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あにあつめ   作者: 式谷ケリー
壱の章 あにあつめ
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酒呑童子の刀



《現と戦う資格がある》


そう言われてしばらくした後、

わたしは謎の境内から解放された。


お兄ちゃんの眼で現を捉え、

わたしの血でこの刀を使い、

魂を狩る。


物事はシンプルで、

現を斬れば魂は自動的にこの黒いダイヤのような塊、


"集魂石"に貯まっていく。

それをあの和服男に渡す。



《申し遅れました、私は酒呑童子と申しまして、あちらの女子は使いの、いばらと言います。》


《件もろとも末長いご愛顧、よろしくお願い致します、ほほほ。》



和服男、

酒呑童子と名乗った。

なんだか名前はなんとなく聞いたことがある。



鳥居を出口側へくぐり抜けると、


まあ、

とりあえず現世?

こちらの世界に戻ってこれた。




《うじゅう、うじゅ、うじゅ、》




そして神くん、

朝、突然の無礼な客人との再会。


なんとなくお寺にいた時にわかっていたけど、

戻ってきてもすぐこの問題にぶち当たるんだろうなあなんて。




《右眼で現を見るのです》



酒呑童子には神くんの話もしていて、

神くんは操られて、

兄がいなくなった今、つまらないこそ泥妖怪が私を狙ってやってきたんだろうと言っていた。


ゲームで言うチュートリアル的な相手、

ならこの刀で斬るまで。


右の手のひらをにぎりしめ、

解放する。



《現世で刀をそのまま帯刀する訳には行きませんね?手のひらに埋め込んでおきます故、必要な時に取り出してください。》


神くんは虚ろな目をして、

こちらに近寄る

右眼で確認してみれば、


「見えた!」


薄気味悪いコンクリート色した顔の小人がその肩に乗っている


現の者、

やはり妖怪は存在する!



《そうですね〜、何か漫画やアニメのように、刀を取り出す掛け声のようなものでも決めましょうか。》


《ただ単純に取り出すだけではつまらない、何か馬鹿らしい掛け声を。ほほほ。》



叫んで戦うのは恥ずかしい!

けどここなら誰も見ていないし、

神くんは意識がない。


やってみようか…

やんないと、やられるしね。



「酒呑刀、現祓!」



《やはり日本刀は美しい、現の世を断ち斬るにはこれはうってつけ…。》


真っ白な刃の刀、

何より驚いたのはその軽さ。


昔、社会科見学で行った時に、

江戸時代の後期ごろの日本刀のレプリカをもたせてもらったけど、


ずしりと重く、

映画や漫画みたいに、

いとも簡単に振り回せるようなものでは無かったのをすごく覚えている。



《その刀で人は斬れない、その幼馴染を思いきり振り抜きなさいませ。》



半信半疑は相変わらず、

けどやるしかない、

人に刃を向けるのに抵抗は拭えないけど。



そのもう半分を信じて…



「通り抜ける!!」




がむしゃらに、

目を閉じて、

刀だけは横に向け飛び出してみた。




…。


…嫌な、沈黙、


…振り返る。




《ぼと、ぼと、》


神くんの下腹部をすり抜けて、

大きなミミズのような長ひょろいものがいくつも床に落ちる


あー!!掃除が大変…!

とも思ったけど、

あ、現も常も普通の人には現世では見えないんだった。


なんて、

間抜けなことを考えていたら、




《…人間の、腐れ小娘が、いい気になりやがって》




声が聞こえる…


《殺せ》


《殺せ》


《殺せ…!》



ざわざわと、

森の中で突風が吹き抜けたような感覚、

葉が揺れ、

木が軋む、



神くんは膝から崩れ落ち、


《殺せーっ!!》


大きく開けたその口から、

先ほどの小人が何十も、何百も一斉に飛び出してきた!


「ひええええ!!!」




歯に小さな手をかけ、

喉元から駆け上がってくる小人たち、


その1人1人が小さなノコギリや剣で武装している!!





《現妖怪 携帯民》


《鬱状態に近い、もしくはその状態の人間に取り込み、意のままに操作し、体内で繁殖する。一人一人の戦闘力は弱いが、複数になると手強い》



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