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敵視点 から見た国境での戦闘

国境越えを敵視点で書いた物です。お楽しみください。

「ハリー将軍入られます。」そう一人の兵士が言うと巨漢の男がルルシア帝国の参謀が集う指揮所に入ってきた。「ご苦労。楽にしてくれ。元勇者捕縛作戦を計画し、部隊の指揮を行うハリーだ。

皆には勇者ですら流石に通れるわけないプランを作成した。これまで戦った部隊の報告によると、敵の交戦距離はせいぜい100メートル程度であることが分かっている。そのためアウトレンジ戦法で殲滅することとした。そのため、今回は光の勇者にも協力してもらうことになった。」

「こんにちは。鈴木です。今回は皆さんと共に元勇者を捕獲する作戦に就くことが出来て嬉しいです。皆さんが役目を果たせるように全力でサポートさせて頂きます。あのような者たちと学校で同じクラスになったことがあるのですが、彼らは謝罪も感謝もしない連中でした。まるで違う人種だと思っていました。他人に迷惑をかけて生きる存在などこの世に不要。討ち取ってしまいましょう!」

光の勇者である鈴木洋平はそう挨拶をした。彼は学生時代にいわゆるお世話係を経験しており、障害者に対して嫌悪感しか持っていなかった。さらに中流過程で育ったため、高すぎる社会保障費への親の愚痴がその感情を増幅させたのだった。

「まず勇者様には最初に接敵したら距離400でロングボウを射てもらう。それが接敵の合図になる。それを目安として他の射手も矢を放ってくれ。各々弓を引く強さは変わるであろうから矢を放つタイミングはそれぞれの射手に任せる。歩兵は二列横隊を組んで接近できないようにしてほしい。魔道士たちも弓兵への接近を許さないように攻撃魔法を打ちまくってほしい。それでもなお近づいてきた場合を想定し、竜騎兵も待機させている。いざとなれば、彼らが一斉射撃をしている間に撤退してくれ。」その言葉に皆安堵した。無能な将校は撤退を許さずに敵に出血を強いることを強制する事例が多いためだ。

ヒュー、ズドーン「なんの音だ。」ちょうどその時、伝令兵がテントに入ってきた。「申し上げます。奴ら大砲で我々を攻撃してきています。」「なんだと。いつの間にそんなものを入手したと言うのだ。」冷静さを失いかけたハリーだったが、すぐに思考を巡らせた。「 大砲は狙ってから発砲するまで時間がかかるだろうから竜騎兵の攻撃には弱いはずだ。騎兵に突撃命令を出せ。私が騎兵部隊の指揮を直接取る。」「かしこまりました。」「それと、敵の現在地を記した地図と馬を用意してくれ。あと光の勇者、すまないが君はここで待機だ。私に何かあればすぐに撤退してほしい。」

数分後、 ハリーは馬に跨ると竜騎兵に合流した。 報告によると敵は本隊の前方800メートルの位置にいるとのことだった。味方の前に出るとハリーは突撃を命令した。それを受けて数百の騎馬が一気に速度を上げて突撃を開始した。すぐに彼の目は目標をとらえた。敵との距離がどんどん狭まるのをハリーは感じた。元々の報告通り、相手はたった二人のようだ。「ダダダン、」聴き慣れない爆音が敵方向から聞こえた。刹那、前を走っていた数人の騎兵が落馬した。彼らの鎧に穴が空いているのを確認した。突撃は失敗した。 200メートルまで接近した後、突然相手から銃撃を受けたからだ。

ハリーはまだ無事な竜騎兵を引き連れて味方魔導兵のフレンドリーファイヤーを避けるために味方の右翼まで撤退した。指揮を集約するために伝令を送ろうとして状況を確認した。すでに元勇者は味方歩兵に肉薄してる様子だった。そこで彼は戦いに負けたことを悟り、伝令には撤退する命令を告げた。光の勇者の様子を伝令に聞くと、いまだに指揮所から出ていないと告げられた。報告を聞いたハリー直ちに彼の元へ向かい、無理やり抱き抱えてその場を後にした。

お読みいただきありがとうございました。もし面白ければいいねや、ポイント、ブックマーク登録をお願いします。次回の投稿は7月18日を予定しています。

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