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自らに怒りを持つ者たち

山道を人工物が進んでいた。それらを操作するのは長きにわたる戦争で近所の友達が軍に志願したと聞いて、自分も戦いたいと思っても募集事務所の門前で断られてきた、身体が不自由な障害を持った者たちだった。人伝に友人たちの戦死を聞いたが何もできない自分自身に静かな怒りと憤りを感じていた。街にはあまりやりたい仕事は残っていなかった。

他の障害種ではあんま師や、金融業につくものが多く、彼ら自身にも役人や教師、商人などの役割は残っていたが若気の至りで軍を志望し続けた。そんな彼らにチャンスが訪れた。軍が電動車椅子というものを導入したおかげで入隊できるようになったのだ。配属先は補給を主任務としつつ、味方のピンチに急行する即応部隊だった。

彼らは拠点から4キロ先にいる前線の友軍に物資を届け、さらに現地に留まり、防衛地点を維持するべくコンボイを組んで行動していた。隊の前後には二人乗りで2台ずつの8名からなる武装チームが14台を護衛していた。輸送隊に所属している全員がMP7を装備しており、輸送専属の隊員は一人当たり50キロの荷物を運搬していた。武装チームは固定式のミニガンのみを装備した単座型に加えて複座式で重機関銃を車載銃架に据えて運用する隊員を乗せて共に移動していた。彼らが放つ空気はピリついていた。なぜならば味方にとって隘路であり、敵による後方撹乱が行われればたちまち味方の前線が補給を得られずに戦えなくなってしまうためだ。以前は別の大きな道から馬車を何台も連ねることで兵站を確保していたが、輸送路に敵が進軍してきたことによって前線の物資が枯渇する事態が多発したため、リスクを鑑みて上層部は小規模な道から大人数で荷物を分散させる輸送方式に変更したのだった。彼らにとってこの作戦に就けることは名誉であると同時に危険性が高く初めての実戦だったため全員が緊張するのは当然だった。前衛を走っていたのはコールサイン、ウルフ1だった。俺、佐藤宏也は梯隊長として後衛で指示に当たっていた。後衛はウルフ2である。ちょうど拠点から一キロほど進んだところだった。その時、ポイントマンからこの先に障害があって通行不能だと連絡があった。それを受けて俺はアルファ中隊所属の工作車輌2台で撤去に当たらせるように向かわせた。役割によって車体の装備は変わっていた。撤去に向かわせた車両はドーザーブレード付きであり、主な任務は道沿いの障害物の撤去だが、道がなくなれば藪が生えた密林のような場所を通行可能にするようなことも含まれる可能性を想定されていたため、重量物を押してもタイヤが空転しないよう他と比べてトルクが大きく設定せれていた。それに加えて敵が彼らを狙えば部隊は行動不能になるため生存性を向上させるために現場改良で先端からコックピットまで正面からの銃撃に耐えられるように2センチ程度の鉄板を貼り付けて簡易的な防御板を取り付けていた。要するに防御力が他のタイプと比べて段違いに分があるので、俺は彼らの心配をしていなかった。彼らを向かわせつつ本隊もその後に続いた。


お読みいただきありがとうございました。もし面白ければいいねや、ポイント、ブックマーク登録をお願いします。次回の投稿予定は1月24日です。

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