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あれから調べた結果仕事を押し付けているのはラシ兄様を除いて三人で、財務大臣に外務大臣それに医局長だった。しかしその三人はすでに王城からはいなくなっている。
財務大臣は国の予算の横領がバレて大臣をクビになった。多額の横領だったこともあり今も取り調べが続いているらしい。
外務大臣は愛妻家で有名だったが外に複数の愛人を囲っているのが奥様にバレて離婚され、それに怒った奥様の実家からの支援がなくなり破産。大臣を辞任せざるを得なくなった。
医局長は不正薬物の取引をしていたようで、その取引現場を取り押さえられそのまま捕まったそうだ。どうやら屋敷の敷地内で不正薬物を栽培していたようで医局長の家は取り潰しとなった。
国の重要なポストに就いていた人が次々にいなくなったので現場は混乱するのではと心配したが大した混乱はなかったとラシ兄様が言っていた。
どうやらこの三人は普段からほとんど真面目に仕事をしていなかったようで、むしろいなくなったことに喜んでいる人ばかりだそうだ。それに後任も無事に決まったようでなによりだ。
まぁラシ兄様はしばらく忙しそうにしていたけど。
財務大臣と医局長の件はラシ兄様の功績となっている。実際は全部私が手引きしたことであるが私には功績など不要なのである。
事前にラシ兄様には後始末をお願いしておいた。レナルド様に仕事を押し付けて楽していたのだからこれくらいはしっかり働いてほしいと思う。
そしてその三人がいなくなったことでレナルド様の仕事は正常に戻った。
レナルド様は優秀なので正常な量の仕事ならば余裕で時間内に終わらすことができるので夕方には屋敷に帰ってくるようになったのだ。