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平和の守護者(書籍版タイトル:創世のエブリオット・シード)  作者: 池崎数也


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第二百二十四話:激突 その11

「死者三名、重傷者四名、軽傷者が四名か……」


 『いなづま』へと帰還した博孝を出迎えたのは、今回の戦いにおける大きな被害という現実だった。

 各小隊を率いる小隊長である砂原や斉藤、博孝は軽傷で済んでいるが、小隊員達は負傷が目立つ。それどころか死者まで出ており、負傷していないのは大暴れして気を失ったみらいだけという有様である。

 即応部隊が設立されてから一年近く経っているが、これほどまでの被害を受けたのは初めてのことだった。『いなづま』で待機していた市原からこれらの情報を聞いた博孝は、重苦しいため息を吐き出す。


 ラプターが率いる一個小隊と遭遇した砂原は部下を一名失い、二名が重傷。あの砂原でさえ手傷を負って帰還した。

 第二空戦小隊を率いる斉藤は部下を二名失い、斉藤と福井が重傷と呼べないまでも負傷している。斉藤は『零戦』の第一空戦小隊と共に帰還しているが、敵の一個中隊は取り逃がしたらしい。

 そして、博孝が率いる第三空戦小隊もボロボロだ。みらいを庇った恭介は意識不明の重体であり、現在も治療中。沙織は戦闘自体は可能だが、左腕や肋骨を折られている。


 博孝も戦闘で多くの『構成力』を消耗し、『活性化』を多用した影響で体が鉛のように重い。みらいは怪我らしい怪我をしていないが、未だに意識を取り戻さなかった。

 自らの怪我を治し、沙織の治療を行いつつ情報を整理した博孝は頭を抱えたくなる。戦闘中は考えないようにしていたが、これほどまでに部隊の被害が大きいとなると今後の活動にも支障を来たすだろう。

 『天治会』のメンバーは源次郎が駆け付けたのを察知したのか、波が引くように撤退した。現に、源次郎がそれぞれの空域へ来援した頃には影も形もなかったのである。


(部隊もだけど、それ以上に厄介なのが……)


 声には出さないが、辟易とした心境になりながら博孝は視線を移す。その視線の先にいたのは源次郎であり、警戒を含んだ顔付きでみらいを観察していた。


 現在の博孝達は『いなづま』の艦内、士官食堂に集合している。本当ならば負傷者を医務室に運び込みたいのだが、重傷者の治療で手一杯であり、『支援型』の手を借りずとも治療できる者達は士官食堂に集合していたのだ。

 みらいは船室から引っ張り出してきた折り畳み式のベッドに寝かされており、源次郎はこの場から一向に動こうとしない。


「……救援をしていただき、ありがとうございます閣下」


 そんな源次郎の様子を疑問に思ったのだろう。部下達の容態の確認を切り上げた砂原が声をかける。


「砂原か……お前ともあろう者が不覚を取ったな」

「はっ……申し訳ございません」


 何故源次郎がこの場にいるのか。そんな疑問を押し殺し、砂原は頭を下げた。源次郎の言う通り、今回の一件は手痛い敗北といえる。撃墜比では勝っているが、仕留めたのは『アンノウン』ばかりだ。敵の主力は取り逃がしている。


「いや、良い。今回の件はイレギュラーが多かった」


 部下達の死を肯定するわけではないが、『仕方がなかった』と源次郎は言う。


 ラプター、ラファール及びその部下達、フェンサー、それにベールクトという『天治会』の主力と思わしき者達に、『アンノウン』の群れだ。即応部隊の空戦一個中隊で撃退することができたのは、むしろ上出来と言えるだろう。

 数が多く、質も優れたものだった。それでも撃退できたのは、即応部隊の優れた練度の賜物だろうと源次郎は言う。


「ありがとうございます……が、死んだ部下の遺族には」

「無論、可能な限りの援助をする。その点は約束しよう」


 事務的なやり取りを行う二人。博孝は源次郎と砂原の会話を聞いていたが、二人の間に奇妙な緊張感が発生していることに気付く。砂原は何かを警戒するように源次郎を注視しており、源次郎は砂原を視線を合わせていない。


