ShowTime6:誘拐事件に首を突っ込んでしまいました・・・
誘拐犯の本拠地らしき場所に到着した僕とルルナ。
早速窓から中を覗いてみると、そこには数人の犯人に縄で拘束された事件の被害者らしき女の子がいた。
犯人達が何かを話しているが遠くからじゃ何を言っているかよく聞こえない…。
だが、読心術を習得してあるから口の動きで大体わかる。
『こいつは上物だな。どこぞの高等貴族にでも売り飛ばして大儲けだな!』
『その前に少し遊ばねえか?このガキで?』
『いいな!』
「ルルナ…。あの子が危ない!あいつらに強姦されるかもしれない…。」
「落ち着いてください…。ここは私に任せてください」
ルルナが"銃"を出した。
まさか、殺すつもりじゃ…。
さすがに前世の仕事柄としてはそれは見過ごすわけには…!?
「安心してください」
「え?」
そう言うとルルナは躊躇いなく銃の引き金を引いた・・・。
見事に弾は犯人たちに命中した・・・。
「なんて事を・・・!?」
「さっき言いましたよね?安心してくださいと・・・」
「え?」
ルルナから説明を聞いて僕はホッと安心した。
どうやらルルナが撃ったのは"麻酔弾"だったらしい・・・。
犯人たちは死んでおらず、ただ眠ってしまっただけだったようだ。
とはいえ・・・今が好機だ!
ーーーーー
ささっと本拠地へ忍び込んだ僕ら。
ようやく被害者の女の子と対面だ!
「大丈夫?」
「え!?あなた達は!?」
「怖がらなくて良いよ。僕らは君を助けに来たから!」
護身用に所持しているナイフでそお~っと女の子を縛ってある縄を切って解放した。
「よし!じゃあ早速ここから脱出・・・」
「おっと!そうな行かねえな!」
「え!?」
他にも仲間がいたのか?
どうやらもう1人の犯人がいたらしい・・・。
しかもそいつは銃を持っている!?
「へ、誰かと思ったらただの子供じゃねーか。お前ら、何寝てんだ!とっとと起きろ!」
「え~・・・ぼ、ボス!?」
("ボス"!?)
ってことは、この男がこの誘拐犯たちの"リーダー"という訳か?
「おい小僧、俺達の商売に首を突っ込むとはいい度胸じゃねーか!口止めとしてここで死んでもらうぜ!」
バン!
「へ・・・って、あれ?どこ行った?」
「まさか、人身売買の集団だったとはね・・・」
「なに?いつの間に!?」
間一髪袖口に隠し持っていたワイヤーを天井に引っ掛けて上まで行って銃弾を回避できて良かった・・・。
よし!反撃だ!
「子供だと思って甘く見ていると、痛い目見るよ?おじさん!」
「なんだと・・・このクソガキがああああ!!」
リーダーの男は僕を目掛けて何発も銃を乱射しているけど当たんないよ?
運動神経にかんする訓練だってしてんだからね!
「んぐっ!?」
どうよ!?
リーダーの男の顎目掛けて膝蹴りを噛ましてやったぞ!
攻撃が良く効いたのか、男は失神した。
っと言っている内に部下の男達も一網打尽にしてやったよ・・・。
「なんだこのガキ・・・」
「強過ぎだろ・・・」
怪盗としての身体能力はこういうのにも役に立つんだね?
それに、元が警察の僕からしたら元から誘拐なんて見過ごせないからね・・・。
ーーーーー
さて、後は軍兵さん達に任せて女の子をつれて帰るか!
「あ、あの?」
「ん?どうしたの?」
被害者の女の子が僕を引き留めて何か言おうとしていた。
「ありがとうございました!私、死ぬかと思って怖かったです!」
「大丈夫、困っている人を助けるのが僕の仕事だから・・・」
「あの、せめてお名前だけでも・・・」
「名前か、リク・・・痛っ!?」
ルルナが突然僕の手の甲をつねっている・・・。
もしかして、本名言っちゃダメって事・・・。
そりゃそうか・・・
今の僕は怪盗・・・。
正体を明かすのはまずいよね・・・。
「あの、お名前は?」
「え、え~っと・・・僕は、輝く星の名の元に、『怪盗スターダスト』!」
「怪盗・・・スターダスト?」
しまった・・・。
とっさに、前世の名前の『星宮』の"星"から『スターダスト』って名乗っちゃった・・・。
「怪盗スターダスト様ですね・・・?助けてくれてありがとうございました!」
「え、あ!良いよ!じゃあ僕らは帰るから君ももう捕まるんじゃないよ!」
そのまま僕はルルナと共にササッと建物の屋根に向かって飛んで行った。
あの子は怪我一つしていなかったし、何よりそれで一安心した・・・。
あ、結局許嫁用の買い物忘れてた!!