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第三幕/6
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走り去る美女の後ろ姿を見送り、魅魚はアパートの階段を上り始めた。
そして凛の部屋の前に立ち、インターホンを鳴らす。
しかし、反応はない。
(まだ凛は部活中のようね。それにしても……居候さんがいるって言っていたけれど……うふふ、やっぱり、あの人なのね。凛にしてはやるじゃない。なかなかの美人だわ)
魅魚は新しいおもちゃを手に入れた子どものような気持ちで微笑を浮かべる。
(ここのアパートに住む霞西高の学生は凛ひとりだけだから、その知り合いとなれば間違いないわね。それに男嫌いみたいだし……条件は満たしているわ。――あら、鍵が開いている。不用心)
魅魚はノブを捻り、ドアを開けると中に入る。そして凛へのプレゼントの入った紙袋を玄関の適当なところに置くと、再び外へ出てドアを閉めた。
明日はどんな風にからかおう。そんなことを思いながら、魅魚は凛のアパートを後にした。