「それで中将閣下――小官の部下が何か?」


 『いなづま』に戻ってくるなり、源次郎は博孝とみらいの傍から離れていない。本来ならば事態が終息すれば日本ES戦闘部隊監督部へ戻るであろう源次郎の行動に、砂原も疑問と警戒を抱いていた。

 そんな砂原の疑問を受け止めた源次郎はみらいから視線を外し、今度は博孝へと視線を移す。


「砂原、お前も先ほどの違和感を感じ取ったはずだ。俺はその確認のために来たが……」


 そこまで言って、源次郎は少しだけ表情を和らげた。そして眠ったままのみらいに視線を戻すと、みらいの寝顔を見ながら安堵したような口調で言う。


「“アレ”を発現したのが味方で良かった……話を聞く限り、発現にも条件があるようだしな。もしもの場合は斬らねばならなかったが、この様子ならばそれも必要はないだろう。もっとも、目を覚ましてからの様子を確認しなければ断言もできんがな」


 下手をすると、みらいが斬られていた。それを聞いた博孝は静かに殺気を滲ませたが、傍にいた砂原が視線でそれを制する。


「閣下は何かを御存知の様子ですが、我々は知りません。可能ならばお話をお聞かせ願いたいのですが」

「ふむ……」


 博孝とみらいを庇うように位置取り、源次郎へと質問を行う砂原。それを聞いた源次郎は目を細め、顎に手を当てて思考に耽る。


「我々も聞きたいものですな。さすがに今回の件は腑に落ちません」


 そして、そんな砂原を後押しするように藤堂が声をかけてきた。その後ろには『零戦』のメンバーが続いているが、それぞれ大きく負傷した様子もない。


「藤堂か……被害は?」

「ありませんが、他の小隊も敵と交戦したようです。部下達は負傷しても手傷程度ですが、他の部隊では被害が出ているとか」


 淡々と報告する藤堂だが、その瞳にはこの場に源次郎がいることに対する警戒心があった。日本の『ES能力者』を統率し、世界的にも『武神』とあだ名される源次郎が突然出撃したとなれば、警戒しない方がおかしいだろう。

 “上”の中でも重鎮である山本に指揮を任せてきたというが、突然の出撃となれば他の高官から追及される可能性が高い。それに加えて、『零戦』や即応部隊の面々に疑問と不信の念を植え付ける可能性もあった。

 源次郎は周囲の様子を確認すると、士官食堂の端へと移動する。博孝達がそれに続くと、源次郎は仕方がないといった様子で口を開いた。


「この話は重要機密でもあるが……諸君らの中には実際に目の当たりにした者もいる。話しておいた方が良いだろう」


 博孝に沙織、砂原に斉藤、それらの即応部隊に加えて『零戦』の面々。それぞれ機密を漏らすような真似をするはずもなく、源次郎は自身が口にした通り話しておくべきだと判断した。


「前もって断っておくが俺も、詳細までは知らん。ただし、“アレ”が危険なものだと知っているだけだ」

「……それはどういうことです?」


 詳しいことは知らないと言い放つ源次郎に、砂原は怪訝そうな声色で尋ねる。機密だから言えないのではなく、源次郎としても詳細な情報を持っていないというのだ。


「過去に交戦したことがある、というだけの話だ。遠い昔に三度だけだが、“あの気配”を放つ敵と戦ったことがあった」


 そう言って源次郎は遠くを見るように目を細める。遠い昔の出来事を回顧するような、それでいて苦いものを噛んだような、複雑な表情だった。


「俺の『空間操作』と同種か、あるいは類似した能力を持つ相手でな。ここ三十年ほどは噂すら聞いた覚えがなかったのだが……」


 三十年という時間を経てなお、源次郎が即座に出向くほど印象の強い出来事。それほどの事態だと悟った博孝は、寝かせたままのみらいを窺い見る。


「敵ならば非常に厄介だった。もし味方だとしても、暴走しているのならば斬らねばならなかった。そのために駆け付けたのだが、最悪の事態は免れたようだ」


 傍に立てかけた『斬鉄』を目線で示しつつ、源次郎は言う。源次郎が職務を放り出してでも即座に討伐に出向くほどに危険な能力であり、それが敵のものだったならば非常に危険だった、と。


