表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
日本內戰錄 ― 彼等ハ 如何ニ戰ヒ、如何ニ散リシカ ―  作者: イグアナ


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

25/77

日本內戰錄 第二十五號記錄 ― 入院室にて ―

八月十六日。


後送されて四日。

腹の痛みはまだ残っているが、

最初の頃よりは呼吸が楽になった。

食事は流動食のまま。

看護兵が決まった時間に運んでくる。


病院といっても、

元は市の建物を転用したものだそうで、

壁はところどころ塗装が剥げ、

廊下は歩くたびに軋む。

それでも救護所よりは静かで、

夜に銃声が聞こえないのは不思議な感覚だ。


午前、看護兵から手紙を渡された。

差出人は黒田。


封筒は湿気で少し波打っていた。

補給路は雨が多いのだろう。


 ―― 手紙の写し ――


慎へ。

思っていたよりも重傷らしいが、

生きていると聞いて安心した。

補給任務は人手不足で忙しい。

俺の足はまだ完全ではないが、

とりあえず動けている。

お前が戻るまでの間だけでいい、

誰か代わりを送ってほしいところだ。

ここしばらく敵の動きが多く、

森の道が落ち着かない。

焦らず治せ。

帰ってきたら飯でも分けてくれ。


黒田


――――――――――


読み終えて、

返事を書くつもりだったが、

体を起こすと傷が引くように痛んだので、

今日はやめておくことにした。


病室の窓から外を見ると、

向かいにある校庭跡に、

救急車輌が一台停まっていた。

誰か新しい負傷者が来たのだろう。


戦線から離れていても、

状況は変わらないらしい。


―― 河合 慎


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