ヒールへの期待と排除の予兆
主人公、結構ピンチです。
「そなたおかしな見た目をしておるな。もしかして怪我で歩けないのか。その体で魔王との戦いに挑むつもりなのか?」後ろを振り返ると王だった。言い方にイラっとしたが怒りを抑えつつ、「はい。 私にとってこの体は普段通りの状態です。ただ銃と言う文明の力がありますので、これで戦います。」冷静に返した。「 それでもやはり不自由であろう。 誰かこいつにヒールをかけてやってくれ」 1人の聖職者がやってきて、「ヒール」そう唱えた。そうすると俺の足が青白く光った。もしかして歩けるようになるかもと期待はした。「王様申し訳ないのですが、 効果がないようです。」まぁありがちだよね。その呪文、ゲームとかでは大体HPが少ない人に使うのであって、マックスのHPがこの状況だから効くわけないんだよね。「ヒールが効かないだと。そんなこと魔法大国であるこの国ではあり得ない。」王の発言からこの国に障害と言う概念が存在しないということがわかった。怪我を負ったとしてもヒールで治せてしまうため、戦闘による負傷者が出ない。そして文明レベルから察すると未熟児は生まれてすぐ死ぬだろう。
王は俺を特別室という場所へ案内するよう近衛兵に命じた。「これは珍しい。見せ物として奴隷にしたほうがいいかもしれない。」王のその呟きを俺は聞き逃さなかった。
なんとかここから逃げ出さなきゃ。逃げ出さなきゃ。考えろ。俺!
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次回からドンバチ始めます。