「どのような能力かをお聞きしてもよろしいですか?」


 みらいから視線を外した博孝は、念のために確認を取る。源次郎は確信を持っているようだが、初めて話を聞いた博孝からすれば源次郎の勘違いではないか、と疑ってしまう。


 ――むしろ、勘違いだったと判断してほしかったのかもしれない。


 源次郎がそこまで言うのならば、みらいの身柄はどうなるのか。

 博孝が『活性化』と『収束』を使い、死力を尽くしてようやく突破できるほどの防御力を持っていたのだ。みらいが目を覚ましてから事情聴取を行い、必要な情報を得た後は始末するという話になりかねない。


「そうだな……二級特殊技能の『干渉』は知っているな? あれは自分の周囲の空間に干渉し、敵対した相手のES能力の発現を妨げる能力だ。例えるならば“場を塗り替える”力とも言える」


 交戦したことはあるが、『干渉』に関して実際に習得しているわけでもない。そのため博孝が尋ねると、源次郎は説明をしながら砂原に視線を向ける。


「ただし、『干渉』はあくまでES能力を発現しにくくなる程度の能力でしかない。相手が普通の訓練生レベルならES能力の発現を完全に妨害することも可能だが……そこにいる砂原のように、強引に打ち破れる者もいる」


 そんな源次郎の説明に、博孝は過去の記憶を探り出す。訓練生時代の任務で『干渉』を使う敵と遭遇したことがあったが、その際砂原は容易く敵を屠ってみせた。


「『空間操作』はその上の能力で、俺は攻撃と防御の両方に使っている。文字通り空間を操作し、例え強力な『ES能力者』の強力な攻撃だろうと防ぎ切り、強固な防御も破壊する能力だ……まあ、例外はいるがな」

「例外ですか?」


 博孝からの治療を受けながら話を聞いていた沙織が首を傾げる。源次郎は詳しい話を省いたが、一級特殊技能と呼ばれるに足る強力な能力だと思えたのだ。

 訓練生時代に『空間操作』に関して習ったことがあるが、その時は砂原からの伝聞であり、実際に使用している源次郎から聞く限り『収束』と同様に攻防一体の能力に聞こえる。


「過去に三度交戦したその敵と……あとは砂原だな。正確に言えば、砂原の『収束』で防御を抜かれたことがある」

「ああ、そういえばそんなこともありましたね」


 藤堂が相槌を打つが、『零戦』のメンバーは全員が知っているのか納得した様子で頷いている。一体何をやっているのだろう、と博孝は砂原に視線を向けたが、今回博孝も似たようなことを成し遂げていた。


「さて、落ち着いたところで河原崎みらい軍曹の様子を詳しく聞きたいのだが」


 軽く話をした源次郎は、今度は博孝へと水を向ける。沙織は戦闘の途中で離脱しており、詳細を知るのは博孝しかいないのだ。

 そのため博孝は観念すると、あの場で何があったかを話し始める。もっとも、何故みらいがあの能力を発現したかまでは直接見ていないため、憶測が混じる部分もあった。

 ベールクトを執拗に追うみらいと、フェンサーから告げられた共闘の申し出。さらにはフェンサーが口にした情報の数々と、博孝が自分の目で見て得た情報。それらを話し、周囲の者達と共有を図る。


