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任務の追加とシュベルツの領地


長期潜入及び破壊工作任務からvipの救出も加わった。チームは一刻を争う事態だと認識して現場へ急いだ。そこは貴族の屋敷で、砦でもあった。敷地はかなり広大で堀と塀が屋敷を囲っていた。その中において交戦距離は長いところでは数百メートルもあり、短いところだと一メートルもなかった。屋敷内の大通りは幅が15メートルほどだった。しかし、屋内に入るとそれは2メートルほどに狭まった。それは大規模なテーマパークや、商業施設を思い起こさせた。出入り口は三つしかなく、北と南、そして東の場所にあった。南から侵入した部隊は全ての出入り口を防衛するものと、VIPを確保するものの、四つに分散した。家主のフォン・シュベルツは早歩きで愛しい息子の元へ向かっていた。彼に追従するのは工作員の桃香とウルフチームの中でも精鋭のシャルロットとアイリーだった。3人とも部隊のなかでは珍しい女性隊員だった。彼らは装備している銃をローレディポジションで保持していた。その途中で帯剣した兵士を何度も見かけたが、そのうち何人かは身体の一部がなかった。共和国では見慣れていたが、帝国で見るのは初めてだった。それについてアイリーが疑問を投げかけた。「あの、今の人たちは?」それに対して案内を続けていたシュベルツが答えた。「王政時代の信仰者たちだ。匿っていたが、役に立ちたいと言っていたため、我が軍の防衛要員として雇った。流石に他所の地域の戦場には連れて行けないが領地内でなら活用できると踏んだからな。」そう早口で答えた。家主である彼がある部屋の前で立ち止まった。「ここが息子の部屋だ。」そう短く告げると、ドアを開けて中に入った。彼が入った後、桃香は護衛の二人に対して襲撃に備えて外で警戒するように伝え、自身は部屋に入った。そこで彼女が見たものはベッドに横たわっている手足の痩せこけた青年だった。服を着ていたが、その上からわかるほど胴体も細かった。彼女たちが入った時、彼は何もない天井を虚ろな目で見ていた。桃香は彼の姿を見て困惑したが、任務の重要性を思い出し、すぐに体を動かしてシュベルツに続いた。彼は寝ていたが、ドアが開く音で目を覚ましたらしく、父親の姿を認識するとニカッと笑って細い腕をバタバタと動かした。父の帰りを喜んでいるように感じた。

「ただいま帰ったぞー。ロンド、」シュベルツが息子に対してそう声をかけたので桃香も挨拶をすることにしてベッドのそばまで近寄り、視線を合わせて話し始めた。「こんにちは。ロンドさん、あなたはいますぐにここを離れないといけないの。そうしないと命が危険だわ。おぶさせて貰ってもいい?」早口で状況と今からすることを説明した。いくら意思が希薄なように見えたとしてもそうしなければ、人道に違反すると考えたからだ。理解出来ているかはその場にいる誰もわからなかったが、父親の時とは異なり、体を動かさず、神妙な表情に変わっていた。

桃香は彼をお姫様抱っこの要領で抱え上げると彼の下半身を背中に回して担ぐように持ち替えた。重心が体に近く、長時間この状態が続いても、少ない力で支えることが出来、あまり自身の肉体的負担にはならないと彼女は感じた。彼の体はビクッとして硬直していたが、反応に対して「痛いかもだけどほんのちょっと協力してね。」そのように声をかけた。ウォーキートーキーのPTTスイッチを押して部隊に伝えた。「要救助目標を確保した。これより脱出する。」

担いだまま、外に出てシャルロットたちと合流した。桃香は彼女らに側面を守らせた。二人は彼を見てやや驚いた表情をしたが、すぐに任務中だと思い出して護衛に徹した。


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次回の投稿予定は3月22日です。

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