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あにあつめ   作者: 式谷ケリー
参の章 血風からくさ編
106/127

KKS、動く 2




大理石で出来た白い豪華な特設ステージ、


そこでは

脚を折られ、

ぶん投げられて

身動きの取れない人間が、


今にも

図体のでかい妖怪に

喰われそうになっている。




「お、俺はこんな事…!!聞いてないぞ!!」


「ちょっと戦えば…!!大金が手に入るって…!!!」





その

絶体絶命人間が

ステージ下段の人間たちに

何かを叫んでいる。


すると、

それを聞いた実況役のアナウンサーが

その声をかき消すかのように


「世の中そんな甘い話があるわけがなああああああい!!!!!」


と、

マイクに向かって声を張り上げて

スピーカー越しにその音声を観客に伝えた。




すると、

客席の観客たちは総立ちとなり、


《殺せ!!》


の大合唱!!




それはもちろん3人にも届いている。




「ああ、膝蓋骨、脛骨、腓骨全て露出してますね…あの足じゃもう…決着ですが…?」


比村が隣の近田に呟くが、

返ってくる答えは大体察しがついている。


「ああ、だが決着ではない。」




すると神が、

柵に足をかける。


「助けます…!!」




それを

近田がすかさず手で遮り、

制止する。


「馬鹿か?俺たちの目的を忘れるな。そんなことしたらどうなるか、大体でも想像がつくだろ?」


「しかし!あの人は知らないでここに来たと今言っていました!!」



人間を殺せとコールする観客が、

この戦いに水を差されればどうなるか?


そんな安易なことは誰にもわかっている。


だが、

今回の目的はそれではない。



「本当に馬鹿なようだから教えてやる。」


「お前が助けに入ったら、あの人間は反則負けとなり、どのみち死ぬ。」


「ましてやその邪魔が清浄会の人間だとしたら、今俺が考えている計画も全て水の泡となり、からくさ街には永遠に妖怪が跋扈する事になる。それがわからんほどお前は馬鹿か?」



しかし、

ここまで近田が言っても

神は納得しない。


比村はため息を吐いて、




「"あの人"は助けるのに、あの妖怪は助けないのですか…?」




神は図星を突かれる、

だが、


「あ、あの妖怪は優勢…!」


「それは、神さんのエゴですよ…。」



すぐ切り返される言葉、


そして、



中島の断末魔が会場中に響き渡り、

無残な肉塊と化した。




「神、お前が助けに入ったところで奴は救えたか?俺は、結果は同じだと思うぞ。」


更に、

神の眼前に人差し指の先端を近づけて

近田が言い放つ、


「お前を置いて行こうか!?綺麗事の討論しにここに来たんじゃあない!!」




ここで


アナウンサーが次の戦いのアナウンスをする。





「…まあいい、行くぞ。」


近田たちはアリーナの階段へ向かい、

下層へ。








その頃、

ケイトはいばらと共に自宅に居た。


《あたしは学校に行って様子を見てくる。》


《あんたはここで休んでなよ。》



しかし、

ケイトはいばらの服を掴んで離さない。


《…だったら一緒に行く?》




ケイトは

赤ら顔でうなづき、


そばにいたい事をアピールした。




ここでいばらが思いつく、


《…ん、たしかに、あの川上(バケモノ)なら何か良い治療法を知っているかもね。》



ケイトは

動かない右腕を左腕で抱いた。


「…ごめん、お荷物にはならないから…。」




いばらはじっとケイトの顔を

見つめた後に、


《あんたは荷物だよ。》


だが、

と前置きして、


《大事な大事な、守り抜かなきゃならない大切な荷物だよ…。》








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