「そうか……相手は独自技能保持者。それも『猛毒』だったのだな?」


 ベールクトだけでなくフェンサーが独自技能を操ると聞いた砂原は、どこか心配そうに確認を取る。ベールクトだけでも厄介だというのに、世界的に名の知れた独自技能保持者と新兵が交戦するなど冗談にもならない。


「あくまで毒っぽい感じだった、というだけでして……さすがに毒に中ったことはないので不明ですが、軽く触れただけでも痺れるような痛いような感覚がありました」


 フェンサーが発現していたのは『猛毒』だろう、と博孝は思う。しかしフェンサーもベールクトもそれを明言しておらず、確証は存在しなかった。


「ロシアも一枚噛んでいるのか? いや、『天治会』とまったく関わりがない国というのも皆無だからな……外交ルートを通じて抗議したとしても、知らぬ存ぜぬで通されそうだ」


 話を聞いていた藤堂が不快そうに呟くが、証拠がない以上は強く出ることもできない。外務省を通じて抗議を行うだろうが、それが実を結ぶとは思えなかった。


「攻撃を逸らす……射撃系ES能力が捻じ曲がるだと? 有効だったのが『収束』による一点突破だけという点では一緒だが、遠距離攻撃が曲がるというのは……」


 源次郎はそんな周囲の様子が耳に届いていない様子であり、博孝から聞いた話が信じられない様子で呟いている。源次郎は『空間操作』を発現できるが、みらいが発現したものとは性質が異なるようだ。


「何かおかしいのですか?」


 それに気付いた沙織が尋ねると、源次郎は考えをまとめるように何度か頷く。


「そうだな……俺の場合は空間を固めて防御に使用する。それはあくまで『盾』のようなものであり、飛んできた射撃系ES能力を曲げるようなことはできないのだ」


 みらいが発現した能力は、自分が発現する能力とは違うものかもしれない。源次郎はそう推察するが、実物を見ていないため断言はできない。もしかすると能力が不安定だっただけという可能性もある。


(だが、そうなると安定した場合全くの“別物”になる可能性も……)


 みらいは味方だからと自分を納得させていた源次郎だが、一抹の不安は拭えない。もしも被害を及ぼすのならば自分の手で仕留めようと思っていた源次郎だが、さすがに部下の一員を――それも幼子と呼べる外見のみらいを殺したくはない。

 無論、必要に迫られれば躊躇はしないだろう。しかし、“今回は”まだ決断を先送りにできる可能性が高い。


「んぅ…………」


 そうやって博孝達が情報共有を行っていると、それまで眠っていたみらいが小さな声を漏らした。その声を即座に拾った博孝は中座すると、みらいのもとへと駆け寄る。


「みらいっ! 大丈夫か!?」


 源次郎の様子を見る限り、みらいの反応次第ではまずいことになる。博孝は源次郎の態度から予見したが、それを知らないみらいがどんな行動に出るかわからなかった。

 みらいに声をかけつつも、博孝は自身の背後へと意識を向ける。そこでは治療中の沙織が博孝とみらいを庇うようにして立っており、二人に背を向けて源次郎の動きを見ていた。

 もしも源次郎が動けば、体を張ってでも止める。誰かに頼まれたわけでもなく、自分の意思で沙織はそう決めた。例え危険を孕んでいようが、源次郎にみらいを殺させるわけにはいかないのだ。


「おにぃ……ちゃん?」


 博孝の声を聞いたみらいは目を開き、博孝の姿を視界に収める。そして何度か瞬きをして周囲を見回し――弾けるように跳ね起きた。


「きょーすけ! きょーすけは!?」


 気を失う、あるいは“正気”を失うまでのことを思い出したのか、みらいは切羽詰まった様子で周囲を見回す。

 焦り、恐怖、申し訳なさ。それらが混ざり合い、みらいは絶望の色を顔に浮かべながら必死に尋ねる。そのあまりの剣幕に博孝は驚くが、みらいは恭介の容態を気にするばかりで他に目立つ点はない。


