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あにあつめ   作者: 式谷ケリー
壱の章 あにあつめ
9/127

異変



小人たち、携帯民が抜けた後の神くんは、

膝を突き、

そのままうつ伏せに倒れてしまう。



「操られてた、酒呑童子の言った通り…」



この際、

神くんはどうでもいい!

問題は、


《殺せーっ!!》


小さな玄関マットのように密集した小人たち、

地面をスライドしてこちらに這って迫る。


自分の家でこんなのと戦うのはまずい、

けど、

表に出て戦うのもまずくないか!?

人目的に…。


けどもう仕方ない、


逃げちゃえ!




回れ右して廊下を走り抜け、

一目散で玄関へ


アパートの階段へ出るか出ないかで

その小人の集団も家を出た!


人目のつかないところ、

人目のつかないところ、


幸いなことに今は10時前、

子供達は学校へ行き、

大人たちの半分は仕事をしている!


となると…


公園!?

いや、けど待て、

公園は公園でママさんたちがいる…!




階段を駆け下り、

アパートの駐車場へ

そのあたりで一度振り返る、

小人はどこだ!?




あ、あれ?

いない?


何もついてきていない、

右目でもちろん確認してみるが、

見つからない、

どこ?

諦めた?


《諦めるかよ!バカが!》




足元から聞こえた!?

そう、自分の影、

自分の影がもぞもぞと黒く蠢き、


その影があたしくらいのサイズでヌッと立ち上がる


《かかれ!!》


手を伸ばしたその影こそが小人の集団!

そこを伝って何人かが飛びかかってきた!



「うひぇえええ!!!」


もうがむしゃらに刀、現祓を振り回す




《ぐええ!》


《きゃああ!》


《みぎぃ!!》




刀にわずかな手ごたえあり、

目を開くと、

飛びかかってきた小人がちぎれて地面に落ちている、


首や胴、

足なんかがもうめちゃくちゃに



「うっ…気持ち悪い…」


後から考えれば、

そんなに手強い相手では無かったから、

そのままあたしの影のまま斬りまくってしまえばよかったけど…


いくら小さくて妖怪だとしても

命を奪ってしまった…

その、嫌悪感に耐え切れず、


また逃げる。




「ごめんなさい!ごめんなさい!ごめんなさい!」




どこへ逃げようか、

何も考えずにひたすらに走る


走る

走る、

走る?



いや違う…




「飛んでる!?」




階段を2段、3段飛ばしで駆け上がるように、

空中を踏んで、

蹴って、空を飛ぶ



「あっひゃああああ!!!???」



自分でもわからない!

運動音痴で、

そんな、身体能力なんて、並以下なのに!?


なんで!?




このまただとどんどん高く飛んで行ってしまいそう、


下を見るとかなり高いところまで来ている、

自分の住んでいる二階建てのアパートなんかゆうに超えて、


ビルの5階か6階くらいが同じ目線、


怖くなって足を止めた!




すると、

当然のことながら落下する



「やっぱりぃぃいいい!!!!」



そして

地面に着地、


みしみしと音が鳴ったアスファルト。


こちらは無傷、

足もなんともない。


「はあ、はあ、はあ、あたしが、はあ、怖い」



そう、

自分が怖い、

膝に手をつき、

呼吸を整える


「あ、お嬢さん、あの、大丈夫かい?」



しまった…

すぐそばに、

犬の散歩をしているおじいさんがいて、

自分の行動をすべて見られてしまっていた。


「はい、大丈夫、です。」


頭を下げて、

耐え切れずまたその場から思い切り走ってしまった。





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