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2章:廃ビル・その出来事

企業秘密の多いこいつから得た情報を整理してみるか…。

「オーナーが代わった頃から、廃れ始めた」

「オーナーが代わって、家賃等は、『引き下げ』られた」

「前オーナー時代に入っていたテナントの書類は殆どが偽造」

「現在のオーナーは行方不明」


…コレだけみると、どうも、前オーナーが何かを知っている気がするのだが…。

「あんたも、そう思うか?

結論から言うと、前オーナーはシロ…だそうだ」

その言葉は…どれくらい信じればいいんだ?

「あんたに任せるさ」

何で、シロだって言い切れるんだ?

「全く…教えてくれ君は、嫌われるぜ?

…まぁ、本当は企業秘密なところだが…順序だてて教えてやるよ」

それは、ありがたい話だ…で?

「そう、急くなって。

まず、前オーナーがシロの理由だが、実は、前オーナーは名前だけのオーナーだったっていう話だ」

…名前だけ?

「あぁ、つまり、このビルを所有しているが、

実際に管理したりしていたのは別の人間だったらしい」

…なるほどな…。

「で、どっちかというと、この管理している人間の方が問題だったらしく、

警察とか、関係者は、殆どがそっちに出張った…ここまでは分かるか?」

…俺を馬鹿にしているのか?

ん?待てよ…だとすると、その管理者が、一連の事件の関係者か?

「直接的には、シロだ。

ただ、管理体制の問題点などを考えれば…間接的にはクロだな」

…つまり、その管理者が、直接何かをしたのではなくて…第三者がこの事件の関係者…ってか?

「まぁ、そういうことだ。

管理者は、利益の追求のみを優先させていた為、偽造の書類と承知の上で、

払いの良い、テナント利用者を受け入れていたらしい」

なるほどな…だが…そうすると、何故、オーナーが代わる必要があったんだ?

「前オーナーは既に亡くなっている」

…亡くなっている?

じゃあ、オーナーが代わった理由って言うのは…。

「まぁ、そういうことだ。

更に言うなら、代わった後のオーナーは、前オーナーの遠縁の人間だったらしいんだが…、

双方に面識はなかったんだとさ」

…まぁ、こんな場所のビル…誰も管理したがらないな…。

で、何でまた、代わることを承諾したんだろうな…。

「ん?あぁ、確か、仕事をクビになって、退職金こそ多少出たが、

時間は有り余っていたらしい…で、白羽の矢がたったんだとさ」

…今日は、ずいぶんとサービスがいいな?

事件の真相も、既に知っているんじゃないのか?

「それは…どうかな?

まぁ、僕が知っていても、教えるわけが無いし、

何よりも、面白くならない…というよりも…いつまでここにいる気だい?」

確かに…ここにいても、手がかりらしいものも無いしな…。

というより…ここまで来る必要はあったのか?

事件の概要どころか、関係者関連もお前の頭に入っていたとなると…事務所でも良かったんじゃないか?

「ははっ、そりゃそうだけど…面白く無いだろ?

それに、現場にも行かないで、解決した事件を誰が信じる?」

ごもっともだ…とりあえず、ここには何もなさそうだし…事務所に戻るぞ。

「その前に…何か食べていかないか?」

…ここまで来たのも…それが狙いか…?

「いいじゃないか…案内までしてやったんだし」

ったく…コンビニで適当に買って帰るぞ?

とりあえず、今回の事件…もうちょっと調べられるところもありそうだしな。

「また、コンビニか…あんまり品揃えがよく無いんだよな…もう少し大きいところなら…」

あんまりぶつぶつ言うなよ。

事件が解決したら、なんか買ってやるから。

「まぁ…それで我慢してやるか…」


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