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養育係はかく語りき

「黒騎士様の明日はどっちだ?!」の番外編です。本編を読んでいないと意味不明ですので、ご注意ください。


時系列的には5話と6話の間です。


 お疲れでございましょう? ああ、やっぱり。お茶でもお酒でも差し上げたい所なのですけれども、お召し上がりにはなれないのですよね。


 心苦しい限りでございます。


 神官長様も悪い方ではないのですが、なんといいますか、一途というのか思い込みが激しいというのか……。


 そうなったのも、養育係であったわたくしどもの不徳の致すところではございますけれども。


 あの方は現国王の次男で、王位継承権も第二位と高い身分にあられます。その上、あのように類まれな容姿をお持ちですので、何か間違いを起こされるくらいならば、黒騎士様を慕っていただいた方がましだと、お諌めするどころか、むしろ助長してしまったという面もあり……はい、まことに申し訳ないことでございます。


 黒騎士様なら、きっとこうおっしゃる、などと申して、わたくしどもの都合の良いようにご威光をお借りしたのも、いけなかったのでしょう。


 でも、優秀な方であることは確かなのですよ。黒騎士様が顕現されたときに、国が荒れていてはがっかりなさるに違いないと国内視察を繰り返しては状況に応じた改善策を提案なさるなどして。国王たる父君や王太子の兄君との関係も良好で、よき相談相手となっていらっしゃいます。


 まあ、そのおかげで、私腹を肥やす方々からは煙たがられておりますけれど。


 ええ、暗殺者が送り込まれて来たこともあれば、籠絡しようと女達が送り込まれたこともありました。すべて無駄に終わりましたけれども。


 申し上げましたように、とても優秀な方ですから、黒騎士様に引けをとってはならぬと武芸の鍛錬にも励まれた結果、並の神殿騎士以上に腕が立たれるので護衛いらずでいらっしゃいます。


 それに女性にも興味はないようで……黒騎士様をのぞいて、ですけれども。


 いつか黒騎士様と再びまみえた際にお言葉を賜りたいと常々望んでいらっしゃいまして、時間があるならば、騎士様達がお使いになる文字も覚えたいとおっしゃっていました。


 ええ、今も黒騎士様の意思を速やかに汲み取れるよう、白騎士様のご滞在中に辞書をつくりあげねばと張り切っていらっしゃいまして。


 白騎士様にはまことに申し訳ないのですが、しばらくお付き合いいただければと……白騎士様? まだ、いらっしゃいますよねっ?!


甲冑愛こじらせたのは、白騎士のせいだけではなかった、と。


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