「落ち着け、みらい。恭介は無事……とは言えないけど、死んじゃいない。今は治療中だ」


 恭介に関しては、博孝も気を揉んでいるところだ。みらいを庇って重傷を負い、今現在も治療中である。報告などがなければ、治療室に行って手伝いたいほどだ。重傷者達には可能な限り『活性化』を発現してきたが、博孝は治療系ES能力もそれなりに扱える。


「っ! そ、それならみらいがちりょーする!」


 どうやらみらいも博孝と同じ結論に至ったらしく、ベッドから降りようとした。だが、床に足をつけるなり、そのまま前のめりに倒れ込んでしまう。


「っと! みらい? どうした?」


 それを危なげなく抱き留めた博孝だが、みらいの様子に違和感を覚えて尋ねた。外傷はないが、何かあったのかもしれない。


「ん、んん……あしに、ちからがはいらない……」


 自分の体が思い通りに動かず、困惑した様子のみらい。そんなみらいの反応に博孝も困惑するが、とりあえずはみらいをベッドに戻す。


「足に力が入らないって……『構成力』はどうだ?」

「んー……ちょっとのこってる」


 博孝の『活性化』のように体力を消耗したのか、通常のES能力のように『構成力』を消耗したのか。あるいは体に大きな負担がかかったのかもしれない。意識はしっかりとしているようだが、体がついてこないようだ。

 みらいは自分の体が思う通りに動かないことがもどかしく、這ってでも恭介のもとへ行こうとする。博孝はそんなみらいの両肩を掴んで宥めつつ、背後の源次郎へと声をかけた。


「中将閣下、小官の目には“普通”にしか見えませんが……」

「奇遇だな少尉。俺の目にもそう見える」


 そう答えた源次郎はみらいの傍に歩み寄ると、探るような視線を向けた。頭からつま先まで眺め、『探知』による『構成力』の変化も確認する。


「問題は……ないようだな」


 源次郎としては信じられないのか、何度も視線を往復させた。みらいはそんな源次郎の視線を受け止め、不思議そうにしている。

 源次郎以外はその驚きを共有することができず、砂原や藤堂でさえ怪訝そうな顔をするだけだ。それほどおかしなことなのだろうかと博孝は思うが、源次郎の表情を見る限り『おかしなこと』なのだろう。


 一通りみらいの調子を確認した源次郎は肩の力を抜き、博孝達へと向き直る。


「……今のところは様子見だが、少しでもおかしなことがあれば報告を頼む」


 一日前まで不治の病だった患者を診察したところ、原因不明ながらも完治していたような気分だ。そんな雰囲気を滲ませる源次郎に、博孝達はますます困惑する。

 博孝達に対してもっと説明をしたいと思うが、源次郎も多忙である。事前の根回しもなく突然出撃したため、指揮所にいる山本や部下達のもとに戻る必要があった。


 源次郎が過去に交戦したことがある厄介な敵と似たような気配をみらいが発し、目を覚ましてみればその気配は微塵もない。『天治会』の面々を追い払うことができたが、元々源次郎が予定したのは“厄介な敵”との戦いである。

 それが一応とはいえ終息した以上、日本の『ES能力者』を統率する身として一刻も早く指揮所に戻る必要があった。そのため、源次郎は納得がいかない様子ながらも東京に帰還することとなる。


 それに伴い、部隊員に死傷者が出た即応部隊は後任の部隊が到着するなり自分達の基地へと帰還。負傷者は『ES能力者』向けの軍病院へ運び込まれることとなった。


 こうして今回の任務は終わりを告げる。即応部隊にとっては多くの死傷者を出し、博孝にとっては様々な疑問が生まれた任務だった。


 それでも即応部隊としては任務も完了であり、今後しばらくの間は損耗した戦力の治療と補充に追われることになるだろうが――それが平穏なものになるとは、博孝も到底思えなかった。


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