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雪姫の夏  作者: 杏羽らんす
第三幕『雪姫』
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第三幕/4

/4


 午前、午後、ともに授業は終了した。

 余談だが、昨日の昼に妙な薬を混入させたアボカドパンを食べて気絶した幸太郎は驚異的な回復を見せており、今日の昼には普段と変わらぬ様子で騒いでいた。そしてこれまた普段と変わらぬ調子で魅魚に痛い目に合わされていた。


 今は放課後、剣道部での部活動中である。


 部員の皆が道着に着替え終え、いつものように、準備運動から練習は始まる。

 のだが、肝心の部長――雨宮の姿が見えない。かわりに指揮をとっているのは副部長の女生徒だ。


 雨宮の不在が気になった凛は、副部長に気づかれないように小声で、

「あれ。今日は雨宮先輩はいないんですか」

 隣の女子部員に尋ねた。彼女も三年生で雨宮と同じクラスだったはずなので何か知っているだろう。


「ああ。なんだか用事があるとかで、授業が終わったらそのまま帰ったよ」


「そうなんですか。それじゃ、しかたないですね」


 雨宮が今日の部活動を欠席するらしいという返答に納得はした凛だが、珍しいなとも思う。雨宮は練習熱心な生徒だし、部活動とはいえ学校の活動の一環なのだから、休むというからにはそれなりの理由があるだろう。


 もちろん雨宮の個人的な事情についてあれこれと深く詮索するつもりはないが、気になるのは確かだ。


「用事ってなんなんでしょうね」

 凛はおもむろに呟く。


「さあ……。雨宮さんって心も広くて友達も多い親しみやすい人だけど、その半面、謎の多い不思議な人でもあるから」


「そうなんですか」


「うん。たとえば――」


「こらそこ。部活中なんだから私語は慎むように」


 副部長から注意が入った。ふたりは「すみません」と謝ると、準備運動に集中することにした。

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