7章:準備。
さて…どのように、依頼人にどうやって伝えたものかね?
「言うなって言われたこと意外を全部説明すればいいんじゃないのか?」
そうなんだがな…話せない部分のほうが多すぎて、どうにもこうにも…。
「そうなのか?…まぁ、僕は、何を聞いてきたのか知らないけど…」
まぁ…お前に話す分には問題ないか…。
…って言うことなんだ。
「…確かに…話せない部分のほうが多いね…どうするんだい?」
それが、決まらないから困っているんだろ?
…まぁ、明日まで時間もあるから、それまでに何とか出来ればいいんだけどな。
「じゃあさ、彼の使った方法を、君も使えばいいじゃないか?」
…ラジオのやつか?…どうやって?
「君のつてを使って…まぁ、僕が手伝ってあげてもいいけど、彼をあのビルから引っ張り出して、彼女と直接話をさせれば、君の役割は終わりさ」
…ちょっと強引だが…確かに、俺が解決するような問題でもないしな。
あの、屋内の改装具合も含めて、実際には二人だけの問題だ…。
「そういうこと」
…ところで、ちょっと良いか…?
「なんだい?」
…いくつか聞きたいことがあるんだ。
「簡潔に願いたいね?」
あぁ…彼女から預かった写真の彼は、新しいオーナーなんだよな?
「まぁ、見ての通りだろうな」
…確か、お前は、「代わったオーナーは、行方不明」だって言っていたよな?
「今思い返すと…そう言ってたな…そして、それは言い方がおかしい…と?」
あぁ…お前は、このことを知っていた…ってことで良いんだよな?
「まぁな…まぁ、あのビル内にいるかって言うことについては知らなかったがな?」
そうかい…あの会話をたぐるとだな…とてもじゃないが、依頼人の探していた人物が、行方不明になったオーナーだったとは繋がらない…何せ口振りが最近ではなく、もっと前に行方不明になったみたいに…、
「そう思うのは、あんたの勝手さ…僕は、いつ行方不明になったか?…なんていうことは、言わなかったし、聞かれなかった…違うかい?」
…それは最もだな…聞いたところで教えてくれたとは思えないが…?
それと…前のオーナーの件なんだが…?
「前のオーナー?…あぁ、彼が目撃したって言うやつの話かい?」
…お前じゃないのか?
「おいおい、冗談をよしてくれよ!…こんな背格好の奴が出来ると思うかい?」
普通なら、出来ないだろうな…でも、お前ならできるだろ…?
絶対的な確証って言う奴は無いが…。
「まぁ…出来なくは無いよ…」
まぁ…それだけ聞ければ十分だな。
俺は、依頼人に連絡を取り、彼から聞いた情報について伝えることを約束し、いくつか確認したいことを来た後、
翌日に、今一度、事務所の方に来てもらう事をお願いした。
一応、今回の料金についても多少説明する旨を伝えてから連絡を終えた。
電話を終えてから、こいつとの打ち合わせを行う。
彼をあのビルから引っ張り出して、2人で直接話し合う場を設けてしまう作戦の為だ。
彼女は、行方不明になってから、何度から連絡していた…が、彼からの反応は皆無だった。
状況が状況だったからかもしれない…。
なので、今度は、彼自身が使った、ラジオ放送のやり方をどうにか真似る事とした。
先ほどの電話で、彼はラジオとかは持っているのか?ということを聞いたが、
どうやら、それらしいものは持っていないらしい。
あの時、部屋を見渡した限りでは、館内放送のスピーカーがあったくらいか…?
「ちょっと悪いんだけど、ドアを開けてくれないか?」
…自分でやれよな?
「…できれば苦労しない…分かってていっているだろ…?」
いつもみたいに…あっちから帰らないのか?
「窓かい?…入るときに良いんだけどね、出るときには、あんまり良くない。
それに、ドアを開けてくれそうな人間がいるんだから、利用しただろ?」
全く…人をドアマンみたいな扱いしやがって…明日の時間は大丈夫か?
「僕は、常に暇をもてあましているのさ…来るなって言われても、来てあげるさ」
じゃあ…今日と同じくらいで頼む…明日できっと、蹴りが付く…はずだからな…。
「そうだと良いね…じゃあ、また明日」
…そう言って、あいつが出て行った後に、早急に翌日の準備に取り掛かる。
必要なものは、館内放送を直接いじれるものの方が良いが…最悪の場合、別の方法もとらなければならないな…。
彼が使った、ラジオの方法…あれは無理だ…確実性が低すぎる…。
…そうだ…あの方法なら…。
そう思い立って、再び依頼人の方に連絡を取った…これから言う内容の文章で、彼にメールを出してもらうように促した…。




