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平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)  作者: 池崎数也


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第二百四十話:蠢動 その4

 夜が明け、地平線から日が昇り始めた刻限。即応部隊の基地中に鳴り響いた警報音に、博孝は弾かれたように顔を上げた。


「警報……それもいきなり第二種戦闘配備だって!?」


 武治の遺体に関する処理を申請し、短いながらも仮眠を取ろうとした矢先に発令された警報。それは戦闘準備を告げる警報音であり、通常ならばいきなり発令されることはない。

 発令されるとすれば下位の、戦闘警戒を促す第三種戦闘配備の警報が先だ。第二種戦闘配備にもなると、臨戦態勢を示す第一種戦闘配備にいつ切り替わるかわからない。


 近隣の市街地でも同様の警報が鳴らされているだろうが、第二種戦闘配備となると市街地では緊急事態を除いて外出を禁止し、自宅で待機する必要がある。下手すると戦闘に巻き込まれる危険性があるため、屋内に留まっている方が“少しは”安全なのだ。


 寝起きだろうと即座に行動できるよう野戦服を着込んでいた博孝は、軍用ブーツを履いて寮の自室からすぐさま飛び出す。廊下には博孝と同様に部屋から飛び出してきた部隊員が多く、互いに顔を見合わせると駆け足で業務用施設へと向かった。

 既に何人かの部隊員が業務用施設前に整列しており、博孝は人員の確認をしつつ砂原の到着を待つ。そして部隊員が集まるなり砂原が姿を見せ、部隊員の顔を見回してから口を開く。


「警報の発令から集合まで一分少々……気が抜けていないようで何よりだ」


 そう言いつつ口の端を吊り上げる砂原だが、目が笑っていない。普段ならば合いの手を入れる斉藤も口を閉ざしており、静かに砂原の言葉を待っている。

 非常事態でも迅速に集合できるよう、抜き打ちで訓練を実施したのならば話はそれで終わりだが、砂原が意味もなくそのようなことをするはずもない。


「さて、時間も惜しい。手短に説明するが、警報の発令と同時に最優先で命令が下された」


 そう言いつつ、砂原は自身の携帯電話に視線を落とす。普段ならば機密性を優先し、命令が届くとしてもいくつかの手順を踏むのだが、緊急事態に限り部隊長の携帯電話宛に命令が届くことがある。

 いちいち正式な命令を待っていては間に合わないため、現時刻を以って有効となる命令書が“後出し”で届くのだ。現場の部隊に混乱を招きかねないため余程の事態でもない限り取られない手段だが、裏返せば現状がその“余程の事態”に該当している証左でもある。


 ――日本海及び太平洋に大規模の『ES寄生体』、『ES寄生進化体』の出現を検知。各部隊はこれを撃滅すべし。


 そして、砂原から伝えられたその内容に部隊員達は表情を硬くした。所属不明艦が日本海や太平洋で頻繁に排他的経済水域への侵入を繰り返していたが、今度は『ES寄生体』と『ES寄生進化体』の存在が確認されたらしい。

 『ES寄生体』などが海に出没するのは珍しいことではないが、それが大規模となると話は別だ。かつて起きた『大規模発生』と同様に――あるいはそれ以上に厄介な事態と言えるだろう。


「現在近隣の部隊と連絡を取っているが、同様の命令が下っているようだ。我々即応部隊にも命令が下されている点を考えるに、近海で展開している護衛艦群および沿岸の部隊だけでは手に負えない規模なのだろう」


 砂原がそう話している間にも、業務用施設からは慌ただしい様子で兵士が出入りしていた。中には砂原に書類を手渡している者もおり、次々に続報が飛び込んでくる。


「日本海および太平洋で確認された『ES寄生体』の数は……少なく見積もっても千を超えるようだ。どうやら日本の国土が余程美味しいエサに見えるらしい」

「そいつはなんとも……釣り糸を垂らせば爆釣ですな」


 『ES寄生体』と云えど、その数は千を超える。衝撃的なその内容を少しでも軽くしようと笑う砂原と、それに乗る斉藤。しかし部隊員の中でも若手の面々は表情を強張らせており、それを察した博孝は近くにいた福井を肘で突く。


