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この作品には 〔残酷描写〕が含まれています。

コリガン鉱山集団鉱毒事件(最判同盟歴八十一年六月二十一日民集第三巻二百八十八頁)

掲載日:2026/01/27

18歳未満は刺激が強いため閲覧をお控えください。(本編は全年齢なのでそちらを見てください^_^)

胸糞注意。医療過誤や公害事件にあたっては法的因果関係論が必要となってきます。本来こういうを書くのは好きではありませんが、公害事件については思うところがあったので、人を選ぶ形とはなりますが書きました。

本編とは繋がりがなく単なるスピンオフなのでみなくて結構です。本当に胸糞なのでみない方が良いかと。

〈コリガン鉱毒損害賠償請求事件〉

最高裁第三小法廷 判決

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

事案の概要

本件は、コリガン市下層街およびその周辺地域に居住する鉱山労働者及びその家族(以下「被害者ら」という。)が、同市において鉱山を経営し、かつ医工業ギルドの理事長を兼ねる被上告人(以下「被告」という。)に対し、鉱山操業に伴い排出された廃液により水源が汚染され、慢性的中毒症状(以下「本件鉱毒症」という。)を発症したとして、不法行為に基づく損害賠償を求めた事案である。

第一審および原審は、被告の過失及び本件鉱毒症との因果関係を肯定し、被告に対し連帯して損害賠償金1100万ペリーの支払いを命じた。


これに対し、被告は、

① 鉱毒と症状との医学的因果関係が立証されていない

② 排水は当時の基準を満たしていた

③ 行政および教会による監督が存在していた

などを理由として上告した。


原審認定事実

原審が適法に認定したところによれば、以下の事実が認められる。

被告の鉱山操業開始後、特定地域において、神経障害、皮膚病変、内臓機能低下等、共通性の高い症状を呈する被害が集中的に発生した。

当該地域の水系には、水霊系魔物ウンディーネが常在しており、その存在自体は公知の事実である。しかし、教会及び行政が保有していた魔物監視記録、結界反応記録及び精霊反応測定値によれば、本件発症期間を通じて、ウンディーネの異常活性、攻撃行動又は呪毒放出を示す兆候は認められなかった。

一方で、鉱山排水中には、鉱毒成分が高濃度で含有されており、これが被害者らの居住地域の水源に到達していた事実が確認されている。

にもかかわらず、教会関係者及び医工業ギルド所属治療師により作成された診療記録、水質記録及び死因記録の一部が改竄され、鉱毒による中毒症状を「ウンディーネ由来の呪毒反応」と評価する記載がなされていた。

これらの改竄行為には、医工業ギルド理事長の地位にあった被告関係者、又は教会側責任者の関与が認められ、当該記録は治療方針及び被害原因判断の基礎資料として用いられていた。


判旨

一 因果関係の立証について

被告は、本件鉱毒症が魔物ウンディーネに起因する可能性を否定できないとして、鉱山排水との因果関係を争う。

しかし、魔物が常在する社会においても、特定の魔物が関与した事実が認められない以上、これをもって当然に原因と推定することはできない。

原審が認定したところによれば、本件発症期間中、ウンディーネに異常活性は認められず、被害の発生態様、地域的集中、症状の共通性及び鉱山操業開始後の時期的符合を総合すれば、本件被害が鉱山排水中の鉱毒成分に起因する高度の蓋然性が認められる。

よって、原審の因果関係判断に違法はない。


二 基準遵守の主張について

被告は、排水は当時の行政基準を満たしていたと主張する。しかし、行政基準の遵守は、直ちに民事上の責任を免ずるものではない。

公害は、その性質上、基準設定自体が被害発生後に追認的に整備されることが少なくない。

事業者は、結果の重大性を予見し得た場合、

基準の有無にかかわらず、結果回避義務を負う。

よって、この主張も採用できない。


三 監督機関の存在について

被告は、行政及び教会の監督が存在していたことを理由に、自らの責任を否定する。

しかし、第三者の監督があったとしても、

自己の事業活動に起因する損害について、第一次的責任を免れるものではない。


むしろ、本件においては、被告が医工業ギルドを通じて治療用ポーションの流通を事実上支配していた事情が認められ、被害拡大の防止が著しく妨げられていた点は、責任を軽減する事情とはなり得ない。


