その1 世界観
暇つぶしに読んでもらえたら幸いです。藤波真夏
まずは一番最初、物語の構想についてです。
最初は些細なことでした。私はよく自転車でバス停まで行くのですが、その通り道に木々が生い茂る場所が多くあり、そこを通っていました。そして夜になると街灯が少なく、自動車のライトを頼りに自転車を走らせていました。すると木々の間も真っ暗なために、奥が見えない状況でした。それを夜遅くに通るととても怖かったです。
まるで木々の間からお化けが出てくる、といつも感じていました。
そこからお化けをアヤカシとして捉え、そして人と森の境界線がはっきりとしていると思います。なんかガードレールとかがあると思いますが。そこでアヤカシ草子の中にある設定「人間は森に入り込んではいけない」という設定ができました。
そして本編中に登場する主人公の陽とヒロインでアヤカシの十六夜が初めて出会うところがありますが、それは私が住んでいる地域にある森を参考にしました。そこは私が小中学生の時、通学路で近くを歩いていました。子供の頃から慣れ親しんだ場所で現在でも子供たちが夏になると虫採りをしている森です。
そこに開けた場所があってそこをモチーフにしました。そして十六夜が岩の上で笛を吹いている冒頭シーンの岩はこれは先ほどの自転車に乗ってバス停まで行く道に、岩が積み重なりその上に大きな岩がありました。それを勝手ながら引用させていただいて、本編のようになりました。
そして『アヤカシ草子』の世界はヒノモトを舞台にしています。
ヒノモトは日本の昔の様子をモチーフに考えました。ヒノモトという名前も日本を別の言い方にすると「日の本」というようになることからそれを採用しました。
昔の日本を想像していただければと思いますが、庶民がいて、武士がいて、天皇がいて、ということを日本史などで学んだのではないか、と思います。アヤカシが森に住んでいる、というフィクションを除いては全て昔の日本の姿を描かせていただきました。
そして犯してはいけないタブーについても世界観の中に取り込みました。
最後の方で明らかになる大君が古来の神(守護神)を神を永遠に葬る神滅したという箇所があったと思うのですが、神を殺すとい意味をここではタブーとさせていただきました。
このような断片的なものを集めて『アヤカシ草子』の柱ができました。
最後まで読んでくださりありがとうございました。藤波真夏