカスカボカスカとぉ!殴りすぎだろー、が!」
連続で振り下ろされるバーさんの杖を、自分の杖で迎え撃つ!
弾き飛ぶ杖。
あ、それ俺のだ。
ここぞとばかりに怪しく光るバーさんの瞳。
更に激しくなる乱打!
叩かれ、腫れ、物理的に熱くなる程に傷熱!
迸る程に激痛!
ヒドイ!痛い!執拗!しつこい!激しい!
「ってもうやめーーーい!!」
ボコボコになった左腕でバーさんの杖を掴み、ボロボロの顔で睨みつける。
ガクガクする膝を押さえつけながらなんとか立ち上がり、サメザメと終幕を訴える。
「はー、はー、はー、はー。
も、もう、いい加減、止めてくれませんかねぇ~?」
「ふー、ふー、ふー、ふー。
こ、これくらいで根を上げるんじゃないよ。
これだから最近の若いモンは・・・ふー、ふー。」
「もう、息するのも、ツ、ツラいなら、いい加減、息を止めろよ、バーさん。」
「バーさんバーさん、お言いでないよっ!」
鋭く突き出された杖が、俺の眉間を激しく穿った。
お読みいただきありがとうございます。
想君の身支度編?です。
現在の装備、及び恰好は
所持武器
短剣ちゃん
手製の木杖
革製の胸当て(こげ茶)
革製のマント(濃い黒茶)
革製のブーツ(茶色)
布の服(生成色)
布のズボン(黒)
背嚢
剥ぎ取り用ナイフ
雑貨いっぱい
所持金
銀貨35枚
銅貨87枚
あと、青痣とタンコブを大量に装着しました。
お婆さんに物理的戦闘で負けてしまう迷宮主。
想君、弱すぎですよ?
次回予告。
お婆ちゃんと一緒
よくある鉄板
色々汚い




