星の子
いばらが 星 と呼んだ組織、
それは
Seventh starsと呼ばれる、
狩りを専門とする戦闘集団の事だ。
ターゲットは妖怪は勿論の事、世界中に存在する魑魅魍魎全てが対象となる。
その対象、鬼の酒呑童子やいばら、
鬼切丸や百鬼夜行のメンバーも知る世界的な組織である。
余談だが、
「妖怪退治はお手の物〜お電話ください!」
「0120〜ヨウカイタイジハセブンススター♫」
から始まるCMは
youtubeで100万再生を突破している。
(だが一般の人たちにはなんのこっちゃわからない。)
結界の割れ目から
いばらと俥の元へ降下してきたSeventhの2人。
1人は白髪の顔に無数の傷を持つ青年、
そして
若い、背の低い女。
「俥ぁ、わっちが来たからもう安心だぞ!」
白髪が手のひらに拳を打ち付け、
いばらに敵意を見せる。
もう1人の女は俥へ寄って、
「悪運の強い奴…」
と、
俥の頭をつま先で軽く蹴った。
「痛たた…わかば、お前を残して死ねるかよ?」
「いや、あんたはさっさと死んで欲しい。」
そして向き合ういばらと、
新手2人。
俥に わかば と呼ばれた女は早速
スマートフォンをどこからか取り出し、
そのカメラのレンズを
いばらへ向ける。
「…ふーん、どれどれ…3000万、か。無傷だから俥の取り分なしの、セブンスと山分けで半分、ローンの返済にでも当てよかね。」
「ん?3000万!?ひえ〜日本にまだそんな凄いのがいたんか!」
「そりゃ何匹かはいるでしょ?妖怪発祥の地ナメんなよ?バカなの?」
どうやらわかばは何かのスマホアプリで
いばらを見て、
戦闘能力を数値化(金銭化)し、
それをセブンスと呼ばれた白髪
が
聞いて驚いたようだ。
だが、
そんなことは御構い無しに、
いばらは刀をセブンスに向け、
そのきっ先に妖力を込める。
「セブンス来るよ!?」
わかばが声を上げるが、
「わーってる!」
セブンスは気づいている。
そして、
溜めた妖力を発射、
案の定、
セブンスへ真っ直ぐ走る緑色の剣閃。
それを
回避だと間に合わないと判断、
両腕をクロスさせ、
防御、
激しい金切り音を1つ放ち、
「うひゃあ〜痛ぇ〜」
その剣閃を明後日の方向に
弾き飛ばして防御に成功する。
しかし、
1つではない、
《……!!》
狂ったように刀を振り回すいばら。
だが、
それは狂気にかられた錯乱ではなく、
重ねた攻撃、
一振りするごとに
先ほどの剣閃が飛び、
セブンスの防御へ向かって行く。
「…ぐおっ!?ぐおおお!!!」
1つガードしただけでもその衝撃や反動、
痛みは十分なのに、
それが何度も何度もやって来る。
弾き返してはいるものの、
次第に両腕が下がり、
後退、
そして、
「ぐああああ!!」
突破。
わかばの足元へ吹っ飛び、
倒れこむセブンス。
「どいてなよ、次はあたしが試す。」
どこからか出現させた2個の手榴弾、
そのピンを
既に外しており、
いばらへ投擲。
ちょうどいばらの1m弱でそれは
落ちて跳ね、
爆発。
しかし、
これで済んだとはわかばも思っていない。
また新たに
両手にアサルトライフルを出現させて、
肩で構え、
片目で狙いを絞り、
引き金を引く。
小気味の良い発射音と共に
5.56ミリの鋭い銃弾たちが
剣閃のお返しとばかりにいばらへ向かう。
爆風で舞った煙や粉塵が過ぎ去る頃には
いばらへ
銃弾が到達。
ありとあらゆるいばらの肉に食い込み、
貫こうとするも、
いばらの肌には二重の妖力で防御が纏われている、
その為、
《…。》
無傷、ただ跳ね返すのみ。
「…だろうね!わかってるし!」
撃ち方をやめて、
付いていたマガジンを外して捨てる、
そして
また新しい赤色のマガジンをどこからか出現させて
装填。
また狙い、
撃とうとした時、
いばらとてただやられっぱなしではない、
先ほどと同じく剣閃をわかばに飛ばすが、
「早く撃てぇ!!」
すかさずセブンスが前に立ち、
かばうように盾となる。
すると、
煙のように黄緑色の妖力が
わかばの身体から
ふわりと立ち上る。
そして、
スコープを覗くその右眼の瞳に
まさに
スコープの座標軸が浮かび上がる。
「…スキル発動、"必中"。」
そして
引き金を、引く。
先ほどと同じく
フルオートで発射された銃弾だが、
向かう先は1つ!
1箇所のみ!!
《…。》
いばらの左肩に食い込む銃弾!
だが
その1発では二重の妖力壁を突き破れない。
ここでわかばの特殊能力、スキルが光る。
食い込んだその1発が弾け飛ぶその前に、
次の2発目が1発目を後ろから押し込む!
更にはその2発を3発目が押し込む!
4発目が押し込む!!
5発目が!!
6発目が!!
楔を打ち込むように
同じ箇所にどんどん銃弾が集まって
強烈な1点射撃となり…
「…よし!」
その肩をとうとう貫通、
突き抜けた衝撃で
いばらの半身が後退する。
「逃さない…次は眉間!!」
舌舐めずりをし、
いばらの額に照準を合わせるわかば。
セブンスも攻撃が止んだ瞬間、
ガードを外して
上体を低くし
駆け出していばらへ突貫する。
「…っしゃああおらあああ!!!」
いばらに迫る選択肢、
わかばの射撃を防御し、
セブンスと対峙するか?
セブンスを流して
わかばを狙いに行くか?
…それとも…?




