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あにあつめ   作者: 式谷ケリー
参の章 血風からくさ編
118/127

変化!猫叉!




背中を大きく負傷したわかば、


だが

それより深刻なダメージは、セブンス。



「かっ…ごっふ…」


ケイトに喉を貫かれた。

呼吸しようとすれば

それは水の中で行うが如く、


気道が血で塞がり、

それをままならなくする。


二酸化炭素も吐き出したい、




ならばこうだ、


「…っ!!」




妖力を喉に集中させ、


筋力を高めて

その穴を敢えて空けておく!!


無理矢理に拡げる!!




「ぶしゅ、ぼじょぼじょ…」




喉に溜まった血を流し落とし、


セブンスは血まみれの歯を

ケイトたちに見せて笑う。


この笑み、悪魔の笑み…!!




自らで自らの傷口を拡げる行為が、


何の痛みも伴わない訳がない。


想像を遥かに超える激痛、

その凄まじさで逆に笑むのか?

それとも、まだ余裕という?




この狂った行為が、


わかばに活力を与える。




「…あんた。」


一度死を覚悟した、

だが、

この馬鹿(セブンス)はまだ戦うつもり、


諦めていない。




背中はもちろん痛む、


だが、

そんな事、セブンスの前で口が裂けても言えない。




ますます勇気が湧いてくる、


覚悟がわかばの中で

ガチガチに凝固していく。



「どちらが疾いか試そうか」



わかばの腕の中に出現するポンプアクションのショットガン!


ケイト、殿平の剣か、

自らの散弾か、





ケイトと殿平の太刀が

線になってわかばの鼻っ柱に伸びる。


わかばの細長い人差し指も

引き金にかかって

曲がるたびに力が込められていく、



その刹那、

セブンスがわかばの脇腹を抱えて飛翔する。



(すんで)で両者の攻撃が外れて、

今夜の

大きな月がセブンスの身体に隠れた時、


それを見ていた俥の頭部は

セブンスの飛んだ足に

自らの舌を伸ばして巻きつける。


星の子たちが退却する!!




それを穴の底から見ていたいばら、


最後の力を振り絞り

起き上がって、

1発だけ自らの剣閃を空に向かって振るうが、




「…今戦ったら、オイラがもたねぇ…!」


逃げる理由を呟くセブンス達には

直撃する事なく、

遠くへ遠くへ、飛んで行った。





「…逃げ、た。」


ケイトは刀を振るった体勢のまま、

前に倒れて

うつ伏せになってしまった。


「お、おい、大丈夫かよ!」


殿平がすかさず抱き抱えるが、

ケイトは気を失い

応答しなかった。




その始終を見ていた酒呑童子が腕を組み、

唸るように呟く、


《…ケイト様の、眼が死んだ。》




そばにいた猫叉も勿論その言葉を聞き、


理由を尋ねようとした時、




《猫叉殿、申し訳ありませぬ、今すぐケイト様といばらの元へ参じて貰えぬか?》


酒呑童子は未来堂に縛られた身、


猫叉は迷う間も無く

未来堂外の鳥居をくぐる。


鳥居の向こうは勿論

主戦場、




《ケイト殿!巫女殿!!》


猫叉がすぐ倒れこむケイトに近づくが、


殿平が突如現れた猫叉へ、


「妖怪、動くんじゃない」


刀を向けて

敵意を表す。



《あんたには何もしニャい!》


《この巫女さんと、向こうにいる娘さんに用があるだけじゃ!》



当然、

猫叉は敵ではないとアピールして見せるが、


「いきなり現れて何言ってんの!?」


「しかも、あんたみたいな妖怪が、この、あたしに!!」



殿平も

清浄会の従者(サーヴァント)だ、

魑魅魍魎の類は全て敵なのだ。



《んニャ〜この娘さんは相当手強いのお…



困った猫叉は仕方なく、

強引にケイトを連れて行く事を決める。



《この身体で連れて行くのは無理ニャ、と言うことで変化!!》



猫叉は

短い手を器用に使い、

印を忍者のように結んで

自らの身体から煙を勢いよく舞い上げる。



「ハッ!?やっぱりヤる気じゃん!!」



刀を構えて、

猫叉へ振り上げたその瞬間、


煙が晴れて

殿平の剣が止まった。



《娘さん、元気なのは良い事ニャが、》


《ちぃと活発すぎやせんか?》



術煙から現れた、

容姿端麗でスリムな男、



《…事を急ぐでな、娘さん、御免。》



猫の姿から人に化けた猫叉は、

殿平に会釈し

ケイトを肩で担いで


いばらのいる大穴に踵を返した。



「…あ、あ、」


あまりの出来事に驚いているのか?

殿平は動かず

言葉が出ないが、



数秒経って我に返る。




「うひゃああ!!う、うえっ!!えええ!!」


顔を赤面させて

足踏みをたくさんバタバタした後、


超人的な速さで大穴に飛び込み、



穴の中にいた

気を失ういばらを抱きかかえて

すぐに飛び出し戻ってきた。



「あ、貴方のような素敵な殿方に、わたし、何て失礼な事を…!申し訳ありません!」


「お手、お手伝いします!!ご用はこの2人だけですか?私は?大丈夫ですか?」




急な殿平の

大手のひら返しに

ついていけない猫叉だったが、


敵意が無くなった事に喜んで、



《あ、ああ、かたじけない。》


《では貴女にも未来堂へ来てもらおうかニャ。》





猫叉は集魂石に妖力を込めて、


ケイト、猫叉、殿平、いばらを未来堂へ

吸い込ませた。




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