国境越え その1
クロスボウで敵の様子を確認した限り、敵兵はざっと一万人くらいだろうか。あまりにも多すぎる。個人防護火器や、散弾銃で対応するのは無理筋だと感じた。
桃香から「私にも見せて」と言われたためクロスボウを手渡した。「火力支援があれば簡単に吹き飛ばせるのになー」そう彼女がつぶやいた。「えっ」何今のマニアックな言葉「いや、私地球では水機だったから」「えーマジかよ。と言うことは20式小銃が欲しいってこと」「欲を言えばそうだね。でも小銃だとリロードの時間がもったいないから、今はもっと大きな火力がいいかな。例えば60ミリ迫撃砲とか無反動砲とかみたいな。」
じつは相棒すごいやつだった。
そうなれば擲弾発射器や迫撃砲、無反動砲を使って準備砲撃したのちに優速を用いて突破するしかない。要するに浸透戦術だ。準備砲撃に使う武器はどっちがいいか、・・・「ねぇ、桃華さん支援砲撃と重機関銃を用いた突破なんてどう思う?」「あー、その方がいいかもね。私は普通科時代に使った軽装甲機動車からの射撃はよく訓練してたよ!」「それで行こう。」
とりあえず突破準備のため、境界手前の山の中腹で休むことにした。
キャンプ地の準備ができると念のため他用途に使えるカールグスタフ無反動砲も用意した。これ対人攻撃や城砦の破壊、また撤退する時の目眩しのためのスモーク弾を発射できるからこちらより脅威の高い相手と接敵した場合それを使って退避をすることもできる。ついでに桃香へのお礼として20式小銃とクォーツ式のアウトドア用腕時計も召喚しておくことにした。それに加え時限式発火装置と鉄パイプ、黒色火薬を用意して極左が使っていたような迫撃弾も作成した。これらは浸透戦術の際、敵の撹乱に使えるものだ。
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