知り合いとの遭遇と城からの脱出
とにかく必死に逃げ惑ううち、勇者パーティの一員の女の短剣使いに見つかった。「覚えてる?私よ」顔をよく見ると中学の同級生の桃香だった。「さっきの別室に案内されてこの国の実情を聞こうとしたら、長年勤めている使用人から王様の悪い噂聞いたんだ。私もこの国の王のこと信用できないし、幸いにも逃げ道を教えてくれたから一緒に行動しよう。」
果たして信用していいのか。 悩むが他に手がないため 桃香の言う通り、協力したほうが利口だと判断した。「 それじゃあ、一緒にやろう。俺が使う銃は接近戦苦手だし。君が俺を見つけた時点で王に拘束されていないという点で信用できるからよろしく。」
彼女の案内のもと、迷路のような王宮を進んでいくと屋外に脱出できた。どうやら王宮は高台にあったらしく、眼下には一軒一軒が豆粒に見える城下町があった。さらに遠くを見ると、一面草原が広がっていた。街は夕陽で照らされて金色に輝いているようだった。
「ナポリみたい」桃香がそう呟いた。彼女も召喚されてから屋外に出たのは初めてのようだった。俺も感傷に耽りそうになったが「そうだね。でも追っ手が迫っている。今は急ごう。」そう急かした。「いつかまた観に来よう」一応フォローもしておいた。
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