第19話 地獄絵図
今回が戦闘&グロ回です
苦手な肩はご注意を
場所はどこかの洞窟だろうか。薄暗い土壁を進んでいく女性達。
男性がいないのは、皆、既に刀や弓など各々の武器に形を変えているようだ。かなり大きな洞窟で、横に数人並んでいても余裕があり、天井に至っては人間の倍以上は高さがある。
撮影している少女が状況を話す。場所は森ノ国の大きな洞窟内。数週間前から、近くの現地の人が行方不明になっているらしい。
この国の殆どがジャングル地帯の為、道に迷ったか野生動物の仕業だと思われていた。それが違うとわかったのは、生き残った人の証言。
『洞窟から細長い何かが出てきて、一緒にいた友人を掴み取って奥へと消えた』
この証言から魔物の仕業だと判断、水無月の一部隊が現場に来て原因の洞窟を進んでいるとのことだ。
カメラが捉える部隊の様子は、真剣ながらも、戦闘に対してどこか軽く見ている。そんな様子が伺えた。
突如、耳を突き抜ける低い咆哮が轟いた。同時にズリ、ズリという粘着質の上を動く音が大きくなってくる。女性たちが構える。
そして、進行方向から一体の魔物が現れた。
天井に届きそうな巨体。ナメクジのような胴体から粘液をまき散らし、大きな口から緑色の異臭を出している。顔と思われる部分からは何本もの触手が蠢かせ、赤く濁った瞳は、眼下の敵を見ている。
戦闘が始まった。
近接武器を持った女性は前に、遠距離の武器を持った女性はその場で援護をする。だが、斬撃や矢は体を流れる粘液によって防御された。
魔物が巨躯を捩じる。飛んできた粘液は重さを持ち、援護していた女性を何人も押し潰した。
そのまま衝撃で倒れた女性達の上に広がり、呼吸を妨げて窒息させる。持ち主の死で適合の解けた男性も、粘液を退かす術がなく程なくして同じ運命をたどった。
近接の女性達には、粘液のついた触手が狙う。猛スピードで動く触手が数人を絡め取り、口元へと運ぶ。悲鳴も抵抗もむなしく、ゴリゴリという音とともに魔物の口から血が滴り落ちる。
一言でいうなら、地獄絵図。
その光景がどれくらい続いただろうか。防戦一方だった戦いに希望を持つべく、隊員の一人が後方へ下がり、別の武器を取り出し使い始めた。それを見て、他の隊員も同じ行動をとる。
武器は、適合者ではなく普通の物のようだ。同じ形の手筒だったが、魔物に向けて放った弾はただの金属ではなかった。
雷が迸る、水流が押し寄せる、氷柱が飛び出す。まるで魔法のような攻撃が、魔物へと襲い掛かる。
その内の一つ、火球が魔物に当たった瞬間、初めて魔物が悲鳴らしき奇声を上げた。火球が当たった箇所は黒く焦げており、明らかに効いている。
この魔物は、火が弱点。それに気が付いた隊員達が一斉に火球の手筒を手に魔物へ放つ。
煙を上げて燻る体に喚き、粘液を飛ばしまくる魔物。重い手筒をもいながらも懸命に避け、攻撃をする隊員達。
疲れ果てたのか、魔物の動きが少し止まった。その瞬間、隊員が一人の名前を呼ぶ。カメラも、その女性へとレンズを動かした。
戦斧を抱えた女性だった。その場に立ち尽くし、滝のように汗を流してわき目も降らずに武器に力を込めている。はた目から見れば、まるで祈りのようだ。
準備が整ったのだろう。目を開いてさらに武器を強く握りしめた。瞬間、刃の根元から炎が噴き出し、渦となって刃に絡みついた。女性が走り出す。迷いなく真っすぐ駆け、炎の戦斧を振り払った。
戦斧は魔物の胴を袈裟懸けに斬り裂き、そこから炎が燃え広がっていく。魔物が奇声を上げて暴れても意味はなく、やがて炎は全体を包み込んだ。
炎の中で、黒く焦げた魔物の身体が崩れ落ちていく。それを見ながら、歓声が上がる。
カメラが歓喜に沸く隊員たちを映し、とどめの一撃を繰り出した女性をズームにする。女性は攻撃直後すぐに後退しており、気力を使い果たしたのか適合も解いてへたり込んでいる。
疲れ切った顔でも、魔物を退治できた安堵の表情を隣のパートナーと共に浮かべていた。そこに他の隊員達が次々と周りに集まり、勝利を喜んでいる。
そこで、映像は終わった。
前話の前書きと後書きがごっちゃごちゃになっていました。
すみませんでした!!