「そういえば福井軍曹、以前の休暇で釣りをしてましたよね? ここは一つ、その腕前を見せてもらえますか?」

「……河原崎少尉? それはもしかしなくても、俺一人で大量の『ES寄生体』を倒してこいって言ってるような……」


 そもそも竿がもたないだろう、と呟く福井だが、博孝は笑顔でサムズアップした。


「ここ最近の訓練の成果を見せる時が来たんですよ? なあに、軍曹なら『ES寄生体』の百や二百、ちぎっては投げちぎっては投げと」

「できるわけないだろう!?」


 からかう博孝と叫ぶ福井だが、砂原が右手を上げると即座に口を閉ざして『休め』の姿勢を取る。


「河原崎少尉の言う通り、『ES寄生体』の百や二百程度ならば軽く殲滅できる……が、それは相手が固まって動いていればの話だ」


 『ES寄生体』を軽く殲滅すると言い切った砂原に多くの部隊員が視線を逸らしたが、砂原としては大きな懸念があった。


「海棲の『ES寄生体』だけならばまだしも、鳥型の『ES寄生体』も多く確認されている。それらが“散開して”向かってきている以上、こちらとしては部隊を広く展開しなければならん」


 敵が固まって移動しているのならば、『爆撃』の一発で木っ端微塵にできる。しかし、敵は海中、海上、空中にわかれ、なおかつ多方面に向かってバラバラに動いているようだ。


 いつ、どこに接近してくるかわからず、海上に展開している護衛艦群でも多くの撃ち漏らしが出るため、日本の沿岸部に部隊を広く展開させて迎撃するしかない。

 『ES能力者』の部隊だけでは数が足りないため、対ES戦闘部隊や通常の部隊まで投入して防衛線を構築する必要があった。それに合わせて、海岸付近の街や港からは民間人を内陸部に避難させる必要もある。


「空戦の者は海上に進出して戦うこともある。陸戦の者は沿岸からの援護射撃および防空網を抜けてきた敵の処理が主任務だが、今回の戦いでは臨機応変な対応が必要となるだろう。諸君らの奮闘に期待する」

『了解!』

「それと、他の部隊と連携しながら戦闘を行う必要もある。各小隊長は常に無線のチャンネルをオープンにしておけ。迎撃地点に関しても指示を飛ばす。それでは解散だ」


 手短に話を終えると、今度は小隊単位で防衛地点を割り振っていく。今回は沿岸部に展開する必要があるが、戦力を広く薄く配置しなければならない。

 『ES寄生体』や『ES寄生進化体』の動き次第だが、場合によっては分隊単位での運用も求められる。


(昨日の今日でこの大攻勢、さらには戦力を広く割かざるを得ない配置……紫藤伍長の言っていた通り、こちら側の動きを見越して枷を嵌めてきたか)


 表面上は無感情に、それでいて内心では舌打ちをしつつ砂原は思考する。武治からは敵が動くと聞いていたが、まさかここまで早く、それでいて大規模とは思っていなかった。

 ここまでの規模となると、即応部隊というよりも日本という国家そのものの危機と言って良い。今頃は源次郎が率いる日本ES戦闘部隊監督部も大騒ぎになっているだろう。


(海棲の『ES寄生体』ならば陸地には上がれんが……いや、『天治会』のことだ。魚類に手足を生やして運用しかねん)


 海棲の『ES寄生体』は体が大きいものの陸上移動ができず、海を航行しない限り損害は出ない。だが、ここまでくれば魚に四足が生えて陸地に攻め込んできても驚くまい。そうでなくとも、陸地に向かって『射撃』を撃たれるだけで被害が出るのだ。


 そんなことを考えながら部下に指示を飛ばしていた砂原だが、他にもいくつかの懸念が頭を過ぎった。


 武治が言うには、『天治会』が博孝を“回収”するべく動いているらしい。今回の騒動は陽動の可能性もあるが、放っておけば大きな被害が出る以上対応せざるを得ない。そうなると、博孝にだけ構うわけにもいかなかった。

 博孝の安全だけを考慮するのならば、博孝を別の小隊に移しても良い。小隊として積んできた連携の技術などは低下するだろうが、砂原か斉藤が同行すれば並大抵の敵は容易く撃退できる。


 しかしそうなると第三空戦小隊の小隊長に適任な者がおらず、この状況にあって貴重な空戦一個小隊の戦力が激減するだろう。沙織か恭介に率いさせればある程度は“見られる”だろうが、バランス的には博孝が率いる方が遥かに良い。


(……今回は小隊同士の距離も近い。離すべきではない、か……)


 前回の戦いならばともかく、今回は陸地から大きく離れることもないだろう。小隊同士の距離もそこまで離れておらず、他の部隊も近隣に存在するため、有事の際にも援軍を呼びやすい。

 また、博孝と沙織をセットにしておけばそうそう問題にもならないと砂原は考えていた。熟練の『ES能力者』、それも独自技能保持者であるフェンサーとも渡り合えるまで育っている以上、時間稼ぎに徹すれば早々危険もない。


 砂原が博孝に視線を向けると、それに気付いた博孝は迷うことなく頷いた。武治の話も気にかかるが、今は戦力の配置転換を行える状況ではない。それならば部下を信じるべきだろう。