四 原因偽装及び記録改竄行為の評価について

本件において特に看過できないのは、ウンディーネの異常活性が認められないにもかかわらず、被害原因を魔物由来であるかのように記載した診療記録等が作成・流通していた点である。

魔物が存在する社会において、魔物原因説を提示すること自体が違法となるものではない。しかし、客観的記録と矛盾するにもかかわらず、鉱毒原因を秘匿し、責任を回避する目的で原因を偽装する行為は、被害の拡大を招く積極的加害行為に等しい。

したがって、これらの事情は被告の責任を軽減するものではなく、むしろ過失の重大性及び違法性を基礎づける重要な事情として評価される。


結論

以上によれば、原審の認定及び判断はいずれも相当であり、

本件上告には理由がない。

よって、主文のとおり判決する。


補足意見(裁判官バスティ)

本件は、単なる損害賠償事件にとどまらない。

事業活動が、病を生み、その病を治療する手段までも同一主体が支配するという構造は、市場の問題である以前に、社会の根幹に関わる。上告人が治療を受けられなかった理由は、無知からではなく、価格の高騰にあった。それを「自己責任」として切り捨てることは、法の名を借りた不作為にほかならない。


反対意見 (エンキ)

私は、教会が長年にわたり本件鉱毒の事実を隠蔽し得たほどに強大な社会的影響力を有していたこと、そして近時に至り、大量の内部記録、証言及び物証の発覚によって、もはやこれを否認し得ない状況に追い込まれたことについては、多数意見と認識を共有する。

本件が提訴に至ったのは、偶然ではない。

長く閉ざされていた情報の堰が崩れ、教会及び医工業ギルドの説明が事実と整合しないことが、誰の目にも明らかになった結果である。

しかしながら、権力による隠蔽が存在したことと、因果関係の立証方法をいかに定めるべきかとは、法理上、峻別されなければならない。


一 隠蔽の破綻と司法の役割

教会が強大であったがゆえに、事実が長らく公的審理の俎上に載らなかったことは否定できない。

その意味で、本件訴訟が持つ社会的意義は極めて大きい。

しかし、司法の役割は、隠蔽の存在に対する制裁感情を充足させることではなく、責任を帰属させるための基準を、将来にわたって維持可能な形で示すことにある。

大量の事実が一挙に顕在化した局面においてこそ、感情的・政治的判断ではなく、冷静な立証規律が求められる。


二 強者による隠蔽と立証責任の緊張関係

本件においては、被告側が事実の記録を支配し、情報流通を制限していた点で、被害者らが著しく不利な立場に置かれていたことは明白である。

その意味で、多数意見が被害者救済を重視し、立証のハードルを引き下げた動機は理解できる。

しかし、「隠蔽していた主体が強大であった」という事情のみをもって、因果関係の推認を容易にすることは、法理として危うい。

なぜなら、その基準は、将来、別の事件において、異なる形で濫用されるおそれがあるからである。


三 逃げ場を失った後の真実と、法の慎重さ

確かに、教会及び医工業ギルドは、もはや逃げ場を失っている。

事実の量と整合性は、過去の説明を事実上崩壊させている。

それでもなお、私は、「もはや逃げられない」という状況そのものを、因果関係認定の代替物として用いるべきではないと考える。

法は、逃げ場を失った者に対してこそ、最も冷静でなければならない。

それは擁護のためではなく、判決が復讐や断罪ではなく、規範として残るからである。


四 結語

教会が強大であり、長年にわたり真実を覆い隠してきたこと。

そして、今や大量の事実の前に、それが破綻したこと。

これらはいずれも、本件の社会的背景として重く受け止められるべきである。

しかし私は、それでもなお、本件因果関係については、さらなる実証的審理を尽くすべきであり、原判決を維持するのではなく、差戻しを相当と考える。



------

ウタミへ。まじで単位取れん。わからんすぎる。

 マートへ。それな。判例百選の一番上がこんな古い判例とか知らんて。

ウタミへ。テストいつだっけ。

 マートへ。あと、3週間。範囲広すぎてオワタ。

ウタミへ。イハヤーシ教授おもろいんだけどね、眠いんよ。

 マートへ。分かりみ。


本件は本編のいわゆる番外編にあたる。事件の発覚に於いては我が同盟国の王宮筆頭魔術師たるキース・アプ・レスティン殿及びその助手(身元不明)の多大なる貢献そして膨大なる資料によつてもたらされた。

 

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