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ShowTime9:海賊

ナリィさんと対面してから数ヶ月。あれから僕は彼女と手紙でやり取りをしていた。

ナリィさんは変わらず元気でいるようだった。

また会いたいな・・・。


ーーーーー


そんなある日、また父親から怪盗としての指令を言い渡されていた。


「海賊団のお宝!?」


「ああ、その海賊団の持つお宝が危険な力を持っているらしくてな、我々の手で回収しようと思ってな。リクト、お前も怪盗としての腕もだいぶ上達してきている。その歳にしては上出来だ。だから少し難易度をあげようかと思ってな!ま、頑張れ!!」


「頑張れって!?分かっているんですか?相手は海賊なんですよ!!」


父親は結局僕の反論も受け入れず任務に送り出してしまった…。



ーーーーー



情報によれば、その海賊達は定期的に船の拠点場所を変えているらしい。


情報で聴いた場所に行ってみるとそこに海賊船はあった。


こいつらは最近巷を騒がせている海賊団で名前は「クロウハード団」という。


「ひぇ~ルルナ~僕・・・おしっこ漏れそうだよ~」


前世では駐車違反の罰則を与えた事はあったけど、海賊なんて相手にするのを二度目の人生でやるなんて思わなかったよ~。

そもそも前の人生で生きていた世界で置いても海賊行為は"犯罪"の一種だから!


「リクト様、潜入しますのでそろそろ準備を。あと、おしっこ本当に漏らさないでくださいね…。」


ルルナに言われて僕らは海賊の船員に変装してなんとか潜入に成功した。

見張りは当然いたが、何とか誤魔化すことが出来た為すんない船に潜入出来た。


(警備ちょろ過ぎだろ・・・)



ーーーーー



船内に侵入した僕たちは内部をくまなく探してみたがお宝と思える物は今の所見つかっていない。


船内には他にも海賊の船員はいるが僕らの変装も今の所完璧。


(この人たち案外疎いのかな?)


それから僕たちは捜索を続けたけど、手掛かりは見つからなかった。


これだけ探しても見つからないなんて・・・。

まあすぐに見つかったら苦労はしないけど・・・。


でも、ほんとどこに・・・。


「おら!なにボサっとしてんだ!」


「ん?」


船員の1人が小さな少女に怒鳴っているのが見えた。


しかも船員は少女を足蹴にしている!

許せない!

ちょっとあの船員に一言言ってやる!


「リクト様・・・」


「・・・ルルナ?」


ルルナが行こうとしていた僕を止めた。

ルルナが言うには船員になりきっている以上は怪しい行動を控えてほしいとの事らしい。


そんなことできないよ!


「ごめん!」


「リクト様!」


「てやあ!」


「うがっ!?」


「大丈夫?」


「え?あの、なんで?」


「ちょっとね・・・」


僕は怒りの籠った膝蹴りをその船員にかましてやった。


女の子は船員に変装をしている僕に助けられた事に不安の顔を見せていた。

こっちこそ"なんで?"・・・だよ・・・。


「おい!なにをしている!?」


「しまった!」


「お前!?何者だ!?侵入者だ!」


やばいバレた!?


「リクト様、こちらです!」


「分かった!君もこっちへ!」


「え?」


とっさにさっき助けた女の子を連れてルルナの誘導を頼りに何とか逃げ延びた。



ーーーーー



僕らは貨物室に隠れていた。

最悪追っ手は撒けたっぽかった。


「あの?どうして私なんか・・・?私は・・・奴隷なのに?」


「奴隷!?」


驚いた。

女の子は自分の事を"奴隷"と言ってきた。


「いきなりごめんね!実は僕らは・・・」


僕は女の子に事情を話して理解してもらった。

そして女の子からもある情報を聞いた。


少女の名前は「レイア」。

レイナはとある小さな村に住んでいたらしいけど、その村は先日このクロウハード団に襲撃されて村人の数人は殺されてしまったらしい。

しかもやつらは生き延びたレイア達を捕まえて奴隷としてこき使っていたのも分かった。


レイア達は奴隷の証として変な首輪も付けられたらしい。


こんなの僕の居た世界じゃ労働基準法に反するよ!


「なんて酷いんだ!」


「お兄さんたちはどうするの?」


「安心して!僕らは君達を助ける為に・・・」


「そこで何している?」


「しまった!逃げろ!」


追っ手に見つかった!

絶体絶命だ!


「リクト様、ここは私にお任せを!」


「ルルナ!頼んだよ!」


後をルルナに任せて僕はレイアを連れて逃げた。

でもどこもかしこも追っ手だらけだった。


銃まで撃ってくる奴も居たし避けるので精一杯だよ!



ーーーーー



なんとか逃げられた。

でも、気になる事があった。


レイア達を奴隷として操っているのはどうしてだ?

まさか魔法か?

ファンタジー系の話に良く出てくるが、この世界に魔法は存在しないけど・・・。


「ずいぶん派手にやってくれたな!小僧!」


「ん?」


突然エラそうな態度をしたおじさんに眼を付けられた。


「船長!こいつです!例の侵入者!」


船長!?

こいつが・・・?


「おい!そのガキを渡せ!さもないと!」


「あ!く、苦しい!」


「レイア!?」


レイアが急に苦しみだしたぞ?


「ん?」


あの指輪・・・なんか光っている?

まさか、あれがお父様の言っていた危険な力を持つお宝か!?


そうか!


「なら話は早い!」


「なんだ!?いてっ!」


叩きこまれた格闘術を船長に披露して指輪の力を止めた。


「このお宝!いただくよ!」


即座に指輪を奪って僕は船長から離れた。

それと同時にレイアも苦しみから解放された。


「おい小僧!何者だ!?」


「僕はお前たちのような悪人を標的(ターゲット)にする怪盗、スターダストだ!」


いっきに怪盗に変身した僕。

ここから逆転劇の始まりだ!


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