 ただ、拭いきれない懸念があるとすれば、それは。


(伍長の言っていた『奴ら』……その正体が見えないのは不安要素だな。それに、紫藤上等兵をどうするか……)


 内心でそれだけ呟くが、今は思考している時間もそれほどない。“敵”の詳細が不明というのも気にかかり、昨晩父親が命を落とした紫藤のメンタル面も気にかかる。

 博孝から報告を受けたが、武治の死を紫藤がどう受け止めたか判然とせず、下手なことをしないよう一晩中沙織を傍につけていた。今も警報に従ってこの場に集合しているが、紫藤の表情からは平常なのか落ち込んでいるのかも読み取れない。


(河原崎もそうだが、小隊の配置には気を配らねばな……)


 内心でそう呟いた砂原は一度だけ頭を振ると、部隊の指揮を執るべく動き出すのだった。








「俺達も移動しますよ……紫藤?」

「……え?」


 砂原からの指示を受けた市原は、傍らの紫藤に話を振った。しかし、返ってきたのは呆けたような声である。


 博孝にとっては後輩である市原達は、即応部隊の中でも陸戦に属している。特に市原と紫藤はその技量と姿勢から目をかけられており、期待の若手として扱われていた。

 それだというのに、紫藤の反応が悪い。普段ならば口数が少なくともやるべきことはしっかりとやるのだが、砂原の話を聞いてもどこか上の空だった。


「寝惚けてるんですか? 勘弁してくださいよ……対空戦なら貴女の十八番でしょうし、小隊長も期待してるんですよ?」


 紫藤は射撃系ES能力が得意であり、射撃戦だけに限れば即応部隊の中でも上位に入る。博孝のように数をばら撒いて弾幕を張ることはできないが、スナイパーのように単発で相手を仕留めることに向いていた。

 市原としては同期の中でも戦いたくない唯一の相手であり、そんな紫藤が気を抜いているのは珍しい。『ES寄生体』や『ES寄生進化体』の大規模攻勢と聞いて怖気づいたのかと思ったが、その程度で怯えるほど紫藤は小心ではないはずだ。


「寝惚けてる……」


 それでも、感情を見せずに呟く紫藤の姿を見れば不安が過ぎる。同じ釜の飯を食った身として、小隊の仲間として、市原は困惑したように視線を巡らせた。


「ああ……丁度良いところに。三場、ちょっとボケてみてください。紫藤もツッコミを入れれば目を覚ますでしょう」

「君が僕をどんな目で見ているのか問い詰めたいよ……って、紫藤さん? 体調でも悪いの?」


 慌ただしい状況だが、仲間をこのままにしておくわけにはいかない。そう判断した市原が三場に声をかけるが、三場は嫌そうな顔をしながら近づき、次いで心配そうな顔へと変わる。


「ちょっと遙? どうしたの?」


 さらに二宮も近づいて声をかけたが、紫藤は大きな反応を返さない。


 なんでもない、と突き放そうとした紫藤だが、このままではいつまでも仲間達が心配するだろう。足元が常に揺れているような錯覚を味わう紫藤だが、それでも仲間に心配をかけないよう配慮するだけの思考能力は残っていた。


「……三場君の顔を見たら体調が悪くなった」

「ひどっ!? いくらなんでもそれは酷いよ!?」

「……三場君は罵られると悦ぶはず。偽者?」

「僕に何か恨みがあるの!? 前々から何度も言ってるけど、異性に罵られて喜ぶ趣味はないからね!?」


 目を剥きながら三場がツッコミを入れると、紫藤は視線を地面に落としてしおらしい様子で頭を下げる。


「ごめんなさい……」

「あ、いや、こっちも本気で怒ったわけじゃあ……」

「三場君は物理的に叩かないと悦ばなかった」

「やめてよっ! 上官や先輩が本気にしたらどうするの!?」


 畳み掛けるように攻撃してくる紫藤に対し、三場は周囲に視線を向けながら焦った様子で声を張り上げた。そもそも、この緊急事態で暢気に騒いでいる余裕もないだろう。そう考えた三場だったが、意外にも上官から叱責されることはなかった。

 むしろ間宮などの実戦経験が豊富な士官は、この状況で軽口を叩く余裕があるのは大したものだと感心してすらいる。さすがに度が過ぎるようならば注意するが、緊張状態でも軽口を叩けるというのは貴重だ。


 そこには紫藤の“境遇”を砂原から伝えられていたというのも大きい。陸戦部隊を指揮する間宮には昨晩の出来事について情報が共有されており、紫藤に関しては何かしら手を打つ必要があると思っていた。

 それを訓練校以来の仲間が担うというのならば、間宮から言うことはない。周囲の部下に指示を飛ばしつつ、博孝達といい、市原達といい、最近の新兵は精神的にも鍛えられていると満足そうに微笑んだ。


