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My own Sword  作者: ツツジ
本編
40/187

第40話 くろえの地雷

前回。重要ワードが出て、銃突きつけられて、くろえピンチ


「響からの又聞きだから、俺も詳しくは知らないが。魔物を統べ、自身の一部、体液か何かで魔物を強化するとのことだ」

「……私もそういう風に聞いているわ」


 へたに隠すのは逆効果だ。そう考えたくろえは、シルヴァンの言葉に同意をする。それを聞いたシルヴァンは眉間の皺を深めた。


「白々しい……さっさと白状したらどうだ?」

「……どうして、私が『魔族』だとお思いで?」

「逆に聞くが、一年生に擬態した魔物を何故分かった? 貴様の体液で風浦が強化されたとの報告があるが、そんな事例は今までなかった。そもそも、一年前の事件の時もそうだったな。貴様が魔物の寄生を見抜き、その場で全員殺した。助かる可能性を探す間も与えずに。納得のいく説明をしてもらおうか?」


 侮蔑の瞳が真っすぐに突き刺さる中、くろえは口を結び答えようとはしない。それを見たシルヴァンは嫌悪を露わに、言葉を投げ捨てた。


「その態度が、明確な証拠だ」


 はっきりと断言するシルヴァン。くろえは口元に手を当て少し考えた後、再びシルヴァンを見据えた。


「なるほど…………。璃久斗を呼び出さなかったのは?」

「人間の可能性が否定できないからだ。もし、二人共『魔族』だったとしても、貴様の立場が上なら」






「私をどうにかできれば、璃久斗の始末も問題ないとでも? それとも、人質にでもするつもり?」






 食い気味に圧をかけて問いかければ、びくりとシルヴァンの身体が震えた。その反応が答えだとわかったくろえは、無理やり口に弧を描く。




 シルヴァンは勘違いしていたようだ。くろえにとって、璃久斗は自分以上に大切な存在。危害を与えると言う相手に遠慮はしない。




 敵意、重圧、その他もろもろ。沸き上がる感情に蓋をするように作った笑みだが、隠しきれていないのはくろえ自身がわかっている。

 そのままシルヴァンを見つめれば、シルヴァンはわかりやすく硬直した。呼吸が荒げだし、銃口が定まらずに動く。滑稽だと思いながら、くろえは一歩ずつシルヴァンに近づく。


「私も璃久斗も人間よ。ただ、私は普通の人よりも秘密が多いだけ。でも、今は教えられないの」

「きっ……あっ…………!」

「納得はできないって顔ね? そうねぇ……何をしたらいいのかしら?」


 つぅっと、銃口から撃鉄へと指を這わせる。至近距離を通り越し、肌が触れそうなほど近い。だが、シルヴァンは崩れた呼吸を戻すことに手一杯で、銃への意識が向いていない。

 教師といっても、場慣れしていないようだ。くろえはふっと笑うと、自身の服に指かけた。前開きのボタンを一つ、二つと外せば、素肌と下着が徐々に見えてくる。赤らめて動揺するシルヴァンに見せつけるよう、くろえは銃口を谷間の奥、自身の中心へと当てた。ひやりとした冷たい感触が胸に伝わる。

 そして冷静に、シルヴァンへと顔を向けた。


「ほらっ、これで違わずに殺せるわよ?」

「なっ…………に………………!」

「今、引き金を引けば私は死ぬ。貴方の望み通りに、ね。でも…………璃久斗に手を出すことは許さない。それと、私の死後に起きるだろう事象の全てを、責任を取れるのかしら?」


 クスクス笑って煽れば、シルヴァンは真っ青な顔で拳銃を見つめた。顔色が悪いのは、呼吸がし辛いからだけではないとお互いにわかっている。状況の優劣が逆転している事実も、シルヴァンに追い打ちをかけた。

 どうしようもできない状況に苦しむシルヴァン。もっと追い込むべきかというくろえの考えは、僅かに聞こえてきた足音で決行を諦めた。


「フーリエ先生、先程の放送は……!?」


 鍵がかかっていた扉が開き、女性教師が顔をのぞかせる。施錠の時点で何かしら予想はしていただろうが、目の前に入ってきた光景に言葉が止まった。

 この辺りが潮時だ。くろえはすっと身体を離れさせ、先程まで醸し出していた感情をさっと消し去る。そして、いつも浮かべている冷静な微笑みで響に返した。


「シルヴァン先生が聞きたいことがあったみたいだけど、終わったので失礼するわ」


 そう言いながらすでに扉に向かうくろえ。すれ違いざまに見たシルヴァンは、青い顔であり得ないと表情にありありと浮かべていた。

 武器をチラつかせたにも関わらず、威圧されたのだ。これで、自分や璃久斗に害をなす可能性はなくなっただろう。そんな同僚の様子に唖然とする女性教師を横目に、くろえはそのまま部屋を出た。


 ボタンを閉めなおし、外に出たくろえは璃久斗への連絡を取る為にポケットのスマホを取り出した。そこで、逆に連絡が来ていることに気が付いた。


『わりぃ。クソ野郎と話してくる』


 簡潔な文章に、思わず苦笑が零れる。了承の文章を打ちながら、璃久斗の相手を思い浮かべる。あのアレクというモデルだろう。

 詳しいことは知らないが、璃久斗とアレクは知り合い同士らしい。最も、訓練室にアレクの姿を見た璃久斗の顔から、関係は良好とは言い難いようだ。


「……あの子、大丈夫だったのかしら」


 アレクの相手が潰される。そう璃久斗が言った時、アレクを使っていたのは七音の友人だったはずだ。

他の人間と違い、噂に惑わされずにきちんと接しようとした七音には好感を持っている。だからこそ、七音には悲しんで欲しくない。





「…………本当は、私も……」





 もっと話しかけて仲良くしたい。吐露しかけた本音は、急に吹いた強い風で自分自身にも聞こえなかった。

 

谷間の奥に銃口を直当てしてるだけなので健全

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