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あにあつめ   作者: 式谷ケリー
参の章 血風からくさ編
119/127

ミアリとメアリ




《ようこそいらっしゃいました、殿平ユリ様。》


《私、この未来堂の主人、名を…》


「酒呑童子でしょ?知ってるわ。」



初めて来た殿平に挨拶した

酒呑童子だが、

その名を知らない清浄会メンバーはいない。



「…通りで、見つけられない訳だ。あんたらのアジト。」


「だって、宵の中にあるんだから。」



キョロキョロと辺りを見回す殿平。


くぐって来た鳥居を触り、

灯篭を眺め、

2つの真っ赤な月を睨む。



《…挨拶は早々にして、酒呑童子殿、早く巫女殿といばら殿を診てもらえんかニャ?》



猫叉のこの一言で皆を

未来堂の中に通して

怪我をした2人を敷いてあった布団に誘った。






そして、

酒呑童子、猫叉、

客人の殿平の3人でどうするかを話し合う。



「…確かに、川上会長に頼めば何かいい方法があるかもね。」


ケイトといばらが川上の元に向かっていた経緯を話す酒呑童子。


「だけど、私ら清浄会が正規のメンバーでもない奴にそこまでする理由は何?」


「ましてや、あんたらは清浄の敵よ?」



清浄会に2年も身を置けば、

妖怪憎しになるのも無理はないだろう。


殿平の言葉に義理や人情は一切ない。




《だが、あなた様はその憎い妖怪の茶を呑める。》


《こうして囲炉裏を囲んで会話ができる、ではありませんか?ほほほ》



殿平は湯呑みを置いて、

1つ咳払いをした。



《…うーニャ、いばら殿はともかく、巫女殿を救うには今、三つ方法があるという事ニャ?》


猫叉が話をまとめるが、


「えっ、あんた!いつの間に猫に戻ってんのよ!!」


人間の姿をやめた猫叉は寝転がってお腹を見せていた。



《あの姿は疲れるんニャ。》


「戻りなさいよ!あの姿に!」


《戻っておる!この姿が元々ニャ!!》




揉める2人をよそに、

酒呑童子が呟く。


《川上殿に策を講じてもらうか、ケイラ様の身体を持つ妖怪を倒すか…》


《薬師様に…》













その頃、


近田たちKKSは…




「…メアリ様、ミアリ様、本題に入ります。」




楽しいアイス会も終わり、


花園の真ん中でテーブルを囲んでいた。




「探して欲しい人物が居ります。」


「2日前にこの街で岩代リカという人物が殺されました。」



そして

胸ポケットに入れてあった顔写真を取り出し、


メアリとミアリに見せた。



この時、

比村の表情がこわばり、

手足が震える。




見せられた写真を手に取り、

2人仲良く肩を寄せ合って

じっと見つめる。


そして、


《見返りは?》

《見返りは?》



ミアリとメアリは同時に言葉を放つ。




ここで神が気づく、


(この2人はどんな事でも分かる力を持っている、だがその見返りとして何かを求められる、だからこんな所で身を隠し、それを種に富を築いているのか。)




近田は笑って、


「見返り、ハハッ、勿論。」


「何でもおっしゃって下さい。」



その笑みに笑みで返して、


《王さまに。》

《王さまに。》


ミアリとメアリは真っ白な天井を指差した。




「ハハハハッ!お安い御用です、ああ良かった。」


「もっとひどい無茶振りが来るかと思いましたが、ああ良かった。」


近田は喜び、

神と比村の肩を叩く。



しかしその2人は話が見えない。

それは言わずとも

顔がそう語っている。


ならばと、




「王さまになるんだよ!さっき見ただろ?」


殺試合夢(ころしあむ)の、王さまに!!」




善は急げと、

ミアリメアリに挨拶して、


近田は神と比村をエレベーターに乗せる。




エレベーターが動き出し、

先程居た階層まで上昇している間に

殺試合夢の説明する。


「いいか?殺試合夢は一晩で行われるトーナメント戦だ。」


「出場選手の数だけ試合が組まれる。」


「俺たち3人が出場して勝ち上がればいいだけ。準決勝はこの中の誰かと誰かが試合する事になるから、どちらかを勝たせて決勝進出。」



準決勝のもうひと試合さえ勝てば

事実上の優勝で、王さまになれる。


そこまでは流石に神も比村も分かるが、



「相手の強さも、ルールも、僕はわかりませんよ?」


「比村さんと同じです。近田さんはわかってるかもしれないけど、そんな簡単な事とは思いません。」



そしてエレベーターが到着し、

扉が開く。



「ったく、お前らは本当にネガティブな奴らだな。」


「レベル10の妖怪を倒した奴が何言ってるんだよ。」


「あのトレーニングより強い化け物なんかそうそう居ないよ。」



奇しくも、

ダイダラボッチを倒した神、

大嶽丸を倒した比村、


この2人がいる。



「しかしあれは、みんなの協力があって、初めてそうなっただけで。」


「そうですよ!1人じゃ無理です!」



否定する2人の前に手のひらを出して、


「わかったわかった、謙遜する気持ちは分かったよ。」


「けど引き受けてしまったんだから、出るしかないな。」



それはあんたが勝手にそうしただけだろ、

2人は言いたかったが、



「俺たちが頑張れば、岩代リカの犯人が分かるんだ。分かれよ、呑めよ、な?」




その話が出て、

首を横に振るクラスメイトは1年ろ組にはいないだろう。


神と比村はお互いを見つめて、

ため息をついて、




「じゃあ、近田さん、詳しい話をして下さい。」


近田の話を了承した。






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