「なんだ、三場は特殊な趣味を持ってるのか?」

「おいおい、叩かれて喜ぶなんてな……頼むから敵に叩かれようとして前に飛び出したりするなよ?」


 陸戦各小隊の配置に関して割り振りの相談をしつつ、比較的市原達と歳が近い部隊員がからかいの声を飛ばす。それを聞いた三場は絶望的な表情へ変わり、その場に膝を突いてしまった。


「……これで部隊内に変な噂が蔓延したら恨むからね」


 からかれているのはわかっているが、だからといって納得できるわけではない。三場が絞り出すようにしてそれだけを呟くと、紫藤は数度瞬きをしてから表情を緩める。


「ごめん……でも、ありがとう」


 さすがにからかい過ぎたが、落ち込んでいる時に少しでも笑えたのならば大きな助けになる。紫藤が自然と微笑んで礼を言うと、何故か三場は硬直してから視線を逸らしてしまった。


「い、いや、まあ、別にいいんだけどね?」


 そんな三場の様子を見て不思議そうに首を傾げる紫藤だが、先程までよりは気が緩んでいるのを感じる。父親である武治の死、母親の保護など気になることはあるが、とりあえずは目の前の仕事に気を向けることができそうだ。


 博孝の話を信じるならば、武治は妻子を盾にされて『天治会』へと所属していたらしい。つまりは自分のためでもあった、と紫藤は内心で呟くが、長年の恨み辛みは簡単に消化されそうにない。

 博孝は『自分を恨んでくれて良い』とも言っていたが、それで恨みの矛先を容易く変えられるような性格でもなかった。そのため、まずは目先の任務を乗り越えてから好きなだけ悩もうと紫藤は思う。

 どう足掻こうと、武治は既に死んでしまった。これまで紫藤を支えていた“目標”が突然消失し、なおかつこれまで知ることがなかった――知りたいとも思わなかった事情が浮き彫りになりつつある。


(今回の件にまで『天治会』が絡んでいるかわからないけど……)


 紫藤にとっては武治こそが討ち果たす敵であり、武治が所属していた『天治会』のことはそこまで気にしていなかった。だが、『天治会』こそが武治を操っていたのならば、恨みと怒りの矛先を向けるに足る。

 まずは目の前の窮地を乗り越えよう。紫藤はそう思い、静かに両拳を握り締めた。








「おら、テメエらさっさと動け! さっきの警報が聞こえなかったのか!?」


 ところ変わって、即応部隊の基地の中でも対ES戦闘部隊の面々が集まる一角。そこには部下達の尻を蹴り飛ばしつつ、己の準備も整える野口の姿があった。

 第二種戦闘配備の警報音が鳴らされるとは穏やかではないが、野口からすればやることは一つだけだ。向かってきているのが『ES寄生体』や『ES寄生進化体』である以上、いつも通りに狩るだけである。


(ま、『ES寄生進化体』の方はちぃとばかし勘弁してほしいがね……)


 特殊技能を発現する『ES寄生進化体』が相手となれば、下手をすると部隊が消滅してしまう。さすがにそちらは『ES能力者』に任せたいが、状況次第ではそんなことも言ってられない。

 野口は武器庫で今回の任務に相応しい武器を見繕っていたが、経験の浅い部下が散弾銃を引っ張り出しているのを見て再度尻を蹴り飛ばした。


「アホか! 今回相手にするのは鳥型の『ES寄生体』だぞ? 散弾銃なんぞ役に立つか!」


 獣型の『ES寄生体』を相手にするならばともかく、有効射程距離が短い散弾銃を持ち出して何をするというのか。それならば小銃で弾丸をばら撒いた方が余程効果的だ。


「対物ライフル持ってこい! それと弾幕用に小銃だ! 装甲車用の弾も積んどけよ!」

「弾の種類はどうします!?」

「対『ES能力者』用の弾丸は限りがある! 通常弾でも牽制になるから積めるだけ積んどけ!」


 部下に指示を出しながら自分自身の装備も整える野口。『ES能力者』と共同で任務に当たるが、備えておくに越したことはない。


(……ん?)


 自分と同じように装備を整えている者が多いが、他の小隊――特に“上”からの指示で即応部隊に派遣された面々の様子が少しばかりおかしく見えた。

 野口達と同じように武装のチェックを行っているが、選んでいる武装が“対人”に偏っているような――。


「小隊長! こっちのチェックもお願いします!」

「おう、今行く!」


 部下から掛けられた声に、脳裏に浮かんだ疑問を打ち消す。野口は曹長であり、他の小隊に口出しできるような立場でもない。それに加えて今は一刻を争う事態であり、少しでも良い武装を整えられるよう奔走するのだった。


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[一言] おい、野口さん、死ぬな!
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